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2010年10月30日

【稽古場レポート】Bunkamura『タンゴ-TANGO-』10/24 Bunkamuraシアターコクーン稽古場(後編)

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長塚圭史さん (c)渞忠之

 『タンゴ』の稽古場見学の後で、演出の長塚圭史さんにインタビューをさせていただきました(⇒海外研修報告会レポート)。

 この戯曲および過激な主人公アルトゥルに魅せられたことや、俳優への信用と挑戦について、率直にお話ししてくださいました。

 ●Bunkamura『タンゴ-TANGO-』
  11/05-24 Bunkamuraシアターコクーン
  チケット:特設S席9,000円 S席9,000円 A席7,000円 コクーンシート5,000円
  ⇒劇場公式サイト ⇒公式特集ページ
  ⇒公演公式ツイッター@tango_stage
  ⇒CoRich舞台芸術!『タンゴ-TANGO-

■俳優生理がしっかりしていれば関係性は見える

 ―立ち位置や動く方向を決めずに、同じ場面の稽古を繰り返してらっしゃいましたね。

 長塚「そういう要素をどんどん決めて構築していくような稽古は、今はしてないんです。俳優が自分たちで発見していくのが一番いいと思ってるんですよね。もちろん作品の見栄えなどには、最終的には僕の意図が入ってくるんだけど、僕自身あんまり立ち位置に対する情熱みたいなものがないんです。登場人物の関係性を立ち位置によって示す手法はあるにはあるんですけど、別にそれは守らなくても、俳優生理がしっかりしてればちゃんと関係は見えると思っていて。」

 ―俳優が自由自在に動いて、新しいことにもチャレンジしているのは、皆さんが演じる役人物を自分のものにできているからではないかと思いました。これまでのお稽古で、丁寧な本読みや議論を重ねられたのではないですか?

 長塚「稽古日数が少ないので、あわてて作らないようにはしていて。時間が足りないのもあって議論はあまりしてないですね。どちらかというと、俳優が体で自分の行なっていることを発見していく稽古をしています。
 たとえば本読みは、アルトゥル役の(森山)未來を真ん中に座らせて、長机で四方を檻のように囲い、他のみんなは周りに座ります。その形で読むことで、言葉の矛先がどこに向かっていて、誰に伝えたいのかをはっきりさせていく。アルトゥルのセリフは圧倒的な量がありますからね。彼は真ん中にポツンといて、もうイジメみたい(笑)。次の段階になると、周囲の人は長机の上に立ったり、机を超えて中に入って行ってもいいことにして、でもアルトゥルだけはテーブルに関わらない、とか。特殊な本読みと立ち稽古を重ねて行って、その場で何が会話されているかを掴むというか。」

【長塚圭史さん 写真:(c)渞忠之】
tango_nagatsuka.jpg

■俳優から生まれてくる視点を生かしたい

 ―今回の舞台は客席方向に大きく張り出した形で、ボクシングの真っ四角のリングのようにも見えました。こんな装置になることを俳優には早めに伝えていたんですか?

 長塚「いいえ、それは明かさずにやってきました(「それは最近になって俳優に伝えられた情報です」とプロデューサーが補足)。無秩序状態と秩序状態がこの話の入口になっていて、どうやったらそれを体感できるのかを探りながら作ってきたんです。舞台(の形状)が決まると、登場人物同士が内側の関係値を獲得する前に、外側を見せることを考えちゃうんですよね。僕はそれがちょっと嫌だったんです。この芝居はギリギリの不安感、危うさの中でやっていきたい。この戯曲を、上演して紹介するだけになるのはつまらないと思うし。
 特に今回の俳優さんはすごく経験値の高い方々だから、演技の方法や形が決まったり、出来あがっていっちゃう可能性がある。もちろん技術のある方々だから、色んなことが決まっていった中でも新鮮さを保つ方法を知っているし、それを実行することもできるんだけど。僕にはやはり、どこかに余白を残したいという気持ちがあって。」

 ―俳優ひとりひとりが全体に気を配って、常に神経を広域に渡って尖がらせているように感じました。刺激的でとても面白かったです。

 長塚「それが余白なんです。全て決まりごとで出来ていくことには、僕はなんだか、あんまり納得できないんですよね。最低限のラインはこれから決まって行くと思うんですけど。この間の『ハーパー・リーガン』でもあんまり決めてないんですよ。『立ち位置をこうしてくれ』って言ったことはない。『こうやってみたら?わかんないけど』とか『それ、やめてみたら?』とか言うぐらいで(笑)。装置の性質上、最終的には厳密なところまで決めましたけど、稽古では特に何も言わなかった。
 俳優さんたちを駒のように動かすのはもともと嫌だったんです。それに俳優は、考えるから。演出家の僕よりも自分の役のことを考えていることもありますし、役人物の視点から見られるのは、その役を演じる俳優だけだから。それはやっぱり力だと思うんですよね。僕が自分の解釈を押し付けるよりも、彼らから生まれてくる視点を生かしたい。」

 ―それは俳優への信用ゆえ、ですか?

 長塚「信用と、コミットしてくれてるから、ですね。気が休まることがないので、今回の俳優さんたちは『こんなに疲れる芝居はない』と言ってるみたいだけど(笑)。いや、もちろん僕も大変ですよ(笑)。言葉の難しい翻訳戯曲だけど、人間本来の愚かしさには普遍性がある。そんな枠組みを大きくとらえつつ、即興的に演出することもあるので。バランスを考えながらね。」


■馬鹿馬鹿しくしようとしなければしないほど、面白い

 ―戯曲『タンゴ』に出会ったきっかけは何ですか?

 長塚「シアターコクーンのプロデューサーに勧められて、何作か読んだ内の1本です。一発で惹かれたんです。かなりの勇気だなと思ったし。『これコクーンでやるの?』ってね(笑)。」

 ―台本を2度ほど読んで、ここには人間の理性と感情の原則が描かれているように思いました。

 長塚「作者のムロジェックは風刺作家というか、政治や世間の矛盾、人間存在そのものを馬鹿にしたり、その愚かしさをテーマに色んなものを書いています。『タンゴ』でも歴史と循環、人間がさまざまなことを繰り返してしまう愚かさを描いていると思います。
 (僕が自分で)喜劇と言ってますが、大変な、芝居です。でも入り込めば入り込むほど、あるいびつさ、おかしさが出てくる。笑っちゃう人は笑っちゃうかもしれないけど、ずっと怖いと感じている人もいるかもしれない。笑ってしまうのも怖いし、怖がるのもおかしい。そんな戯曲じゃないですかね。馬鹿馬鹿しくしようとしなければしないほど、面白いんです。まじめにやればやるほど、おかしい。」

【森山未來さん 写真:(c)渞忠之】
tango_moriyama1.jpg

■アルトゥルは自分の分身

 ―主人公アルトゥルの突飛で過激ともいえる行動が、周囲の人間を振り回し、空気を激しく揺さぶり、物語を突き進めていきますね。

 長塚「アルトゥルは『自分が誰なのかわからない!』『このままじゃだめだ!』『僕は何かを表したい!』といった気持ちから、自分が確かに存在するために、ある種の理想を掲げて行動を起こした。僕は芸術表現も一緒だと思うんです。既に色んなものがある中で、誰もが新しいもの、独創的なものを作りたいと思っている。そういう衝動は、作り手や表現者にはわかるところがあるんじゃないのかな。僕にはすごくわかるんです。若い人たちの内部にも起こり得ると思う。今日もイスに座っている未來が、今の若者の姿に見えて仕方なかったんだよね。若者が『俺の言うことを、聴け!』と叫んでるようで。」

 ―つまり今の若者が考え、欲していることを、アルトゥルがやっているということですか?

 長塚「誰もやらないんだけど、彼は、やる。アルトゥルはやるんです。何かをしよう、何かしてやろうと声に出して、一生懸命に敵を作って、実際に行動を起こし、挫折して、でも再び・・・という姿は、自分の分身を見ているような気持ちになる。彼は理想を徹底的に突き詰め、自分を追い込んでいきます。その雄姿には僕が嫉妬してしまうような美しさがあって、同時に恐ろしさもあるんだけれど。ヒリヒリ、ぞわぞわと感じさせてくれるんです。」


■何か手に掴めないものをやろうとしてる。だけどきっと掴めると思ってる。

 ―最後に、アルトゥル役を演じる森山未來さんについて、長塚さんの印象を教えてください。

 長塚「この作品を読んだ時、真っ先に思いついたのが彼でした。彼には常に色んなものに反発したいという気持ちがある。何かに抗おう、抗おうとしている姿を見ていて、とてもいとおしく思っていたんです。もちろん舞台上でも凄いし。
 肉体の使い方も含めて、僕があんまり出会ったことのないタイプの俳優ですね。たとえばコメディーをやる時は、どこか新鮮な反応で笑わせようとしてるんです。新鮮な反応じゃない(そういう演技が求められない)ところは、不満足そうにやってる。そんな危うさや反抗心が表にどんどん出ちゃってるというか、素直ですよね。
 彼は僕の最近の劇団公演『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』が割と気に入っていて、『長塚圭史も何かに反発してる』と思ったんでしょうね。『何か手に掴めないものをやろうとしてる。だけどきっと掴めると思ってる』という風に、僕のことを思ってくれたみたいで。だから、毎日ヒリヒリしながら彼のことを見てますよ(笑)。」


●稽古場取材とインタビューを終えて

 先日の日本劇作家協会主催「劇作家大放談会」でも感じたことですが、長塚さんはとても紳士的な、優しい話し方をされる男性でした。声がきれいで語り口が上品なので、ずっと聴いていたくなります。稽古場にいるキャスト、スタッフに対するのと同様、インタビュアーの私にも変わらない姿勢で、とても気さくに、思いのままを誠実に話してくださったように感じました。サービス過剰にならず、近寄りがたい印象にもならないのは、ご自身の居場所がはっきりとしていて、ゆるがないからだろうと思います。

 阿佐ヶ谷スパイダースの公演や外部の作・演出作品など、長塚さんの作品は2000年から拝見してきました。海外戯曲の演出は『ウィー・トーマス』(再演も)『ピローマン』『エドモンド』『ビューティ・クイーン・オブ・リナーン』を経て、前述の『ハーパー・リーガン』、そして今作『タンゴ』です。
 『ハーパー…』は私にとって演出家・長塚圭史というアーティストを改めて発見し直すことができた、高品質の素晴らしいお芝居でした。今回の稽古場見学で、俳優を信用し、その場で生み出されるものに賭ける演出手腕への期待はさらに高まりました。俳優という職業への興味、期待、そして私の中にある羨望に似たこがれるような気持ちも再確認。俳優ってなんて幸福な、なんて過酷な人生なんだろう。

 『タンゴ』はきっとどのステージを観ても、何が起こるか分からないスリルに満ちているでしょう。笑っていいのか恐れていいのか戸惑ってしまうような、愚かしい人間の争いが生々しく描かれる中、森山さん演じるアルトゥルが観客の心をヒリヒリさせてくれることと思います。

≪東京、大阪≫
出演:森山未來、奥村佳恵、吉田鋼太郎、秋山菜津子、片桐はいり、辻萬長、橋本さとし
作:S.ムロジェック 翻訳:米川和夫/工藤幸雄 演出:長塚圭史 主催:Bunkamura
一般発売2010/8/21(土) 特設S¥9,000 S¥9,000 A¥7,000 コクーンシート¥5,000 (税込)
〈特設S席に関して〉舞台に近い前方のエリアを通し番号で販売します。お席は当日劇場にてご確認ください。連番でご購入なさってもお席が離れる場合がございます。椅子が通常の形状と異なります。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_tango.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 19:55 | TrackBack

【稽古場レポート】Bunkamura『タンゴ-TANGO-』10/24 Bunkamuraシアターコクーン稽古場(前編)

 ポーランドの劇作家ムロジェックさんの1965年初演戯曲『タンゴ』を、長塚圭史さんが演出されます(⇒海外研修報告会レポート) シアターコクーンプロデュース初出演となる主演の森山未來さんをはじめ、手練れぞろいの豪華キャスト公演です。

 7人の少数精鋭の俳優が手抜き一切なしで闘い続ける稽古場を、8時間みっちり見学させていただきました。前編は稽古場レポート、後編には長塚さんのインタビューを掲載します。

 ●Bunkamura『タンゴ -TANGO-』
  11/05-24Bunkamuraシアターコクーン
  チケット:特設S席9,000円 S席9,000円 A席7,000円 コクーンシート5,000円
  ⇒劇場公式サイト ⇒公式特集ページ
  ⇒公演公式ツイッター@tango_stage
  ⇒CoRich舞台芸術!『タンゴ-TANGO-

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 散らかり放題の部屋で、アルトゥル(森山未來)は怒りに打ち震えている。賭け事に熱中し、アルトゥルの戒めもどこ吹く風の祖母エウゲーニャ(片桐はいり)。万事が事なかれ主義の叔父エウゲーニュシュ(辻萬長)。しかし最も許しがたいのは、彼らと共にトランプに興じている野卑で無教養な男・エーデック(橋本さとし)だ。若かりし頃〝破壊と解放〟を旗印に、〝伝統〟を破壊しつくした父・ストーミル(吉田鋼太郎)は今や嬉々として実験演劇を繰り返す。女盛りの母・エレオノーラ(秋山菜津子)はこともあろうにエーデックとの男女の仲を鷹揚ににおわせる。堕落しきった皆を救うべく世界秩序の再建計画に邁進するアルトゥルを惑わせるのは、美しい従妹・アラ(奥村佳恵)の存在だ。理論が通じないアラの奔放さに手を焼きつつ、彼女と〝伝統的な手法で結婚〟をすることで家族に一泡ふかせようと、滑稽で熱心なプロポーズをはじめるが・・・。暴走するアルトゥルは【秩序】と【愛】を手に入れることができるのか!?
 ≪ここまで≫ 

 11時半ごろに稽古場に伺うと、役者さんはそれぞれにストレッチ運動などで体の調整をしたり、セリフを小声で繰り返して確認していたり。7人の出演者以外は、演出の長塚さん、舞台監督、舞台監督助手、演出助手、音響、衣装、制作、演出部の方々など、出演者よりも大人数のスタッフさんが見守っています。たくさんの人が集まっているのにとても静か。演劇の稽古場の密度の高い空気には、いつも身の引き締まる思いがします。

 12時過ぎから稽古が始まりました。まずはウォームアップを兼ねているのであろう、ボールを使ったゲームから。7人全員が輪になって、演じる役名で相手の名前を呼びながら、1つのバレーボールでキャッチボールをします。投げる順番も相手も決まっているようです。しばらく見てると、単純なルールではないことがわかってきました。役名を呼ぶのと、ボールを投げるのとは、別々の行為のようなのです。さらに指でパチンと音を鳴らすフィンガースナップ(指パッチン)や、決まった誰かの方向へ歩いていく動作も加わって、3~4つの要素がぐるぐると回って行きます。※説明が下手ですみません。

 長塚さんがおっしゃるには「イギリスで教えてもらって、自分でやってみて面白かったから。やってみたらわかるだろうけど、一瞬も気が休めない」とのこと。同時に何種類もの予想の出来ない動作を行うので、集中力が必要です。常に全体を見て、順番を間違えずに言葉や動きをコントロールし続けなければなりません。間違った後にどうやって立て直すかで、自主性やコミュニケーション能力も問われます。見学席でじっと見ているだけで頭がグツグツ沸騰しそうな気分になりました(苦笑)。

【稽古場を俯瞰 写真:(c)渞忠之】
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 20分間ほどゲームをしてから、少々の休憩の後に第3幕の立ち稽古に突入。青年アルトゥル(森山未來)とその従妹アラ(奥村佳恵)の結婚式を控え、当人以外の家族が記念写真を撮る場面です。台本を読んでから伺いましたので、文字が立体的に立ちあがって行くことにちょっと興奮。想像していたよりもずっとコミカルです。
 途中で長塚さんが演技を止めて、少しフィードバックをしてからまた同じ場面を最初からやることに。すると、1回目と立ち居地も動きも違うのです。たしかあそこではイスに座ってたはずなのに、今度は座ってない・・・もしかしてまだ動きが決まってないのかしら、と様子をうかがっていると、また区切りのいいところで止めて、最初から。3回目は演技に新しいアイデアが増えていて、座る、立つなど以外に誰かに触る、動かすなどの行為も加わってきました。さらには撮影場面で使っていたカメラとイスの位置もガラリと変わり、役者さんと長塚さんが次々と自由に試していっていることがわかりました。

 フィードバックの時間は静かな会議のよう。長塚さんは演出席を立って、役者さんの輪の中に入っていきます。それぞれの反応を見ながら息を合わせるようにして、柔らかい声で、登場人物の思いやその背景について話されます。演技の方法を決めるのではなく、行動の裏にあるストーリーや心情を提案するにとどめ、具体的な方法は役者さんが選ぶんですね。動きや段取りについて決める時も、何種類かチャレンジした後に、微調整をする程度です。
 長塚さんは役者さんに質問をしたら、役者さんが返答するまで黙って待っています。その時間をあせらず、長く取ってらっしゃるようです。役者さんはじっくり考えてから頷いたり、返事をしたり。ほんの数分間ですが1対1の本音の会話がありました。周囲の役者さんもそれをじっと見て、聴いています。具体的な言葉や目に見えるもの・ことではなく、何かがこの座組の奥に蓄積されていっているように感じました。

 アルトゥルの父ストーミルを演じる吉田鋼太郎さんが登場すると、パっと光が増して、花が咲いたように舞台が明るくなります。相手役や小道具などに積極的にかかわって行って、次々と舞台に旋風を巻き起こしてらっしゃいました。
 辻萬長さん演じる叔父エウゲーニュシュは、人懐っこい笑顔を浮かべつつ強硬手段に出る、乱暴で困った紳士です。ストーミル役の吉田さんとの取っ組み合いは、対立関係にあるはずなのに、あまりに息が合っていて微笑ましいほど。そういえばお2人は『ムサシ』初演で共演されていますよね。
 家族の中で一番の俗物であろう祖母エウゲーニャ役は片桐はいりさん。あけっぴろげな欲深さが愛らしくて、何をしても目を引きつける存在感です。血のつながった家族なのに、異世界からの予想されていなかった来訪者のような、奇妙な恐ろしさも感じさせてくれました。
 がさつで教養のない下男エーデック役の橋本さとしさんは、ユーモアたっぷりで、時おり大胆に見せる茶目っ気がたまりません。分厚い胸板と太い腕っぷしで既にセクシーなのに、食卓でお皿やカラトリーを丁寧にサーブしながら、エレオノーラに小さくウィンクしっちゃったり!もぉ~色男!!

 アルトゥルの母エレオノーラ役の秋山菜津子さんと、アルトゥルと結婚するアラ役の奥村佳恵さんとの2人きりの場面は、年齢の離れた女同士の本音トークに聴き入りました。たとえばこんなセリフがあります。
 アラ「そんなにまで夢中になれないな、あたし」
 エレオノーラ「若すぎるからよ。本物の単純素朴さがもつゆたかさを発見する目ができてないのよ」
 秋山さんといえばスレンダーなナイスバディーでいつも悩殺してくださる、超色っぽい大人の演技派女優。今回もその魅力に変わりはありません。じっと柱の前に立ち尽くす姿に、母であり女である根源的な強さが見えました。
 奥村さんは座組みの最年少。『音楽劇 ガラスの仮面』(⇒稽古場レポート)の姫川亜弓役に続き、大きな舞台での大役です。若さならではのまっすぐな憤りを無理なく表出させ、勝気だけどナイーブなアラを堂々と演じられていました。他のベテランの方々に全く引けを取らないのが凄いです。

【森山未來さん 写真:(c)渞忠之】
tango_moriyama2.jpg

 立ち稽古が始まって2時間半ぐらい経ったところで、とうとう主役アルトゥルの出番です。森山未來さんは登場するなり場の空気を一変させました。声、体、心がズレることなく一体となって燃えているよう。動く体がひとつの固い塊となって直球で飛んでくるような、強烈な、生き物でした。長いセリフを長いと感じさせない説得力と勢いがあり、空気をわしづかみにして、会話をぐんぐんとリードしていきます。感情の高揚と落胆を激しく行き来し、何度も物語の方向をひっくり返しながら、衝撃の結末へとまっしぐらに暴走。節操無く豹変するさまは、恐ろしさだけでなく、愚かさ、可愛いらしさも感じとらせてくれました。

 同じ場面を繰り返しても、誰も同じセリフを同じ体勢では決して言いません。当然といえば当然ですよね、相手役の演技が変われば自分もおのずと変わらざるを得ないのですから。気持ちのやりとりが変化するだけでなく、座ったり寝転んだり走り込んだり、机をたたいたり、小道具やイスを大胆に使ったり、見ている者がハっと驚くような行動を、誰もが積極的に起こしていきます。
 そして空間内の人物の位置取りもすごく美しかったんです。だんごのように固まったり、見栄えの良くない隙間が空いていたりすることがありません。誰もが演技をしながら全体を見回して、自分が居るにふさわしい場所に移動しているんですよね。稽古が終わった最後のフィードバックの時に、吉田さんが「位置を決めずにここまでできるなんて、みんな見事だよ」とおっしゃっていました。百戦錬磨の吉田さんがそうおっしゃるんですから、やはりプロの中でもハイレベルなのではないでしょうか。

 演技およびフィードバックの時間以外には5分間の休憩が2回、10分間の休憩が3回、40分間の夕食休憩が1回ありました。休憩の回数が多いのか少ないのか、長いのか短いのか、一般的にどうなのかはわかりませんが、とにかく濃縮された時間でした。今までに稽古場レポートは20回以上書かせていただいていますが、一番、疲れました・・・ただ見ているだけなのに(汗)。同じ場面をところどころ止めながら何度も繰り返す中に、一度たりとも同じ時間がなかったからじゃないかと思います。

 そんなハードなお稽古について、戯曲『タンゴ』の魅力について、稽古終了後に演出の長塚さんにたっぷり語っていただきました。⇒後編・長塚圭史インタビュー

≪東京、大阪≫
出演:森山未來、奥村佳恵、吉田鋼太郎、秋山菜津子、片桐はいり、辻萬長、橋本さとし
作:S.ムロジェック 翻訳:米川和夫/工藤幸雄 演出:長塚圭史 主催:Bunkamura
一般発売2010/8/21(土) 特設S¥9,000 S¥9,000 A¥7,000 コクーンシート¥5,000 (税込)
〈特設S席に関して〉舞台に近い前方のエリアを通し番号で販売します。お席は当日劇場にてご確認ください。連番でご購入なさってもお席が離れる場合がございます。椅子が通常の形状と異なります。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_tango.html

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Posted by shinobu at 19:46 | TrackBack

【お知らせ】「黒田育世ロングインタビュー&ルーツ」を書かせていただきました!

 BATIK主宰、振付家、ダンサーの黒田育世さんのインタビュー記事を書かせていただきました。
 厳選シアター情報誌チョイス!のChoice!WEBに前編が掲載されています。よかったらお読みいただけたら幸いです。後編は12月1日に掲載予定です。

 ⇒Choice!WEB「黒田育世ロングインタビュー&ルーツ

 フリーペーパーChoice!にも短いバージョンが掲載されていますので、お手にとってご覧いただけたらと思います。
 舞台公演に折り込まれているチラシの束を包む帯になっている冊子↓です。劇場や映画館にも配布されています。⇒配布場所
Choice_16.JPG

 表紙を開いたところにインタビューが載ってます↓
Choice_16_kuroda.JPG

Posted by shinobu at 17:03 | TrackBack

2010年10月23日

松竹『カエサル―「ローマ人の物語」より―』10/03-27日生劇場

 塩野七生さんのベストセラー小説「ローマ人の物語」から『カエサル』のエピソードを舞台化。脚本は齋藤雅文さん、演出は栗山民也さんです。

 堅苦しい歴史劇にならず、笑いの要素が積極的に取り入れてられていました。予想よりも娯楽性が強くて面白かったです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『カエサル―「ローマ人の物語」より―

 ≪作品紹介≫ 劇場公式サイトより
 塩野七生の大ベストセラー、松本幸四郎主演で初の舞台化!
 累計920万部超の国民的ベストセラーが、ついにこの10月、待望の舞台化。
 1992年から15年にわたり、刊行された大長編「ローマ人の物語」の中でも、
 著者・塩野七生が最も愛する、英雄ユリウス・カエサル
 (ジュリアス・シーザー)の生涯に焦点を当て、
 壮大なスケールで描かれる一代記です。
 輝かしい戦績、守旧派との確執、クレオパトラとの愛―――
 裏切り、そして暗殺。「ブルータス、お前もか!」
 リーダー不在の現代日本におくる、激動と波乱の歴史大作!
 ≪ここまで≫

 主要人物を有名な役者さんが演じていて、小さな役を演じる役者さんがすっごく大勢!兵士がずらりと並ぶのは圧巻です。日比谷の日生劇場で観劇する贅沢を、出演者の人数でも味わえました。装置も衣裳も豪華で満足。特にクレオパトラ(小島聖)が美しかった~!

 新国立劇場演劇研修所の修了生が大抜擢されていて、個人的に嬉しかったですね。

 ここからネタバレします。

 松本さんが「ローマ」という単語の「ロ」を、舌を丸めて(?)「ロロロ」と発音されていて(笑)、渡辺いっけいさんもそれを真似するのかのごとく、強調して発音されてるのが可笑しかったです。

 情熱大陸で、栗山さんが初日終演後に満足そうに「美しい」とおっしゃっていたのは、あのラストシーンのことじゃないかと思いました。最後の最後の一瞬がとっても良かったんです。妻のセルヴィーリア(高橋惠子)が亡くなった夫カエサルを回想する場面で、松本幸四郎さんが古代の人物になり、絵画になりました。

出演:松本幸四郎 小澤征悦 小島聖 小西遼生 嵯川哲郎 勝部演之 水野美紀 渡辺いっけい 高橋惠子 久保酎吉 佐藤祐四 檀臣幸 松井工 今井あずさ 高橋礼恵 前田一世 西原康彰 宇井晴雄 窪田壮史 香原稔彦 大樹桜 藤井咲有里 岡野真那美 那智ゆかり みやざこ夏穂 佐嶋宜美 鈴木健介 清田正浩 石井淳 田中瀧 坂本三威 永田惠悟 西村雄正 茂木直人 伊藤友樹 吉藤健太郎 鈴木ちさ だんつかさ 川島拓 鳥川直 永栄伸一郎 中村元紀 塚本能礼
原作:塩野七生「ローマ人の物語」(新潮社刊) 脚本:齋藤雅文 演出:栗山民也 美術:松井るみ 照明:勝柴次朗 音楽:甲斐正人 音響:泰大介 衣裳:前田文子 ヘアメイク:鎌田直樹 アクション:渥美清 ステージング:田井中智子 演出助手:豊田めぐみ 舞台監督:鈴木正憲 制作:松本康男 真藤美一 吉田実加子 製作:松竹株式会社 主催:松竹株式会社 フジテレビジョン 朝日新聞社 宣伝美術:トリプル・オー 宣伝写真:永石勝 
S席:11,000円 A席:7,000円 B席:3,000円
http://www.play-caesar.jp/
http://www.nissaytheatre.or.jp/program/2010/05/program-6.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:06 | TrackBack

2010年10月22日

【情報】「フェスティバル/トーキョー10」いよいよ開幕!

 昨年2度開催されたF/T09春、F/T09秋に続いて、「フェスティバル/トーキョー10」(F/T10)が10月30日(土)よりとうとう開幕します!

 「フェスティバル/トーキョー」は日本および世界の先鋭作品が東京に集まる、舞台芸術の祭典です。
 メルマガで毎月ご紹介してきましたが(⇒)、お得なチケットがまだ買えるようです!1本観たらまた1本観たくなるのがF/T。ぜひお早めにご予約を!⇒チケット情報(会員登録必須)

 ★“全部見る!【F/Tパス】”“大勢で観る!【グループチケット】”の販売は10月23日(土)19:00で終了。
 ★“選んで観る!【F/T3・5演目セット】”は11月3日(水・祝)までの発売。

 【写真左から:相模友士郎、松田正隆、高山明、ロジェ・ベルナット、黒田育世、三浦基、前田司郎、飴屋法水】(8月の記者発表にて・敬称略)
FT10_artists.JPG

 8月の記者発表で、フェスティバル・ディレクターの相馬千秋さんがF/T10の基本コンセプト、そして新しい企画などについてお話しされました。

FT10_soma.JPG

相馬千秋さん

■キャッチフレーズは“演劇を脱ぐ”
 相馬「フェスティバル/トーキョーは同時代の先駆的的な表現(表現者)に世界中から集まっていただき、それらがぶつかりあって、新しい価値を創造する場。演劇というメディアが持っている今日的な可能性とは何なのかを追求していきたいと思っています。
 既存の演劇のさまざま要素、たとえば物語、戯曲、俳優の存在、舞台と客席などを1部でも脱ぎ捨てることによって、ある実験に挑戦している作品をご紹介します。観客と舞台の関係性、上演の形式、場所や時間をふくめて、既存の枠組みに決して安住しない実験的な試みの数々が展開されていくでしょう。『これって演劇?』と観客が疑問に思ってしまうようなものも出てくるかと思います。そういう好奇心と疑いのはざまで、観客自身がこの試みの目撃者となって、時には共犯者の関係になって向き合っていただきたいです。」

≪しのぶよりコメント≫
 BATIK主宰、ダンサー、振付家の黒田育世さんにインタビューさせていただきました。掲載媒体はまた改めてご報告いたします。黒田さんのダンスは観るだけでは済まない、刺激的な体験です。

 ◎『あかりのともるかがみのくず』⇒詳細
  11月9日(火)-15日(月)@にしすがも創造舎
  構成・演出・振付:黒田育世
  上演時間:2時間30分(予定)


■F/Tシンポジウム(計4回)&F/Tテアトロテーク(上映予定作品 計9本)
 相馬「個々の演目の上演に加え、観る側が自分たちの問題としてとらえ、議論していく場を設けたい。それがパラレルに存在するのがフェスティバルのあるべき姿だろうと考え、対話の場、批評の場を作りました。今日の日本演劇を社会に対して、未来に対して開いていくための問題提起をしていきます。またF/T内部に批評の場を作っていくために、これまでに引き続き劇評の公募も行います。今日の演劇が歴史軸のなか、あるいは世界の流れの中で今どういう地点にあるのか、ここからどこに向かうのかを確認しながら、オープンかつ生産的な議論をしていきたい。」

≪しのぶよりコメント≫
 シンポジウムはパネリストに惹かれて「テーマ3」を拝聴したいなと思っています。テアトロテークは観たいものが多くてまだ悩み中(汗)。できれば専門家の解説がある回に行きたいですね。

 ◎テーマ3:日本・現代・演劇を問い直す ⇒詳細
  11月12日(金) 19:00-21:00@あうるすぽっと
  パネリスト:佐々木敦 飴屋法水 市村作知雄 黒瀬陽平
  司会:内野儀(演劇批評家)


■公募プログラム
 相馬「前回および前々回は“演劇大学”という企画で、大学内の若いアーティストの作品をご紹介しましたが、今回は若手の劇団がF/Tに主体的に参加できることを考え、公募プログラムを新設しました。F/Tが若手劇団の自主公演をサポートする形をとっています。具体的には劇場費の減額、制作と広報の支援、そして批評家およびプロデューサーに作品を鑑賞していただき、そのフィードバックをしてもらうなどです。
 全国各地から80団体の応募があり、書類選考とヒアリングを経て8団体が選ばれました。来年度以降は、応募対象をアジアに拡大します。ゆくゆくはアジアの若いクリエイターがF/Tを目指すような、舞台芸術のプラットフォームに成長させていきたいです。」

≪しのぶよりコメント≫
 気になっていたけどまだ観ていなかった団体や、聞いたことのない団体などを、F/Tの尺度で選んでご紹介いただけるのがありがたいです。
 憲法の原文そのままをテキストとして使用するという『日本国憲法』『自殺対策基本法』が気になります。スタンディング形式で¥1,000だし!(笑)

 ◎『日本国憲法』『自殺対策基本法』交互上演 ⇒詳細
  11月16日(火)-20日(土)@自由学園明日館 講堂
  演出:小嶋一郎
  前売・当日¥1,000 スタンディング形式


 ★F/T09春とF/T09秋の成果をまとめたドキュメントは「フェスティバル/トーキョー09ドキュメント」という冊子になっています。日本語と英語併記で舞台写真もわんさか!充実の内容です♪
FT09documents.JPG

フェスティバル/トーキョー09ドキュメント
フェスティバル/トーキョー実行委員会事務局
フェスティバル/トーキョー実行委員会
売り上げランキング: 82344


※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 18:05 | TrackBack

冨士山アネット『SWAN』10/21-24シアタートラム

 冨士山アネットは長谷川寧さんが振付、演出(出演も)される団体です。パっと見はダンスなんですが、長谷川さんは演劇の脚本を書いて、それをもとに振付をされているので、演劇でもあるんですよね。
 ピナ・バウシュの作品が「タンツテアター(演劇的ダンス)」だとすると、冨士山アネットは「テアタータンツ(ダンス的演劇)」だとのこと。⇒2008年の稽古場レポート

 新作『SWAN』はバレエ『白鳥の湖』を題材に翻案・振付・演出した作品でした(⇒オーディション告知エントリー)。上演時間は約1時間15分。

 折込チラシの束がものすごく分厚かった!演劇とダンスの両方の団体が折込をするからでしょうね。個人的にF/T10の公演チラシがいっぱい入っていて嬉しかったです。

 ポスターサイズのチラシ↓はいつもインパクト大ですよね。今回のもおしゃれです。
20101021_swan.JPG

 ⇒劇場公式サイトから過去公演の動画などが見られます。
 ⇒CoRich舞台芸術!『SWAN』★CoRichからカンタン予約!

 白い布が張られたシアタートラム。ところどころ赤が利いています。赤い花束が吊られていたりするので、シャープでありつつロマンティックな印象。

 衣装で登場人物の背景をわかりやすくしてくれているので、セリフがなくてもストーリーの全体像はわかると思います。あの人はどんな職業で、何かを欲しがってる、あの人とあの人は敵同士で・・・などと探りながら観るのが面白いです。細かい設定まではわからないですが、ダンスや体の動きを楽しめるので問題なかったですね。

 人が積極的に触れ合って、お互いに影響を与えていく振付が刺激的。格闘技のようにぶつかり合ったり、取っ組み合ったり。敵対するチームが激しいスポーツをする(とも受け取れる)シーンはすごくスリリングで、見世物としての娯楽性もあって、わくわくしました。あれだけアクロバティックだと、役者さんが怪我しないか心配になっちゃうほど。

 ただ、厳しい見方をすると、完成度は去年の『Romeo.』の方が高かったと思います。海外公演を経た再演で、出演者も少数精鋭だったからじゃないかと想像。長谷川さんがトークでおっしゃっていたように、今回の出演者はダンサーと俳優が半々だそうで、一緒の踊りをしていても動きの精度が異なるんですよね。でもそれが魅力でもあると思います。衣装や演技でほんのり中国をイメージさせていたせいもありますが、出演者のバラバラな状態が、雑多で活気のあるアジアの空気をあらわしているようにも受け取れました。

 ここからネタバレします。

 私が想像したストーリーはこんな感じ↓です。後で当日パンフレットのあらすじを読んでみたら、全然違ってました(笑)。
 貧困層の女と富裕層(というか王族みたいな)の男との恋愛。身分違いの2人の間には警察(軍隊?)の邪魔が入る。警官たちは貧困層には厳しく、富裕層には甘い。貧困層のグループは男の邸宅にある重要な書類を盗もうとしている。作戦が成功し、盗人らは暴徒となって警官らをリンチするが、女にはできない。盗人らは作戦の首謀者は女だとし、すべての罪をなすり付ける。警官になぐられ死んでしまう女。男は女を救うことができなかった。

 音楽はチャイコフスキーの『白鳥の湖』そのものや、アレンジしたもの、そしてオリジナル曲だったようです。近藤良平さんも指摘されていましたが、音のなるタイミング、大きくなるタイミングが独特と言うか、うーん、私にはあんまりフィットしなかったですね。意図が汲み取れないことの面白さはありますが、やっぱり音楽に心ときめかせてもらいたいし、どこかに連れ去って欲しい。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:近藤良平(コンドルズ主宰) 長谷川寧

 近藤さんは自由でいいなー(笑)。楽しかった!
 私も「バスケ」のシーンは素晴らしいと思いました。小さなミスで総崩れする危険のある、袋のキャッチボールにわっくわく。

出演:大石丈太郎/石本華江(妾人文明)/大園康司/伊藤麻希/奥山隆(オフィス3○○)/玉井勝教/北川結(モモンガ・コンプレックス)/寺杣彩/伊藤南咲/岡本陽介(開店花火)/KEKE(輝く未来)/政岡由衣子/松之木天辺/村本すみれ(MOKK)/長谷川寧
作/演出/振付=長谷川寧 音楽監督=吉田隆弘 音楽=P.チャイコフスキー フジモトヨシタカ(ar) ドラマトゥルク=金田―央紀 衣裳=生田志織 舞台監督=寅川英司+鴉屋 佐藤恵 舞台美術=大泉七宗子 映像=浦島啓(PUREDUST) 照明=奥田賢太(colore) 音響=佐藤春平 振付助手=金子愛帆 佐伯美波 楽曲参加=辻凡人(bonobos/Shleeps) 演出部=弘光哲也 衣裳制作=藤田友 山田さゆり 中池里江 撮影=山本晃久 スチール撮影=生井秀樹 宣伝衣裳=FUGAHUM 宣伝写真=生井秀樹 宣伝美術=太田創(01Ga graphics Co.,Ltd) 当日運営=坂田厚子 制作部=田沼慶子 制作=清水美里+冨士山家 提携=財団法人せたがや文化財団/世田谷パブリックシアター 後援=世田谷区 助成=芸術文化振興基金 主催=冨士山アネット
10/21(木)19:30 近藤良平(コンドルズ主宰)
10/22(金)19:30 フジモトヨシタカ(ar)/辻凡人(bonobos/Shleeps)
10/23(土)14:00 中井美穂(アナウンサー)【追加トーク!】
10/24(日)13:00 金田一央紀(本公演ドラマトゥルク)
※終演後、本公演チケットをお持ちの方は、どの回も無料でご入場頂けます。
【発売日】2010/08/28 ※日時指定・全席指定 8/28発売開始 早割 2500円(8/28-9/10迄。冨士山家のみ) 一般前売 3000円 一般当日 3200円 学生 2500円(冨士山家のみ・要学生証提示/前売当日共) 友の会 2500円(劇場チケットセンターのみ) 世田谷区民 2700円(劇場チケットセンターのみ)
http://fannette.net/
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/10/swan.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:13 | TrackBack

2010年10月20日

ロロ『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校』10/17-24新宿眼科画廊

 三浦直之さんが作・演出(出演も)される劇団ロロ(ろろ)。好評だった初演を見逃していたので再演されて嬉しいです。『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校』って可愛いタイトルですね。

 上演時間は約1時間10分、だったような。桟敷席とイス席がほぼ1列ずつの小さな会場です。全席自由で整理番号もありませんので、好きな席を選びたい方はぜひお早めに会場へ。

 ⇒劇団公式ツイッター
 ⇒CoRich舞台芸術!『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校』※CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫
 小学生の六(亀島一徳)はクラスメートのトビ(望月綾乃)が大好き。でもクラスに転校生うろ(北川麗)がやってきて・・・。
 ≪ここまで≫

 白くて長細い空間。小学校を想像させるカラフルなものが、たくさん賑やかに張り付けられています(習字、絵、時間割表など)。明らかに小学生じゃない20代前半(たぶん)の男女が、小学生だと言いながら普通に20代っぽい演技をします。現実では“ありえない”ことのさじ加減が面白いです。
 演出のアイデアが豊富で、演劇ならではの無茶を堂々とやり通すのも、個性があっていいなと思いました。ただ、私が観た回はどうやら役者さんの息が合っていないというか、明らかに狙いどおりには行っていない感があり、本領発揮できてなかった回だったのかも。残念。

 先日、マームとジプシーを観た時も思ったんですが、私、10代の学園青春ものが苦手なのかなー・・・。どうにも最初から引き気味で、結局その状態を最後まで引きずっちゃった気がします。

 ギターを持っていた亀島一徳さんは何かと熱いので(笑)。、シラっとした立ち方が魅力的な、転校生役の北川麗さんと蜻蛉役の崎浜純さんとは対照的でした。

 京都公演では劇場内全体がピンク色になるとか?

 ここからネタバレします。

 君が好きと言ってもすぐ違う人を好きになるし、絶対忘れないと言いながら絶対忘れるし。
 恥ずかしいことはしたくないんだけど、恥ずかしいぐらいのことでもしなければ欲しいものは手に入らないし、恥ずかしかった思い出ばかりいつまでも憶えてるし。
 正反対の思いが同時にある“今”を、いとおしんで描いているのかなと思いました。あと「好き!」って気持ちと。

 ユーミンの『卒業写真』を小学校の卒業式に歌うのはないよね~、痛い(笑)。おへそに鍵を入れたら気持ちいいとかも(笑)。そういうありえなさをやり切るのが良かったです。

vol.4.5
≪東京、京都≫
出演:亀島一徳(六) 篠崎大悟(八) 望月綾乃(トビ) 北川麗(露島空) 小橋れな(先生) 崎浜純(蜻蛉) 多賀麻美(クリーム) 三浦直之(みうらこぞう)
脚本・演出/三浦直之 照明/板谷悠希子 音響/池田野歩 衣裳/藤谷香子(快快) 舞台監督/鳥養友美 宣伝美術/玉利樹貴 制作助手/幡野萌 制作/坂本もも
【休演日】10月21日(木)【発売日】2010/09/20 前売り、当日ともに2,500円
http://llo88oll.web.fc2.com/

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Posted by shinobu at 16:28 | TrackBack

2010年10月19日

パブリックシアターのためのアーツマネジメント講座2010『特別シンポジウム/劇場法を“法律”として検証する』10/18世田谷文化生活情報センター・セミナールームAB

 9月から通っていた著作権の講義の最後の授業となった、特別シンポジウムを拝聴してきました。⇒計4回の講義の感想

 ■パブリックシアターのためのアーツマネジメント講座2010
  『特別シンポジウム/劇場法を“法律”として検証する』
  (登壇者:高萩宏、平田オリザ、片山泰輔 司会:福井健策)
  ⇒公式サイト
  ⇒内容をツイッター上で実況した@arts_policyによるまとめ

 弁護士の福井健策さん(@fukuikensaku)による「劇場・音楽堂法 試案」および当日の議題は、こちらに公開されています(事前質問の内容がそのまま議題になりました)。
 福井さんによる試案をもとに議論が進められ、目に見えて読むことのできる法律として、劇場法(仮)を知り、考えることが出来ました。条文という体裁は、最初はとっつきにかったですが、徐々に身近にとらえられるようになりました。意見が分かれたため長い時間をかけて話しあった議題が、条文にすると名詞1つを入れるか入れないかの差だったりするんですね。

 登壇者の皆さんは積極的に、端的に持論を展開してくださり、「劇場法(仮)が施行されたらどんなメリットがあるか」「具体的には何が変わるか」がよくわかりました。
 司会の福井さんが議題ごとにすみやかにまとめてくださり、時折生まれる笑いのポイントもきっちり掴んで(笑)、集中して楽しめた2時間半強。最後の質疑応答での参加者からの質問も的を射たもので、レベルの高い、濃い内容だったと思います。

 劇場法(仮)は芸団協が2002年から調査、研究を始めて、2009年3月に「社会の活力と創造的な発展をつくりだす劇場法(仮称)の提起」として発表されました(今はさらに進化しています)。少なく見積もっても8年の歳月がかけられています。

 観客は基本姿勢が受身なものなので、これからも自分が観たい舞台を選んで、チケットを買って、観に行けばいいんだと思います。でも作り手の方々はそうはいかないですよね。劇場法(仮)に賛成するにせよ反対するにせよ、まず劇場法(仮)って何なのかを知る必要があります。シンポジウムを聴いていて、今後は劇場法(仮)についての知識があるかないかで、ずいぶんと差が出て来そうだなと思いました。
 ⇒「劇場法(仮称)で何が変えられるのか?!」ラウンドテーブル【まとめ】
 ⇒fringe「劇場法(仮称)に関する議論まとめ(2010年7月11日現在)

 福井さんの締めの言葉の一部をご紹介します。
 福井「法律は国民同士の契約です。国民がお互いに最善の結果をもたらすために結びあう契約だと思います。ですからそれは、自分たちで考え合うためにそこにある。誰かが決めてくれて、決まったものに文句を言いながら従うものではない。自分たちで設計するためにあるんだと私は思います。」

 早速fringeが提案をしています。
 ⇒fringe blog「アーティストの評価は誰がやるべきか――平田オリザ氏のポスドク起用案に反対する
 平田さんは「ポスドクに」とおっしゃっていましたが、「ポスドクに限る」わけではないんじゃないかと思いました。でも条文にするためには明確にしないといけないですから、意見することは重要ですよね。

《ゲスト》片山泰輔(静岡文化芸術大学文化政策学部准教授)  高萩宏(東京芸術劇場副館長)  平田オリザ(劇作家、演出家)
《司会》福井健策(弁護士・骨董通り法律事務所)
[助成]アサヒビール芸術文化財団  平成22年度文化庁芸術拠点形成事業
参加費1,500円 ※本シンポジウムは、世田谷パブリックシアターレクチャー2010『舞台芸術と著作権・契約』の一環として実施いたします。レクチャーにお申込みの方は、改めてお申込みいただく必要はありません。
http://setagaya-pt.jp/workshop/2010/10/post_188.html

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Posted by shinobu at 20:24 | TrackBack

2010年10月16日

遊園地再生事業団『ジャパニーズ・スリーピング/世界でいちばん眠い場所』10/15-24座・高円寺1

 宮沢章夫さんの3年振りの新作舞台です(過去レビュー⇒)。テーマは「眠り」。そして当日パンフレットによると「インタビュー」もテーマの1つのようです。

 面白かった~~~~♪ かなりかまえてたんですけど(寝ちゃうんじゃないかとか、わかんなくて悲しくなるんじゃないかとか)、大丈夫でした。
 上演時間は、言うとネタバレになる気がするので、ここでは控えます。

 公演パンフレット買うのを失念・・・。野田秀樹さんと宮沢さんのロングインタビューなど充実してるようですので、気になった方はお忘れなく。巨大でデザインもかっこいいです。買えなかった私がなぜ宣伝(涙)。

 終演後のトークのゲストは作家の高橋源一郎さんでした。内容を一部アップしていますので、よかったらどうぞ。

 ⇒チケット予約
 ⇒初日終演後のトーク後の会話(宮沢章夫&高橋源一郎)
 ⇒佐々木敦さんの感想ツイート
 ⇒宮沢章夫さんにこのレビューを読んでいただけました(
 ⇒CoRich舞台芸術!『ジャパニーズ・スリーピング/世界でいちばん眠い場所

 おおざっぱに言うと、ステージは中央と上手、下手の3つの部分に分かれます。上下には同じ大きさのテレビモニターが数個並び、中央は何もない空間にイスが一脚。中央奥には巨大な金属質の(ような)壁がそそり立っていて、大きく映像が映写されます。劇場のえんじ色の壁もそのまま見せて、冷たくてシャープな空間。

 ずっと眠れない男、起きてるのに寝言を話す女、世界で一番眠い場所を知ってる女などが登場し、「眠り」にまつわる色んなエピソードが断片的に繰り出されます。「眠り」について、自分の体験も思い出しつつ想像して、心地よくさまよいました。まどろむんじゃないかと予想していたんですが、舞台にいる人たちと客席の観客と一緒に眠っているような感覚を持ちつつ、でも実際には全然眠くはなかったです。覚醒したまま漂うような、不思議な、でも心地よい時間でした。

 デジタルの高性能カメラで演技しているその場を撮影し、生中継します。映像が鮮明でハっとしました。見る側、見られる側が入れ替わります。撮る人と撮る人を見る人(=観客)、眠る人と眠っている人を見る人、夢を見ることと夢を振り返ること、死ぬことと生きることなどが、舞台上および自分の頭の中で入れ替わり、多次元の世界、それこそ夢を実体験しているような気がしました。でも舞台にいる役者さんも客席の観客も、たしかに今、生きて(起きて)いるので、夢ではないんですよね。贅沢な演劇的体験です。

 役者さんは皆さんとっても良かったです。理性を保って自分をコントロールしつつ、でも型にはまったロボットにはならない。意識がのびのびと会場全体に広がった状態を持続させ、生きた人間でいたからじゃないかしら、と、想像。誰もが自立していてかっこ良かった。

 伊沢磨紀さんが本を読んでくださっているのに、全然耳に入ってこなかったんです(すみません)。でも全く退屈じゃなくて、気持ちよかった。意識がはっきりしてるのに、ぼんやり、みたいな状態?
 田中夢さんがエロかった・・・!まずあのドレス。そしてパンプス。素晴らしいです[衣裳=irishcream(安食真・告鍬陽介)]。女性は田中さんを含む3人がセリフを話していたのですが、皆さんとっても可愛かったです。てかエッチなんだよ!みんな!!宮沢さんの女優の使い方に、岩松了さんと似たセンスを感じます。洗練されていて官能的。

 ここからネタバレします。

 「眠り」といっても色々。睡眠、死、オーガズムなど。チラシの写真は練炭による集団自殺の前なのかと思うと、さらに味わいが深いですね。
 終わり方が突然でした。終わりそうだとは思ったけど、予想できない形で良かったです。眠りに答えなんてない、と言われた気がして、それも良かった。

 上演時間は約1時間50分。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:宮沢章夫( @aki_u_ench ) 高橋源一郎( @takagengen

 客席でチラっと見かけた男性に「この人が高橋さんに違いない!」となぜか確信。写真も見たことないのに。そして当たっていました。ツイッターのアイコンのおかげかも。
 白髪まじりのバサっとした髪型に紺色のTシャツとジーンズ、そしてリュックサックという、飾り気のないカジュアルなスタイル。気さくでサービス精神旺盛で優しい方でした。ツイッターでの静かな語り口とはちょっと違って、より魅力的に感じました。演劇にもお詳しくて驚きました。きっと戯曲と小説を読んでらっしゃるからでしょうね。あ、でもチェルフィッチュの『三月の5日間』は舞台をご覧になっていたようです。最初に客席に向かってセリフを言われたのには驚きました。自由だな~。

 以下、私がメモした程度ですので正確性に責任は持てません。ご了承の上お読みいただけたら幸いです。

 高橋「宮沢さんとは初対面なんですが、初対面の気がしないのはツイッターのせいかな。本は6冊読んでます。ファンです。今回読み返してみたんですが、私と宮沢さんは似ていると思います。まず私は昔、劇作、演出、俳優をやっていました。そして方法論や考え方が似ている。“何かをじーーーっと見ていると、ヘンなものに見えてくる”。そんなことを書いている。」

 高橋「10年ぐらい疑問に思っていたことが、今日、解けました。謎が解けた。劇作家で小説を書く人がいるけど(寺山修司、唐十郎、清水邦夫、野田秀樹、松尾スズキなど)、戯曲に比べると小説はその劣化バージョンというか、劇作家は余技として小説を書いているという印象だった。でも最近の若手(岡田利規、前田司郎、三浦大輔、本谷有希子など)は、戯曲と小説が別のものになっている。時には戯曲よりも小説の方がいいんじゃないかというぐらい、小説が上手い。それは演劇が小説になったからだと思ったんです。今日の舞台を観て。
 宮沢さんはその若手の方になぜか入ってますね。宮沢さんの小説『機械』(「時間のかかる読書―横光利一『機械』を巡る素晴らしきぐずぐず」のこと?)は、へんなことをしてるだけの話で、とても面白い。あれはそのまま演劇だと思ったんです。つまり演劇は(ある状態の)細部を、詳細を描くようになった(ストーリーではなく)。」
 宮沢「1990年代半ばにドラマを使う必要はないのではと思ったんです。それがあるかも。」

 宮沢「なんで演劇なんかしてるんだろうと思った時もありましたが、演出していて面白くて仕方がないんです。演劇が好きなんですね。役者と接すること自体が楽しい。今日はミスがあったんですが、役者がトチると嬉しい。後で言ってやろうって思うから。」
 高橋「演劇は小説に似ている。だって人が出てるでしょう。たとえば詩には人は出てこなくてもいい。でも小説は、情景描写だけの作品もあるけど、人が出てこないとつまらないんだよね。人が出てくると嬉しい。今日だって“水も滴るいい女”(田中夢さん)とか、いいよね(にっこり)。」
 宮沢「人間が好きなんですよね。1時間45分で終わります、と言っておきながら、終わらないとか。どうなるかわからない。」
 高橋「ライブ映像があったけど、あれはライブじゃないね。よくニュースで中継だとか言ってるけど、あれは嘘だね。だって目の前にいる人(役者)の方がライブだし。見ていたい。」

 宮沢「なぜこんな演出をするのか、なぜあのスピードなのか、とか聞かれたりするんですが、たいてい意味はないんです(笑)。ここちよさでやってる。」
 高橋「ゆっくり歩く場面が好きだったんだけど、なんでゆっくり歩くのを観てるのって、気持ちいいんだろうね。」
 宮沢「ゆっくり(歩くのを)見るのは、時間を引き延ばすこと。太田省吾さんに教えてもらいました。劇とは省略であると。夜からいきなり朝になったり。でも本当は(時間は)省略できない。このあいだ徳川埋蔵金の発掘番組があったけど、あれを24時間テレビでやって欲しいよね(リアルタイムで省略なしで)。誰も見ないだろうけど(笑)。」

 高橋「眠りについて書かれた小説の引用がたくさんあったけど、睡眠といえばコレ!という作品がなかったね。『キャッチャー・イン・ザ・ライ』がないのはどうよ!あれはアイデンティティー・クライシスで眠くなる話。」
 宮沢「すみません、忘れてました。」

 その後「自分にとって世界で一番眠い場所とはどこか」という話になりました。
 人間は危機に陥ると、頭の回路を無意識に切っちゃうから眠くなるのではないか。逃げようとする時に眠くなるのではないか、など。
 宮沢さんは緊張すると眠くなるそうです。高橋さんは・・・プライベートなことを話してくださったので、ここでは書かないでおきます。ありがとうございました!

出演:上村聡、田中夢、牛尾千聖、岡野正一、川口聡、山村麻由美、宮崎晋太朗、今野裕一郎、伊沢磨紀、やついいちろう
脚本・演出=宮沢章夫 音楽=桜井圭介 美術=林巻子 写真=鈴木理策 衣裳=irishcream(安食真・告鍬陽介) 舞台監督=田中翼 照明=齋藤茂男(シアタークリエイション) 音響=半田充(MMS) 映像助手=高橋祐子 演出助手=山本健介/近藤久志/石原裕也 デザイン=相馬称 制作=黄木多美子/笠木泉 後援=杉並区 提携=座・高円寺/NPO法人劇場創造ネットワーク 製作=遊園地再生事業団/ルアプル 助成=芸術文化振興基金/東京都芸術文化発信事業
・一般:4,500円 ・学生:3,500円(遊園地再生事業団のみの取扱・枚数限定)
終演後のトーク:15日[金]19:00 = 高橋源一郎氏 17日[日]19:00 = 青山真治氏 18日[月]19:00 = 岡室美奈子氏 19日[火]19:00 = やついいちろう氏
http://ticket-u-ench.com//

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2010年10月15日

ハイリンド×サスペンデッズ『グロリア』10/14-24「劇」小劇場

 早船聡さんが作・演出されるサスペンデッズと、俳優集団ハイリンドとの合同公演です。どちらの劇団も大好きなので嬉しい!しかも早船さんの書き下ろし&演出です。

 チラシのあらすじにあるように、1944年の東京と1945年のオレゴン、2010年の日本が舞台の物語です。戦争が題材ですがとってもコミカルで、笑いつつ、しみじみと感じ入りつつの充実の観劇でした。上演時間は約1時間40分。

 サスペンデッズは「CoRich舞台芸術まつり!2009春」準グランプリ受賞劇団です。副賞としてCoRich舞台芸術!TOPページにバナーが掲載されています。

 ⇒wonderland初日レビュー(2010/10/15午後加筆)
 ⇒CoRich舞台芸術!『グロリア』★CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫
 祖母が入院する病室の前にいる孫(多根周作)。祖母が書きあげたという彼女の自分史を手にする。そこには1944年、終戦間際の日本のごく普通の家庭の記録が書かれていた。
 ≪ここまで≫

 和紙を思わせるブラインドが舞台奥をぐるりと丸く囲む抽象舞台。役者さんが1人で数役演じ、戦時下に生きる平凡な人々の生活を生き生きとコミカルに描きます。六十数年前の日米間の戦争だけでなく、今、身近にある日常の戦争をリアルに感じさせ、私たちがそれに対して何ができるのかを考えさせてくれました。

 役者さんは感情と身体の動きが一致する、いわゆる心理的リアリズムにのっとった確実な演技で魅せてくれます。両劇団とも所属する役者さんの技術が高いので、演出の狙いどおりに場面の意図を伝えてくれたように思いました。けっこうベタな笑いが多いんですが、誘いに乗っかって存分に楽しませていただきました。

 劇場が、というか、舞台が狭すぎるなぁと思いました。いい脚本だし役者さんも達者だし、あの小さな空間だともう、感情も世界観も、あふれかえって飛び出ちゃってる印象。役者さんにとっても演出の早船さんにとっても、ちょっと小さ過ぎなのではないかと。間近で観られるのは贅沢といえば贅沢なんですが。これまで両劇団の公演をよく観てきた一観客としては、規模の意味でもの足りなさを感じました。広い目の劇場でまた上演してくれないかなー!

 ここからネタバレします。

 多根周作さん演じる派遣会社社長の和彦は父母に早くに先立たれ、祖母に育てられました。結婚して女児をもうけましたが妻(はざまみゆき)と離婚。10歳になる娘は妻と暮らしており、自分は若い恋人と2人で生活しています(どうやら離婚の原因は彼の浮気かも?)。取引先の会社が2社同時に不渡りを出し、急に経営状況が悪化。祖母が入院する病院にまで借金取り(伊藤総)が押し掛けてきました。元妻の実家は裕福で、彼女はボランティアで海外のある紛争地域にこどものための図書館をつくる活動をしています。現地に行く際に娘も連れて行くという元妻の考えに、和彦は猛反対。2人の間にある溝がいかに深いかが、さりげない会話からひしひしと伝わってきます。これが2010年のお話。

 最初のこのシーンがすっごく面白くて、にやにやしながら見ていました。多根さんがはざまさんにつっかかっていくタイミングが絶妙。借金苦を背負う姿のリアリティーったら!借金取り役の伊藤総さんのいやらしさもとても良かったです。

 1944年の東京では、和彦の祖母の若い頃を多根さんが演じます。父と兄(佐野陽一と伊藤総)は戦死。下宿していた書生(伊原農)も南方で戦死。母(枝元萌)は戦後すぐに病死。弟(佐藤銀平)は東京大空襲で、キリスト教信者だった親友(はざまみゆき)とその家族も神戸の空襲で亡くなります。祖母は戦争で何もかもを失った方だったんですね。

 1945年のオレゴンだと、多根さんはキリスト教の教会の宣教師を演じます。身重の妻(はざまみゆき)と教会に来ていた子供たちを連れてピクニックに行ったところ、和彦の祖母が作っていた風船爆弾の爆発に遭ってしまいます。宣教師は他の場所に車を止めに行っていたので無事でしたが、妻も子供たちも全員が死亡。彼もまた、爆弾で何もかもを失います。

 考えてみたら和彦も、妻子と別れ、祖母が死に、会社をたたみ、きっと恋人にも去られるでしょうから、全てを失うのでしょうね。多根さんは時代を越えて「全てを失う人」3役を演じました。はざまさんは多根さんとペアになる親友や妻役で、信念を持ってそれに奉仕する純粋な人を演じています。その2人が2010年の最後の場面で、お互いの考え方がかけ離れていて、ずっと平行線だとしても、「それでも話をしよう」と約束します。祖母の書いた自分史を読んだ和彦が、「想像すること」をやってみたからなんですよね。それで歩み寄れた。

 風船爆弾のことは耳にしたことがありましたが、全くと言っていいほど実態については知りませんでした。9000個も作ったなんて。和紙で。

 佐野陽一さんの鶏役は凄い破壊力だったな~(笑)。素晴らしかったです。母親役の枝元萌さんの、夫と長男の戦死の報を受けた時の、感情を体の奥に押し込めた演技がとても良かった。はざまみゆきさんのもんぺを履いた清貧のキリスト教信者の少女役は、凛とした背筋に清純さが光って見えるようでした。佐藤銀平さんはいじめられっ子の末っ子役が可愛らしかったです。伊原農さんは入院中の失業者役も、肝臓病の書生役も、色気づいたアメリカ人の青年役も、人懐っこさというか、適度な色気があっていいなと思いました。

出演:伊藤総/佐藤銀平/佐野陽一(以上サスペンデッズ), 伊原農/枝元萌/多根周作/はざまみゆき(以上ハイリンド)
脚本・演出:早船聡(サスペンデッズ) 舞台監督:井関景太・深沢亜美(るうと工房) 舞台美術:向井登子 照明:石島奈津子(東京舞台照明) 音響:平井隆史(末広寿司) 衣裳:大野典子 映像:タケウチヤスコ(朝焼けダイブ) 舞台説明:梅田泉 宣伝美術:西山昭彦 アートワーク:木村タカヒロ スチール:夏生かれん 撮影ヘアメイク:田沢麻利子 Webデザイン:薮地健司・夏子) ビデオ撮影:滝沢浩司 企画・製作:サスペンデッズ+ハイリンド 制作:上田郁子(オフィス・ムベ)・石川はるか 制作協力:山本亜希 協賛:イースターエッグ
【発売日】2010/09/17 前売/当日 3500円(全席指定) ハイリンド賛助会員 2500円 学生割引(高校生以下) 2500円(当日精算のみ)
☆先行割引チケット販売→9月11日~16日 9月11 日より16 日まで、メール申込による先行割引チケットを販売致します。この期間中にチケットをお買い求め頂くと、一般料金が500 円引きの3,000 円になります!下記のアドレスへお名前、ご連絡先、ご希望日時、枚数を明記の上お申し込み下さい。
http://www.hylind.net/play20101014.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:59 | TrackBack

2010年10月14日

青年団リンク・うさぎ庵『女と女と棺と女』10/12-14 Theater&Company COREDO

 工藤千夏さんが作・演出されるうさぎ庵の新作です。工藤さんは青年団演出部に所属している劇作家・演出家で、渡辺源四郎商店のドラマターグでもあります。最近こちらの公演(レビュー⇒)でいたく感動しました。

 乃木坂の地下にある小さなバーで、大人の女たちの静かに、したたかに闘っていました。にやにや、ぞくぞくしながら拝見しました。ショパンのピアノの音色が華やかで切ない。工藤さんの脚本、大好きです。上演時間は約1時間5分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『女と女と棺と女

 ≪あらすじ≫ 当日パンフレットより。(役者名)を追加。
 母の二十三回忌。長女(羽場睦子)、次女(多田慶子)、植物状態の父、そして彼を介護する愛人(天明留理子)の暮らす家に不思議な客が訪れる……。
 ≪ここまで≫

 わがままで要領のいい長女。不器用でずっと未婚の次女。奔放だが実は男に尽くすタイプの三女。
 父親に限らず、子供って本当に親を愛してしまっていますよね。何歳になっても無償の、盲目の愛を注いでしまいます。それが痛々しいし、可愛らしい。

 初日は予想以上の満員状態で、会場が暑くなってしまったそうです。ちょっとつらかったですね。翌日からは改善されたことと思います。それにしても3日間だけの公演ってもったいない!

 ここからネタバレします。

 35年前、長女が高校生、次女が小学生のころに出て行った父親は、有名なピアニスト。愛人も多数いたプレイボーイ。植物状態になって実家に戻ってきて、今は若い愛人が介護している。
 描かれるのは母の23回忌(だったかな)の日。長女、次女、愛人がいるところに、以前の愛人が現れ、さらに三女もフランスから帰国する。

 すべて次女の見た幻だったかもしれない。でもどこからどこまでが現実で夢なのかがわかりづらいのがとても良かったです。
 数役演じる天明留理子さん。突然訪れる赤い服の愛人と、ニースから帰国する三女を演じる時に、ゴージャスなスリッパを履いてるのがいいわ~♪介護をする麗子役の時は黒いスリッパなんですよね。そしてピアノを弾く若い父親(増崎陽介)は肌足です。足元できちっと演出。

 シェイクスピア『リア王』の三姉妹、『マクベス』の三人の魔女、チェーホフ『三人姉妹』のラストシーン。

Vol.8
出演:羽場睦子 多田慶子 天明留理子(青年団) ピアノ:増崎陽介
脚本・演出:工藤千夏 音響:藤平美保子 音響オペレーター:目黒愛美 照明プラン:伊藤馨 照明オペレーター:斎藤真 制作:山藤貴子 宣伝美術:Griffe inc.(工藤規雄・橋本麻由実) 宣伝写真:工藤規雄 舞台写真:田中流 総合プロデューサー:平田オリザ 企画制作:(有)アゴラ企画・こまぱアゴラ劇場 主催:青年団、うさぎ庵
【発売日】2010/09/11 予約3500円 当日3800円 マチネ予約3000円 マチネ当日3300円
http://usagi-an.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:27 | TrackBack

【オーディション】感激市場「コンドルズ・コレオグラフィー・コンペティション」※〆切: 10月中旬

 学習院女子大学が主催する感激市場が、コンドルズの近藤良平さん、石渕聡さんによる楽曲「コツンとシャレコーベ2」の振付を募集しています。詳細は公式サイトでどうぞ。CoRich舞台芸術!の掲示板で知りました。

 ●コンドルズ コレオグラフィー コンペティション(CCC)
 ・応募者は近藤良平・石渕聡両氏の作曲による曲「コツンとシャレコーベ2」をダウンロードしてください。
  実際に踊った映像を動画投稿サイトYouTube上に投稿し、これをコンドルズが審査します。
 ・応募締切…10月中旬
 ・賞金…10万円
 ・授賞式…11月3日(水・祝)
  このとき受賞者は近藤・石渕両氏のライブ伴奏のもと、受賞作を上演すること。

 以下は公式サイトからの情報です。

■コンドルズ コレオグラフィー コンペティション
略してCCC。
CCC = Condors Choreography Competition

動画投稿サイトYouTubeを通して行われるコンドルズ振付コンペティション。
その授賞式が11月3日(水・祝)のコンドルズ公演に先立って行われます。

【概要】
近藤良平・石渕聡両氏の作曲による曲「コツンとシャレコーベ2」の振付を募集します。
応募者はこの曲をダウンロードし、実際に踊った映像をネット上に投稿し、これをコンドルズが審査します。

・応募締切り…10月中旬予定
・応募者条件…年齢・経歴・踊りのジャンル一切不問
・応募方法 

a.応募作を実際に踊った映像をYouTubeに投稿し、その旨を事務局にメールで通知のこと。
 宛先:gwcbutai(アットマーク)gakushuin.ac.jp

b.タイトルは「コツンとシャレコーベ2××篇」とし、××のところに何か言葉を入れること。

c.指定曲は改変することなくそのまま使用すること。また指定以外の伴奏音を使用しないこと。ただしダンサー自身が音や声を発することは差し支えない。

d.投稿通知にはタイトル、氏名(グループの場合はグループ名および代表者氏名)、年齢、連絡先(メールアドレスおよび電話、住所)、所属(大学名、ダンスカンパニー名など)を記入のこと。

・選考委員…近藤良平、石渕聡、尼ヶ崎彬(応募者が多数の場合感劇市場実行委員会が1次選考を行うが、このときYouTubeの再生回数が参考にされることがある)

・受賞発表…10月下旬
・賞金…10万円
・授賞式…11月3日(水・祝)「感劇市場2010」におけるコンドルズ公演に先立ち行われる。(会場:学習院女子大学やわらぎホール)

このとき受賞者は近藤・石渕両氏のライブ伴奏のもと、受賞作を上演すること。
次のページにて、応募手順を紹介しています。

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:38 | TrackBack

2010年10月13日

【写真レポート】新国立劇場演劇「『わが町』制作発表」10/12新国立劇場オーケストラリハーサル室

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『わが町』ポスター

 新国立劇場の『わが町』制作発表に伺いました。『わが町』は1938年に書かれたアメリカの劇作家ソーントン・ワイルダーの戯曲で、ピュリッツァー賞を受賞している世界的な名作です。

 演出の宮田慶子さん曰く、「日本中の俳優養成所が上演していて、私の世代の演劇人で、この作品を通過してない人はいないぐらい有名」。私も数バージョン拝見しています。

 実は今年から来年にかけて、『わが町』の上演ラッシュなのです。文学座公演WiWiWilder企画JAM SESSION公演静岡舞台芸術センター(SPAC)公演俳優座劇場プロデュースの音楽劇など!
 新国立劇場の『わが町』はどんな『わが町』になるのでしょうか。宮田さんと新訳を担当した水谷八也さん、豪華キャストの皆さんが意気込みを語ってくれました。

 ●新国立劇場演劇『わが町』
  期間:2011年1/13(木)~29(土)
  会場:新国立劇場中劇場
  一般発売日:2010年10月16日(土)10:00~ 
  価格:S席7,350円 A席5,250円 B席3,150円
  ⇒公式サイト
  ⇒CoRich舞台芸術!『わが町
【出演者写真】
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【宮田慶子さん(芸術監督・演出)】

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 宮田「シーズンテーマのひとつである「JAPAN MEETS・・・─現代劇の系譜をひもとく─」では、近代以降に日本が出会ってきた海外の優れた作品、非常に大きな影響を与えた作品を4作品上演します。『わが町』は『ヘッダ・ガーブレル』、『やけたトタン屋根の上の猫』に続く3作目です。
 大きな特徴は、どれもカンパニーに合わせた新翻訳をしていること。『ヘッダ…』も『やけた…』も新しい翻訳をほどこすことで、今の時代に上演することに大きな意味があったと実感しました。『わが町』の台本はとてもわかりやすく、具体的に、今のお客様の心に響くものに仕上がっていると思います。

 『わが町』が書かれたのは1938年、昭和13年ぐらいです。プロセニアムアーチという劇場の枠だけが存在する何もない舞台で、役者の演技が無対象でおこなわれ、スピーディーに場面転換していく。現代演劇のもととなったスタイルを確立させた、演劇史的にも大きな意味のある作品です。今公演においても基本的に何もない空間をつくりたいと思っていますが、稲本響さんのピアノの音楽という、目には見えない、大きな世界観の中でこの物語を展開したい。

 出演者には理想的な面々にお集まりいただき、わくわくしています。『わが町』はアメリカの田舎を舞台にした、とても大きな主題を抱えた作品です。人間の日常の営みの素晴らしさや、人間が恋をして結婚して家族を作り、やがて死んで次の世代へと渡していくという普遍的な大きなテーマを、皆さまにおなじみの素晴らしい俳優と作っていけることが、何よりこの作品を具体的に届けられるポイントだと思っています。

 若者役のオーディションを実施して、1500人の中からエミリー役に佃井皆美さんを選ばせて頂きました(⇒告知エントリー)。15人のBOYS and GIRLS(アンサンブル)もその中から選抜しました。大きな町の話なので色んな年齢の方がいるといいなと思い、蜷川幸雄さん率いるさいたまゴールド・シアターから8人のメンバーに参加していただきます。最高齢が81歳という、素晴らしくパワフルなおじいちゃん、おばあちゃんたちです。本当に楽しみです。キャスティングも素晴らしく、稲本さんのピアノの生演奏、そして新訳と、たくさんの見どころのある作品です。ぜひ皆さんに足を運んでいただき、楽しんでもらいたいと思っております。」


【水谷八也さん(翻訳)】

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 水谷「『わが町』は驚くべきことに日米大戦前の1939年に翻訳され、日本初演は1941年。長岡輝子さんの演出により文学座で上演されました。何度も何度も上演されているんですが、ストーリーに限っていえば全く平凡な、たいして面白くないような話なんです。しかしワイルダーは言葉の外側に、劇の構造などの色んなものを埋め込んでいて、それを感じさせてくれます。今回は稽古の中で、さまざまな見えないもの、最近の科学の言葉では“ダークマター”と言いましょうか、それを探って行ければと思っています。
 『わが町』はこれまでに数種類の翻訳が出ています。単純で平凡な話なので差別化は難しいですが、私は敢えて“死”が尖って出てくるような言葉で、たとえば「亡くなる」といった表現じゃなく、死そのものがイメージされるような訳を心がけました。
 ワイルダー作品はある程度評価が定まっているのですが、知られてない側面もたくさんあるんです。たとえば彼は非常に奇妙な、3分間で終わる芝居をたくさん書いたりしています。そういうことを宮田さんや役者の方々にお話しながら、外側から少しずつ刺激を与えていければと思っています。このカンパニーでできることを楽しみにしております。」
 ⇒マンスリー・プロジェクト
  2011年1月21日(金)14:30/22日(土)17:00
  演劇講座「彼が舞台をハダカにしたワケ-演劇史と近代史の交差点でワイルダーを見る-」
  講師:水谷八也(翻訳家・早稲田大学教授)
  ゲスト:『わが町』出演者(ボーイズ&ガールズ)

【小堺一機さん(舞台監督役)】
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 小堺「舞台監督という役は、お客様と、舞台である町との懸け橋でありつつ、時には演者にもなるということで、びっくりしました。どうやったらいいのかは、それこそ水谷さんがおっしゃった“ダークマター”というか(まだ目には見えない)。今は真っ白な状態になっておいて、稽古を通じて色んな絵を描いていただこうと思っております。
 何度も読み返してみて、“なんでもないこと”が実はすごく“なんでもあること”なんだと、最後にグっとわからせてくれる脚本だと思いました。アクセルを踏みながらブレーキを踏むことのないように、いいアクセルが踏めるように、がんばりたいと思います。」


【斉藤由貴さん(ギブズ夫人役)】
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 斉藤「『わが町』は芝居好きの姉が出たお芝居で観たことがありました。何にもないところから始まるのが、すごく不親切で、いいなと思ったのを憶えています。私の人生は何でも、最初からお膳立てされたところから始めることが多かったので。それについては感謝すべきことなんですけど。
 何もないところから不親切に始まって、お客さんが身を乗り出して「ん?」と考えてくれることって素敵だなと思います。自分が芝居の中でどんな役割を担うのかは、稽古に入って本番が始まるぐらいまで探っていくことになると思いますが、このお話に参加できることがすごく嬉しいです。」


【鷲尾真知子さん(ウェッブ夫人役)】
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 鷲尾「このお話をいただいた時、『わーっ!』と大きい声をあげました。18歳の時、劇団NLTの卒業公演で『わが町』第一幕のエミリーを演じさせていただいたんです。まだ18歳でしたから、それぞれのシーンを全部覚えてます。こないだやった芝居は忘れてますけど(笑)。
 自分の感性がピュアで色んなものを吸収できる時に、エミリーとして舞台に立ちました。だから『わが町』と聞いただけで感情的になってしまうんですね。でも今回は感情的にならず、冷静になって“お母さん”を演じたいです。日常を大事にして、子供を愛し、ご主人を愛するお母さんを。18歳の時は気づけなかったことに、今では気づくことができています。だから年をとるって素敵だなと思ったりもしています。この作品に参加できることが私にとって本当に幸せなんだということをかみしめて、初日まで、このたくさんのメンバーといい稽古ができることを願っております。」


【相島一之さん(ドクター・ギブズ役)】
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 相島「私は鷲尾さんと逆で、48歳で初めてこの作品に出会うことができました。20代から芝居は始めていましたが、私は当時、大学の小劇場劇団にいて『新劇なんか、古典なんか、なんだ!』みたいに(反発して)突っ走ってきましたので、そのあたりの教養が欠けております。
 はじめて『わが町』を読んで、この年になってわかることなんですけど、これは大変な台本だと思いました。何も、ないんですよ!本当に!さりげないといえばさりげないし、終わり方もあっけない。そこが一番難しいと思いますし、今まで何十年も演じられてきた理由であり、一番重要なことだと思うんです。この年で初めてこういう作品に出会えたことをとても感謝しています。すごく大変なんだろうな~という緊張感もあり、楽しみでもあります。どんな風にでも変われるお芝居だという気もします。ぜひ皆さん、観に来てください。」


【中村倫也さん(ジョージ・ギブズ役)】
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 中村「相島さんもおっしゃってますが、この台本には無限に近い可能性があると思いました。チームによって色んな作品になるんだろうなと思います。役者が無対象で話すということも、すごく怖いですし、プレッシャーです。でもそこに負けないで、ストイックにこの作品を楽しみながら、日常というものを舞台で表現して、いいものを作れたらと思っています。」


【佃井皆美さん(エミリー・ウェッブ役)】
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 佃井「『わが町』という作品に出会って、人生観が変わるぐらい素敵な作品だと思いました。読んでいて胸がいっぱいになりました。そんな作品のエミリー役をやらせていただけて、ありがたいです。1500人の中から選んでいただけたこともあり、たくさんの人の期待に応えられるよう、精いっぱい頑張りたいと思います。」


【稲本響さん(作曲・ピアノ生演奏)】
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 稲本「ソーントン・ワイルダーの時代に合わせて、ちょうど1900年代前半のニューヨーク・スタインウェイ(のピアノ)をトラックで中劇場に運び込んで、毎日、生で演奏させていただきたいと思っています。宮田さんがおっしゃったように音楽は目に見えないですが、皆さんの心に浮かぶような音楽を作り上げていけたらと思っています。
 曲はすべてオリジナルで書きおろす予定で、今、作っている最中です。録音だと事前に作るのですが、今回は初日ギリギリまで曲を作っていたいなと。〆切を伸ばしてくださいという意味ではなく(笑)。キャストの皆さんの空気感や思いを感じながら、自分で毎日演奏できることに喜びを感じています。それが一番楽しみです。」

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■大きな空間で『わが町』のスケールを表現/翻案はしな
 宮田「新国立劇場の中劇場は非常に大きな空間なので、演出家としては怖くもありますが(笑)、逆に言えば、ミクロから宇宙まで広がる『わが町』のスケールを、中劇場ならではの空間を生かして作りたい。
 『わが町』はよく翻案もされていて、たとえば来年3月には柴幸男さんが『わが町・可児』をお作りになられるようですが、今回は日本の町を舞台にして翻案するのではなく、ワイルダーのオリジナルの台本を使いながら、それでいて現代の日本人である我々が共感できる作品にしたいです。」

■緑が鮮やかなポスターのデザイン
 宮田「近年話題の本条直季さんの写真です。都市の写真を撮ってらして、本条さんの写真集は写真集としては珍しいベストセラーになっています。写真なのに模型のようですよね。この写真がズバリ『わが町』だと惚れこみました。俯瞰した目線は死者の視点。なんでもないT字路が、死者の目から見るとこんなにも美しいのです。」

■『わが町』が同時期に多数上演されることについて
 宮田「こんなにたくさん出そろうとは思ってなかったんですけどね~。先日もJAM SESSIONという団体が赤坂RED THEATERで『わが町』を上演してまして、演出の西沢栄治さんとも話をしてたんです。「なんでこんなにみんなで『わが町』になったんだろうね」と。西沢さんは「時代ですかね」と言っていて。
 時代の流れがあまりにも激しくて早いので、誰もが一度立ち止まりたかったんだろうなという思いがあります。みんなが拠り所を探している。もう一度家族に立ち返ろうとしている。自分の足元をもう一回見つめ直そうとしている。
 今年上演されているということは、去年か一昨年ぐらいに企画を考えていたはずで(笑)、たしかに政権交代もありましたし、みんながそういうことを考えたのかなと思います。もう一度ここで、等身大の、自分なりの、生きていくための拠り所を探したかったんじゃないか。私自身も全く同じ思いです。」

【稲本響さんによるピアノ演奏】
 小さいピアノですが(笑)、迫力のある素敵な演奏でした♪
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2010/2011シーズン JAPAN MEETS・・・ ─現代劇の系譜をひもとく─ Ⅲ
【出演】メインキャスト:小堺一機・鷲尾真知子・相島一之・佐藤正宏・中村倫也・佃井皆美・中村元紀・山本亨・青木和宣・増子倭文江・斉藤由貴 ボーイズアンドガールズ:内山ちひろ・斉藤悠・高橋宙無・高橋智也・横山央・下村マヒロ・橋本淳・佐々木友里・内藤大希・宇髙海渡・水野駿太朗・橋本咲キアーラ・菅野隼人・大村沙亜子・朝倉みかん さいたまゴールドシアター:森下竜一・中野富吉・徳納敬子・都村敏子・北澤雅章・竹居正武・吉久智恵子
作:ソーントン・ワイルダー 翻訳:水谷八也 演出:宮田慶子 音楽/演奏:稲本響 美術:長田佳代子 照明:沢田祐二 音響:渡邉邦男 衣裳:加納豊美 歌唱指導:伊藤和美 演出助手:高野玲 舞台監督:澁谷嘉久 芸術監督:宮田慶子 主催:新国立劇場 共催:TBS 後援:TBSラジオ 宣伝美術:good design company 写真:本条直季
一般発売日:2010年10月16日(土)10:00~ S席7,350円 A席5,250円 B席3,150円 「JAPAN MEETS・・・Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」特別割引通し券の販売は終了
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000324_play.html

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Posted by shinobu at 17:24 | TrackBack

2010年10月10日

世田谷パブリックシアター『ガラスの葉』09/26-10/10世田谷パブリックシアター

 『ガラスの葉』はイギリスの劇作家フィリップ・リドリーさんが、2007年にロンドンで初演した戯曲です。白井晃さんがリドリー作品を演出するのは3度目(過去レビュー⇒)。

 美術(松井るみ)と演出とのコンビネーションは期待どおりの密度。音楽は白井さんが昨年の中国の不思議な役人』でも組まれていた三宅純さん。充実の4人芝居でした。上演時間は約2時間弱(休憩なし)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ガラスの葉

 ≪あらすじ≫
 子供のころに父親を失った兄弟。会社の経営者となったしっかり者の兄(荻原聖人)は、秘書(平岩紙)と結婚し、絵の才能はあるが気性が荒っぽい弟(田中圭)の面倒を見ている。一人暮らしの母(銀粉蝶)は大家の飼い犬の鳴き声に悩まされており・・・。
 ≪ここまで≫

 美術にうっとりため息。帰り道に“家族”について考えをめぐらました。
 過去を嘘で上書きしていく恐怖。でも、そうでもしなきゃ生きていけない人間の弱さにも納得です。
 私は私の中にある本当のことを、まずは私のために大事にするしかないかなと思っています。自分だけでなく周囲も巻き込んで、浮草になってしまうのは悲しいです。とはいえ何が「本当」なのかは曖昧なのですが。せめて自分のために正直で。

 田中圭さんはこれまでに何度か舞台で(映画でも)拝見していますが(過去レビュー⇒)、いつもとても自然で素敵。『偶然の音楽』の再演を見逃したのが悔やまれます。

 ここからネタバレします。

 舞台面から奥に向かって、3つの部分に分かれる装置でした。客席に一番近い側の装置は固定ですが、その奥と一番奥は、左右(上下)にスライドします。人物の定まらない心情や絶望的なすれ違いを表しているように思いました。揺れる装置とともに、私の気持ちも揺れました。

 家族が死んでしまうのは悲しいです。そしてその原因が不慮の事故や病気ではなく自殺だったら?遺された家族は「頼りにされていなかった」「嫌われていた」「捨てられた」といった気持ちになっても仕方ないですよね。その心の傷の深さ、それぞれの痛みが舞台にじわりとにじみます。
 ※父の自殺の真相は明かされませんし、母は事故と言い張ります。

 兄と弟の立場が徐々に入れ替わっていくのが面白いです。
 父の葬儀の後、父の旧友と名乗る(?)男性の家に、兄弟は訪れます。兄(当時15歳ぐらい?)はなぜお金をもらってたんだろう・・・売春??などと想像。

出演:荻原聖人 田中圭 平岩紙 銀粉蝶
[作]フィリップ・リドリー[翻訳]小宮山智津子[演出]白井晃[美術]松井るみ[音楽]三宅純[照明]齋藤茂男[音響]井上正弘[衣裳]黒須はな子[ヘアメイク]佐藤裕子[映像]新生璃人[演出助手]河合範子[舞台監督]田中直明[主催] 財団法人せたがや文化財団 [企画制作] 世田谷パブリックシアター [協賛] トヨタ自動車株式会社 [協力] 東京急行電鉄/東急ホテルズ/渋谷エクセルホテル東急 [後援] 世田谷区 平成22年度文化庁芸術拠点形成事業
【発売日】2010/08/08 S席6,300円/A席 4,200円 高校生以下 各一般料金の半額(世田谷パブリックシアターチケットセンターのみ取扱い、年齢確認できるものを要提示)
 U24 各一般料金の半額(世田谷パブリックシアターチケットセンターにて要事前登録、登録時年齢確認できるもの要提示、オンラインのみ取扱い、枚数限定) 友の会会員割引 S席5,700円 世田谷区民割引 S席6,000円
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/09/post_198.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 14:38 | TrackBack

SPAC『令嬢ジュリー』10/02-03, 10/09-10静岡芸術劇場

 静岡舞台芸術センターでは「SPAC秋のシーズン2010」の真っ最中。昨日、フランスの演出家フレデリック・フィスバックさん演出の『令嬢ジュリー』を観てきました。幕開けから「舞台美術が凄い」という噂はあって、実際、もの凄かった(笑)。あれは劇場の中に建てられた家ですね。上演時間は2時間。

 一般向けの公演は土日ですが、平日公演には静岡の高校生が招待されています。これを高校生が観るなんて・・・それも凄い。
 公的なサポートがなければ一般4,000円なんて考えられない、贅沢な作品です。ペアなら1人3500円!(大学生・専門学校生は2000円、高校生以下は1000円) 東京在住の私には静岡までの旅費がかかりますが、十分以上に満足させていただきました。

 ⇒舞台写真 ※CGじゃないです!
 ⇒CoRich舞台芸術!『令嬢ジュリー

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 夏至祭の前夜。令嬢ジュリー(たきいみき)は台所にいる召使いジャン(阿部一徳)のもとを訪れる。ジャンには同じく召使いのクリスティン(布施安寿香)という許嫁がいたが、ジュリーはお嬢様としての特権を行使して、ジャンに自分を楽しませるように強要する。二人はダンスを踊ったり、お酒を飲んだり、しばし愉快な時間を過ごすのだったが、昔から憧れていたと口説くジャンにのせられたジュリーは、情事におよんで・・・。
 ≪ここまで≫

 『令嬢ジュリー』はスウェーデンの劇作家ストリンドベリの有名古典戯曲(1888年)ですが、現代的な装置、衣裳、音楽、そして演技によってすっかり現代のお話になっていました。もともとは3人芝居ですが、多数のコロスがいることによって「ジュリーとジャンとクリスティンの話」から、「どこにでもいる誰か(つまり私)の話」になっていました。
 真っ白な壁に光が反射するので舞台全体は白く明るいですが、間接照明だからなのか、役者さんの顔がはっきり、くっきりとは見えません。それもこの物語の普遍性を伝わりやすくしていると思います。

 羽目を外したバカ騒ぎに乗じて、一夜の恋に身を任せた身分違いの男女。あるルールにのっとった演技合戦(色仕掛け、恋の駆け引き)から、本音のぶつかり合いへと2人の関係は進展してしまいます。でも喧々諤々の生々しいケンカとしては描かれません。感情の高まりもぶつかり合いも、相手のある行動に対する反応として、さりげなく、突然に表出します。目に見えているのは一枚の絵画のような、音が鳴っていても静けさが感じられるほどの美しい風景ですが、感情のうねりが常に空気を揺り動かしています。

 コロスが多数出演しますが、基本的には3人芝居、それも2人っきりの会話のシーンが多いです。凝縮された空気が長時間持続しますので、観客全員がそれに付いていけるかどうかというと、難しいと思います。白状しますが、私も途中で少々疲れてしまいました。でも最後の場面は、2人っきりの長い長いシーンなのですが、ものすごく官能的で引きこまれっぱなしでした。そしてハっと驚く幕切れ。照明が落ちるタイミング、暗闇の深さがまた格別です。

 ジュリー役のたきいみきさんの、いつもながらの美貌にうっとり。見かけが美しいだけでなく、身体、声、感情のコントロールが巧みなのが素晴らしいです。
 ジャン役の阿部一徳さんは、衣裳の変化(といってもほぼ1種類の衣裳を脱いだり着たりするだけ)で性格を豹変させます。存在の重みと安定感にほれぼれします。最初のシーンの色っぽさときたら、もう!!

 ここからネタバレします。

 楽しいパーティーが狂気の沙汰へと変わることはよくあります。ジュリーとジャンの情事も一瞬の気の迷いから生まれたのかもしれません。でもそれこそ人間らしさであり、出来事そのものの美しさは否定できません。徐々に距離を縮めていく2人にわくわく、どきどきしました。そして関係が予想していなかった段階に進むと、2人はお互いの育ちや考え方のあまりの違いに翻弄されます。会話の主従関係が瞬時に入れ替わるのがスリリング。

 ジュリーの父親である伯爵が不在の間、ジュリーは邸宅の女主人でした。でも伯爵が帰ってくればその天下も終わり。ジャンも、ジュリーと2人で逃亡しようと計画したものの、伯爵帰宅と聞いただけで気持ちが縮こまってしまいます。自分を縛るルールから逃れようとしたものの、そのルールに飼いならされていることを自覚するのです。身分制度や宗教(国教)などがほぼないとされる現代日本にも当てはまります。

 ジュリーは折れそうなほど細くて、高さのあるハイヒールを履いています。ヒールは女性の象徴ですよね。女ならではの武装のファッションでもあり、肉体的な弱さと、プライドや強がりも表していると思います。それを男ものの大きなブーツに履き替え、やがてブーツも脱いで素足になるジュリー。最後にはありのままの自分で勝負するしかないんですよね、人生。
 ジャンは艶やかな黒いスーツで色気と知性を前面に出していましたが、1枚、また1枚と脱ぐ(着る)うちに体の中の野性がにおい立ちます。衣裳ひとつで紳士にも獣にもなれるんですから、洗練された演出および演技に息を飲みます。俳優は立ち姿で決まるものだなと思いました。

一般公演:10月2日(土)16時30分開演、3日(日)14時開演、9日(土)16時30分開演、10日(日)14時開演
出演:たきいみき 阿部一徳 布施安寿香
コロス:青島美和、秋山淑恵、上山翼、串田仁美、佐藤友紀、杉浦南美子、蛸島慎司、仲村暢人、成田颯太、宮下泰幸、村上厚二、八幡みゆき、米川貴久、ブノア・レジヨ、大内米治、若宮羊市
演出:フレデリック・フィスバック 脚本:アウグスト・ストリンドベリ 訳:毛利三彌 美術:ローラン・P・ペルジェ 演出助手:ブノア・レジヨ 通訳:石川裕美 演出協力:芳野まい 舞台監督:村松厚志 装置製作:彦坂玲子 舞台:山田貴大、佐藤洋輔 衣裳製作:駒井友美子 照明:吉本有輝子 照明操作:川島幸子 音響:青木亮介 制作:高林利衣、仲村悠希
チケット:4,000円/ペアチケット(2枚)7,000円/大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円
http://www.spac.or.jp/10_autumn/julie
http://www.spac.or.jp/10_autumn/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:26 | TrackBack

2010年10月08日

パブリックシアターのためのアーツマネジメント講座2010『舞台芸術と著作権・契約/実務力がつく4日間2010+特別シンポジウム/劇場法を“法律”として検証する』09/14-10/18世田谷文化生活情報センター・セミナールーム他

20100914_1018_chosakuken_seminer.JPG
セミナー入口

 弁護士・福井健策さん著作権の講義を受けてきました(全4回+特別シンポジウム)。個人的に、大学時代に劇団関係ですれ違うぐらいのご縁があり(私は東大出身じゃないですが)、また、舞台公演のパンフレットで「法務アドバイザー:福井健策」というクレジットをよく見ていたので、いつかお話を詳しく聞いてみたいと思っていました。

 講座の最後はシンポジウムで締めくくり。もう満席かもしれませんが一応情報↓です。

 ■『特別シンポジウム/劇場法を“法律”として検証する』
 (登壇者:高萩宏、平田オリザ、片山泰輔 司会:福井健策)
  10月18日(月)19時~21時30分
  @世田谷文化生活情報センター セミナールーム
  ⇒公式サイト

著作権とは何か ―文化と創造のゆくえ (集英社新書)
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著作権の世紀―変わる「情報の独占制度」 (集英社新書 527A)
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 長年の専門経験の積み重ねに裏打ちされた知識、知恵を、実際のエピソードを交えながら、非常にわかりやすく、面白く楽しく(←ココ重要!)説明してくださいました。実践に役立つ著作権についての、初歩的な知識を得ることが出来たように思います。私は何が“パクリ”なのか、何が“違法”なのか(コピーや引用がどこまで許されるのか)が知りたかったので、その意味では大満足。

 著作権の法律は比較的若くて、何が合法で違法なのかの線引きがいつも明確なわけではないんですね。アーティストの権利を守るためではあるものの、やみくもに「あれもダメ、これもダメ」としてしまうと、創作活動自体ががんじがらめになってしまう危険性もあります。
 ⇒『「著作権保護延長」は文化を殺すのか―クリエイターにとっての損と得』(福井健策)

 世田谷パブリックシアターでの福井さんの講義は今年が4度目。続けて通っている方もいらっしゃって、今回が一番の盛況だったようです。毎回小テストをやっていただけるので、闘争心が掻き立てられます(笑)。結局1度も満点取れなかったな・・・。でもこまめに復習して、いつでも振り返られるように自分用のレジュメは作りましたので、ひと安心。

 福井さんが舞台、映画、音楽などの芸術が本当に大好きなんだってことが、はつらつとした笑顔、力強い声、血の通ったユーモアからガンガン伝わってきました。大人が「憎いほど芸術を愛している」(⇒ツイート)って公言しちゃうのも素敵だな~と思います。

 参加者の中に弁護士さんがいらっしゃって、Arts and Law(アーツ・アンド・ロー)というNPO法人に参加されているとのこと。なんと無料相談ができます。ホームページの問い合わせフォームでも質問可能。芸術団体、芸術家の皆さんは、ぜひ一度チェックしてみてください。
 ⇒Arts and Law 代表 作田知樹氏インタビュー

【福井さんに関するネット上の記事】
 ⇒寄稿・福井健策弁護士:歌詞つぶやいても大丈夫? RTは? Twitterと著作権を考える
 ⇒Twitterの著作権問題 弁護士、福井健策さんに聞く
 ⇒【WEB人】著作権に精通する弁護士 福井健策さん(44)
 ⇒ダウンロード違法化、どこまで合法? 福井弁護士に聞く
 ⇒「著作権は誰のためにあるのか」ゲスト:福井健策氏(弁護士)
 ⇒「著作権保護延長」は文化を殺すのか―クリエイターにとっての損と得
 ⇒法律家を訪ねて(10)骨董通り法律事務所


パブリックシアターのためのアーツマネジメント講座2010
『舞台芸術と著作権・契約/実務力がつく4日間 2010+特別シンポジウム/劇場法を“法律”として検証する』
講師: 福井健策(ふくいけんさく)
募集人数:50名程度 参加費:7,500円(全4回+特別シンポジウム)※(5)特別シンポジウム「劇場法を"法律"として検証する」1,500円(全1回)のお申し込みは、9月16日(木)より受け付けます。
 [助成]アサヒビール芸術文化財団 平成22年度文化庁芸術拠点形成事業
http://setagaya-pt.jp/workshop/2010/09/42010.html
http://setagaya-pt.jp/workshop/2010/10/post_188.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 15:29 | TrackBack

2010年10月07日

【ワークショップ】俳優指導者アソシエーション「シリーズ“俳優のすべて”第3回『プロジェクト「シーンスタディをとらえ直す」』」12/10-23森下スタジオ※11/15〆切(申込フォームあり)

 俳優指導者アソシエーションによる俳優のためのワークショップ情報です(関連レポート⇒ 告知エントリー⇒)。詳細は公式サイトをご覧下さい。

 俳優指導者アソシエーションには、芸団協と新国立劇場が共催するワークショップ(例えばこちら)で教えている講師の方々もいらっしゃいます。今回は新国立劇場演劇研修所ヘッドコーチの池内美奈子さんら合計4名の講師とともに、サム・シェパードの戯曲に取り組むそうです。

 「ワークショップや訓練場は役者のため。稽古が始まったらお客様のため。」(過去レポートより)。ご興味のある役者さんは、年末の予定を確保してくださいね。

 ●俳優指導者アソシエーション・シリーズ“俳優のすべて”第3回
  『プロジェクト「シーンスタディをとらえ直す」』
  日程:2010年12月10日(金)~23日(木・祝)*12日(日)、19日(日)は休み、
  時間:11時~17時
  場所:森下スタジオ
  講師:池内美奈子、他3名

  対象:俳優で全日参加のできる方/20歳~40歳位
  経験:2年以上俳優としての実技経験のある人
  募集人数:8名程度(書類選考有り)
  受講料:30,000円
  申込〆切:11月15日(月)必着。申込フォームからどうぞ。

 ※12/22(水)はワーク・イン・プログレスが一般公開されます。私は観に行く予定です。
 以下、俳優指導者アソシエーションよりいただいた情報です。

■シリーズ 俳優のすべて 第3回 プロジェクト「シーンスタディをとらえ直す」

シリーズ「俳優のすべて」は俳優に関わる様々の要素をいろいろな角度から検証し、それをもとに勉強会やワークショップ、レクチャー、プロジェクトなどをおこなっていく企画です。

シーン・スタディとは戯曲から「部分的」に選び出したシーン(場面)を、指導者のもとで俳優達が共に作業し、その戯曲理解と実践への移行を学ぶもの。そのプロセスが重視されるものであると思います。しかし実際おこなわれているシーンスタディではその目的が曖昧であったり、「演出家の作業(見せるものとしての創作をする)」が尊ばれる傾向や方向性でおこなわれることが多いのではないでしょうか。

今回のプロジェクトでは、サム・シェパードの戯曲を題材に、
1.俳優指導の現場でおこなわれるべきシーン・スタディとは何か
2.指導者は指導を受ける側をどのように導いていくのか
に焦点を当て8名の俳優とプロジェクト・リーダー(指導者)1名、3名のサポート・インストラクターとの『協働』によって1つのシーンを2週間かけて作業します。

後半にはそこまでの過程(ワーク・イン・プログレス)の一般公開をおこない、あらためて俳優養成に有効なシーンスタディを探り、検証してみたいと思います。

今回のプロジェクトでは代表でヴォイス・ティーチャーの池内美奈子がプロジェクト・リーダー、他3名がサポート・インストラクターとなります。


【募集要項】

対象:俳優で全日参加のできる方
年齢:20歳~40歳位
経験:2年以上俳優としての実技経験のある人
日程:2010年12月10日(金)~23日(木・祝)
時間:11時~17時 
 *12日(日)、19日(日)は休み、22日(水)はワーク・イン・プログレス一般公開日
場所:森下スタジオ(地下鉄都営新宿線、 都営大江戸線「森下駅」 A6出口徒歩5分)
募集人数:8名程度(書類選考有り)
受講料:30,000円

【申込方法】
俳優指導者アソシエーションのサイト(http://asatp.org/)の「問い合わせ先」よりお申し込みください。
お問い合わせ内容の「ワークショップ申込」を選択し、コメント欄に必ず1.性別、2.年齢、3.所属、4.電話番号、5.簡単な実技経験 を記入の上、送信してください。

【申込みの締め切り日&事前準備について】
11月15日(月)必着。
参加決定者には11月19日(金)までに詳細を連絡いたします。
また、12月10日からのプロジェクト開始前に指定台本を読み込んでいただきますのでご了承ください。
http://asatp.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:18 | TrackBack

風琴工房『葬送の教室』10/06-13ザ・スズナリ

 詩森ろばさんが作・演出される風琴工房の新作は、日航機墜落事故を題材にしたフィクション。

 約1時間40分、ずっと集中したまま見つめ続けました。“被害者遺族と加害者企業”という対立だけに終わらない、密度の高い会話劇でした。

 ★ポスト・パフォーマンス・トーク
 10/10(日)19時の回:小平尚典さん(写真集「4/524」)

4/524
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小平 尚典
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 10/11(月)15時の回:飯塚訓さん(墜落遺体-御巣鷹山の日航機123便-)

 ⇒CoRich舞台芸術!『葬送の教室

 人生に起こった大事件を心を開いて味わうことと、あくまでもデータとして扱うこととを、一人の人間の中で両立させるのは困難です。でも悲しみや怒り、恨みなどを肯定し、客観した上で、未来のために、やれることはあるのではないか。登場人物それぞれの克己が描かれていたと思います。

 初日のせいもあると思いますが、役者さんの演技がところどころ、ぎくしゃくしていた感は否めません。でもこの作品が書かれて、上演されて、それを観た観客がいたことに、大きな価値があると思える公演でした。

 事故で妻を亡くした岩沼役の岡森諦さんの、明るくて柔らかい(ように装う)雰囲気が優しくて良かったです。

 事故があった夏、私の父はよく東京・大阪間を往復していたので(新幹線ででしたが)、テレビのニュースを見た時の心のざわめきはよく覚えています。映画「沈まぬ太陽」も最近見ました。

沈まぬ太陽 スタンダード・エディション(2枚組) [DVD]
東宝 (2010-05-28)
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 ここからネタバレします。

 事故から5年後の、ある会議のみにしぼった1時間40分。ギュっと凝縮された一幕劇だったことが良かったように思います。あれ以上見るのはつらかったし、大河ドラマのように時期を分けて描かれても、遠くの物語になってしまう気がするし。

 「4人の生存は奇跡」だったのかどうか。「奇跡」という美談で覆われたせいで、詳細にわたる調査を怠ったのではないか、という疑問。自分の頭で考えるがゆえに、すべてを疑ってかかる心。

出演:佐藤誓、山口雅義、岡森諦(扉座)、多門勝(THE SHAMPOO HAT)、根津茂尚(あひるなんちゃら)、岡本篤(劇団チョコレートケーキ)、清水穂奈美、浅倉洋介、津田湘子、松木美路子
【作・演出・宣伝美術】詩森ろば【美術】杉山至+鴉屋【音響】青木タクヘイ(STAGE OFFICE)【音響操作】鈴木三枝子(STAGE OFFICE)【照明】榊美香(有限会社アイズ)【舞台監督】小野八着(JET STREAM)・大地洋一【制作】池田智哉(feblabo)【企画製作】ウィンディ・ハープ・オフィス
【発売日】2010/08/29 前売 3300円 当日 3500円 学生 2300円 学生当日 1000円 障碍 1500円 ペア 6000円 平日はじめて割 2人一組 3300(10組限定) ありがとう割 2800円 9月20日までに入金の方適用
【トークゲスト】10月10日19時の回終了後:小平尚典(写真家) 10月11日15時の回終了後:飯塚訓
http://windyharp.org/sousou/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:43 | TrackBack

2010年10月05日

【オーディション】シーラカンスプロデュース「『戯伝写楽』ヒロイン役募集」※11/07〆切(郵送のみ)

 中島かずきさん(劇団☆新感線)の脚本を中屋敷法仁さん(柿喰う客)が演出されるという、新しい出会いがとっても気になる公演『戯伝写楽』の、ヒロイン募集です。年齢、経験、国籍不問。参加費:2000円。詳細はこちらをご覧ください。『戯伝写楽』は2010年4月に東京と大阪で初演されました。

 ●シーラカンスプロデュース『戯伝写楽』
  03/10-27吉祥寺シアター
  出演:宮野真守
  脚本:中島かずき(劇団☆新感線) 演出:中屋敷法仁(柿喰う客)
  ・稽古期間:2月7日より都内某所にて
  ・オーディション日時
   一次審査 書類審査
   二次審査 2010年11月22日、23日
   最終審査 2010年11月24日
  ・応募〆切り=2010年11月7日(日)必着 ※郵送のみ

Posted by shinobu at 17:15 | TrackBack

2010年10月03日

プロジェクト文学製作委員会『Project BUNGAKU 太宰治』09/30-10/10ワーサルシアター


 4人の演出家が4つの太宰治作品を翻案・演出する『Project BUNGAKU 太宰治』。もう1年以上前の公演ですね。2010年10月6日(水)14:00の回の終演後のトークに出演させていただきました。レビューは記録のみです。すっかり遅くなっちゃいました。
 ※レビューは2011-12-02に公開。

 ゲストだけでなく観客も投票も行い、評数の多さを競うバトル的な要素を前面に打ち出した企画です。好みの問題ですから順番なんて気にしなくてもいいとはいえ、実際にやると燃えますよね(苦笑)。年齢の近い演劇人同士だからできたのだろうと思います。

 ⇒CoRich舞台芸術!『Project BUNGAKU 太宰治

 上記企画の製作総指揮の松枝佳紀さんが、プロデューサーとして新しく立ち上げた『日本の問題』という公演がただいま上演中です。私は明日12/3(土)14時の回の終演後のトークにゲスト出演させていただきます。前売りは完売ですが、ご興味あれば当日券にチャレジしてみてください。

 ↓松枝さんのブログから写真を無断転載します(2016/06/01)。

 (あれだけ写真のネット上公開はNGだと言ってたのに、すぐさま公開…ブレてて良かった♪)

 ■『HUMAN LOST』 翻案・演出:広田淳一(ひょっとこ乱舞)
 出演:佐藤みゆき、他(時間がある時に調べます)

 小説を演劇作品にする場合、小説に忠実にあたることが正解ではないことが多いです。これは漫画を映画化する場合など、他にも当てはまることだと思います。広田淳一さんは演劇ならではの演出を緻密かつ大胆に積み上げて、原作にない要素を加えたりカットを施しながらも、『HUMAN LOST』の世界観をちゃんと舞台に載せてくださいました。私は4作品中この作品がダントツNo.1でした。


 ■『燈籠』 翻案・演出:吉田小夏(青☆組)
 出演:木下祐子、福寿奈央、藤川修二、荒井志郎、井上みなみ(青年団)、芝博文、 田村元、木村望子

 衣裳が着物なのが良かった。


 ■『ヴィヨンの妻』 翻案・演出:松枝佳紀(アロッタファジャイナ)
 出演:伊藤えみ、竹内勇人、岩見よしまさ、ナカヤマミチコ、青木ナナ、木田友和、辻井拓、花邑沙希、峯尾晶

 赤ん坊の人形が怖かった・・・。


 ■『人間失格』 翻案・演出:谷賢一(DULL-COLORED POP)
 出演:コロ(柿喰う客)、東谷英人、大原研二(Theatre劇団子)、小安光海、櫻井竜、菅谷和美(野鳩)、塚越健一、 ハマカワフミエ(国道五十八号戦線) 、 三嶋義信、百花亜希、湯舟すぴか(市ヶ谷アウトレットスクウェア)

 現代の『人間失格』になっていたのがとても良かったです。選曲がかっこ良くて、まるでこの作品が1曲の音楽のようにも感じられました。谷さんの舞台は音楽にノっている感覚がいいですね。
 ハマカワフミエさんの、男性もののYシャツがはだけた中にブラジャーという衣裳がツボ(オヤジかよ)。

原作:太宰治 脚本・演出:広田淳一『HUMANLOST』/吉田小夏『燈籠』/松枝佳紀『ヴィヨンの妻』/谷賢一『人間失格』 製作総指揮:松枝佳紀(アロッタファジャイナ)  舞台監督:村信保 / 照明:南香織 / 音響:井出"PON" 三知夫(La Sens)  美術:小池れい / 制作:北澤芙未子(DULL-COLORED POP) スーパーバイザー:松本隆志(Mrs.fictions) 制作総指揮:松枝佳紀( アロッタファジャイナ)  製作:プロジェクト文学製作委員会(アロッタファジャイナ/青☆組/DULL-COLORED POP/ひょっとこ乱舞)
【発売日】2010/08/28 前売3,200円/当日 3,500円 全席自由席 当日は受付順にご入場いただけます。 ※公演時間は100分、アフタートークは20分を予定 ※毎公演とも4作品を上演(1つが20分程度の短編です)  ※開場は開演の30分前、受付開始は開演の45分前  ※全席自由席(受付順(入金確定順)にお入りいただきます)
http://www.alotf.com/pb/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:56 | TrackBack

あうるすぽっと『長短調(または眺(なが)め身近(みぢか)め)』09/30-10/03あうるすぽっと

 チェーホフの『かもめ』をラップにして上演するという演劇公演です。誤意訳・演出は中野成樹さん(中野成樹+フランケンズ)、音楽は大谷能生さん、ドラマトゥルクは長島確さん(⇒別公演の記者発表)という、クリエイターの名前を見るだけでも超豪華な座組み。でも有名戯曲をただラップにしただけではありません。詳しい説明はこちらでどうぞ。

 私はライブに参加する「身近め席」ではなく、ライブおよびその外側で上演されるお芝居も観られる「眺め席」で鑑賞。
 『かもめ』を知らないと楽しめないと思います。でも知ってたらたまらない!トレープレフの歌で恥ずかくなって微笑み、トリゴーリンの歌で爆笑!ライブと並行して演じられる現代劇が『かもめ』と重なり、終盤は涙なしには見つめていられませんでした。

 公式サウンドトラックCDをロビーで購入(2000円)。これは買いでしょ、再演決まったら聴きこんで「身近め席」に行くでしょ!

『みずうみのかもめ』(『長短調(または眺め身近め)』公式サウンドトラック)
大谷能生×中野成樹
Headz (2010-10-06)
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 ⇒岡田利規さんが絶賛されています。
 ⇒中野成樹+フランケンズ主宰ShigekiNakanoさんの2010年振り返り(2010年末加筆)
 ⇒CoRich舞台芸術!『長短調(または眺(なが)め身近(みぢか)め)

 高密度、高品質、知的、ハイセンス。それでいて遊びごころが優雅に炸裂。数年に1度あるかないかの、小劇場演劇(fringe theatre)の傑作を観たという気持ちです。

 私は音楽には詳しくないし、ラップの知識もゼロと言っていいぐらいですが、ラップユニット“みずうみ”のライブは(ちゃんと観られなくても)すごく楽しかった!歌詞が『かもめ』の登場人物の心情を見事に表し、『かもめ』という戯曲自体の核心もついていたと思います。KENTARO!!さんの振付もかっこ良かった!(⇒ソロダンス公演がもうすぐ開幕します) 観客参加型のイベントが苦手な私ですが、ぜひ「身近め席」に行ってみたいと思いました。

 たった4ステージしかなかったので、ぜひ再演を希望します。

 ここからネタバレします。

 「山中湖 HIP HOP FESTIVAL 2010」が開催されているという設定。“みずうみ”のライブが舞台奥で上演される中、舞台手前側では若い男性(村上聡一)が好きな女の子(沢木夏菜子)が来るのを待っています。でも女の子は年上の男性(日替わりゲスト:KONTA)に惹かれていて・・・と、「かもめ」の三角関係にそっくりな現代劇が始まります。

 “みずうみ”のライブはテレビのライブ中継を観られますが、壁にさえぎられて生の状態では観られません。たまにテレビの前に男性(村上聡一)が立って、映像さえ見られなくなる演出もあります。中野さんらしい。

 着ぐるみのかもめがジェイソン(映画「13日の金曜日」より)に殺され、かもめの死骸(着ぐるみの本体)が舞台上に転がります。湖畔でトレープレフがニーナに見せた死骸と同じ。
 “みずうみ”のニーナ(端田新菜)の歌(=朗読)が着ぐるみのかもめの声になり、ゆる~く踊る着ぐるみが“人やヒルの魂が1つになったもの”に見えました。着ぐるみから出てきた女の子(沢木夏菜子)とニーナとが重なり、後方のライブと前方の演劇が融合。

あうるすぽっとチェーホフフェスティバル2010
出演:ラップユニット“みずうみ”(大本卓[英語ペラペラ]、岡田誠[オペラ]、木下侑哲、駒木根隆介[サイタマノラッパー]、溝口善也、稲継美保[ダンスかっこいい]、宇都宮萠[可愛い声、長髪]、斎藤淳子、端田新菜[ニーナ]) DJ/サックス:大谷能生 シャムラーエフ/トリゴーリン:やまがたひろとも ポリーナ/アルカージナ:山縣恵子 トレープレフ/メドヴェージェンコ:村上聡一 ニーナ/マーシャ:沢木夏菜子 トリゴーリン/トレープレフ:豪華日替わりゲスト) かもめ:石橋志保 ジェイソン:福田毅
豪華日替わりゲスト 9/30:永井秀樹(青年団)10/1:松井周(サンプル)10/2:鈴木ユキオ(金魚)10/3:KONTA
誤意訳・演出:中野成樹  音楽:大谷能生 振付:KENTARO!! ドラマトゥルク:長島確  美術:二村周作 照明:佐藤啓 音響:竹下亮 映像:須藤崇規 衣裳:今村あずさ 小道具:福田秋生 舞台監督:後藤恭徳 照明オペレーター:溝口由利子 音響オペレーター:上妻圭志 中継カメラ:聞谷洋子 舞台監督助手:奥田隆仁 美術助手:谷口綾 大道具製作:伊藤清次(C-COM) 舞台写真:青木司 宣伝美術:早田二郎 イラストレーション:花下和美 票券・制作:藤野和美(オフィス・REN)  荘司雅子(オフィス・REN) 制作:青野華生子 岩瀬恵美 岡島裕紀 嶋田敬介 寺村千絵 福本悠美(以上、あうるすぽっとインターン) プロデューサー:ヲザキ浩実(あうるすぽっと) 助成:芸術文化振興基金 主催:(財)としま未来文化財団 豊島区 企画製作:あうるすぽっと 
【あうるすぽっとスタッフ】支配人:松島規 副支配人・管理統括:稲垣聖一 管理:門田恭子 管理:坂本舞子 チーフプロデューサー・制作統括:崎山敦彦 制作:笠井秀敏 広報:小沼知子
【公式サウンドトラック (『みずうみのかもめ』大谷能生×中野成樹)スタッフ】CDデザイン:佐々木暁 CDプロダクトディレクター:荻原孝文 CDレーペルプロデューサー:佐々木敦 レコーディング :中村公輔 ミディプログラミング(M3,M5,M13):安川一志 楽曲提供(M1):竹下亮
座種:「眺め席」か「身近め席」のどちらかを選択。「眺め席」は劇場の通常の客席。「身近め席」は舞台上にあるライブハウスのフロア・スタンディング。※演出の都合上、全ての出演者はご覧いただけません。
全席自由・税込 ○眺め席(劇場客席)3,800円 身近め席(舞台上・スタンディング)3,500円 学生券(眺め・身近め席とも)3,000円  としま未来友の会3,000円
http://www.owlspot.jp/performance/100930.html
http://frankens.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 18:04 | TrackBack

ONEOR8『絶滅のトリ』09/24-10/03シアタートラム

 ONEOR8(ワンオアエイト)は田村孝裕さんが作・演出される劇団です。劇団としては初のシアタートラム進出公演ではないでしょうか。

 田村さんが新国立劇場の『シュート・ザ・クロウ』でご一緒された柄本佑さん主演です。当日配布のパンフレットによると、田村さんは「初めて架空の設定に挑戦した。」とのこと。上演時間は約2時間。

 ⇒CoRich舞台芸術!『絶滅のトリ

 ≪あらすじ≫
 オウカンチョウという絶滅危惧種の鳥の生態を見守る人々。ほぼ隔離された状態で、鳥とともにある島にいるようだ。長い人は10年以上、短くても3年働いている(冬を除く)。
 ≪ここまで≫

 暇を持て余す人々。散歩、おしゃべり、お酒。男女合わせて約10人いるので、恋愛沙汰も多少あり。税金をもらってダラダラ暮らすことへの罪悪感もあり。
 1時間経ったところである事件の全容がわかり、平和そうな日常の裏側に、こっそりと立っている波風が見えてきました。

 柄本佑さん、背高っ!自然で華があって、とても素敵でした。「えーーーーー」というセリフにあれだけバリエーションがあるなんて。リアクションが気持ちいいんですよね~。またぜひ舞台で拝見したいです。
 伊藤俊輔さんが“挙動不審のいじめられっこ”をリアルに、可愛らしく演じてくださいました。あれはいじめられるね(笑)。

 ここからネタバレします。

 隊長(林和義)と愛人(高乃麗)がグルになって、鳥がもう絶滅を危惧されない状態になった(十分に増えた)事実を隠ぺいし、今の暇な生活を維持しようと画策。それがバレてからどうなったか。

 いじめられっこ歴がある2人の男が鳥を殺してしまいます。クロコシ(柄本佑)は「ここにいたいから」、ジロウ(伊藤俊輔)は「ずっと大好きな鳥の世話をしていたいから」という理由で。でも鳥は想像以上に増えていて、いくら2人で殺しても絶滅危惧種には戻りません。間もなく「巣立ち」の日がきて、いやがおうにも現実へと引きもどされる2人。身も蓋もない、というか、逃げ場なんてないんですよね。

 若い女性で一番可愛らしい女の子の妊娠が発覚。相手が隊長だったことに納得です。だから言えなかったのね~。愛人の目の前だし。
 クロコシ(柄本佑)はファーストキスをシマ(恩田隆一)に奪われたのかな(笑)。
 シマの代わりにやってきたスパイ、ノグチ役(本名はコバヤシ)の角替和枝さんが可愛らしかったです。

出演:柄本佑 伊藤俊輔 恩田隆一 和田ひろこ 冨田直美 野本光一郎 林和義 高乃麗 山口森広 高畑こと美 河口高志 角替和枝
脚本・演出:田村孝裕 舞台監督:村岡晋 安田美知子 舞台美術:稲田美智子 照明:伊藤孝(ART CORE) 音響:今西工 衣裳・宣伝衣裳:福田千亜紀 小道具:高津映画装飾 宣伝美術:川端美香、桑山慧人(Pri-graphics) 宣伝写真:引地信彦 票券管理:堀内淳 ヘアメイク:高村マドカ 演出助手:城野健 宣伝小道具:蕪木久枝  当日運営:斉藤友紀子 制作:ONEOR8、RIDEOUT 企画製作:ONEOR8 
【休演日】9月28日(火)【発売日】2010/08/07 全席指定  前売3800円/当日4200円(税込)  ※25日(土)18時半~、30日(木)14時~のみ   前売3300円/当日3800円(税込)
http://oneor8.net/cn12/index.html
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/09/post_202.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 12:20 | TrackBack

Theatre Polyphonic『悪魔の絵本』10/01-11サンモールスタジオ

 蜷川幸雄さんの演出助手・演出補として長らく活動されている石丸さち子さんが、ご自身のカンパニーを旗揚げされました。脚本はDULL-COLORED POPの谷賢一さんに書き下ろしを依頼し、出演者オーディションも実施されました(⇒告知エントリー)。

 戯曲はもちろん演劇公演そのものに対する熱い、熱い思いが溢れていました。でも私には少々熱すぎたかもしれません。上演時間は約2時間10分(休憩なし)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『悪魔の絵本』※CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より。改行を変更。(役者名)を追加。
 知らなければ、会わなければ、狂わなかった人生。
 でも、知らなければ、会わなければ、生きる意味などなかった。
 作家、瀬田賢二(田村真)は、六万枚の未発表原稿を残し、失踪。
 物語は、編集者川田希(市井紗耶香)が、原稿の整理をするために、「ファクトリー」と呼ばれた彼の部屋を訪ねることから始まります。  
 何度も作風を変えた作家が遺した二千万字の中に立ち上がる、彼の人生、愛、挫折。光となり、影となった女たち。
 彼に与え、彼から奪った男たち。そして、彼が生み出した言葉たち。
 「ファクトリー」には、かつてそこに集った者たちの思いが交錯し、かつてそこで著された物語が、川田を通して現実に立ち現れます。
 ≪ここまで≫

 正面からだけでなく下手側にも客席がつくられ、舞台をL字型に客席が囲む舞台でした。とはいえ劇場を余すところなく、広々と使っている印象。積み上げられた古い原稿やソファなど、具象表現にこだわりを感じられる美術・小道具です。

 約10人の登場人物は皆、複雑な、人間らしい感情を持っており、役者さんは熱演。ただ、声と気持ちが乖離している役者さんがいて、どうしても集中できませんでした。気持ちが上ずって、胸から上だけで演技しているように見える方も散見されました。

 大きな舞台で活躍されている方によくある症状かと私は思うのですが、声を小さくしたり大きくしたり、声色を作り込むことで感情表現しているように見せるのは、小劇場では嘘っぽく見えがちです(本来ならどんな劇場でもですが)。また、サンモールスタジオの空間に対して、全体的に声量が大きすぎるように感じました。

 激しい恋の物語に加え、サスペンスやホラーの要素も盛り込んだ面白い脚本だと思いますし、過去と現在が頻繁に入れ替わる演出には、わかりやすく伝える工夫や見せ場もたくさんありました。私自身が特に、役者さんの演技に左右されるタイプの観客だということです。

 岡田あがささんが素晴らしかったです。彼女がいることで生きていることの生々しさ、舞台上の“今”の今たるリアルが担保されたと思います。

 ここからネタバレします。

 川田のインタビューに応じて瀬田のことを語る人々は、客席後方(劇場入り口方向)から登場します。背後から過去を知るキーパーソンが次々と現れるのは、未来からの使者がやってくるようで、時間の広がりがありました。死者が過去を語るお能のイメージも浮かびました。
 客席側に井佐原茉莉(=マリー)の絵があるのも良かったです。

 参考:DULL-COLORED POP『小部屋の中のマリー

第1回公演
出演:市井紗耶香 岡田あがさ 田中里枝 松田かほり 難波真奈美 佐伯静香(Wキャスト 10/5以外) 羽根桐香(Wキャスト 10/5のみ) 田村真 杉浦大介 針原滋 田中伸一 野口卓磨 広田礼美 (ハーフプライスデイのみ。その日、市井紗耶香は休演。) 西谷国登 (Violinist)
作:谷賢一(DULL-COLORED POP) 企画・演出:石丸さら子 美術:伊藤保恵 照明:山口明子 照明オペレーター:芥川久美子 音響:井川佳代 演出助手:坪井彰宏・野村千絵 舞台監督:山本圭太 宣伝デザイン:細見龍司 撮影:角田勇太 制作:倉重千登世
【発売日】2010/08/06 自由(入場整理番号付) 前売り3800円、当日4300円
■佐伯静香と羽根桐香はダブルキャストとなります。 佐伯静香……10/1・2・3・4・6・7・8・9・10・11 羽根桐香……10/5
■ハーフプライス公演開催!10月7日(木)14:00、9日(土)14:00
より多くのお客様にご覧いただきたいとチケット料金は半額の19,00円!※ただし、市井紗耶香に代わり、広田礼美が主演をつとめます。
■当日券リピーターズ割引
チケットの半券をご持参いただくと、当日券が1,000円引きの3,300円に!※ただし、ハーフプライス公演の半券ならびに、ハーフプライス公演には使用できません。
http://www.s-ishimaru.com/t.p/Top.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:20 | TrackBack

2010年10月02日

ワタナベエンターテインメント『D-BOYS STAGE 2010 trial-3「アメリカ」』09/29-10/03本多劇場

 D-BOYS(ディー・ボーイズ)はワタナベエンターテインメント所属のイケメン俳優集団。THE SHAMPOO HATの赤堀雅秋さんを作・演出に迎えて、赤堀さんの人気戯曲『アメリカ』に挑戦します。

 『アメリカ』は初演を観て感動し、私にとってはTHE SHAMPOO HATおよび赤堀さんと出会ったきっかけでもあるので、個人的に思い入れのある作品です。大企業売り出し中のさわやかな男の子たちが、一体どうやってあの、じめじめした行き場のない空間を作るのかしら・・・と期待半分、心配半分、興味津々で伺いました。

 本多劇場での公演は10/3までですが、名古屋、大阪、新潟公演を経て、紀伊國屋ホールで凱旋公演(11/03-07)があります。

 ⇒CoRich舞台芸術!『D-BOYS STAGE 2010 trial-3「アメリカ」

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。★ネタバレ含む。
 築三十年ほどのボロアパートの一室を舞台にした、過去と現在の物語。
 劇団の公演を目前に控えた弟(柳下大)の部屋には、いつものように仲間が集まっていた。
 台本の執筆は一向に進まず、息詰まる空気を打ち破る事ができない。
 一方現在、兄(荒木宏文)は弟が姿を消したその部屋に、遺品整理のために訪れていた――。
 兄と弟…隔てられた2人の気持ちが交差することはあるのだろうか?
 ≪ここまで≫

 構造はほぼ同じとはいえ、登場人物が増えて印象はガラリと違う戯曲になっていました。弟の部屋にやってくる他人(異邦人のような)が増えて、世界が具体的に外へと広がったんでしょうね。弟の同居人がいることで、兄弟の故郷のイメージも膨らみました。

 客席はファンであろう女の子たちでいっぱい。何かあるごとに笑いが起こる、いわゆる“ホーム”感でにぎやかでしたが、最後はじわっと、一人一人が自分の中で気持ちを味わう空気が生まれていたように思います。私も最後はやはりホロリとさせられました。

 ただ、私が初演ファンであるせいもあり、期待していたものからは少々遠かったという印象は否めません。追い詰められても遊び呆けて、気を逸らして逃げようとする、でも行き止まりの息苦しさがが常にある。そういう空気がプツプツと途切れてしまっていたように感じたのが残念。私が拝見したのは初日でしたので、今後きっと変わっていくことと思います。

 公演パンフレットによると、D-BOYSの方々は本当にこういう演劇は初めてのようで、ずいぶん戸惑いもあったことだろうと思います。企画自体が『D-BOYS STAGE 2010 trial』ですものね。トライアル(挑戦)公演で多地域5か所ツアーなんて凄い。人気者は大変ですが、今後も演劇を続けて行っていただけたらと思います。あと、パンフレットの対談を読み、赤堀さんの優しさにジーンと来ました。
 今回出演のD-BOYSの中だと、兄(荒木宏文)の後輩を演じた山田悠介さんが、気持ちも表情も柔らかくて良かったなぁと思いました。バイトを休んだ八田役の加治将樹さんのがんばりにも好感。

 ここからネタバレします。

 脚本が書けない劇団座付き作家の部屋に劇団員が集まる「過去」と、公演終了後に作家がアメリカで死んでしまい、その遺品整理のために作家の兄や劇団員らが集まる「未来」とが、交互に描かれます。お弁当の輪ゴムがポイント。

 具体的には、女性2人(長田奈麻&滝沢恵)が新興宗教の勧誘に来て、お隣さん(廣川三憲)もそれに関わってるというエピソードが増えていました。あとは劇団員も1人増えてたのかしら(怒って退団する池田役:鈴木裕樹)。脚本、演出、演技のどれも初演とは変わってますので、何が原因なのかはわかりませんが、最後に兄と弟とのエピソードに集約されることにちょっぴり違和感がありました。世界が外に広がったので、故郷の家族や全く知らない誰かと誰かなど、最後にもっともっと広がりが欲しいと思ったからかもしれません。

 弟と同居する幼なじみ(黒田大輔)は部屋に集まる劇団員のことが大好き。彼らは何年間も、いつもあの部屋に集まってたんですよね。手を怪我した森(植松俊介)は、弟が死んだ後にその部屋を借りるほどに愛していました。そういう、場所への愛着や執着といったものが匂い立つような、目には見えない何か(つまり一番大事なもの)を感じ取りづらかった。劇団員を演じた方々は、あの装置の中にへばりついて取れないぐらい、居心地が良さそうにしてもいいんじゃないかしら。と同時に、はらはらイライラしてないとダメなんですけど。難しいですね。

 実は超恥ずかしいことに初演のレビューが残っています(汗)。そうか「シチュエーション・コメディー」と思ったのかアタイ・・・「シチュエーション・コメディー」という言葉の意味を間違ってる気がするゼ!(大汗)。でもコメディーだと思ったのには違いないですよね。それぐらい笑わせてもらったんでしょうね。

≪東京、名古屋、大阪、新潟、東京≫
出演:柳下大 加治将樹 鈴木裕樹 植松俊介(シャカ) 山田悠介 黒田大輔(THE SHAMPOO HAT) 長田奈麻(ナイロン100℃) 滝沢恵(THE SHAMPOO HAT) ブー藤原(超新塾) 廣川三憲(ナイロン100℃) 荒木宏文
作・演出:赤堀雅秋 美術:袴田長武(ハカマ団) 照明:杉本公亮 音響:田上篤志(atSound) 衣裳:佐藤明子 ヘアメイク :武井優子 演出助手: 相田剛志 舞台監督:高橋大輔/伊東龍彦 大道具制作:ステージファクトリー田村圭司 小道具:高津映画装飾/池上三喜 運送:マイド 森浩 宣伝:大澤剛 票券:高橋由美(ネルケプランニング) 制作:水島智代 山口由佳子 行元綾紗美 プロデューサー:渡部隆 総合プロデューサー:渡辺ミキ 制作協力:ネルケプランニング 企画・製作:ワタナベエンターテインメント
【前売開始】2010年8月21日(土)全席指定/前売・当日共¥6,000 ※未就学児童入場不可
http://www.d-boys.com/d-boysstage2010/trial-3/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:26 | TrackBack

2010年10月01日

【情報】三谷幸喜新作『ろくでなし啄木』高校生割引チケット1,000円!10/11〆切

 東京芸術劇場が三谷幸喜新作『ろくでなし啄木』で高校生割引を実施します。詳細は公式サイトでご確認ください。これまでの高校生割引⇒

 【高校生割引チケット抽選販売受付について】
  対象はプレビュー公演のみ。
  2011年1月5日(水)18:30開演
  2011年1月6日(木)18:30開演
  受付期間:2010年10月3日(日)10:00~10月11日(月・祝)23:59まで
  方法:インターネットのみの受付。⇒PC ⇒携帯

 ●ホリプロ『ろくでなし啄木』 ⇒公演公式 ⇒劇場公式
  ≪1月:東京・池袋、大阪、2月:東京・天王洲≫
  作・演出:三谷幸喜
  出演:藤原竜也、中村勘太郎 with 吹石一恵
  公演日程:2011年1月7日(金)~1月23日(日)
   ※1月5日(水)、6日(木)はプレビュー公演
  会場:東京芸術劇場 中ホール
  一般:S席10,000円 A席8,500円
  プレビュー公演:S席9,000円 A席7,500円

 ⇒野田秀樹芸術監督「助成金を舞台を観に来たい人たちに還元したい

Posted by shinobu at 15:01 | TrackBack

メルマガ 2010年10月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2010年10月のお薦め舞台11本+αをご紹介します。
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 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 77     2010.10.01  1,641部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎猛暑から一転、突然秋に・・・。急激な気温の変化はつらいですよね。
  体調に気をつけて、10月も元気に観劇に繰り出しましょう!

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ◆1【今月のお薦め10本+α】
   
   ◎No.1→イキウメ『図書館的人生vol.3 食べもの連鎖』
       10/29-11/07シアタートラム
       ≪東京、大阪、広島、福岡≫
       http://www.ikiume.jp/

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→さいたまゴールド・シアター『聖地』
       09/14-26彩の国さいたま芸術劇場小ホール
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0918113356.html
   
 ◆3【フェスティバル/トーキョー2010がいよいよ開幕!】

   ◎今月末から2作品が開幕!お得な回数券は確保されましたか?
    http://festival-tokyo.jp/

 ◆4【編集後記】

   ◎10/6(水)マチネ終演後のトークにゲスト出演します。
    「Project BUNGAKU 太宰治」→ http://www.alotf.com/pb/
   ◎芸団協「もっと文化を!」署名募集中!
   ◎おすすめ舞台中継 on TV

 ◆5【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪

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 ◆1 【今月のお薦め11本+α】
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 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。
 ※高額チケットのお薦めが少なかったので、前売り3000円台の公演も
  含めてお薦め11本にしました。9月から上演中のお薦め公演も
  多いですので、メルマガ9月号↓もよかったらご参照ください。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0901000451.html


1.松竹『カエサル─「ローマ人の物語」より─』
   10/03-27日生劇場
  ☆出演:松本幸四郎 小澤征悦 小島聖 小西遼生 瑳川哲朗
      勝部演之 水野美紀 渡辺いっけい 高橋惠子 他
   原作:塩野七生著「ローマ人の物語」 脚本:齋藤雅文 演出:栗山民也
   S席:11,000円 A席:7,000円 B席:3,000円
    http://play-caesar.jp/
   大きな舞台や映画界で活躍する俳優が集まる豪華キャスト公演。
   松本幸四郎さんがシーザー(カエサル)、小澤征悦さんがブルータスです。
   1300席の日生劇場で壮大な物語にどっぷり浸らせて欲しい。


★2.劇団☆新感線『豊年漫作チャンピオンまつり「鋼鉄番長」』
  10/04-11/07サンシャイン劇場
  ≪東京、大阪、福岡≫
  ☆出演:橋本じゅん 坂井真紀 池田成志 高田聖子 粟根まこと
      田辺誠一 古田新太 他
   脚本・演出:いのうえひでのり
   S席10,500円 A席8,500円
    http://www.ko-tetsu.jp/
   劇団☆新感線の30周年興行です。平均年齢40歳以上のキャストが贈る、
   小学校六年生レベルのギャグ満載のドタバタ学園アクションとのこと。
   何もかも忘れて、全力でバカ笑いしに行きましょう!


3.風琴工房『葬送の教室』
  10/06-13ザ・スズナリ
  ☆出演:佐藤誓 山口雅義 岡森諦 多門勝 根津茂尚 岡本篤
      清水穂奈美 浅倉洋介 松木美路子 津田湘子 五十嵐勇
   脚本・演出:詩森ろば
   前売3300円 当日3500円 学生2300円 学生当日1000円
   障碍1500円 ペア6000円 平日はじめて割(2人一組)3300円(10組限定) 
    http://windyharp.org/ ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=21896
   オリジナルの社会派戯曲に定評のある詩森ろばさんの新作。
   今回の題材は1985年の日航機墜落事故です。劇団の過去作品のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0513114345.html


4.青年団リンク・うさぎ庵『女と女と棺と女』
  10/12-14 Theater&Company COREDO
  ☆出演:羽場睦子 多田慶子 天明留理子(青年団) ピアノ:増崎陽介
   脚本・演出:工藤千夏
   予約3500円 当日3800円 マチネ予約3000円 マチネ当日3300円
    http://usagi-an.com
   大人の女3人芝居にピアノの生演奏。作・演出の工藤千夏さんが、
   小空間で大きな魔法をかけてくれると思います。工藤作品のレビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0524005023.html


5.BS-TBSプロデュース『ポテチ』
  10/14-24青山円形劇場
  ☆出演:星野真里 加藤晴彦 岡本麗 山本亨 伊藤毅 梨澤慧以子 他
   原作:井坂幸太郎 脚本・演出:蓬莱竜太
   一般/前売6,000円 当日6,500円 24歳以下/前売3,500円 当日4,000円
    http://www.habanera-pr.com/potechi/
   モダンスイマーズの蓬莱竜太さんが井坂幸太郎さんの小説を舞台化。
   蓬莱作品に出演経験のある役者さんが多いので、完成度に期待できそう。


6.ハイリンド×サスペンデッズ『グロリア』
  10/14-24「劇」小劇場
  ☆出演:伊藤総/佐藤銀平/佐野陽一(以上サスペンデッズ)
      伊原農/枝元萌/多根周作/はざまみゆき(以上ハイリンド)
   脚本・演出:早船聡
   前売/当日:3500円 ハイリンド賛助会員:2500円
   学生割引(高校生以下) :2500円(当日精算のみ)
    http://www.hylind.net/play20101014.html
    http://www.suspendeds.net/next.htm
   俳優4人の劇団ハイリンドと、早船聡さんが座付き作家・演出家である
   劇団サスペンデッズの合同公演。早船さんの新作戯曲はもちろん、
   達者な役者ぞろいの座組みにも期待大。2劇団の過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0327225621.html
    http://stage.corich.jp/watch_done_detail.php?watch_id=70292
   サスペンデッズは「CoRich舞台芸術まつり!2010」準グランプリ↓を受賞。
    http://stage.corich.jp/festival2010/grand_prix.php#c


7.彩の国さいたま芸術劇場
  『彩の国シェイクスピア・シリーズ第23弾「じゃじゃ馬馴らし」』
  10/14-30彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
  ☆出演:市川亀治郎 筧利夫 山本裕典 月川悠貴 磯部勉 原康義 
    廣田高志 横田栄司 日野利彦 妹尾正文 大川ヒロキ 岡田正 
    清家栄一 飯田邦博 新川將人 井面猛志 澤魁士 田島優成 他
    脚本:W.シェイクスピア 演出:蜷川幸雄
   一般/S席:9,000円、A席:7,000円、B席:5,000円
   学生席:2,000円 劇場会員割引などあり。
    http://www.saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2010/p1014.html
    http://shakespeare.eplus2.jp/
   蜷川幸雄さんがシェイクスピア作品を演出するシリーズの新作。
   市川亀治郎さんと筧利夫さんの組み合わせが激しそうで(笑)楽しみ。
   出演者は全員男優(オールメール)です。シリーズ過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1014233944.html


8.城山羊の会『微笑の壁』
  10/22-31ザ・スズナリ
  ☆出演:吹越満 石橋けい 三浦俊輔 岡部たかし 岩谷健司
      山本裕子(青年団) 金子岳憲(ハイバイ) 東加奈子
   脚本・演出:山内ケンジ
   前売3,500円 / 当日3,800円(全席指定)
    http://shiroyaginokai.com/
   CMディレクターの山内健司さん(劇作・演出家としては山内ケンジ)が
   作・演出される「城山羊の会「の新作。吹越満さんら実力のある俳優が集まり、
   静かな、でも大人の笑いがいっぱいの、刺激的な物語を見せてくれると期待。


★9.TPT『おそるべき親たち』
  10/21-11/03東京芸術劇場小ホール2
  ☆出演:佐藤オリエ 中嶋しゅう 麻実れい 満島真之介 中嶋朋子
   原作:ジャン・コクトー 台本:木内宏昌 演出:熊林弘高
   一般6,000円 学生3,000円 10/21プレビュー公演4,000円(学生券なし)
    http://www.tpt.co.jp/whatson/075.html
   ベテランの有名舞台俳優がそろった、海外戯曲(1938年初演)の上演。
   このキャストを300席以下の小ホールで観られるのは贅沢!


10.MCR『神様さん』
  10/22-31三鷹市芸術文化センター星のホール
  MITAKA "Next" Selection 11th.参加作品
  ☆出演:桑原裕子(KAKUTA)/有川マコト(絶対王様)/奥田洋平(青年団)/
    中川智明/ 櫻井智也/おがわじゅんや/北島広貴/上田楓子/江見昭嘉/
    福井喜朗/渡辺裕樹/小野紀亮/石澤美和/日栄洋祐
   脚本・演出:櫻井智也
   前売り3000円 当日3500円 高校生以下1000円(前売り当日とも)
   早期観劇割引(10/22-10/24):前売り2500円 当日3000円 
   劇場会員割引などあり。
    http://www.mc-r.com/ ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=20883
   櫻井智也さんが作・演出される劇団MCR(エム・シー・アール)の新作。
   MCRは「CoRich舞台芸術まつり!2009」グランプリ受賞団体↓です。
    http://stage.corich.jp/festival2009/sponsored.php
   産経新聞記事→ http://tinyurl.com/288lk5u


★11.イキウメ『図書館的人生vol.3 食べもの連鎖~“食”についての短篇集~』
  10/29-11/07シアタートラム
  ≪東京、大阪、広島、福岡≫
  ☆出演:浜田信也/盛隆二/岩本幸子/伊勢佳世/森下創/窪田道聡/
      緒方健児/大窪人衛/加茂杏子/安井順平/板垣雄亮
   脚本・演出:前川知大
   前売り4,000円 当日4,200円 ★追加公演:10/31(日)18時の回
    http://www.ikiume.jp/
   前川知大さん率いる人気劇団イキウメの新作、4地域公演です。

   ●お薦めポイント●
   「図書館的人生」シリーズ↓はNHKでも放送された人気短編集です。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1116232852.html
    http://www.nhk-p.co.jp/concert/20090124_155039.html
   劇団イキウメの座付き作家・演出家の前川知大さん↓は、
   今最も期待される若手演劇人の1人。 http://www.h-b.jp/maekawa.html
   シアタートラムはメルマガ号外を出した前川作品『奇ッ怪』↓と同劇場。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0713142132.html
   劇団も多地域ツアーが定着してますます大人気ですので、この機会にぜひ!


 ★★★────────────────────────────── 
  前売2000円台以下の気になる作品を3本ご紹介します。
 ──────────────────────────────★★★

【1】726『坂口安吾 白痴』
  10/14-19 OFF OFFシアター
  ☆出演:鬼塚俊秀 西地修哉 大塚秀記 高田裕司
      原田麻由 ほりすみこ 結 中原三千代
   脚本:ほさかよう(空想組曲) 演出:北澤秀人
   前売り2800円 当日3000円 学生割引2500円(要学生証)
   初日特別割引2000円(ツイッター・ブログ等で感想を書く方に限り利用可。
   予約方法詳細は劇団公式サイトにてご確認ください。)
    http://www.act726.com ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=21254
   若手劇作家に文学作品の戯曲化を依頼して上演する劇団726の新作。
   演出は北澤秀人さん。過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0606102720.html


【2】毛皮族『毛皮族のウィークエンド軽演劇』
  10/15-17, 10/22-24リトルモア地下
  ☆出演:町田マリー 柿丸美智恵 高野ゆらこ 延増静美 高田郁恵
      江本純子 金子清文 OLワークショップ受講者の皆さん
   ※出演者は演目により異なります。
   上演演目:P:工業系軽演劇『Word』/Q:『もう更年期』
        R:おそばシーズンIV『つまづき』+ミニライブ『握手かい?』
   作・演出:江本純子
   整理番号付自由席。全演目セット券:前売り6000円(9/29まで限定販売)
   P・Q:前売り2,200円 当日2,500円 R:前売り2,500円 当日2,800円
    http://www.kegawazoku.com/stage/weekend/index.html
   江本純子さんが作・演出される劇団毛皮族が、2度の週末(金・土・日)に
   原宿駅から徒歩数分のギャラリーで気軽に楽しめる演劇(軽演劇)を上演。


【3】富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ
  『キラリと世界で創る芝居vol.2☆フランス
   「世界は踊る~ちいさな経済のものがたり~」』
   10/16-17富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ
  ☆出演:エリック・メシュラン フランス人女優4名 一般参加者数十名
   企画・構成:パスカル・ランベール/エリック・メシュラン
   作・演出:パスカル・ランベール 共同演出:多田淳之介
   日時指定・全席自由 前売・当日とも2,000円 団体(10名以上)1,500円
    http://tinyurl.com/23cemgs
   一般人がフランス人演出家、俳優とともにつくる演劇です。
   埼玉以外に宮崎、静岡でも同演目が違う演出家によって創作されます。
   宮崎県立芸術劇場公演↓
    http://www.miyazaki-ac.jp/moyooshi/2010/world-dances2/index.html
   静岡県舞台芸術センター公演↓
    http://www.spac.or.jp/10_autumn/dansee


≪SPAC秋のシーズン2010(静岡県)≫

 ○SPAC・静岡県舞台芸術センター『令嬢ジュリー』
  10/02-03, 10/09-10静岡芸術劇場
  ☆脚本:ストリンドベリ 演出:フレデリック・フィスバック
   一般4,000円/ペアチケット(2枚)7,000円/
   大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円
    http://www.spac.or.jp/10_autumn/julie
   ※10/3(日)は観劇ツアー無料バス(渋谷→静岡)あり!
    http://spac.or.jp/news/?p=2423
    10/3(日)の往路(渋谷→静岡)は満席です。


 ○SPAC・静岡県舞台芸術センター『わが町』
  10/30-11/13(土日のみ上演)静岡芸術劇場
  ☆脚本:ソーントン・ワイルダー 演出:今井朋彦(文学座)
   一般4,000円/ペアチケット(2枚)7,000円/
   大学生・専門学校生2,000円/高校生以下1,000円
    http://www.spac.or.jp/10_autumn/ourtown
  ※10/31(日)は観劇ツアー無料バス(渋谷→静岡)あり!
    http://spac.or.jp/news/?p=2423


≪ダンス・その他≫

 ◎こまばアゴラ映画祭実行委員会・こまばアゴラ映画祭関連企画
  「中村真生、車破損チャリティー上映会」
  10/02-05アトリエヘリコプター
  ☆上映作品:前田司郎監督『こころ食堂』/岩井秀人監督『金庫襲撃』/
    江本純子監督『ブルーハワイ』/中村真生監督『日常』/その他
   予約:1,500円 当日:1,800円
   上映会終了後、トークショー開催
    http://twitter.com/komabaagora_ff
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=23378


 ◎TBS『牡丹亭~中国・昆劇合同公演~』
  10/06-28赤坂ACTシアター
  ☆出演:坂東玉三郎 蘇州昆劇院
   S席 12,500円 A席 9,500円
    http://www.tbs.co.jp/act/event/botantei/


 ◎カンパニーデラシネラ『異邦人』
  10/07-13シアタートラム
  ≪高知、東京≫
  ☆出演:片桐はいり  田村一行(大駱駝艦)、藤田桃子、森川弘和、
      菅彩夏、手代木花野、小野寺修二
   原作:アルベール・カミュ/著『異邦人』 演出:小野寺修二
   前売4,000円 当日4,500円 学生前売3,500円 区民・劇場割引等あり。
    http://www.onoderan.jp/website/


 ◎冨士山アネット『SWAN』
  10/21-24シアタートラム
  ☆脚本・演出・振付・出演:長谷川寧
   音楽:P.チャイコフスキー フジモトヨシタカ(ar)
   一般前売3000円 一般当日3200円
   学生2500円(前売当日共) 区民・劇場割引等あり。
    http://fannette.net/


 ◎珍しいキノコ舞踊団『20分後の自分と。』
  10/27-31 3331 Arts Chiyoda
  ☆出演:出演:山田郷美 篠崎芽美 茶木真由美 梶原未由 白石明世 
      山下三味子 伊藤千枝
   友情出演:小浜正寛(ボクデス) フォークシンガー小象
   振付・構成・演出:伊藤千枝
   全席自由・入場整理番号付き 一般 前売3,800円/当日4,300円
   学生:前売りのみ2,500円 3歳未満の幼児の入場不可。
   小学生以下の幼児は保護者同伴の場合のみ無料で入場可。
    http://brog.strangekinoko.com/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆2 【先月のベスト3】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.さいたまゴールド・シアター『聖地』
  09/14-26彩の国さいたま芸術劇場小ホール
  ☆37歳の劇作家と、74歳の演出家と、平均年齢71歳の老俳優たち。
   舞台に何重もの階層が同時に存在するのを体感。演劇の広がりに感謝。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0918113356.html

2.国立劇場『2010年9月文楽公演第二部「勢州阿漕浦」「桂川連理柵」』
  09/04-20国立劇場小劇場
  ☆文楽の本当の面白さをやっと知ることが出来たように思います。
   文楽発祥の地・大阪で生まれ育った者としての喜びも改めて。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0927172214.html

3.パルコ・プロデュース『ハーパー・リーガン』
  09/04-26パルコ劇場
  ☆長塚圭史さんの演出手腕にすっかり魅せられました。大阪公演あり!
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0926221819.html

  Bunkamura『シダの群れ』はもっと見ていたかった。終わらないで欲しかった。
  新国立劇場演劇『ヘッダ・ガーブレル』を観て、新芸術監督を迎えた
  新シーズンへの期待が高まりました。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2010年9月(観劇数21作品)は残念ながら発行せず。

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 ◆3 【フェスティバル/トーキョー2010がいよいよ開幕!】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎昨年春秋の2度に渡って開催され、東京の現代舞台芸術シーンを
  大々的に更新した巨大イベントが、いよいよ今月末より開幕!

 ●フェスティバル/トーキョー2010(通称:F/T10)
  期間:2010年10月30日(土)~11月28日(月)
  会場:東京都豊島区の劇場など
   http://festival-tokyo.jp/

  合計21作品が上演されます。11月は「F/T10」三昧になりそう♪
  今月末から開幕する作品をご紹介します。

 《1》『パブリック・ドメイン』
  10/30(土)~11/28(日)の毎週土日@池袋西口公園
  演出:ロジェ・ベルナット(スペイン)
   http://www.festival-tokyo.jp/program/bernat/
  「F/T10」のテーマ“演劇を脱ぐ”にふさわしい観客参加型“演劇”。

 《2》『こうしてお前は消え去る』」
  10/30-11/03にしすがも創造舎
   脚本・演出:ジゼル・ヴィエンヌ
    http://www.festival-tokyo.jp/program/vienne/
   にしすがも創造舎にハイパーリアルな森が出現するようです。
   ※刺激の強い表現があるため16歳以上の観劇を推奨。

 【チケット情報】
  一般発売中!
   http://www.festival-tokyo.jp/ticket/
  1本観たらきっともう1本、2本と観たくなるので、
  お得な回数券のご購入をお勧めします。ご予約はお早めに!

  F/Tパス(11作品+2企画が観られます):35,000円
  F/T3演目セット:9,999円
  F/T5演目セット:15,000円
  学生料金:学生3,000円 高校生以下1,000円
  ペアチケット:チケット2枚分の料金から10%オフ
  グループチケット:10名様以上のグループで購入すると15%オフ
  トライアルチケット:当日券料金の半額
   ※トライアルチケットは公演当日12時よりF/Tステーションで販売。


 ★F/Tシンポジウム&F/Tテアトロテーク予約受付中!
   http://www.festival-tokyo.jp/news/2010/09/928ftft.html

 ・F/Tシンポジウム(計4回)*日本語のみ
   http://www.festival-tokyo.jp/news/2010/09/ft-1.html
  会期:11月5日(金)、6日(土)、12日(金)、13日(土)
  会場:あうるすぽっと
  料金:各回1000円 ※全席自由

 ・F/Tテアトロテーク(上映予定作品 計9本)
   http://www.festival-tokyo.jp/news/2010/09/ft-2.html
  会期:11月4日~11月13日
  会場:あうるすぽっと
  料金:1上映につき500円 ※各回入れ替え制、全席自由。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆4 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎渡辺源四郎商店『ともことサマーキャンプ』の劇評が
  2010年9/17(金)の東奥日報夕刊に掲載されました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0928140508.html


 ◎ポスト・パフォーマンス・トークにゲスト出演します。
 ・プロジェクト文学製作委員会「Project BUNGAKU 太宰治」
  09/30-10/10ワーサルシアター
  ☆原作:太宰治 翻案・演出:広田淳一/吉田小夏/松枝佳紀/谷賢一
   上演作品:『HUMAN LOST』『燈籠』『ヴィヨンの妻』『人間失格』
    http://www.alotf.com/pb/
   私が出演するのは10月6日(水)14:00の回終演後です。


 ◎芸団協「もっと文化を!」署名募集中!
   http://www.motto-bunka.com/
  「日本の国家予算に占める文化予算の割合を0.1%から0.5%に増額を!
   文化芸術立国を実現するため、請願署名にご協力ください。」
  公式ツイッター:http://twitter.com/mottobunka

  芸団協「劇場法(仮称)ラウンドテーブル」の内容をまとめました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0613225550.html
  合計10エントリーと大量ですが、まずはまとめのページだけでも
  お読みいただけたら幸いです。署名を検討する際のご参考になれば。


 ◎おすすめ舞台中継 on TV

  【NHK BS2】10月2日(土)午後10時~午前2時
       10月11日(月)午前0時40分~4時40分(10日深夜)
   ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『私と踊って』、他
    http://www.nhk.or.jp/bs/premium/

  【WOWOW】10/20(水)21:00~
   ヨーロッパ企画『サーフィンUSB』
   作・演出:上田誠
    http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075474001/ レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0807002124.html

  【WOWOW】10/22(金)深夜1:50~(10/23早朝)
   パルコ『裏切りの街』
   作・演出:三浦大輔
    http://www.wowow.co.jp/pg/detail/075471001/ レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0512113939.html

  【NHK BS2】10月23日(土) 午前0:45~2:55 (22日深夜)
   新国立劇場『舞台は夢─イリュージョン・コミック』
   作:ピエール・コルネイユ 演出:鵜山仁
    http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/ レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1203235901.html


 ◎【厳選シアター情報誌Choice!】TOPページ右下の“ちょいナビ”にて、
   http://www.next-choice.com/
  “しのぶの演劇レビュー”をご紹介いただいています!
  ※Choice!vol.16にインタビュー記事を書かせていただきました。
   10月31日頃から配布予定です。お手に取ってごらん下さい。


 ◎劇評サイトwonderlandでもお薦め舞台を紹介しています。
  3人で語る「2010年10月はコレがお薦め!」
   http://www.wonderlands.jp/?itemid=1407


 ◎FM西東京・演劇情報番組「たけがき2」
   http://takegaki.k-free.net/
  毎週放送される『演劇ハニーフラッシュ!』に
  「しのぶセレクション」というコーナーがあります。
  私がお薦めする舞台の公演情報を発信してくださっています。
  ラジオだけでなくネットでも聴けるので↓、よかったらぜひ♪
   http://www.voiceblog.jp/takegaki842/


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2010年9月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「人の砂漠」
    http://www.fnm.geidai.ac.jp/hitonosabaku/main/
  ・「書道ガールズ!!私たちの甲子園」←成海璃子さんが好きなので。
    http://wwws.warnerbros.co.jp/shodo-girls/
  ・「ボーイズ・オン・ザ・ラン」←ポツドールの三浦大輔さん脚本・監督作。
    http://www.botr.jp/
  ・「パレード」←林遣都さん、貫地谷しほりさんが特に良かった。
    http://www.parade-movie.com/
  ・「スイートリトルライズ」←暇な夫婦の話。
    http://www.cinemacafe.net/official/sweet-little-lies/pc.html


 ◎ツイッターやってます!
  ⇒ shinorev : http://twitter.com/shinorev
  今までは目に、耳にしなかった情報が絶えず届いて超刺激的!
  実名アカウント同士の身のあるやりとりから仕事に直結!


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
   http://www.shinobu-review.jp/contact/


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
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 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪


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【写真レポート】Bunkamura「ケラリーノ・サンドロヴィッチ新作『黴菌(ばいきん)』製作発表」09/30 Bunkamura内リハーサル室

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『黴菌』ポスター

 ケラリーノ・サンドロヴィッチさん(以下、ケラさん。⇒ツイッター)の新作舞台『黴菌(ばいきん)』の製作発表に伺いました。

 シアターコクーンがプロデュースするケラさん作・演出公演は、これが5回目とのこと(過去レビュー⇒)。『黴菌』は昨年末に上演された『東京月光魔曲』に続く昭和三部作の第二弾です。

 北村一輝さん、仲村トオルさん、ともさかりえさんら人気俳優がズラリと揃い、華やかで笑いの絶えない会見でした。

 ●Bunkamura『黴菌(ばいきん)』公式サイト
  12/04-26 Bunkamuraシアターコクーン
  一般発売開始日:2010年10月2日(土)
  チケット価格:特設S¥9,500 S¥9,500 A¥7,500 コクーンシート¥5,000
  小学生未満は入場不可。特設Sは舞台に近い前方のエリアを通し番号で販売。
  ⇒CoRich舞台芸術!『黴菌(ばいきん)

【チラシ掲載画像】
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【ケラリーノ・サンドロヴィッチさん(作・演出)】
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 KERA「昨年の『東京月光魔曲』は1929年代の大恐慌の東京が舞台でした。東京の街を見立てた舞台装置をパノラミックに回転させ、時間や場所がどんどん飛んだんですが、今回は完全に密室劇で、ある数日間を切り取る形になります。敗戦の年である昭和20年3月の東京大空襲から始まり、終戦の8月15日を経て、最後は上演時期と同じ年末を描くという構想です。
 戦争を背景にしたドラマというと、戦争の強大さが大きな影を落とすことになると思うんですが、その時期について何を描けば自分の仕事になるかと、僕なりに考えました。
 舞台は五斜池(ごしゃいけ)家という広大な邸宅。そこに戦争を避けて通った放蕩三兄弟(長男:山崎一、次男:生瀬勝久、三男:北村一輝)が住んでいて、彼らの家族とそこに訪れる人たちのドラマになります。リアリスティックに、つまり散文的に始まって、詩的に終わることになるかと。最後は台本的にも、思いもよらなかったところまで行ければ面白いなと思っています。」

【北村一輝さん】
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 北村「このスタッフ、キャストの中で、一俳優として参加できることがとても楽しみです。尊敬している俳優さんと共演できるのは数少ないことで、自分なりに精一杯がんばっていきたいと思っています。
 ケラさんとお仕事をするのは初めてですが、初めての仕事というのはいつだってあるものです。あまり構えずにどっぷりと、“ケラ色”に染まってみたい。自分を精神的にコントロールして、できるだけフラットな状態で稽古に入りたいと思います。
 これまで舞台にはアウェイ感があって、そんなに“楽しめた”という経験はないのですが、今回は楽しむつもりでやりたい。必ずいい作品になるようがんばります。」

【仲村トオルさん】
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 仲村「最初にこのお話をいただいた時、僕の役は“商社マン・船山。割と経済的に豊かな人物”のように書かれていて、チラシの写真でも資産家のようだと言われました。でも昨日届いたFAXには“人を疑うことを知らない実直な工場の工員役”とあって・・・びっくりしました(笑)。どのくらいびっくりしたかというと、“今朝頼んだ本がさっきamazonから届いたよ、と孫に言われたおじいちゃん”ぐらいにびっくり。「そんな遠くからそんなに早く!?」とか「いま自分がどこにいるかわからない!」みたいな状態です(場内爆笑)。なんとか早く自分の居場所を見つけたいと思っています(笑)。
 ケラさんの作品については、“一人の人間のひとつの脳味噌にこれほどの多彩なものが、大量につまっているなんて”とか“巨大な才能が客席に迫ってくる”という印象です。その世界に僕も行ってみたいと思っていました。一方で、なかなか台本が出来ないという噂も聞いていて。やることのない稽古場ってどんなところなんだろうな、みんなずっとストレッチしてるのかな、そんなところにも一度は行ってみたいな・・・という興味もありました。ただ、稽古初日までにはラストシーンが出来るそうなので、2つ目の楽しみはなくなってしまったんですが(笑)。がんばります。」

【ともさかりえさん】
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 ともさか「私も最初は仲村さんの奥さんの役だと聞いてたんですが、昨日いただいたFAXだと“謎の女”になってました(笑)。ケラさんとのお仕事では翻訳劇や再演ものに参加させていただきましたが、新作でご一緒するのは初めてです。精一杯頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。」

【高橋惠子さん】
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 高橋「ケラさんと是非一緒に仕事をしたいと思ってましたので、今回お話をいただいて、とても嬉しく思いました。今年一番のクリスマス・プレゼントかもしれません。私にとってはちょっとした冒険旅行に出かける気分。地球以外の星に行くぐらいの覚悟はしております。どんなことになっても楽しんで、いい作品にしたいと思っています。」

【山崎一さん】
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 「僕はケラさんの舞台にはよく出演しておりまして。今回面白いなと思ってるのは、北村さん、仲村さん、高橋さんという、ケラ作品にはないキャスティングがされていること。それがどう作品につながるのか、今からわくわくしてるところです。密室劇にも期待しています。」

【岡田義徳さん】
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 岡田「まず、このキャストの中にいられることが幸せです。足を引っ張らないようにがんばりたい。昨日いただいた台本で、僕の役が“薬漬けのモルモット”とになってまして。どうやってやろうかと(笑)。あと、自分の役に奥さんがいるのも初めてなので、そこもとても楽しみです。」

【犬山イヌコさん】
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 犬山「岡田さんの奥さん役になりました、犬山イヌコです。最初は五斜池家の次男を演じる生瀬勝久さんの妻ということで、『やった!お金持ちの役だ!』と思っていたんですが、“モルモットの妻”になったようで(笑)。やりがいがありそうです。私はケラさんと同じ劇団ナイロン100℃で今までずっと一緒にやってきたんですが、山崎さんがおっしゃったように、今回はキャストが新鮮かつゴージャス。一緒にできるのが楽しみです。」

【緒川たまきさん】
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 緒川「年末のシアターコクーンは独特の不思議な華やかさがあって、あの中にこのメンバーの皆さまと一緒に立てることがとても楽しみです。仲村トオルさんとは今年初めてお会いして、夏に夫婦の役をやらせていただいて、今回は兄妹ということで。急にこんなにご縁が出来て、個人的に嬉しく思っております。」

【みのすけさん】
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 みのすけ「僕は劇団ナイロン100℃に所属してまして、ケラさんとは高校生の時からずっと一緒です。今回はじめて、外部の公演でケラさんと一緒にやれるのを嬉しく思います。密室劇という濃い世界で、いつものメンバーと初めての豪華なメンバーとが、どのように融合して劇世界が繰り広げられるのか。楽しみです。がんばります。」

【小松和重さん】
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 小松「僕は五斜池家の運転手役ということですので、これから免許を取りに行って、皆さんに華麗なドライビング・テクニックをお見せできるようがんばろうと思います(笑)。後は、あの・・・今言うかどうか迷ったんですが、このタイミングじゃないとは思うんですけど・・・ケラさん、緒川さん、ご結婚おめでとうございます!(場内爆笑) なかなか言えなくて本当にすみませんでした。楽しい現場になるようがんばります。」

【池谷のぶえさん】
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 池谷「何度かご一緒させていただいている方々と、初めての方々とが半々ぐらいで、安心感がありつつ刺激的な現場になるのではないかと楽しみです。ケラさんの新作に参加させていただくのは5年振りで、それも楽しみです。」

【長谷川博己さん】
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 長谷川「初めてケラさんの作品に出られてとても嬉しいです。バンド時代のケラさんもナイロン100℃公演も観て来て、ケラさんの舞台にずっと出たいと思っていたので、念願が叶いました。豪華なキャストの中で、先輩方の背中を見ながら、自分も成長できたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。」

【全員写真】
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【しのぶよりお薦めコメント】
 脚本ができていないことが何度もネタになっていましたが(笑)、ここ数年間、ケラさんの新作は私個人的にはかなりの確率で大当たりです(たとえば⇒)。七戸優さんのイラストが素敵な、インパクトのあるチラシを眺めて、期待値がさらに上がりました。年の瀬のきらびやかなBunkamuraで、昭和の退廃的なムードに浸れたらと思います。

 ★『東京月光魔曲』のDVDが12月1日に発売されます。⇒公式サイト

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[出演]北村一輝 / 仲村トオル / ともさかりえ / 岡田義徳 / 犬山イヌコ / みのすけ / 小松和重 / 池谷のぶえ / 長谷川博己 / 緒川たまき / 山崎一 / 高橋惠子 / 生瀬勝久 ※生瀬勝久さんは製作発表を欠席。
脚本・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ  音楽:齋藤ネコ 美術:伊藤雅子 照明:関口裕二 映像:上田大樹 音響:水越佳一 衣裳:小峰リリー ヘアメイク:宮内宏明 演出助手:坂本聖子 石内詠子 舞台監督:福沢諭志 主催・企画・製作:Bunkamura
一般発売2010/10/2(土) 特設S¥9,500 S¥9,500 A¥7,500 コクーンシート¥5,000 (税込) 小学生未満は入場不可。舞台に近い前方のエリアを通し番号で販売します。お席は当日劇場にてご確認ください。連番でご購入なさってもお席が離れる場合がございます。椅子が通常の形状と異なります。
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_baikin.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:39 | TrackBack