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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2001年09月30日

tpt『ガラスの動物園』09/01-30ベニサン・ピット

 私いちおしのtpt(ティー・ピー・ティー)の公演です。なるべく欠かさず森下まで通うようにしています。実力の或る役者さんを使って、世界でも有名な演出家が、敏腕スタッフとともに名作に腕を振るう。毎回色んな面で楽しめます。私は特に舞台装置を楽しみにしています。

 『ガラスの動物園』はアメリカを代表する劇作家、テネシー・ウィリアムズ31歳の頃の作品で、彼の自伝的要素が色濃く出ています。登場人物の設定は彼自身の家族とほぼ同じです。1930年代の世界大恐慌下のアメリカはセントルイス、ある古びたアパートに住む家族のお話。

 『欲望という名の電車』『地獄のオルフェ』と同じく、心の奥を根底からぐいぐいと揺すぶられるような気持ち。喪失、挫折、憎しみから生まれる差別、そして愛。テネシー・ウィリアムズさんの脚本って本当に素晴らしいと思います(私が言うことじゃないんですが)。観るのはけっこうつらいけど、大好きです。

 右足の不自由な姉ローラ(富田靖子)と青年紳士ジム(みのすけ)が語り合うシーンが良かった♪純粋ですよねー・・・・あのシーンのためにこのお芝居はあるんだ!と強く思います。人間同士が心から求め合って触れ合うこと。その素晴らしさって世界共通だと思います。富田靖子さんとみのすけさんの声が本当に素晴らしかったの!二人の心がその瞬間、一点の曇りもなく澄んでいた。だから奇跡は起こったんだと感じられました。

 母親役の佐藤オリエさん、いつも通り確実でコミカルでかっこ良かったです。でも評判ほどではないと思いました。だって・・・「いつも通り」なんだもん。もっとはじけた激しさが欲しかったな。
 山本亨さんが足の踵(かかと)を骨折されたので、息子トム役は急遽、松本きょうじさんになっていました。松本さん、劇的に少ない稽古時間(4~5日?)でよくあんな重要な役をやりきられたなー・・・すごい。でも、荒くれたところがあまり自然じゃないんですよね~。やんちゃに見えない。ただの暴力に見えちゃう。やっぱり山本さんで観たかったです。ぐすん。

tpt(Theater Project Tokyo):http://www.tpt.co.jp/

Posted by shinobu at 01:39 | TrackBack

2001年09月29日

第三舞台『ファントム・ペイン』ル テアトル銀座09/14-10/1

 第三舞台10年間封印公演ということで。観に行けたことにまず感謝。

 そして第一に言いたいことは・・・・『スナフキンの手紙』の続編なら、最初からそう言ってくれ!!!思い切ってタイトルを『スナフキンの手紙2~ファントム・ペイン~』にするとか!・・・それくらい完璧な続編でした。
 ※これから観られる方はぜひ開演前にロビーで流されているVTRを観てくださいね。

 あと、第三舞台の過去の作品の総集編(ダイジェスト)のような色合いが濃く、「お約束」満載。知らない人も楽しめないわけじゃないが、知っている人ほどは楽しめない公演です。コレ断言。こんなことを最初に書かなければダメだという時点でお芝居自体についての純粋な感想を持つのは難しいですよね・・・・。

 いえ、でも感想は決して「面白くない」「つまんない」とかじゃないです。不要なシーンやセリフがあったとも感じましたが脚本にはステキなセリフがいっぱいだし、好きな役者さんもいっぱいだし。ただ、のめり込むことはできませんでした。最後まで観客になることができず冷静にお芝居の顛末を見届けてしまいました。味わうというよりは確認という感じですね。

 うーむ・・・・それって楽しいと言えるのか?かなり演劇オタク的な見方ですよね。ヤだな。鴻上さん手書きの「ごあいさつ」の影響もあるかもしれません。メタ思考とか書かれてるんだもん。

 ただ、観終わった後は本当に気持ちは充実していました。「20年前から頑張ってきて、今も頑張っていて、そしてこれからも頑張っていく人たちがいる。」それを体で感じることができました。それを伝えてくれただけで「ありがとう」の言葉しか出てきません。アンケートにも思わず「鴻上さん、ありがとう」と書いてしまいました。私の気持ちも伝えたくなったので。

 あ・・・・・そっか。
 第三舞台って双方向なのかも。
 自分達から発信するだけじゃなくて、同時に観客のレスポンスの待ち受け状態でいてくれる。そしてそれをしっかりと受信して、またそれに対して発信する。そのコミュニケーションを守ってくれているから、だから、また観たくなるのかも。

サードステージHP : http://www.thirdstage.com/

Posted by shinobu at 01:32 | TrackBack

2001年09月28日

MONO『約三十の嘘』09/27-30シアタートラム

 しのぶいちおしの劇団、MONO(モノ)の第28回公演です。再演なんですが、金替康博さんという役者さんが今回は(青年団客演のため?)出演されないので、脚本は大幅に書き換えられたそうです。

 楽しかったな・・・・・。
 なんか、昔からの知り合いに久し振りに会って、みんな元気にしてて・・・って感じ。

 それほどMONOのことを知らないにも関わらず、そんなことを思ってしまいました。いつもの土田英生さんの脚本・演出で、いつもと同じ役者さんが劇場で私を迎えてくれる。それを期待して毎回欠かさず通う。MONOに会いに行く。そんな間柄です。勝手に(笑)。

 札幌から北海道に向かう寝台列車の車内。詐欺師チームの密会。行きと帰り。佐々木役の水沼健さんが良かった・・・。ほんのり恋? いや実は騙し? でも・・・っていうのがすっごく。女優さんお二人、前回と全く違うルックスでしたね。色っぽくて悪そうで良かった。

 今回の舞台美術は役者の奥田泰彦さんじゃなかったので随分違う感じでした。大胆な装置だったなー、冷静に振り返ると(笑)。少しだけ難を言えば、色使いとか木の処理とかがちょっぴり雑だった気がします。

 敢えて挙げるとこんな感想になるんですが、正直なところ、誰が良いとか上手いとか、装置とか音響とか、そんなに気にならないんですよね(良いし、上手いし、ちゃんとしているから気にならないのでしょうが)。MONOがステキだから。MONOが優しいから。それで満足です。

作・演出:土田英生 
出演:水沼健・奥村泰彦・尾方宣久・土田英生・西野千雅子・増田記子
MONOのHP → いちおしさんに登録してあります。

Posted by shinobu at 01:45 | TrackBack

2001年09月27日

バイエルン国立歌劇場『トリスタンとイゾルデ』09/26NHKホール

 リヒャルト・ワーグナー台本・作曲のドイツ語オペラです。1986年初演。

 疲れた・・・・・。

 夕方5時開演で2度(各40分)の休憩をはさみ、終わったのが10時20分。ということは計5時間20分!?もー・・・・最後の方は何が何だかわからなくなってました。トリップしてましたね。ここはどこ?みたいに。

 私、どうやらワーグナー苦手のようです。初めて観たのが『ニーベルングの指輪』シリーズの「ラインの黄金」だったのですが、壮大すぎて難解で、音楽も決して耳に入ってくるのをそのまま楽に味わうのではなく一緒に考え、自ら問い掛けて苦悩するような・・・。決して楽しめないんですよねー。「ドイツ人は気難しい」とかよく一言で表現されるけど、きっと本当にそうなんだろうなーと思っちゃいました。

 それでも今回「トリスタン・・・」のチケットを取ったのは、やっぱり有名だからです。来月のク・ナウカの最新作がまさにこの作品を元にしたものだし♪

 物語はトリスタンという騎士(?)と王女イゾルデの悲恋の物語なんですが、コレがめちゃくちゃ入り組んでいて皮肉で、そして情熱的で官能的。で、やっぱり壮大。さすが本場の歌劇場メンバーということでソプラノ、バリトン、テノール、いずれの歌い手さんもめちゃくちゃ上手かったです。誰一人として不愉快な声の人がいなかったのは、実ははじめてかも。

 しっかし40分間の休憩なんて初体験でした。しかも2度も!それほど舞台が大々的に変わっていたわけじゃないのになー・・・。やっぱり歌い手さんの疲労が並みじゃないからかなー・・・。それほどワーグナーのオペラって大変そうだと思いました。休みがない!曲の終わりがない!人に話すセリフと、自分の感情を吐露する歌詞が同時並行なのでとにかく歌い続けます。第3幕のトリスタンなんて、一人で30分は歌ってたんじゃないかな。こっちもフラフラだよ。しばらくワーグナーはお休みしたいですね・・・・。

日本舞台芸術振興会:http://www.nbs.or.jp/
バイエルン国立化劇場(ドイツ語):http://www.staatstheater.bayern.de/staatsoper/

Posted by shinobu at 01:43 | TrackBack

2001年09月26日

泪目銀座『LOVER SOUL』09/21-10/14シアタートップス

 元・東京サンシャインボーイズ所属の福島三郎さんが作・演出をつとめる泪目銀座(なみだめ・ぎんざ)、通称ナミギンの第9回公演です。

 『夢から覚めても』『OVER THE CENTURY』に引続き3度目の観劇になるのですが、毎回なみだボロボロに泣かされています。今回も類に漏れず・・・く~っっ!
 ・・・ラブですよ・・・・ラブ!LOVE!!やっぱり人間には恋が必要なのっっ!!! さあ、命短し、恋せよ乙女!おのこ!!と、改めて心に刻み込んじゃいました。

 ある大病院が舞台。私は病院って本当に苦手なんです。だから、けっこうリアルな病院&入院患者の設定だったので最初は苦しかったのですが、タイトルの通り恋人の魂がテーマなっているので、もうそこに没頭するあまり医学なんて吹っ飛びました!

 あー・・・なんて優しいの!?たしかに「ベタな設定だ」「新しさがない」等と指摘されたらそーかもしれません。でもベタだろうが、ありきたりだろうが、セリフが臭かろうが、恋はステキ。命は輝いている。そこを素直に伝えてくれるのが偉大だと思うのです。これこそ老若男女を問わず共感できること。人間ってやっぱり感情を持つ動物なわけで、それを無理に抑える必要ないんだなって思いました。むしろ理性と感情を両方発揮させなければ、楽しい人生は送れないんじゃないかって。

 シアタートップスという狭い空間にすごい役者さんが勢ぞろい。なんという贅沢!!携帯電話の電源を切るように伝えるアナウンスがめちゃくちゃしつこかったのも納得です。

 渡辺いっけいさん、惚れました。かっこ良くって大人!!笑いもシリアスも何でも来い!ですね。
 “いぼぢ”役の相島一之さん、瞬発的に怒るところがすっごく巧い!とにかく上手い・・・すごい・・・・。
 チーフ看護婦役の森若香織さん、舞台出演は2度目だそうですが、もう大女優の貫禄。魅力的です。
 もう一人の看護婦役の柴山智加さんはちょっと・・・・私にはダメでしたねー。ホレられる人に見えないし、森若さんとの上下関係も見えないし。「夢から覚めても」での妹役は良かったですけどね。

Posted by shinobu at 13:35 | TrackBack

2001年09月24日

シアター21『おばかさんの夕食会』世田谷パブリックシアター09/21-30

 1999年にシアターコクーンで大絶賛されたコメディーが早くも再演されました。役者さんも全員同じメンバー。
 いやー・・・・・笑いすぎて疲れきった・・・も~お腹も顔も筋肉痛になっちゃいそう!!

 初演が最高に面白かったので、再演と聞いて迷うことなくチケットを取りました。初演と比べると、細かい演技やセリフのニュアンスが変えられて、こなれていて、もっともっと面白くなっていた気がします。本筋と離れたところでの演技とかね。うぷぷーーーっっっ!思い出しただけで吹き出しちゃうっ(笑)。

 美術も前回に引続き倉本政徳さんという方の作品だったのですが、細かく変化してましたねー。壁にかかっている絵とか、B&Oの電話とか、窓から見えるエッフェル塔とか。
 主役のピエール(陣内孝則さん)がよりイヤな奴に見えて良かった(笑)。
 ”おばかさん”フランソワ役の辻萬長(つじ・かずなが)さん、本当にあんな人なのかと思っちゃうほどリアル。こまつ座の方なんですよねー・・・・新国立劇場で2度ほど辻さんの演技を拝見させていただいたのですが、ものっすごく渋いおじさんなんですよーっ。逆に言うとフランソワが超当たり役??
 ピエールの奥様役の神野三鈴(かんの・みすず)さん、シアター21に続いて出演されてますね。美しい・・・・かなりお気に入りの女優さんです♪

 それにしても本当によく出来たコメディーだと思います。シチュエーション・コメディー、かな?この作品を上質の喜劇の基準にしてこれからのお芝居を観てしまうほど。とにかくお薦めです。何も考えないで劇場へGO!


【観劇掲示板時代のレビューですので、書き込んだ方へのお返事になっています】

 大角健士さんへ
 書き込みをありがとうございます!!また劇場でばったりお会いしたいです♪

> ちゃんと芝居で笑わせられるのはすごいですね。
 そうですよねー・・・決して脚本に書いてあるネタとかじゃないんです。演出と演技で新しく生み出しているんですよね。私も素晴らしいと思いました。

> でも陣内さんの声はちゃんと最後の日まで持つのかなあと・・・
 確かに大きく声を張り上げているシーンが多かったですね。陣内さん、去年より断然うまかったなー・・・。細かいところが着実にウケるように作られていて、それをきっちり身に付けられていたと思いました。

 ジャズ・ピアニストの小曽根真さんが客席にいらっしゃいました。小曽根さんはシアター21の前回公演『おやすみ、こどもたち』で音楽を担当されていたんです。またシアター21ででも、ひょうご舞台芸術ででも、出演(音楽担当)して欲しい!

作=フランシス・ヴェベール 翻訳・演出=鵜山仁
出演=陣内孝則、辻萬長、神野三鈴、白木美貴子 ほか
(東京/世田谷パブリックシアター、大阪/近鉄劇場)

1999年のひょうご舞台芸術第18回公演の出演者:陣内孝則 白木美貴子 神野三鈴 田代隆秀 塾一久 織田俊樹 辻萬長
RUP:http://www.rup.co.jp/
世田谷パブリックシアターHP : http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/

Posted by shinobu at 01:21 | TrackBack

2001年09月15日

松たか子主演『セツアンの善人』赤坂ACTシアター09/04-16

 ドイツの劇作家ベルトルト・ブレヒトの作品です。串田和美さんの演出で去年、新国立劇場で上演されたものの再演で、高橋克典さんの役を今回は岡本健一さんが演じられています。「三文オペラ」のように音楽劇でしたね。cobaさん作曲の民族モノっぽい音楽の生演奏でした。

 松たか子・オン・ステージ!・・・・でしたね。一人で歌うし一人だけ二役やるし。もー・・・彼女のためだけの舞台っていう感じ。それでACTシアターが満員なんですから、そりゃーそうあるべしですよね。演技は巧いな~と思いました。歌舞伎っぽい感じとかさすがだなーって。声色とかも。
 でも、なんで、こんなに後味が悪いのでしょうか・・・。
 理由は・・・単に私が松さんを苦手なだけっ♪ 単なる個人的嗜好ですね、ハイ。すみませんっ。

 串田さんっぽい演出でした。『VOYAGE』@シアターコクーンに似てます。なんか生っぽく演じて、それも計算というか。それぞれ役者さんも演奏者さんも進んで自由気ままな空気を作ってる。でも、それってもうちょっと小さな劇場でやらないと、お客様との一体感を出すのは難しいですよね。新国立劇場での公演を観たかったです(噂によると今回の方が面白いそうなのですが)。

 外国人の日本語と日本人の日本語の融合・・・とかも狙いらしいのですが、私にとってはただバラバラで野放図、というイメージを受け取るに留まってしまいました。いや、それも劇場が大きすぎるというのが大きな要因だと思います。

 前半1時間30分、20分の休憩を挟んで後半が1時間20分。長いです。前半、1時間ぐらい寝ちゃったかも(笑)。でも後半はどんどん盛り上がって、岡本さんも良さが発揮されてきて、いつもの串田さんの演技にも慣れてきて、お話の中に入っていくことができました。

 魅力的なシーンや巧い演技、心地よい音楽、息のあったアンサンブルなど、「良い」ところがいっぱいあるのですが、それが空中分解したままな感じ。そう、そんな公演でした。

Posted by shinobu at 23:43 | TrackBack

2001年09月10日

KERA・MAP #001『暗い冒険』(北)08/30-09/16ザ・スズナリ

 南プロに続き、北プロを観てまいりました。狭いスズナリが相変わらずの超満員。活気あるんだなぁ~小劇場界。身体的なつらさが限界に近いのにちょっと嬉しくて微笑んじゃう感じ。
 分厚いチラシ達の中に映画のチラシが5枚ぐらい折り込まれていたのもすごく嬉しかった。だって小劇場演劇を作る人、そして観に来る客が、映画を観に行く人と重なっているということですもんね。

 こういう場合は南バージョンと北バージョンを躊躇することなく比べられるのでニヤけちゃいます。そして、私はは南の方が良かったです。2時間半なのに長く感じなかったし、ストーリーにも入っていけましたから。
 北は最初から「これはストーリーはあんまり関係ないんだな」とわかってしまう作りだったと思います。そして南の方はイタリアの匂いを感じられたのに北の方は地球上にない架空の場所という感じでした。あと、映像が南の方が凝ってましたから。写真付きで。こりゃわかりやすい。でもなんで北は写真がなかったんだろう?

 サモ・アリナンズの小松和重さん、めちゃくちゃ色んな役されてましたねー。 南プロでは小村祐一郎さんがやっていたカルロ(殺し屋)役だったので比べるのがすごく楽しかった。さすがです。あざやかでした。細くて背高い。

 アルダ博士のスチュワーデスの愛人役の中込佐知子さん、CMにも出てらっしゃる美人女優さんのようですがキレイでした。上手だし。北プロの女優さんの中で一番好きでした。

 双数姉妹の小林至(こばやし・いたる)さん、ストーリー・テラー的な役をされてましたがイマイチでしたね。でも『日替わりの森』で一番生き生きしてらっしゃいました。爆発が良い。

 ベターポーヅの加藤直美さん、今まで観た中で今日の彼女が一番好きでした。やっと魅力がわかったかも。

 あー・・・・疲労困憊。でも、南プロに続き、思いっきり笑いました。でも、南プロど同様、心には何も残りませんでした。でも、観てよかった♪ あっはっは。

ナイロン100℃ HP : http://www.sillywalk.com/nylon/

Posted by shinobu at 23:00 | TrackBack

2001年09月07日

ポかリセット『煙の行方』09/05-12こまばアゴラ劇場

 ポかリン記憶舎とreset-Nの合同公演ということで「ポかリセット」っていう名前はカワイイですよね。なんと言っても私のいちおしなんでね、reset-N(リセット・エヌ)は。期待満々でアゴラ劇場へ向かいました。脚本をポかリン記憶舎の明神慈さん、演出をreset-Nの夏井孝裕さんが担当された公演です。

 オープニング。青い着物の女性が中央からしゃなり、しゃなりと歩いて来られただけで涙がボロボロ流れてしまいました。美しすぎる!!!彼女は誰だ?・・・・青年団の阿部聡子さんという方でした。もー・・・・いきなりいちおし女優さんです!

 オムニバスでした。一本モノだとばかり思っていたのでちょっとびっくり。私は1話目が一番好きでした。やっぱりreset-Nっぽいのが良い♪ビリビリ突き刺さるのだけれど、どうしようもなく気持ち良く感じてしまうクールな残酷さにヤられ通し。女優4人芝居ということで、かなりしっとりふんわり。でも実力のある方ばかりなので輪郭はしっかり。照明が良かったです。水面に映るぼんやりゆらゆらした光とか。

 reset-Nの看板女優、町田カナさんの凛としたクールな立ち姿と知性。素敵です。
 ベターポーヅの阿部光代さんの不思議コミカルな感じも気持ちよくて。
 坂井珠真さんという方は髪をアップにした時がセクシーでしたね。

 そして、阿部聡子さん。もーーーっっ、阿部聡子さんです!!必見!!!

「煙の行方」 : http://www.reset-n.org/kemuri/
青年団 : http://www.seinendan.org/
ベターポーヅ : http://www.betapo.com/

Posted by shinobu at 17:11 | TrackBack

2001年09月06日

扉座『ハムレット』08/30-09/09紀伊國屋ホール

 扉座の主宰、横内謙介さん演出のシェイクスピアの「ハムレット」です。今回の扉座オリジナル用に翻訳もしているという、本格的な脚色&演出モノですね。
 寝ました・・・・残念ながら・・・・・・。

 私、「ハムレット」大好きなんですよ。ホントに。だからセリフや舞台設定などが変わっているだけでちょっとヤな感じとかしちゃうし、どうせ変えるなら思いっきり変えて違う作品にして欲しい!!とか思っちゃうんですよね。悲しいかな、全然感情移入できなかったし苛立ちさえ感じてしまいました。

 いやー・・・・やっぱりシェイクスピアを上演するのは相当な勇気がいりますよね。死ぬほど再演されているんですから。もう何百年も。「シェイクスピア」しかも「ハムレット」。もうすぐ蜷川幸雄演出・市村正親主演の「ハムレット」もあります。私はピーター・ブルック演出「ハムレットの悲劇」@世田谷パブリックシアターに超感動したので、かなり偏った目で見てしまっているのは事実ですね。でもそういうお客様多いと思うんですよ・・・「ハムレット」だし・・・・。
 中でもハムレットとガートルードがひどかった。あれは役者さんが悪いだけはなく演出意図でもあると思うのですが・・・。映画「ハムレット」のグレン・クローズのガートルードが私はお気に入りです。

 「フォーティンブラス」と同時公演ということで、同じ舞台装置で全く違う作品を上演されているのですが、舞台装置としては「ハムレット」の方がかなりピッタリ合っていたと思います。(でも、寝ちゃいました。)

 私のいちおしの伴美奈子(ばん・みなこ)さんが一瞬だけ出ていらした時(1分ぐらい)と、フォーティンブラス役の山中たかシさんが出て来られた時だけパッチリと目がさめました。山中さん、良いですよね。美男子も三枚目もできるから。扉座は山中さんお目当ての女性ファンが多いと思います。山中さんは歯並びを矯正されないのかしら・・・(すみません)。

 扉座 : http://www.tobiraza.co.jp/

Posted by shinobu at 02:37 | TrackBack

2001年09月05日

KERA・MAP #001『暗い冒険』(南)08/30-09/16ザ・スズナリ

 ナイロン100℃の作・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチさんのプロデュース公演の第1段ということで小劇場界のちょっと(?)クセのある役者さんが勢ぞろいの豪華イベント。『』と『南』の2バージョンあります。

 ただでさえ狭いスズナリにすし詰めで2時間半・・・。それでも長いと思わなかった素晴らしい娯楽作品でした。思いっきり笑いました。何度も笑いました。ケラさんの作品らしく乾いていて、終わっても心に何も残らないと言えば残らないかも・・・(笑)。

 ハチャメチャでナンセンスに作り上げて、こまめに笑いを取りに来てくれるのが快感!!ハッチャケちゃっても~最高でした♪

 中村まことさん(猫のホテル)、あんなに正統派な演技がきちんとできる人だと思っていませんでした。
 元・猫ニャーの小村裕次郎さん(オフィス・マキノ)はやっぱり上手いです。好きです。
 嘘つきなホテルの店員役の湯沢幸一郎さん(天然ロボット)、演技も歌も巧い!次に出演される公演を観に行きたいですね。
 私いちおしの村岡希美さん(ナイロン100℃)、やっぱり素敵でした。細くて品があって、なんか華があるんですよねー。もちろん演技も巧い。あの裏返る声が好き。

 ・・・・・それにしても見所のある役者さんが多い!一人一人についてコメントするのは大変です。もうやめます。それぐらい役者さんを堪能した、ということで。

 『南』は、ネタ的には宝塚とハエでぶっ飛びました。『北』が楽しみです。

 ケラさん、めちゃくちゃ忙しくされているでしょうに小劇場界の若い役者さんを集めてホン書いて演出して・・・。ものすごいチャンスを役者に、そしてその人の所属する劇団に与えてくださっているんですよね。感動。

ナイロン100℃ : http://www.sillywalk.com/nylon/

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