2008年02月11日
エイブル・アート・ジャパン『コラボ・シアター・フェスティバル・みやざき◎まあるい劇場「隣の町」』02/09-10 MY PLAZAホール
障害のある人と健常者が一緒に創作する演劇公演です。エイブル・アート・ジャパンの活動は「ジェニー・シーレイ ワークショップ」で初めて知りました。私にとっては人生が変わるぐらい衝撃的な出会いでした。
劇団こふく劇場プロデュース・みやざき◎まあるい劇場の『隣の町』の上演時間は約1時間10分。ポスト・パフォーマンス・トークで創作現場のお話が聞けたのが大きな収穫でした。
⇒CoRich舞台芸術!『コラボ・シアター・フェスティバル』
ジェニー・シーレイさんが演出された『血の婚礼』があまりに素晴らしかったので、かなり期待して観に行きました。でも、そもそもジェニーさんと比べるのが間違いでした。みやざき◎まあるい劇場は昨年始まったばかり。障害のある人との共同創作自体が初めてだったのです。ジェニーさんは1998年からグレイアイ・シアター・カンパニーで芸術監督をされている大ベテランですものね。
上演された作品自体はあまり私好みではなかったのですが、障害のある方が舞台に居ると、どうしてもその人ばかりに目が行くということを、改めて確認しました。不規則な動き、予想外の声色。そして、これは私の想像に過ぎませんが、生きてこられた人生が圧倒的な厚み、重みとして、その身体から表れているのではないかと思います。
≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ 言葉はかなり省略しています。
出演:永山智行(劇団こふく劇場)、山内健司(青年団)、太田好泰(エイブル・アート・ジャパン事務局長)
山内「稽古場の休憩時間、(自分で)食べられない人に、食べられる人が、おやつを食べさせていた。(そういうことが行われていると)聞いてはいたし、わかっているつもりだったが、その場を目撃してたじろいだ。参加して初めてわかったことです。」
永山「別に、普通のことなんです。休憩の時に『食べたい』って言われたら食べさせてあげる。トイレに行きたいなら手伝う。目の前で起こったことに対応した。それだけです。」
永山「手伝うことがえらいわけじゃない。『食べたい』『トイレに行きたい』と言うことの方が、よっぽど勇気がいると思う。」
ここからネタバレします。
初めの方の、“隣の町”の住人(死者)がカラフルな衣裳で登場し、舞台を横切って去っていくシーンがとても幻想的で楽しかったです。
エイブルアート・オンステージ
■Aプログラム<ステージ>劇団こふく劇場プロデュース・みやざき◎まあるい劇場『隣の町』を上演
出演:和田祥吾 山室曹俉 上元千春 森菜都子 あべゆう 深井けい子 笠舞子 檜山明子 濱砂崇浩 山内健司 谷修 平野今朝市 上田政子 鬼束雄人 河内哲ニ郎 坂東勝典 中武悟 吉野由夏 佐藤祐香
作・演出:永山智行(劇団こふく劇場) 舞台監督:河内哲ニ郎 音楽:上元千春 照明:工藤真一(ユニークブレーン) 音響:日高充美 美術:濱砂崇浩 吉國浩二 衣裳:仮屋美千子 阿部由 宣伝美術:京 制作:上田政子 都丸俊介 天神林友梨 米内山陽子(トリコ劇場)
■Bプログラム<シンポジウム>パネラー:大谷燠(DANCE BOX エグゼクティブディレクター)/楫屋一之(世田谷パブリックシアター・チーフプロデューサー)/永山智行(劇作家・演出家)/吉野さつき(ワークショップ・コーディネーター) コーディネーター:太田好泰(エイブル・アート・ジャパン事務局長)主催:明治安田生命保険相互会社 エイブル・アート・ジャパン 共催:みやざき◎まあるい劇場 協力:劇団こふく劇場
一般 前売:1500円 当日:1800円 割引 前売:1000円 当日:1200円 ※割り引き対象は、ユース(25歳以下)、シニア(65歳以上)、障害のある方及び介助の方(1名)※料金はAプログラムにのみかかります
http://www.ableart.org/AAonstage/2007fes.top.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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大橋可也&ダンサーズ『明晰の鎖』02/09-11吉祥寺シアター
大橋可也&ダンサーズの公演を拝見するのは初めてです。“現代社会における身体の問題を追求し、ダンスの必然性を問う”スタイルに興味を持ちました。
チケット代も話題になっています(⇒fringeTOPIC)。理想論かもしれませんが、私は芸術がインフラであって欲しいと願っていますので、「お金のある人は払うし、お金のない人は払わない」ということがあっても良いと思います(平田オリザ著「芸術立国論」の影響もあって)。チケットAもチケットCも売れた(?)そうですよ。
⇒CoRich舞台芸術!『明晰の鎖』
「よくわからなかった」というのが全体の感想です。ただ、最近ワークショップを見学してよく感じることなのですが、客席でじーっと何かを見つめている時間は、豊かな思索の時間だと思います。そんな時間を持つことができました。でも眠くなっちゃうことも多かった・・・。
演劇だとセリフや意味がストレートに言葉(音声)で伝わってくるので、“思索”といえるほど深い心理に入り込むことって少ないんですよね。ダンス(モダン・ダンスとかコンテンポラリー・ダンスとか)だと自然とその方向に連れて行かれて、気づかないまま自分の心の奥に浸かれる気がします。
第一部:通行人たち(出演:皆木正純、中川敬文)
吉祥寺シアターの大きな搬入口が開いたまま。通行人や車がガンガン通るのが見えるままのパフォーマンスです。祭日のお昼間だから人通りも多くて楽しい。
出演者は男性ダンサー2人。彼らも“通行人”で、生きることに疲れていたたり、困難があるようです。でも劇場の外の通行人は当然のことながら彼らのことなんか全く気にかけていません。それどころか見つけることさえできない。
第ニ部:ダウンワードスパイラル(出演:江夏令奈、古舘奈津子、宮尾安紀乃、多田汐里)
薄い灰色の衣裳の女たちのダンス。静かで緩やか。時々激しく。鬱っぽい。テキスト「死ねばいいのに」。繰り返しが多くて、意味が読み取りづらかったです。スノビッシュな感じ。
第一部の通行人ダンサー2人がずっと下手で客席を見つめていました。見られているような気がして、むずむず。コートにひざ掛け、カイロも持って、花粉避けのマスクもしている状態での鑑賞なので、それも妙な気分。
第三部:ドッグ(出演:垣内友香里、前田尚子、とまるながこ、いとうみえ)
踊る(座る)女をビデオカメラで撮影し、それを劇場内のパネルにオンタイムで映写します。かなりエロティックなムード。でも感情はマイナス方向のよう。どうやら娼婦?でも服は普段着っぽい。
最後は女たちが劇場の外に出て、その姿を劇場内に中継します。劇場の中の出来事と現実とがつながっているのがヴィヴィッドに伝わります。でも、こういう演出は演劇でも最近はよく見るので、それほど衝撃は受けなかったですね。
"Chain of Clarity"
出演:江夏令奈、垣内友香里、皆木正純、古舘奈津子、前田尚子、宮尾安紀乃、とまるながこ、中川敬文、いとうみえ、多田汐里
振付:大橋可也 音楽:舩橋陽 映像:岡崎文生(NEO VISION) 衣装:ROCCA WORKS 照明:遠藤清敏(ライトシップ) 音響:牛川紀政 舞台監督:原口佳子(office モリブデン) 演出助手:山田歩 宣伝写真:野村佐紀子 宣伝美術:佐藤寛之 記録写真:GO 映像版制作:古屋和臣 制作:三五さやか、ビーグル・インク株式会社 協力:村山季美、大橋めぐみ 主催:大橋可也&ダンサーズ
チケットA:20,000円(お金に余裕があるので作品に貢献したい) チケットB:5,000円(とにかく作品を体験したい) チケットC:0円(お金はないが自分には作品を見る必要がある) ※料金の差は席の違いを表すものではありません。※チケットAにはお土産が付きます。※チケットCは枚数に限りがあります。チケットCの当日発売はありません。※詳細は大橋可也&ダンサーズWEBサイトをごらんください。
http://dancehardcore.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ『キラリ☆ふじみで創る芝居「大恋愛」』02/07-11富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ
キラリ☆ふじみという公共ホールの企画です。現在、芸術監督をつとめるのは生田萬さん。
オーディションによって選ばれた3人の演出家が、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を演出します(第1幕:菅尾友、第2幕:富永まい、第3、4、5幕:多田淳之介)。出演者も約300人の中からオーディションで選ばれました(合計20人)。
キョーレツっ!!公共ホールの企画なんて信じられない(笑)。徐々に過激に、抽象化されていく『ロミオとジュリエット』に、泣いたり笑ったりあっけに取られたり・・・大忙しの約2時間15分でした。めっちゃくちゃ面白かったです。
⇒東京劇場に舞台写真!
⇒CoRich舞台芸術!『キラリ☆ふじみで創る芝居「大恋愛」』
クチコミが熱い!私も5つ星出しちゃいました!
対面式の客席で舞台は長方形。縦に亀裂が入っていてモンタギュー家(ロミオ)とキャピュレット家(ジュリエット)、および男女の間の溝を示しています。舞台は正方形の赤いクッションが敷き詰められており、青い明かりでギラギラと不気味に光ります。
客席を囲むようにキャットウォークがあり、白いポールが等間隔に立っています。客席も巻き込んだボクシングのリングみたい。
入口でくじを引き、ロミオ側とジュリエット側に分かれて着席。私はジュリエット側でした。最前列で堪能しましたデスよ(笑)。
古典戯曲がそのものらしく上演されても、かしこまって受け入れるばかりになって、あまり身にならない(共感できない)ことも多いんですよね。でも今作については、超アグレッシブな演出のおかげで、『ロミジュリ』って狂気の話だったんだなと思いました。狂気は恐ろしいし醜いけれど、同時にまぶしいほどに美しいです(『マクベス』みたいだな)。
出演者も魅力的な人がいっぱい。たとえば第2幕の堀井秀子さん&森田匠さんカップルのラブシーンに釘付けでした(笑)。
ここからネタバレします。
■第1幕:菅尾友演出
ロミオとジュリエットが不在の『ロミオとジュリエット』。現代服をちょっと加工したカラフルな衣裳。プロンプターの男女(田中寿直、中島愛子)がロミオとジュリエットになっていく。語り部(?村上聡一)の注釈が面白い。
パリス(石橋亜希子)とロザライン(佐藤雪江)が『夏の夜の夢』のディミートリアスとヘレナみたいだったり。
■第2幕:富永まい演出
小学生のロミオとジュリエットが、「ロミオー!」「ジュリエットー!」と愛する人を探し続けます。ここで既に落涙。
劇場で『ロミオとジュリエット』を上演しようと練習中の大人たち。あまりやる気が無い。でも小さなロミオとジュリエットに取り付かれて、すっかり成りきってしまう。
白い衣裳で統一した男女が、それぞれペアになってバルコニーのシーンを熱演。抱き合ってキスしてくんずほぐれつ(笑)。
最初は愛の高まりに感動して涙していたんですが、しつこく愛し合う姿ががだんだんウザく見えてきて、可笑しさまでも感じるようになりました。だってお互いに夢中になってるカップルって、勝手に盛り上がって周りが見えていないんだもの(笑)。あー恋は盲目。
アホみたいに熱くなるカップルの尻目にを、ちりとりとほうきで散らかった紙を掃除する老人(北澤雅章)、という構図もとても面白いです。
■第3、4、5幕:多田淳之介演出
喪服で死へと突き進む人々。尾崎豊、SPEEDの音楽をバックに「だるまさんがころんだ」。歌手の若さも歌詞も『ロミジュリ』にぴったり(笑)。
一途で向こう見ずすぎる愛の独白(松田弘子)をミラーボールの輝きが応援。「ナイチンゲール!」「ひばり!」の繰り返し。踊り狂うジュリエットたち。倒れてもまた起き上がり、踊り続けた末に「ロミオーーーーーーー!」とシャウト!(堀井秀子)
逆流するミラーボールの光が黄泉の国へと誘う。スモークが大量に吹き出してくる天国の入口(?)に消えていく喪服の人々。
キラリ☆ふじみ演劇祭 ~3人の演出家による“ロミオとジュリエット”
出演:田中寿直、村上聡一(中野成樹+フランケンズ)、尾倉ケント(アイサツ)、森田匠(アマネク)、亀田ヨウコ、石橋亜希子(青年団)、村島智之、下平尚輝、コスゲヒロシ、北澤雅章(さいたまゴールド・シアター)、中島愛子、松田弘子(青年団)、竹内萌佳、佐藤雪江、堀井秀子、小橋和之、高田淳、長尾卓磨、夏目慎也(東京デスロック)、小長谷勝彦
[脚本]ウィリアム・シェイクスピア(松岡和子訳による) [演出]菅尾友、富永まい、多田淳之介(東京デスロック) [総合プロデュース]生田萬 [舞台監督]大澤弘海(キラリ☆ふじみ) [舞台美術・衣裳]中里有 [照明]伊藤泰行(キラリ☆ふじみ) [音響]泉田雄太(キラリ☆ふじみ) [演出助手]大森孝子・三浦まる子 [宣伝美術]京 [制作]中出千尋(キラリ☆ふじみ) 柳田典昭(キラリ☆ふじみ) [企画・製作]富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(財団法人富士見市施設管理公社) [助成]財団法人地域創造
【発売日】2007/12/02[前売・予約・当日]一般2,200円 学生1,200円[グループチケット (3名以上同時購入)] 一般2,000円/1名 学生1,000円/1名 ※前売・予約のみ[団体チケット(10名以上同時購入)] 一般1,800円/1名 学生900円/1名 ※前売・予約のみ
[プレビュー公演(7日)] 一律1,000円 ※2回目以降の観劇は半券をお持ちいただくと1,000円でご覧いただけます。(予約は対象外)
http://www.city.fujimi.saitama.jp/culture/
http://dairenai.blog123.fc2.com/
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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