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2011年01月31日

【お知らせ】「CoRich舞台芸術まつり!2011春」の審査員をさせていただきます⇒2/14(月)朝10時応募〆切

 今年も「CoRich舞台芸術まつり!2011春」が開催されます!おかげさまで、とうとう5年目を迎えました。⇒2007春、⇒2008春、⇒2009春 ⇒2010春

 ただいま参加団体の応募受付中!〆切りは2/14(月)朝10時です。応募が承認されるとすぐに、CoRich舞台芸術!TOPページチラシがランダム表示されます。応募状況はこちら。ただいま7団体です(1/31時点)。ご応募は早い方がお得!

 ●公募期間
  2011年1月18日(火) 午前10時 ~2011年2月14日(月) 午前10時
 ●開催期間
  2011年3月1日(火)~2011年5月31日(火)

 このフェスティバルの特徴は、審査員が全国どこにでも審査対象となる10公演を観に行くこと。参加団体には一切費用がかかりません。グランプリ受賞団体には、次回公演資金として100万円が支援されます!準グランプリと俳優賞にも副賞があり、励みにもなっているようです。
 今回も審査員をつとめさせていただくことになりました。審査員は1名変更になっていますので、どうぞチェックしてください。

 5回目になりますので、参加を考えている団体の皆様はぜひ今までのfringe blogの記事(⇒)と、余裕があれば「しのぶの演劇レビュー」の関連エントリー(⇒1011)をお読みください。コツやポイントは網羅されています。

 ★昨年より参加条件が一部変更になりました。東京都以外の地域からの応募制限の緩和です。

  東京都の会場:客席数が300席以下であること。
  東京都以外の会場:客席数が500席以下であること。
  ※昨年までは一律300席以下でした。

 首都圏、とくに東京のカンパニーが最終審査対象の10公演に選ばれる確率が高いのは、都道府県ごとの応募総数の割合の問題です(⇒2010年の応募数分布)。東京都以外からの応募が多ければ、それだけ東京都以外の団体が選ばれる可能性が高まります。全国各地の芸術団体の皆さま、ぜひ応募してください!

Posted by shinobu at 09:42 | TrackBack

2011年01月26日

劇団青年座『クラウド9(ナイン)』01/25-30青年座劇場

 英国の劇作家キャリル・チャーチルさん(現在72歳)の戯曲に興味があり、観に行きました。⇒過去レビュー⇒ 『クラウド9』の初演は1978年。俳優とのワークショップを経て書かれたものだそうです(パンフレットより)。

 開演前にアナウンスがあったとおり上演時間は約2時間45分(途中休憩15分を含む)。長かったですが、前半と後半が様変わりし、なかなか先が読めない刺激的なお話で、とても面白かったです。性描写が赤裸々ですので心の準備はしていった方がいいかも。

 ⇒CoRich舞台芸術!『クラウド9

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 cloud nine (クラウド9) アメリカ合衆国の気象用語。
 雲の分類の中で、「cloud9」とは真夏の青空に地上9000mから12000mの高さに浮かぶ積乱雲、 入道雲を表し、その高さから気分が『ハイ』の状態。幸福感に満ちた高揚した気分を言う。つまり19世紀だろうが現代だろうが、男だろうが女だろうが、大人だろうが子供だろうが、白人だろうが黒人だろうが・・・そんな事はどうでもいい。
 そこに個として存在する意味。本当の幸せを問いかけたキャリル・チャーチルの衝撃作。
 ≪ここまで≫

 前半はヴィクトリア朝のイギリス領アフリカ。完全な男尊女卑の価値観で人種差別も当然の世の中です。ぞっとしますが、これが当時のリアルだったんですよね。後半はおよそ100年後の現代のロンドン。男女ともに同性愛者がカミングアウトできるようになり、離婚も増えて家族の形態もさまざまになっています。

 男を女が演じ、その逆もあり、登場人物の年齢と役者さんの年齢もバラバラです。あからさまな違いをつきつけたまま物語が進むので、性差や世代間差、時代の変化などをはっきりと意識しながら観られました。
 性描写が「え・・・?」と戸惑うほど赤裸々で、見苦しいと感じる場面もありました。でも今も昔もこれからも人間とセックスは切り離せないですよね。人間が何かに気づいて変わる瞬間が、肉体と精神の両方を含んだ形で描かれていたことに説得力があると思いましたし、感動もおぼえました。前半と後半で時代ががらりと変わっている、でも登場人物が一部重なっているのがポイントです。

 白黒のモノトーンでまとまったシンプルな四角い空間を、照明で染めます。わかりやすかったけど、かっこ良くはなかったですね。壁や柱の素材に紙を使っているのは何らかの意図があるのかもしれませんが、衣裳も含め少し貧相な印象。
 演出は、演技も含め全体的に大衆向けコメディーのようなムードを作っていたように思います。私の好みじゃなかったですね。下ネタが下品に見えたのが残念。でも前半と後半がつながっていく終盤には、下ネタが不可欠だと思えました。

 前半で淑女ベティ、後半はベティの息子エドワードを演じた宇宙(たかおき)さんは、柔らかい存在感でキュートでした。前半でエドワード、後半でベティを演じた小暮智美さんは、独白が良かったです。前半で家庭教師と未亡人、後半でレズビアンのリンを演じられた勝島乙江さんはきれいな方ですね~。
 前半で使用人、後半でゲイのジェリーを演じられた南谷朝子さんはさすがの迫力。特に後半がかっこ良かったです。

 ※この公演は日本劇団協議会が主催する「次世代を担う演劇人育成公演12」です。育成対象者は安藤瞳さん、勝島乙江さん、小暮智美さん、宇宙さん。

 ここからネタバレします。いずれ加筆できたらしたいです。

"Cloud 9" by Caryl Churchil
出演:浅地直樹 宇宙(たかおき) 小暮智美 安藤瞳 南谷朝子 山賀教弘 勝島乙江
脚本=キャリル・チャーチル 翻訳=松岡和子 演出=伊藤大 装置=伊藤雅子 照明=宮野和夫 音響=堀江潤 衣裳=出川淳子 劇中歌作曲=高崎真介 舞台監督=今村智宏 宣伝美術=早田二郎 制作=青年座 平成22年度文化庁芸術団体人材育成支援事業 主催:(社)日本劇団協議会 次世代を担う演劇人育成公演12
【発売日】2010/11/16 一般:4000円 学生:3500円
http://seinenza.com/performance/gekidankyo/110125.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 23:52 | TrackBack

演劇集団砂地『リチャードⅡ』01/14-26 SPACE雑遊

 船岩祐太さんが構成・演出を手掛ける演劇集団砂地は、公演ごとに出演者を集めるプロデュース形式の団体です。古典原作を現代劇へとアレンジされます。

 シェイクスピア作『リチャード二世』をもとに、現代日本の政治とマスコミ、そして物言わぬ民衆という構図を堂々と見せてくださいました。上演時間は約2時間。

 ⇒CoRich舞台芸術!『リチャードⅡ
 レビューは記録のみ。

 ≪作品解説≫ 公式サイトより
 シェイクスピア作「リチャード二世」の、戯曲の真髄はそのままに、現代人が演じる・求める「指導者」の存在を、20代の演出・船岩祐太が構成・演出してお届けする新しいシェイクスピア劇です。
 リチャード二世を知らなくても、政治や世の中の出来事に興味がなくても、指導者の持つ「熱」に触れることのできる、密度の高い、濃い時間をお送り致します。
 ≪ここまで≫

出演:稲葉能敬(劇団桟敷童子) 中村伝 尾崎宇内 藤波瞬平 渡邊亮 岡田さやか 奥山滋樹 福島崇之(こゆび侍) 小瀧万梨子(青年団) 守美樹(T1 project)
原作:W・シェイクスピア作「リチャード二世」(訳:小田島雄志 白水社刊) 構成・演出:船岩祐太 演出助手:河崎一公 演出補:山下由宇 美術:倉蔵 音響:杉山碧(La Sens) 照明:松本大介(enjin-light) 舞台監督:法龍院悠 宣伝写真:コンドウダイスケ 制作:始点~Start Point~ 制作助手:田口遥佳 巣山孝幸 プロデューサー:小池陽子 協力:太田篤哉 池林房
【休演日】2011年1月19日【発売日】2010/12/05 前売3,500円、ペア6,000円、学生3,000円、当日3,800円 オープニング割引あり(14~18日は前売・当日が300円引き)
http://www.sunachi.net


※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:31 | TrackBack

【オーディション】SPAC「宮城聰演出・野田秀樹潤色『真夏の夜の夢』出演者オーディション」※3/6〆切(郵送のみ)

 宮城聰さんが芸術総監督をつとめるSPAC・静岡県舞台芸術センターが、今年6月に上演する『真夏の夜の夢』(演出:宮城聰 潤色:野田秀樹)の出演者を募集しています。

 『真夏の夜の夢』は「ふじのくに⇄せかい演劇祭」において2日間上演される演目で、お稽古は静岡で行われます。公演会場は静岡芸術劇場。

 「Shizuoka春の芸術祭」が「ふじのくに⇄せかい演劇祭」となったんですね。楽しみ!

●SPAC・静岡県舞台芸術センター『真夏の夜の夢』
 原作:W・シェイクスピア 演出:宮城聰 潤色:野田秀樹
 6/4(土)~5(日)@静岡芸術劇場
 オーディション開催日:①3月21日(月・祝)/②3月27日(日)のどちらかを選択。
 応募〆切:3月6日(日) ※郵送必着
 ⇒オーディション情報公式ページ

■宮城聰新演出作品『真夏の夜の夢』出演者オーディション ※公式サイトより
 演出:SPAC芸術総監督 宮城聰
 潤色:野田秀樹
  (原作 W・シェイクスピア、小田島雄志訳『夏の夜の夢』より)

◆公演日 2011年6月4日(土)、6月5日(日) 静岡芸術劇場
 「ふじのくに⇄せかい演劇祭」上演作品(Shizuoka春の芸術祭改め)

◆オーディション開催日  ①3月21日(月・祝) ②3月27日(日) 

※どちらかの日程でご参加ください。


◆オーディション会場:静岡芸術劇場リハーサル室(予定)

◆募集人数:男女若干名

◆応募資格:18歳以上の方。国籍不問。

4月1日から公演までのすべての稽古に参加できる方。

稽古時間=連日11:00~22:00 

稽古場所=静岡芸術劇場または静岡県舞台芸術公園内

*週1日程度の稽古オフがあります。

◆応募方法:市販の履歴書に必要事項をご記入の上、返信用封筒を添えて、

 郵送または持参にてお申し込みください。

 ※履歴書にはオーディション参加可能日(上記開催日の①か②)を明記してください。

 ※返信用封筒には80円切手を貼り、宛名をお書きください。

◆応募締切:3月6日(日) <必着>

◆お申込み・お問合せ:

SPAC – (財)静岡県舞台芸術センター

『真夏の夜の夢』出演者オーディション 係

 〒422-8005 静岡市駿河区池田79-4

TEL. 054-203-5730 http://www.spac.or.jp

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 09:52 | TrackBack

東京芸術劇場プロデュース『チェーホフ?!』01/21-02/13東京芸術劇場小ホール1

 稽古場レポートを書かせていただいた『チェーホフ?!』を拝見しました。プレビューが1/21から始まっており、2日間の休演日を挟んでの初日です。
 
 楽しかった~~~!!次々と美しい絵が現れる紙芝居のようで、ちょっぴり怖いけどどうしても先が、奥が見たくなる魅惑的な絵本のようで、精巧な巨大パペットショー(人形劇)のようで・・・♪弦楽器が何台もそろった生演奏に体をゆだね、無邪気な子供のように夢を見た約1時間20分でした。

 チェーホフを知らなくても全く問題ないと思います。言ってしまうと、タイトルから「チェーホフ」を抜いて『?!』だけでもいい気がしました(笑)。でも専門家の方によると非常にチェーホフらしいそうです。凄いことですね。

 ※2月1日(火)19:00の回終演後のトークのゲストは茂木健一郎さんです。残席わずか!
 ※1月29日(土)連続サミット『チェーホフ?!』はこうして生まれた
  「第3回 新たなるチェーホフ」 
  メインパネリスト:鴻英良 ゲスト:岩松了/タニノクロウ ほか

 ⇒ツイートまとめ「茂木健一郎氏がタニノクロウ氏演出の舞台『チェーホフ?!』を「絶対に行った方がいい」と絶賛」(2011年2月2日)
 ⇒CoRich舞台芸術!『チェーホフ?!』※CoRichでカンタン予約!
 【舞台写真↓撮影:田中亜紀】
chekov_stage_photo.JPG

 分厚い木の枠に赤い緞帳、その下にはオーケストラピット。劇場に入るなりテンションはダダ上がり!開幕すると、凝りに凝った衣裳、装置、生演奏に、作品の一部になることに徹する実力派俳優たち・・・贅沢過ぎて芸劇小ホール1だってことを忘れました。劇場の事情を知らない観客だから言えることだと思いますが、「実はこんなこともできる劇場だったのね!?」と驚いてしまいました。

 本を持つ少年(?)が白髪の謎の女性(?)に導かれて、森の中(?)でさまざまな風景に、人に、出会っていきます。幻想的な短い場面が連続していくのをドキドキしながら見つめました。舞台で描かれることは全てチェーホフの作品(小説や博士論文)がもとになっているそうですが、私は全くといっていいほど引用元はわかりませんでした。幕が開いた途端に夢中になってしまい、チェーホフのことは最初から頭から離れちゃいました(笑)。

 目に見えるものをその人なりに味わえばいいんだと思います。私のようなただの観客とチェーホフの専門家が一緒に鑑賞して、お互いに違うものを感じ取っているものの、双方が楽しめる作品になっているんですよね。『星影のJr.』を思い出しました。また、視覚的に「美しいもの」は、それだけで確かな価値があるものだなと改めて感じました。タニノさんは凄い演出家だと思います。

 5人の役者さんも素晴らしかったです。篠井英介さんが明るく、コミカルな雰囲気でもって観客を迎えてくださいました。歌声にもうっとり。

 終演後に小劇場好きのお友達とお話していたんですが、タニノクロウ作品を初めて観る人にお薦めかも、です。タニノさんが主宰する庭劇団ペニノでは、もっとグロテスクだったりエロティックだったりしますので。見た目も内容(ストーリー?)もそれに比べたら少しマイルドだと思います。もちろん“わかる人にはわかる、通もうなる面白さ”は内包されています。

 ここからネタバレします。

 大きな木枠の赤い緞帳が開くと、それより少し小さい木枠と緞帳が。次々とマトリョーシカのように小さな木枠が現れ、妖精※(篠井英介)の誘いにのって少年(マメ山田)は奥へ、奥へと吸い込まれていきます。めっちゃ楽しい!※白髪の女性は妖精と呼ぶことにしました(勝手に)。
 月夜を描いた絵画がそのまま舞台になるのが素敵。木枠とあいまって入れ子構造がさらに際立ちました。上下に白い壁があり、舞台奥はホリ幕になっているシンプルな空間なのですが、砂漠、草原、海底、宇宙、牢獄などなど、想像力で七変化。
 拘束着を着た蘭妖子さんが「煙草の害について」をポロっと言うのに爆笑。私がチェーホフ作品だとわかったのはこれだけ(笑)。

 毬谷友子さんと手塚とおるさんのダンスは稽古場で観たのとは全然違うものになってました。エロスというより生命の輝きのようなものを感じました。マイナスよりプラスというか。背中から床の方に倒れて行った手塚さんが、床に落ちずに宙に浮いたままだったのは、どういう仕掛け!?牛の肉が天井から降りてきたのにびっくり。でもブラ~ンと動いたのはあまりきれいじゃなかったな~。できればストンとまっすぐ降りて来て欲しかったです(←わがまま)。

 カーテンコールでは出演者に加えて舞台裏で活躍していた演出部のスタッフの方々も出てこられました。タニノクロウさんも合わせると13人!出演者の倍以上です。そしてオケピにいるミュージシャンが5名いらっしゃいましたね。本当に贅沢です。

※舞台写真は主催者よりご提供いただきました。
チェーホフ生誕150周年記念『チェーホフ?!』~哀しいテーマに関する滑稽な論考~
出演:篠井英介 毬谷友子 蘭妖子 マメ山田 手塚とおる
作・演出:タニノクロウ ドラマトゥルク:鴻英良 音楽:阿部篤志 美術:田中敏恵 衣裳:太田雅公 照明:山口暁 音響:中村嘉宏 ヘアメイク:川端富生 演出助手:若月理代 特殊小道具:小此木謙―郎 舞台監普:白石英輔 宣伝美術:松下計 制作:勝優紀/樺澤良 制作助手:坂田厚子 票券:大迫久美子 主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)/東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団
S席4,500円 A席3,200円 A席(25歳以下)2,000円 ※1/21(金)、1/22(土)のプレビュー公演は一律3,000円
http://www.geigeki.jp/saiji/025/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 00:09 | TrackBack

2011年01月25日

青年団若手自主企画vol.46だて企画『終わりなき将来を思い、18歳の剛は空に向かってむせび泣いた。オンオンと。』01/14-25アトリエ春風舎

 そもそも私は“観客参加型演劇”というものがすごく苦手なんです。「観劇は、させません。観劇は、できません。あなたを巻き込む即興高校ドラマ。」という挑発的な宣伝文のおかげで、情報を得た時からこの公演は観に行くつもりがなかったのですが、作・演出の舘そらみさんからツイッターで直接お誘いいただき、それなら行ってみるか!と勇気を出して観に行ってみました。

 でも・・・やはりダメでした・・・劇場入り口で敗退。場違いも甚だしいひどい状態でした。失礼いたしました。上演時間は約1時間45分。
 『パブリック・ドメイン』は大丈夫だったんですけどね。舘さんがストレート・プレイを上演されることがあれば、またチャレンジしようかなと思います。

 ⇒CoRich舞台芸術!『終わりなき将来を思い、18歳の剛は空に向かってむせび泣いた。オンオンと。

 アトリエ春風舎が高校の教室になっていました。観客は生徒の1人として木製の机につきます。ご覧になった方から「参加じゃなくて体験だ」というご指摘があり、そうだなと思いました。参加できるほど観客には自由がないのです。段取りを知っている役者さんと“仲間になって”架空の物語を進行させていきます。一般の観客ができるのはチャチャを入れたりあいづちを打つ程度ですね。
 たまたま観客の中に青年団の役者さんがいらして、絶妙なタイミングでアドリブを入れられていました。出演者がそれにアドリブで返し、波風が立ったのを抑え込んで、次へと進みました。ストーリーは変わりません。

 私は小学校から高校まで公立の学校に通っていました。席に座りながら、学校ってひどい場所だったなぁとしみじみ思いました。思考停止してただ教師に従うことを強いられ、好きでもないのに「仲間だ」とひとくくりにされ、同じ考えじゃないのに「みんなの気持ちは」などとまとめられて。軍隊と似てるんじゃないかな。

 「観客がすすんで楽しく参加できるような環境づくりをする」のではなく、その逆で、「理想的な観客参加型作品にするために、観客をその型にはめる」やり方だと感じました。
 出演者の木崎友紀子さんと折原アキラさんに救われました。私のような萎縮してガチガチになってしまった観客とのコミュニケーションを心得ていらっしゃる。ありがとうございました。

 ここからネタバレします。セリフ等は正確ではありません。

 担任の若い女性教師が突然休んだので、代わりに男性教師がやってきた2年3組の教室。休みの理由は「家庭の事情」。男性教師が席を外した時に彼が置き忘れた携帯が鳴った。生徒が無断でその携帯を開いてみると、休んでいる女性教師からだった。彼女は男性教師に頻繁に連絡を取っているらしい。もしかしたら2人は付き合ってるのかも・・・?

 アトリエ春風舎エントランスのらせん階段に「足音は静かに・風紀委員会」という張り紙がある時点で窮屈な気分に。そして階段を降りている途中で下にいた学生服の男性に「おはよう!」と声をかけられ、気持ちが凍りました。全然知らない見たこともない人から「おはよう!」って言われたら・・・怖いです。受付でも知らない人からの馴れ馴れしいタメグチは続き、「写真撮っていい?」「付箋に名前書いて」「その名前、もうこのクラスにはいるんだよね~(変更して!)」「(張り紙を指さして)これ読んで」などなど無礼な態度と発言の連続。「お芝居に参加するつもりで来たんでしょ?」としたり顔で、勝手に決めたルールを当然のごとく守らせるのです。たしかに心の準備をして劇場に来ましたけど、ものすごく不愉快でした。導入が懇切丁寧だったPOTALIVEを思いだしました。

 劇場内には私服の生徒たちが妙な仲良しムードで談笑するような演技をしていますが、とてもぎこちなかったです。当然ですよね、一般客が混じっているんですから。あからさまな“やらせ”に加担することを強要され、そしてオープニング映像で「僕らは仲間だ!」「これはルールだよ!」とダメ押し。
 映像では「スクールウォーズ」「3年B組金八先生」「高校教師」「GTO」「ごくせん」などの学園ドラマも流れていました。お芝居の内容には“熱血教師と彼の言うことをきく生徒たち”という構図が当てはまるものが多かったですね。パロディーとして鑑賞して苦笑したくとも、生徒の一員という意識を持っていると笑えず。

 教卓の後ろの壁に時計がかけてありました。1時間目という設定なのですが、朝10時を過ぎてもチャイムが鳴らないんです。上演時間が1時間45分だから当然なのですが。そういう嘘をどれぐらい許容しなければならないのか、えらそうにつまらない話をしつづける男性教師への憤りをどう処理すればいいのか。「2年3組の仲間」というルールは曖昧ゆえに、私にとっては拘束力が強かったですね。途中退出できるようなムードでもなかったです。

 「参加ではなく体験だ」という観点で考えなおせば、かつて自分が浸かっていた閉鎖的な学校生活を、客観的に体験しなおせたことは良かったと思います。

出演:木崎友紀子 小林亮子 石松太一 伊藤毅 折原アキラ 重岡漠 舘そらみ(以上青年団) 海老根理 千田美智子(文学座) 
脚本・演出:舘そらみ 美術:乘峯香苗  照明:山岡茉友子  映像:高良真秀  映像補佐:橋爪知博 演出助手:池垣敬裕 飛谷映里 中野聡 WEB:池田宇大 宣伝美術:大木瞳  撮影:村田まゆ  制作:だて企画・ガレキの太鼓 芸術監督:平田オリザ 企画制作:青年団/(有)アゴラ企画、こまぱアゴラ劇場 主催:(有)アゴラ企画、こまぱアゴラ劇場
各回限定30席 予約:2000円 当日:2500円 *全席自由・日時指定・整理番号付き。*未就学児童はご入場いただけません。
http://garekinotaiko.com/
http://www.komaba-agora.com/line_up/2011/01/date_kikaku/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:40 | TrackBack

2011年01月22日

五反田団『新年工場見学会2011』01/02-04アトリエヘリコプター

 毎年アトリエヘリコプターで行われる新春イベントです。今年で8年目なんですね。テーマは「ヤンキーのニセモノ」。上演時間は約2時間40分(途中休憩15分を含む)。

 休憩時間にふるまわれるホットワインは今年もとっても美味しかったです。ごちそうさまでした。プーチンズが今年も面白かった~。♪舞台美術工房六尺堂の「新年工房見学会」にも立ち寄りました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『新年工場見学会2011

 ここからネタバレします。

■五反田団『黒田パン』
 作・演出:前田司郎
 出演:黒田大輔(THE SHAMPOO HAT) 菊川朝子(Hula-Hooper) 安倍健太郎(青年団) 大山雄史 斎藤庸介(東京ELECTROCK STAIRS) 佐藤沙恵(ザ・プーチンズ) 石澤彩美 木引優子(青年団) 宮崎晋太朗 神里雄大(岡崎藝術座) 平田耕太郎 平田ハルカ 平塚陽子 墨井鯨子(乞局) 成瀬正太郎 前田司郎 師岡広明

 「ピーターパン」をもじった内容。大人になりたくない女の子ウェンディー(木引優子)を永遠の国に連れ去った黒田パン(黒田大輔)。黒田さんが顔を白塗りして大奮闘。
 水木しげる(前田司郎)、ゲゲゲの女房(佐藤紗恵)、荒俣宏(師岡広明)が出てきちゃったよ(笑)。荒俣さんが黒田パンを説得し(めっちゃ脅して)、ウェンディーを永遠じゃない方(の国)に戻して終幕。


■ザ・プーチンズ『玄米・白米・五穀米』
 出演:ザ・プーチンズ(街角マチオ:川島イタル、街角マチコ:佐藤沙恵)

 男女2人組の音楽ユニット。ギターとテルミンの生演奏&歌に、お芝居もはさみます。ナンセンス度が高いです。曲目は「アベ・マリア」「グラビアアイドル」「シンデレラ」「振り込み詐欺」など。今年も面白かった~。

 街角マチコさん(佐藤沙恵)について「あんなにきれいな人なのに、こんなことやるんだね」と漏らしたお客様がいらして(笑)、納得でした。そのギャップがまた魅力です。

 【休憩15分】

■白兎会『兎陀?』
 踊り:大山雄史 師岡広明 兵藤公美(青年団) 平塚陽子 坂口辰平
 後見:安倍健太郎(青年団) 坊薗初菜

 しっかり日舞とへなちょこ動作がミックスされ、笑っていいやら感心していいやら。掛け声(とは言わないでしょうね)を入れる後見(坊薗初菜)が面白い。坂口辰平さんのウサギは手堅いですね。

■ハイバイ
 原案:岩井秀人 作:ハイバイの人々 演出:金子岳憲
 出演:猪股俊明 師岡広明 上田遥 浅野千鶴(味わい堂々) 坂口辰平 金子岳憲
 ヤンキー達:五反田団組の人達

 今年は岩井秀人さんは出演されていませんでした。演出はハイバイの金子岳憲さん。
 「ヤンキー被害の会」に集まった人々。「自分がヤンキーからどれほど大きな被害をこうむったか」の自慢大会に苦笑。坂口辰平さんはさすがだなー。
 ヤンキーが無数に出てきたのが可笑しい。師岡広明さんの暴れっぷりが良かったです。猪股俊明さん、大丈夫かなー(笑)。最後のどんでん返し(?)には無理があったけど(笑)、金子さんの体を張った熱演が可愛らしかったです。

■ポリスキル
 作・演出・作詞:前田司郎 作曲:街角マチオ ギター:師岡広明
 出演:ポリスキル(坊薗初菜、菊川朝子、他) ポリス

 お芝居込みの音楽演奏&歌。黒田さんが警察に職質されていました。警察、横暴なんですよね。荷物の中に『国民傘』のチラシがあったのは、オーディションを受けられたからかしら。


 ワイングラス片手に進行する3人の男性(前田司郎、黒田大輔、斎藤庸介)に紅一点、墨井鯨子さんが加わっていました。墨井さん、すごく面白い方ですね。プライベート暴露合戦は楽しませていただきました。そっかー黒田さんは○○にお住まいなんですねー。斎藤さん、あの方が恋人なんですね(笑)。
 前田さんが「今年もぼくら演劇をよろしくお願いいたします」と言って閉幕。こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。

出演:五反田団周りの人々、ハイバイ周りの人々、プーチンズ、他 ※『黒田パン』にたまに出演とあった内田慈さんは、残念ながら私が観た回はいらっしゃらず。
舞台監督:榎戸源胤 照明:山口久隆(S-B-S) 制作:五反田団制作部
【発売日】2010/12/07 予約・当日ともに2,000円(日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付)
http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 21:01 | TrackBack

柿喰う客『愉快犯』01/07-16東京芸術劇場小ホール2

 「CoRich舞台芸術まつり!2010春」にてグランプリを受賞した柿喰う客。こりっちスポンサード公演となった『愉快犯』を初日に鑑賞しました。昨年12/18(土)のワークインプログレスからどう変化しているかも楽しみでした。

 上演時間は約1時間20分。レビューはCoRich舞台芸術!に書きました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『愉快犯

≪ワークインプログレス:京都、横浜、東京≫ ≪本公演:東京、大阪≫
出演:七味まゆ味 コロ 玉置玲央 深谷由梨香 村上誠基
脚本・演出:中屋敷法仁 美術:原田愛 照明:富山貴之 音響:上野雅 音楽:佐藤こうじ(SugarSound) 演出助手:入倉麻美 舞台監督:棚瀬巧+至福団 大道具製作:C-COM舞台装置 運搬:株式会社マイド 制作助手:時澤香保里/萩谷早枝子 制作:赤羽ひろみ/斎藤努/田中沙織 制作協力:ゴーチ・ブラザーズ/PAMC 企画製作:柿喰う客
宣伝美術:山下浩介 宣伝写真:[撮影]堀奈津美(*ism/DULL-COLORED POP)[着付]笹島寿美[メイク]田中順子[衣裳]呉服おぎはら 記録:飯田裕幸
【休演日】2011年1月12日(水)【発売日】2010/11/20 チケット前売料金(全席指定・税込) 一般:2,800円/(1/8~11まで) 3,300円(1/13~25まで) 学生:2,000円(受付にて要証明) 高校生以下:1,000円(受付にて要証明) 初日特割:2,500円 平日昼割:2,800円 ※当日券は前売500円増です。 ※各ステージ若干枚発券いたします。お問い合わせください。 
http://kaki-kuu-kyaku.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 20:26 | TrackBack

ハイバイ『投げられやすい石』01/19-30こまばアゴラ劇場

 作・演出の岩井秀人さん(ハイバイ)ご自身が「2008年の自作中でベスト」とおっしゃる戯曲の再演です(⇒初演レビュー)。小劇場ならではの高密度・高品質の四人芝居、しかも理想的なキャストですので、今月のメルマガのお薦めNo.1でした。初日を最前列で鑑賞。やはり素晴らしい作品です。ド直球の命の讃歌だと思います。

 上演時間は約1時間15分。チケット予約はこちらからどうぞ。東京公演は平日昼のみ残席あり。東京ほか、名古屋、三重、京都、広島、福岡の多地域ツアーです。

 4月の舞台『その族の名は「家族」』(『』改題)の前売りチケットが劇場ロビーにて先行販売されています。これはマストバイでしょう!

 ⇒ハイバイ×げきぴあ『投げられやすい石
 ⇒ローチケcom「岩井秀人さん×松井周さん 対談
 ⇒CoRich舞台芸術!『投げられやすい石
 レビューは記録程度になりそうですが、後ほどアップ予定。

≪東京、名古屋、三重、京都、広島、福岡≫
【出演】佐藤たけし:岩井秀人 山田圭一:松井周 美紀:内田慈 井口:平原テツ
作・演出/岩井秀人 照明/松本大介(enjin-light) 音響/中村嘉宏 音響操作/高橋真衣 台監督/谷澤拓已 衣装/小松陽佳留(une chrysantheme) 演出助手/郷淳子 宣伝美術/土谷朋子(citron works) 記録写真/曳野若菜 記録映像/TRICKSTER FILM 制作/三好佐智子 藤木やよい 吉田直美 提携/(有)アゴラ企画 こまぱアゴラ劇場 三重県文化会館 レディオキューブFM三重 七ツ寺共同スタジオ ARTCOMPLEX1928 (財)大野城市都市施設管理公社 共催/(財)広島市文化財 アステールプラザ 主催/ハイバイ (有)quinada 助成/平成22年度芸術創造活動特別推進事業 (財)アサヒビール芸術文化財団
【休演日】1月24日【発売日】2010/12/12 1月19日~23日 前売:3,000円 当日:3,300円 (全席自由整理番号付) 1月25日~30日 前売:3,200円 当日:3,500円 (全席自由整理番号付)
http://hi-bye.net


※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 12:04 | TrackBack

ミナモザ『エモーショナルレイバー』01/20-23シアタートラム

 シアタートラム ネクスト・ジェネレーションvol.3(⇒募集情報)の第1弾はミナモザ。瀬戸山美咲さんが作・演出される劇団です。私は短編を1度観たことがあります。
 
 小劇場で活動している団体のステップアップを目的とした企画ですので、ミナモザがシアタートラムを使うのはもちろん初めて。ある事務所の人間模様を丁寧に描いたストレート・プレイでした。上演時間は約1時間45分。

 ⇒「シアタートラム ネクスト・ジェネレーション vol.4参加団体募集
 ⇒CoRich舞台芸術!『エモーショナルレイバー

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。
 都内マンション。今日も男たちはコツコツと電話をかけ続けている。彼らの“仕事”は「振り込め詐欺」。そこへひとりの女が「仲間に入れろ」とやってくる。男たちは「女にはできない仕事だ」と相手にしない。しかし、その集団にはすでにもうひとり女がいた。“心”を使って働く彼らの青春の行く末とは――。
 ≪ここまで≫ 

 舞台はマンションの一室で、ソファやデスクなどリアルな小道具が並んでいます。高い天井部分を黒い木の柱で埋めているので、天井の低さもマンションらしいですね。間口が広くて横に長い空間です。白い枠(梁?)で額縁を囲い、現実に近づけた具象美術でありながら芝居らしさもあります。そういえば黒い木は天井だけじゃなく上下にもありましたね。現代的な部屋が黒くこげた廃材で覆われているようでした。

 振り込め詐欺師たちの日常業務を覗き見する感覚になれたのが、まず良かったです。ある場面が劇中劇にも見えて、観察するうちに詐欺の実態とは関係のないことも想像できました。最後は意外な方向に着地して、少々面食らいましたが面白かったです。

 ここからネタバレします。

 “俺おれ詐欺”にもちゃんとシナリオがあって、その設定が凝っています。きちんと調査して書かれたのでしょうね。ヒエラルキーがはっきりした詐欺組織で、上司と部下の関係はまるで会社のよう。『エモーショナルレイバー』は直訳だと「感情労働」。自分の気持ちを殺して他人の金をだまし取る仕事ですから、当然つらいです。しかも集団での犯罪なので簡単にはやめられない。マフィア、軍隊などを連想しました。
 電話片手に台本どおりに話してみる場面(「患者を死なせてしまった医者が、母親に電話して金を無心する」という設定)は劇中劇のように楽しめました。必死ゆえとても滑稽。

 誰とでも寝ちゃうエンジェル(ハマカワフミエ)は妊娠して事務所を去る決心をします。子供嫌いの彼女は、色気ゼロの先輩ケイ(井上カオリ)に「私の子供をあげる」といきなり提案。ずっと子供が欲しくて、一緒に働いている同遼たちを自分の子供のように大事に思っていたケイは、エンジェルのお腹に手を当てて微笑み、2人は心を通い合わせます。振り込め詐欺からこんな展開になるとは予想せず。
 エンジェルが「ここにいる男たちは戦争してるんだ」と言うのに納得。たしかに電話する姿は兵士にも見えますよね。詐欺から親子、男女の話へと移って行きました。

 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫
 出演:瀬戸山美咲 進行:矢作勝義

 瀬戸山さんが影響を受けた演劇人はつかこうへいさん、山﨑哲さん。世田谷パブリックシアターでアルバイトした経験もあるそうです。自分からたくさん話されて質問にもはっきりと答えてくださって、真面目で落ち着いた女性だなと思いました。

シアタートラム ネクスト・ジェネレーションvol.3
出演:宮川珈琲/井上カオリ(椿組)/中田顕史郎/印宮伸二(劇団神馬)/ハマカワフミエ/林剛央(本田ライダーズ)/坂本健一/小西耕一/柳沼大地/斉藤淳
脚本・演出:瀬戸山美咲 舞台監督:伊藤智史 照明:上川真由美 小泉和子 音響:前田規寛(M.S.W) 田上篤志(atSound) 舞台美術:泉真 劇中映像:松田修 ヘア&メーキャップ:進藤郁子 渋沢知美(資生堂ビューティークリエーション研究所) 演出助手:中尾知代(蜂寅企画) 宣伝イラスト:藤沢とおる スチール撮影:服部貴康 VTR撮影:中島良 長瀬拓 山崎敬史 立会達也(クリエイティブ・オフィス・ドエル) 制作:佐藤希(Andem) 制作協力:一ツ橋美和(少年社中)
【世田谷パブリックシアター】技術コーディネート・舞台:永井佐知 照明:杉本公亮 三谷恵子 井口眞 音響:阿部史彦 制作:矢作勝義 落合由人 藤田晶久 主催:財団法人せたがや文化財団 後援:世田谷区
ヘア&メーキャップ協力:資生堂ビューティークリエーション研究所 企画制作:ミナモザ 世田谷パブリックシアター 協賛:トヨタ児童d社式会社 協力:世田谷パブリックシアター友の会
【発売日】2010/11/21 劇場友の会会員 2000円 世田谷区民割引 2000円 U24(要事前登録・枚数限定・詳細はオンラインチケットへ)1250円 高校生以下 1250円 3劇団セット券 6000円(枚数限定・劇場チケットセンターで前売りのみ)
1月20日(木)19:30 ポストトーク出演:瀬戸山美咲+ハセガワアユム(MU)
1月21日(金)19:30 ポストトーク出演:瀬戸山美咲 司会:矢作勝義(世田谷パブリックシアター)
1月22日(土)14:00 ポストトーク出演:瀬戸山美咲+谷岡健彦(東京工業大学外国語研究教育センター准教授)
1月22日(土)19:30 ポストトーク 瀬戸山美咲+菅原そうた(映像作家)
※未就学児童はご入場いただけません。開演後は本来のお席にご案内できない場合がございます。ご了承ください。
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2011/01/post_211.html
http://minamoza.com

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Posted by shinobu at 11:48 | TrackBack

2011年01月18日

【公募情報】NPO法人FPAP「“劇作家・演出家のための観劇ディスカッションツアー”参加者募集」※2/4〆切(メールのみ)

 NPO法人FPAP(エフパップ)が「劇作家・演出家のための観劇ディスカッションツアー」を実施します。今年度のアドバイザーを務めさせていただくことになりました(⇒2008年)。

 ただいま参加者募集中。なんと九州以外の地域で活動している劇作家・演出家も対象に入っています!観劇&討論みっちりの2泊3日です。ご興味のある方はぜひ。

 開催地:東京都内
 日程:2011年3月25日(金)~27日(日)
 参加費用:5,000円
 申込〆切(メールのみ):2011年2月4日(金)
 ※申し込みが定数を超えて組み合わせ的にもいいかんじな場合、締切日前に募集を締め切ることがあります。

Posted by shinobu at 23:28 | TrackBack

メルマガ号外 葛河思潮社『浮標(ブイ)』

 葛河思潮社『浮標(ブイ)』
 01/17-23神奈川芸術劇場・大スタジオ
 ≪横浜、松本、東京≫
 ※公演詳細はこちら

 ★メルマガへの ご登録はこちら へ!

 ⇒CoRich舞台芸術!『浮標

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 “しのぶの演劇レビュー” 号外 Vol.45  2011.01.18 1,693部 発行

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   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪


★★ 号 外 ★★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ◎葛河思潮社第一回公演『浮標(ブイ)』
  01/17-23神奈川芸術劇場・大スタジオ
  ≪横浜、松本、東京≫
  ☆出演:田中哲司 藤谷美紀 佐藤直子 大森南朋 安藤聖 峯村リエ
      江口のりこ 遠山悠介 長塚圭史 中村ゆり 山本剛史 深貝大輔
   脚本:三好十郎 演出:長塚圭史
    http://www.gorch-brothers.jp/infomation/detail_gorch.php?no=268&cno=1
   葛河思潮社(夜21時~朝9時まで)
    http://xn--m8t03z75bd9ol3n.jp/ ※音が鳴ります

 ◎観劇後のコメント◎

  三好十郎作『浮標』(過去レビュー↓)は日本近代戯曲の名作です。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0226205402.html
  英国留学から帰国後、次々と充実した作品を発表してきた長塚圭史さんが
  新しい劇場で必見の舞台を生み出してくださいました。
  
  結核をわずらった妻の療養ためにに千葉県の海辺に移り住んだ画家は、
  妻への恐ろしいほどに献身的な愛情や、自身の頑なな信条ゆえに
  周囲とぶつかり、芸術と経済の間で悩み苦しみます。
  親類、友人、医師、金貸しら、画家の家を訪れる人々との交流には
  人間の喜び、怒り、悲しみなどのあらゆる感情が凝縮されています。
  長塚さんは留学中にこの戯曲を読んで号泣されたそうです。

  戦時中の日本のお話ですが、舞台は“現代”。役者さんは
  登場人物の殻を被るのではなく、現代を生きる人間として存在し、
  戯曲の言葉を生身の肉体の温度をもって、真剣に伝えてくださいました。
  舞台上の役者さんをとおして、作者の三好さんをはじめ、
  私たちの先祖の声が聞こえてくるようでした。私は
  「生きろ。生きろ。お前は素晴らしい。愛しているよ。」
  と言われたように感じました。
  
  約4時間もの長編ですから“気軽に観られる”と言うと嘘になります。
  でも堅苦しいものでは決してなく、幕開けに長塚さんが
  「長い芝居ですのでリラックスして観てください」とおっしゃったように
  いつもの気持ちで目に見える、肌で感じることを味わえばいいと思います。
  本格的に上演されることは決して多くない戯曲です。
  どうか上演時間の長さに惑わされず、劇場にお運びください。

 
 ・葛河思潮社(くずかわしちょうしゃ)とは?
  長塚さんが作家の葛河梨池氏と立ち上げた演劇プロデュース・ユニット。
  葛河氏はこの舞台↓の主人公です。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0122171307.html

  ※上演時間は約3時間50分(途中休憩10分×2回を含む)。


 【三好十郎作品のレビュー】
  『炎の人』
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0615113920.html
  『その人を知らず』
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/1231173727.html
  『鈴が通る』
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0609220229.html
  『胎内』
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2005/1026231816.html
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2004/1013015747.html

 【長塚さんの主な舞台作品(2010年)】
  パルコ・プロデュース『ハーパー・リーガン』
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0926221819.html
  Bunkamura『タンゴ-TANGO-』
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1209151257.html

 【長塚さんのインタビュー】
  ヨコハマ・アートナビ インタビュー ※動画あり!
   http://www.yaf.or.jp/magazine/2010/12/post-26.php
  海外研修サポートセミナーVol.2研修報告会
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0507152606.html

 【チケット情報】
  横浜公演:
   全席指定6,300円 プレビュー公演5,000円 当日券は500円増し

   神奈川芸術劇場
    http://www.kaat.jp/pf/bui.html
   まつもと市民・芸術館
    http://www.mpac.jp/play/2011/01/29/11_27.html
   吉祥寺シアター
    http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/index.html

  ※確認していませんが、残席は非常に少ないと思われます。
   吉祥寺シアター公演は一般発売開始日に完売するような勢いでした。
   同劇場では追加公演もありますので、ぜひチェックしてください。

 【お問い合わせ】
  神奈川芸術劇場 045-633-6500
  まつもと市民・芸術館 0263-33-3800 ( 8:30~22:00 )
  吉祥寺シアター  0422-22-0911 (開館時間:午前9時~午後10時30分)
  葛河思潮社 03-5738-2339(平日12:00~18:00)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆ 【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎2011年1度目のメルマガ号外です。前回はこちら↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0411231056.html
  

 ◎昨年はメルマガ号外を1回しか配信できませんでした。
  カンパニーデラシネラ『異邦人』↓でも発行したかったのですが、
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2011/0108192520.html
  千秋楽でしたので断念しました。お役に立てず残念至極でした。

  「誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行」するメルマガ号外ですが、
  私の主観で選んでいる以上、「誰でも楽しめる」保証はありません。
  それを前提としてやってきましたが、昨年は「私は大好きだけど、それほど
  多くの方には気に入ってもらえないかも」と迷う公演が多かったです。
  私の好みの範囲がますます狭くなってきたためだと思います。
  
  でも今回の『浮標(ブイ)』は、全く迷いなく号外発行を決心できました。
  年間約5本の頻度で発行したいと思っているメルマガ号外ですが、
  今後も「これだ!」と思った時だけ発行していきます。


 ◎ツイッター↓やってます! ※フォロアー2000人超え感謝♪
  ⇒ shinorev : http://twitter.com/shinorev
  メルマガ号外は読者の方々に直接届ける手段として今後も続けますが、
  速報としてはツイッターが最速です。


 ◎「CoRich(こりっち)舞台芸術!」で
  いつ、どこで、何が上演されているのかを簡単検索!
  感想も書き込めますよ♪
   http://stage.corich.jp/
  メンバー登録はこちら↓
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  携帯サイトもあります⇒ http://corich.jp/m/s


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  2009年のお仕事のまとめはこちら↓ 2010年分はいつかアップ予定。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0207224341.html
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
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 ◎「劇場に足を運ぶことが、日本人の習慣になって欲しい」
  それが私の望みです。
  これからもこつこつ、地道に進んで行きたいと思っております。
  皆様、どうぞよろしくお願いいたします♪

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 ◆ 【このメルマガについての注意事項(毎号同じ内容です)】
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 今回の配信は“号外”です。
 メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。

 毎月1日発行のメルマガで、その月のお薦め舞台10本+αをご紹介します。
 バックナンバーは全て公開中!
   → http://archive.mag2.com/0000134861/index.html

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<スタッフ>作/三好十郎 演出/長塚圭史 美術/二村周作 照明/小川幾雄 音響/加藤 温 衣裳/伊賀大介 演出助手/山田美紀 舞台監督/福澤諭志 宣伝美術/BLOCKBUSTER NO DESIGN Web制作/MONOLITH 広報/吉田プロモーション 票券/小池芽生 制作助手/三浦 瞳 大野志穂子 制作/伊藤達哉 制作協力/ゴーチ・ブラザーズ 企画・製作/葛河思潮社

Posted by shinobu at 15:51 | TrackBack

2011年01月17日

初春歌舞伎公演『通し狂言 四天王御江戸鏑(してんのうおえどのかぶらや)』01/03-27国立劇場大劇場

 すごく久しぶりの歌舞伎鑑賞のような気がします。新春歌舞伎は初めてです。知人に団体でまとめて申し込んでいただき、2階ですが花道の近くの席で鑑賞。宙乗りされる菊之助さんを間近で観られました♪美しかった・・・!

 永遠の歌舞伎初心者の私はイヤホンガイド必携。ホント助かります。お昼の12時開演で数回の休憩を挟み終演は16時15分。日曜日の午後を贅沢に過ごしました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『四天王御江戸鏑
 レビューは記録程度です。

■『通し狂言 四天王御江戸鏑(してんのうおえどのかぶらや)』五幕八場

 序幕 相馬御所の場

 二幕目 一条戻橋の場

 三幕目 第一場 羅生門河岸中根屋格子先の場
     第二場 同 二階座敷の場
     第三場 同 花咲部屋の場

 四幕目 第一場 二条大宮源頼光館の場
     第二場 同 寝所の場

 大詰 北野天満宮の場


 ここからネタバレします。

 初演は1815年。風船の巨大蜘蛛が現れたり、土蜘蛛の精役の菊之助さんが宙乗りしながら蜘蛛の糸をぱーっと放ったり、派手な仕掛け続出。
 小さな女の子たちが兎の耳をつけてAKB48のヒット曲を踊って歌うとか、カメラを持った観客とそれを止めようとする劇場案内係の女性が舞台に上がってくるとか、ギョっとするような趣向もあり(笑)。
 最後が(ひとまずの)ハッピーエンドになってるのは懐が深いですね。

出演:尾上菊五郎 中村時蔵 尾上松緑 尾上菊之助 坂東亀三郎 坂東亀寿 中村梅枝 尾上右近 中村萬太郎 尾上松也 河原崎権十郎 市村萬次郎 市川團蔵 坂東彦三郎 澤村田之助 ほか
作=福森久助 監修=尾上菊五郎 補綴=国立劇場文芸課 美術=国立劇場美術係
特別席12,000円(学生8,400円) 1等A 9,200円(学生6,400円) 1等B6,100円(学生4,300円) 2等2,500円(学生1,800円) 3等1,500円(学生1,100円)
http://www.ntj.jac.go.jp/performance/3592.html

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2011年01月15日

新国立劇場演劇『わが町』01/13-29新国立劇場中劇場

 新国立劇場「JAPAN MEETS…」シリーズの三作目(⇒)は昨年から今年にかけて多数上演されている『わが町』です。⇒制作発表
 演劇公演のカーテンコールでブラボーの声が!拍手もすごかったです。『わが町』をご覧になったことがない方はこの機会にぜひ。ずっしり、バッチリの本格上演です。

 私はというと、小堺一機さんの幕明けの、まさに一番最初のセリフからうるうるっと来てしまい、しばらくボロボロ泣いてました(←迷惑なヲタク客)。『わが町』の世界が中劇場の舞台全体に満ちていて、これまでの色んな『わが町』が次々とフラッシュバックしてきたからだと思います。

 ハンカチ必携。そして遅刻厳禁です。お早めに劇場へ!上演時間は約3時間10分(途中休憩20分を含む)。

 ※台本は水谷八也さんによる新翻訳です。掲載誌がロビーで販売されていたので購入。

 ⇒CoRich舞台芸術!『わが町

 あらすじはこちらでどうぞ。

 客席方向に丸く張り出した、だだっ広くて何もない舞台。最前列の席と同じ床の高さでステージが広がりますので、観客との距離が近いです。照明がパーテーションの役割を果たし、あの大きな中劇場が内容にピッタリの大きさだと感じられました。
 装置は台本通り、最小限。音楽(稲本響さんのピアノ)が空間を豊かに満たします。肌のぬくもりとうねる感情が感じられるピアノの音色。稲本さんは舞台監督(小堺一機)はじめキャストの方々と密にコミュニケーションをとるので、出演者の1人と数えられます。こまつ座公演の朴勝哲さんや小曽根真さんみたい。

 ひとつひとつを丁寧に、大切に、時間をかけて見せる演出でした。夫婦の会話、妻同士の会話、学者と舞台監督の会話などなど、細かいところでもしっかり間(ま)をとって、人とその関係の厚みが感じられました。
 さいたまゴールドシアターの老俳優の方々、そしてオーディションで選ばれたBOYS and GIRLSの若い男女が「町のひとびと」を演じます。キャストが多いのはそれだけで贅沢ですし、大人数で町の様子が生き生きと描写されていたと思います。特に小道具を使って効果音を出すのが素敵!あと、讃美歌の美しいハーモニーにも感動しました。世界には人間が生み出した美しいものがある、と信じられる瞬間です。

 舞台監督が小堺さんであることも重要なポイントですね。観客に対して話しかける演技に余裕があるし(毎日のように観客参加型の生放送に出てらっしゃいますものね!)、テレビでおなじみの方なので、小堺さんが舞台にいることで常に観客は現実を忘れずに『わが町』という芝居を観ていることができます。

 メインキャストはそれぞれに、これ見よがしにならない程度に気持ち良く個性を発揮されていて、ジョージ役の中村倫也さんが特に素晴らしかったです。若くてかっこいいだけではなく、セリフがはっきりと聞こえるし、体と声と感情とのズレが見えない演技で、ある一人の男性の人生を鮮やかにあらわしてくださいました。

 ここからネタバレします。

 舞台監督が「このお芝居のタイトルはOur Town、『わが町』。書いたのはアメリカの劇作家ソーントン・ワイルダー、制作は新国立劇場、演出は宮田慶子、出演は相島一之・・・」と言いはじめた時、今までに観た『わが町』とそれを観た時の感動、そして戦前から『わが町』が世界中で上演されてきたこと、今、目の前の日本人のキャストとスタッフが『わが町』の世界を作り上げていることが、一気に頭の中にわき出て来て、嬉しさと感謝で頭のてっぺんまでいっぱいになってしまったんです。そのまましばらく泣きっぱなし(汗)。まんまと戯曲の術中にはまったということでしょう。

 舞台奥の壁を青く(?)照らして、人々のシルエットが見える場面が良かったです。舞台監督が客席からその壁を見つめて言うセリフ(何だったか忘れましたが)で、私も人類の歴史に遠く思いを馳せることができました。
 墓地のシーンでの満天の星空は嬉しかったですし、死者が床の四角い穴に埋まっているのもいいですね。傘をさした葬列にちゃんと雨が降っているのも良かったな~。灰色の中に霧の白がきれいでした。

 ジョージ役の中村さんは「宿題のヒントを教えて」とエミリーに頼む幼いころと、その3年後の野球部で活躍する頃とをはっきりと演じ分けてらっしゃいました。ジョージとエミリーが相思相愛だと気づくデートの場面も良かったですが、満足まではいかず・・・2人がかみ合ってなかったように思います。

 第3幕(墓地)はちょっと長く感じましたね。死者たちの声が小さすぎてセリフが聞こえづらかったのもありますが、エミリーが過去を振り返るシーンで感動できなかったんですよねぇ・・・それで迷った末にメルマガ号外の発行は控えました。初日でしたので、これから良くなっていくことと思います。1500人から選ばれたヒロインの佃井皆美さん。プレッシャーもあることと思いますが、頑張ってほしいです!

出演:小堺一機:舞台監督 相島一之:ドクター・ギブズ 佐藤正宏:ウェブ氏 斉藤由貴:ギブズ夫人 鷲尾真知子:ウェブ夫人 中村倫也:ジョージ・ギブズ 佃井皆美:エミリー・ウェブ 青木和宣:ウォレン巡査 増子倭文江:ソームズ夫人 山本亨:サイモン・スティムソン 中村元紀:ハウイー・ニューサム 稲本響:音楽/ピアノ演奏 朝倉みかん 宇髙海渡 内山ちひろ 大村沙亜子:レベッカ・ギブズ 菅野隼人:ウォリー・ウェブ 斉藤悠 佐々木友里 下村マヒロ 高橋智也 高橋宙無 内藤大希:サム・クレイグ 橋本淳:ジョー・クローウェル 橋本咲キアーラ 水野駿太朗 横山央:サイ・クローウェル 神尾冨美子 北澤雅章:ウィラード教授 竹居正武 都村敏子 德納敬子 中野富吉:ジョー・ストッダード 森下竜一 吉久智恵子
【脚本】ソーントン・ワイルダー 【翻訳】水谷八也【演出】宮田慶子【音楽/ピアノ演奏】稲本響【美術】長田佳代子【照明】沢田祐二【音響】渡邉邦男【衣裳】加納豊美【歌唱指導】伊藤和美【演出助手】高野玲【舞台監督】澁谷壽久【芸術監督】宮田慶子【主催】新国立劇場【共催】TBS 【後援】TBSラジオ
【休演日】1/17,24【発売日】2010/10/16 S席7,350円 A席5,250円 B席3,150円
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000324_play.html
http://www.atre.jp/wagamachi/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:43 | TrackBack

【公募情報】世田谷パブリックシアター「シアタートラム ネクスト・ジェネレーション vol.4』参加団体募集」2/14-28面接あり

 若手劇団の登竜門として名実ともに認知度が高まっている、世田谷パブリックシアターの「シアタートラム ネクスト・ジェネレーション」(過去レビュー⇒10)。来週開幕するvol.3の参加団体はミナモザ、文月堂、インパラプレパラートです。我こそはと思う団体の皆さん、ぜひ2012年1月に実施されるvol.4に応募してください!

 応募資格に活動拠点の制限があり、上演予定台本の提出が条件に入っています。資料を郵送するのではなく、期間内に面接する形式です。募集概要をよく読んでお申し込みください。

 応募期間:2011年2月14日(月)~2月28日(月)午後5時
 ※担当者に電話し、面接時間のアポイントを取ること。

Posted by shinobu at 13:51 | TrackBack

【オーディション】PARCO×本谷有希子公演ワークショップ・オーディション※2/28〆切(郵送のみ)

 今年8~9月にPARCO劇場その他で上演される、本谷有希子さんの新作のアンサンブルキャスト(若干名)のオーディションが開催されます。主演は長澤まさみさん。

【募集役柄】アンサンブルキャスト 若干名
【応募資格】18歳以上の男女・公演概要に記載の稽古・本番期間に、すべて参加できる方。
【公演概要】
 稽古:2011年6月末より稽古開始予定
 公演:2011年8月~9月まで予定(地方公演含む)

【応募締切】 2011年2月28日(月)郵送必着
 一次審査:書類選考。書類選考を通過された方には3月15 日(火)までに連絡。
 二次審査:実技選考。2011年3月下旬予定。
 三次審査:ワークショップ・オーディション。2011年4月14日(木)~23日(土)を予定。全日程参加必須。

 下記は劇団、本谷有希子サイトより。

■2011年01月05日(水)PARCO×本谷有希子公演・ワークショップ・オーディション開催!

 パルコ・プロデュース8月の本谷有希子作・演出公演に向けた、ワークショップ・オーディションを開催いたします。

【募集役柄】アンサンブルキャスト 若干名
【応募資格】18歳以上の男女
 下記の公演概要に記載の稽古・本番期間に、すべて参加できる方。
【公演概要】
稽古:2011年6月末より稽古開始予定
公演:2011年8月~9月まで予定(地方公演含む)

【応募方法】
 プロフィール(顔と全身の写真貼付)を下記の宛先までお送りください。

*プロフィールには、連絡のつきやすい電話番号・(有れば)ファックス番号・住所、身長、舞台の経験についても明記してください。
(未成年の方は保護者の同意が必要です。)
*プロフィールは写真貼付も含めてA3またはA4の用紙1枚分に収まるよう作成してください。
*舞台経験がない方はその旨明記してください。
*応募書類はご返却できませんので、予めご了承ください。

【宛先】 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15?1 渋谷パルコ パート1 ・9F パルコ劇場
「本谷有希子」ワークショップ・オーディション係

*応募書類は必ず郵送にてお送りください。お持ち込みの受付はできませんので、ご了承ください。

【応募締切】 2011年2月28日(月)必着

【選考方法】
■一次審査:書類選考。書類選考を通過された方には、2次選考のご案内を3月15 日(火)までに弊社担当よりご連絡いたします。
■二次審査:実技選考。2011年3月下旬予定。二次選考を通過された方に、オーディションを兼ねたワークショップにご参加いただきます。
■三次審査:ワークショップ・オーディション。2011年4月14日(木)~23日(土)を予定しております。ワークショップの全日程にご参加いただけることを選考の条件とさせていただきます。

※オーディション内容・合否に関するお電話でのお問い合わせはご遠慮ください。


※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 10:47 | TrackBack

【オーディション】世田谷シルク「イケメンさん!」オーディション※1/19又は1/21〆切(メールのみ)

 堀川炎さんが作・演出される劇団世田谷シルクが出演者オーディションを開催します。
 世田谷シルクの作品は拝見したことがないのですが、堀川さんの出演作は観たことがあります。世田谷シルクは「第2回世田谷区芸術アワード“飛翔”2010」を受賞し、2012年1月のシアタートラム・ネクストジェネレーションvol.4への参加が決まっています。

 詳細はこちら。「小劇場のイケメン募集」ですが、イケメンは自称、他称、雰囲気可。イケメンだいう1点で採用が決まるわけでもないようなので(笑)、スケジュールが空いていてご興味のある俳優さん(男性のみ)はどうぞ。上演するのはサンモールスタジオがプロデュースする4劇団参加のショーケース作品(30分間の短編)です。
 21日(金)希望の締め切り:1月19日(月)24:00まで
 23日(日)希望の締め切り:1月21日(月)24:00まで

Posted by shinobu at 09:33 | TrackBack

【公募情報】F/T11公募プログラムのオンラインエントリー受付中!※1月23日〆切

 F/Tが若手のカンパニー/アーティストの主催公演をサポートする、「F/T11公募プログラム」のオンライ・エントリーの〆切が迫っています。〆切は1月23日(日)24時。「F/Tアワード(仮称)」の審査員も発表になりました。我こそは!という芸術団体の皆さん、ぜひ応募してください。
 →公募プログラム詳細 →募集要項(PDF)

Posted by shinobu at 09:16 | TrackBack

2011年01月14日

【写真レポート】二兎社「『シングルマザーズ』制作発表会」12/02東京芸術劇場2階コンチェルト

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ポスター

 永井愛さんの作・演出作品を上演する二兎社が、三十周年記念公演として今年2月から新作『シングルマザーズ』を上演します。東京芸術劇場小ホール1で1ヵ月以上のロングランの後、各地でツアーがあります。

 「シングルマザーを描くことが、今の私たちを描くことになる」と永井さん。沢口靖子さん、吉田栄作さんはじめ5人の出演者も、記者発表で意気込みを語られました。

 ■二兎社・三十周年記念公演
  『シングルマザーズ』 ⇒公式サイト
  02/20-03/27東京芸術劇場小ホール1
  出演:沢口靖子 根岸季衣 枝元萌 玄覺悠子 吉田栄作
  作・演出:永井愛
  発売日:2011年1月15日(土) ★明日です!
  一般:5,000円(2月20日のみ4,000円) 学生:3,000円 
  高校生割引:1,000円 ※1/15(土)12時から電話受付(以降10-18時/日祝休)
  ☆シングルマザー無料招待!(要児童扶養手当証書提示/枚数限定)
  ⇒CoRich舞台芸術!『シングルマザーズ

【永井愛さん】

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 永井「二兎社は2011年に30周年を迎えます。その節目の公演はシングルマザーの活動を描いた作品です。たまたま身近にシングルマザーがいたのもきっかけですが、女性の運動劇を、生き生きした女性を、描きたいと常々思っておりました。シングルマザーを描くことで、シングルマザー以外のことが描ける。今シングルマザーがどのように暮らしているかを描くことが、今の私たちを描くことにつながると思いました。
 2002年から2007年という近い過去5年間の話です。構造改革で児童付与手当の削減方針が決まり、貧しい母子家庭は削減をなんとか阻止しなければ生きていけないと、大きな騒ぎになったんです。結果、シングルマザーたちは国会を動かしました。活躍するのはオンボロアパートの一室を借りた“一人ママネット”というシングルマザーの支援組織です。沢口靖子さんが事務局長、根岸季衣さんが会長、そして吉田栄作さん演じる一人の困った男性が現れて、組織の皆さんに迷惑をかけていきます。
 いまDV(ドメスティック・バイオレンス)が問題になってますけど、シングルマザーにはDV被害者も多いんです。貧しいだけでなく心の後遺症も抱えている中で、彼女たちが明るく、小さな支援組織を運営していく5年間を描きたいと思っています。」


【沢口靖子さん】
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 沢口「一人息子をもつシングルマザーで、支援団体のリーダー格の女性を演じます。この作品をとおして私自身もシングルマザーの現実を初めて知りました。貧しい経済状態、働きたくても働く環境が整っていていない社会構造など、この作品を上演することで皆さんに現実を知っていただき、シングルマザーの少しでも明るい未来につながればと祈っています。
 私が演じるシングルマザーには12歳の息子がいて、実は夫との結婚生活でのDV被害という過去があり、そのフラッシュバックが起きてしまいます。そういった傷を抱えつつ、支援団体のリーダーとしてバイタリティーをもって前向きに活動していくという、人間の強い面と弱い面の両方を表現できたらいいなと思っています。新たな役にチャレンジします。どうぞご期待ください。」


【吉田栄作さん】
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 吉田「今回“DV男”を、やらされます(笑)。自分とは全く別人格なので、役者としてはやりがいもあります。沢口さん同様、僕も新たな役にチャレンジします。永井愛さんの舞台に出るのはこれが2度目です。永井さんは僕に舞台で表現するきっかけを与えてくれた方なので、5年振りとなるこの仕事をとても楽しみにしております。支援団体に僕のようなDV男がいることはありえないんですが、なぜか2年ぐらいの周期でそこを訪れ、ドラマが生まれたり・・・。存在自体がミステリアスだと思います。」


【根岸季衣さん】
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 根岸「永井さんには“非戦を選ぶ演劇人の会”で朗読劇の作・演出をしていただいたことがあります。今回、じっくり演出して頂くのがとても楽しみです。個人的には毎朝6時5分からラジオ体操をするのを習慣にしておりまして、これだけ長期の舞台公演で継続できるかどうかも挑戦です。健康的にやっていきたいと思っています。」


【枝元萌さん】
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 枝元「オーディションで合格して出させていただけることになりました。今まで彼氏がいる役や、結婚して幸せな役は体験してきましたが、今回は3人の子持ちでシングルマザーということで。それをどういう風に疑似体験し、自分の心と体が変化してくのか、とてもどきどきしています。永井さんについていきたいと思います。がんばります!」

 永井「今回のオーディションは一般募集ではなく、制作やその他の方からの推薦をもとに声をかけて行いました。枝元さんは今話題のパワフルな女優だと思います。非常にパンチがあって面白いんです。若いのにオバサン的な魅力を持っている。芝居では3人の子持ちでとても貧乏で、大変なことになる役柄なんですが、幅広く演じられる方なので、玄覺さんとの対比も非常に面白いんじゃないかと思います。」


【玄覺悠子さん】
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 玄覺「永井愛さんの作・演出作品に出演できる幸せと、素敵なキャストの皆さんと共演できる喜びで、今、興奮と緊張でいっぱいになっております。素敵な舞台にしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。」

 永井「玄覺さんはポツドール『女のみち』で拝見しています。そこでもAV女優をやりながらキャバクラに勤めているシングルマザー役でした。玄覺さんが本当に可笑しくて、久々にお腹を抱えて笑いました。だから今回シングルマザーをやることになり、玄覺さんはどうかなと思っていたんです。一応セリフを聴いてからと思ってオーディションに来ていただきました。」

【全員写真】 吉田栄作さん、背が高いですねっ!! 
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出演:沢口靖子 根岸季衣 枝元萌 玄覺悠子 吉田栄作
作・演出:永井愛
【発売日】2011/01/15(全席指定・消費税込)一般:5,000円 (2月20日のみ4,000円) 学生:3,000円(要学生証提示。二兎社、チケットぴあ店舗にて取扱) 高校生割引: 1,000円(要学生証提示。二兎社にて取扱。枚数限定)☆シングルマザー無料招待!(要児童扶養手当証書提示。二兎社にて取扱。枚数限定)※未就学児童入場不可。
http://www.nitosha.net/sm/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 22:11 | TrackBack

2011年01月13日

【稽古場レポート】東京芸術劇場『チェーホフ?!』01/05水天宮ピット中スタジオ1

 野田秀樹さんが芸術監督をつとめる東京芸術劇場のプロデュース公演『チェーホフ?!』の稽古場にお邪魔いたしました(⇒野田さんのコメント)。

 タイトルは19世紀ロシアの世界的劇作家アントン・ パーヴロヴィチ・チェーホフから来ているのは一目瞭然ですが、代表作である『かもめ』『ワーニャ叔父さん』『三人姉妹』『桜の園』などの戯曲ではなく、医師でもあったチェーホフの博士号論文の草稿をもとに創作されるとのこと。

 演出は昨年8月のスイス公演でも高い評価を受けた、庭劇団ペニノのタニノクロウさん(⇒The Japan Times英語記事)。ドラマトゥルクに演劇批評家でロシア芸術思想の専門家でもある鴻英良さんを迎え、“誰も観たことのないチェーホフ”が生み出されます。
 タニノ「タイトルどおり、極めてチェーホフ的である作品になってきたと思います。絵画的な美しさを楽しんでもらえたら。」

【稽古場写真】
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 ■東京芸術劇場プロデュース・チェーホフ生誕150周年記念
  『チェーホフ?! 哀しいテーマに関する滑稽な論考』公式サイト
  期間:2011年1/21(金) ~2/13(日)
  会場:東京芸術劇場小ホール1
  出演:篠井英介 毬谷友子 蘭妖子 マメ山田 手塚とおる
  作・演出:タニノクロウ
  S席4,500円 A席3,200円 A席(25歳以下)2,000円
  ※1/21(金)、1/22(土)のプレビュー公演は一律3,000円というお得価格!
  CoRich舞台芸術!⇒『チェーホフ?!』※CoRichでカンタン予約!

 ≪作品紹介≫ 公式サイトより。
 これがチェーホフ?!
 誰も知らなかった妄想世界
 チェーホフが人生における大仕事として取り組んだが、未完に終わった博士論文。そこには民間伝承、いいつたえ、奇術、魔術など超自然的で観念的な事象に対して異常なまでに興味を示したチェーホフの姿が見て取れる。
 結局、論文を書き上げることなく生涯を終えたチェーホフだが、実際は様々な作品の中にそれらの要素は散りばめられている。
 そのようなチェーホフが興味を示した幻視的世界を元・精神科医という特異な顔を持つ演出家タニノクロウが独自の視点で描き、異形の顔ぶれと生演奏を指揮する。
 これがチェーホフ?!と思うかもしれません。いや、これこそチェーホフ!!
 ≪ここまで≫

 お正月が明けたばかりの1/5(水)に稽古場に伺いました。14時30分から稽古開始とのことでしたので14時10分頃に伺ったところ、役者さんもスタッフさんもほぼ勢ぞろいで、ちょうど毬谷友子さんの衣装合わせ中でした。
 きれいなドレスをお召しの毬谷さん。衣裳と同時に髪型もチェックして、セクシーさをどう出すかなどが話し合われています。「幕ごとに変化が欲しい」と演出のタニノさんから注文があり、毬谷さんからも「こうすれば動きやすい」などのアイデアが出ています。衣裳は2009年読売演劇大賞スタッフ賞受賞者の太田雅公さんです。

chekov_piano.JPG
キーボード

 稽古場には仮の装置がしっかり建て込まれており、大人数のスタッフさんがズラリ。作・演出のタニノクロウさんを中心に、舞台監督、音楽、音響、ワイアレス音響担当、衣裳、衣裳製作、衣裳着替え担当、ヘアメイク、制作、制作助手、演出助手、演出部3人という、5人の出演者を含め20人がスタジオに集まっています。
 タニノさんの真横には音楽家の阿部篤志さんの大きなキーボードが鎮座しており、なんとその場で役者さんの演技に合わせて、阿部さんが演奏されるようです。本番は舞台手前にオーケストラ・ピットが作られて生バンドの演奏があるとのこと!⇒制作さんによる仕込み写真⇒

 衣装合わせの後、タニノさんと阿部さん(音楽)の打ち合わせがあってから、稽古に突入しました。最初はマメ山田さんと篠井英介さんが登場する場面です。見つめ合うマメさんと篠井さんが徐々に距離を取って離れていくのですが、篠井さんは白いヘッドフォンを装着してゆるやかに体を動かします。「チェーホフなのにヘッドフォン?」と、始まるなり心が躍りました。

【写真↓篠井英介さん】
chekov_sasai.JPG

 短い場面のきりのいいところで止めて、すぐに確認作業に入りました。音の大きさ、高さ、鳴るタイミングなどの音響関連のことや、役者さんの動きと合わせた装置の移動など、細かい調整をします。タニノさんからマメさんに、本を読む演技について提案がありました。
 タニノ「もっとむさぼるように読んでください。大事そうに教科書を読むように。守るように読む。」

 そして同じ場面をもう一度やることに。マメさんの演技にあわせて篠井さんの対応も変わって、音楽との関係にも微妙な変化がありました。演出助手さんがストップウォッチで場面の分数を計っており、どうやら秒単位で色んなきっかけがあって、2分弱の短い場面にさまざまな要素がギュっと詰まっているようです。

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キュートなマメ山田さん

 衣裳の事情もあり、マメさんの演技の変化がはっきりとは見えづらいらしく、タニノさんが他の出演者に質問されました。
 タニノ「どうすればいいですかねー。」
 手塚「音に合わせて、マメさんがいいタイミングで首を動かすとか。」
 毬谷「セリフにロシア語を入れてみたら?」
 面白そうなアイデアが次々と繰り出され、笑いも起こります。

 結局、2時間弱の間に同じ場面が5回演じられました。5回目ともなると空気の密度がぐっと上がって来て、立っているだけでも美しい篠井さんの動きも、さらに洗練されていきます。篠井さんが優しくハミングする歌声にうっとり聴き惚れてしまいました。

 次は手塚とおるさんと毬谷友子さんが登場してくる場面。コンテンポラリー・ダンスのような即興のパフォーマンスに圧倒されました。なまめかしくからみ合う姿はエロティックで“死”をも匂わせます。ダンスにはタニノさんだけでなく、音楽家の阿部さんからも具体的な提案が出されました。
 阿部「今鳴っているアコーディオンの音は後ほどカットします。この部分は(音楽が)ハーモニーになってるんで、ダンスでもハモってらえると嬉しい!」

 【写真左から:手塚とおるさん、毬谷友子さん】
chekov_tezuka_mariya.JPG

 演技を終えると、役者さんの間でも意見が交わされます。
 毬谷「今、あまりに即興で動きすぎかも。」
 篠井「最初は様式的に動いて、後からもっとエッチな感じにしたらいいんじゃない?」
 手塚「これ以上エッチなのは思いつかないなー(笑)。」
 演技について話し合う横では、舞台監督と音響さんが2人で手早く確認作業をされていました。演出家の指示を待って動くのではないんですね。稽古場にいる一人ひとりが自ら動き出し、シーンを形作るピースが次々と埋められていきます。
 タニノさんは稽古場で起こることをじっと凝視し、俳優やスタッフが提示するアイデアをひたすら聞いてらっしゃいました。口数はとても少ないです。同じ場面を何度も見て、議論、熟考の末に「じゃあ、それでいきましょう」とGOサインを出されます。

 軽妙なおしゃべりや笑いもよく起こっていましたが、和気あいあいのムードばかりではなく、耳には聞こえないかすかな重低音が止むことなく鳴り続けているような、独特の緊張感がありました。演技をするごとに知的な試行錯誤が繰り返され、大勢のプロフェッショナルがそれぞれの持ち場で冷静にクリエイティブな仕事を成し遂げていく。この稽古場そのものが、優雅で躍動感のあるオーケストラのようでした。


 ■タニノクロウさんインタビュー

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タニノクロウさん

 ―台本はタニノさんの絵コンテだそうですね。
 タニノ「チェーホフの色んな作品を読んで、頭に浮かんだ絵を何枚も描きました。最初は、固定カメラで撮影した沢山のプロモーションビデオを作ればいいと考えたんです。今は画用紙に絵を描いていくような感覚ですね。チェーホフを連想させる色んな絵が集まって、ひとつの作品になるというか。」

 ―ストーリーはあるのでしょうか?
 タニノ「チェーホフを読んでいく中で『曠野(ステップ)』という作品に出合い、それをひとつの筋道として物語に付け加えていきました。だからストーリーはありますが、説明らしいセリフはありません。本当に必要なものだけを残したので、セリフを全部まとめても1~2ページほどしかないですね。台本は区切りでしかないから、僕は基本的にいつも台本を書かないんです。まず役者さんに枠組みや印象を伝えて、『見せたいのはこういうことです』と説明して、そこから体を動かしてもらいます。」

 ―出演者には自分から進んで創作ができて、その人自身に鋭い個性がある方がそろっているように思います。
 タニノ「そうですね。シルエットに特徴があって、男でも女でもないような人がいい、強いキャスティングをと最初に(主催者に)お願いしていました。有名な俳優が出演するプロデュース公演でありながら、普通のプロデュース公演ではできないことを実現できていると思います。例えば役者さんは全身がデザインされているし、誰が主役かわからない。そんな中からこぼれ出る、その人だからできることがあるんです。タレントが出ていたり、政治的な枠組みにはめられていたら、こんな風には作れないですよ。」

 ―今日までの時点で、手ごたえはいかがですか?
 タニノ「タイトルどおり、極めてチェーホフ的である作品になってきました。観る人が多面的に楽しめる要素を含んでいて、生演奏や歌、さまざまな仕掛けもあり、チェーホフを知らなくても、誰が観ても楽しめるようになってると思います。
 僕は劇団でしか面白いものは作れないと考えているんです。『チェーホフ?!』は、小さな劇場で有名俳優を使って、こんなに面白いものが作れるんだということの証明になるかもしれない。それが演劇的価値になればいいなと思います。」


 ■稽古場見学とインタビューを終えて

 「なんて贅沢なんだろう・・・!」これが最初の感想でした。役者さんは1/12(水)から劇場に入り、プレビュー初日の1/21(金)まで本番同様の舞台装置で稽古ができるそうです。民間の小劇場公演だと劇場での稽古は2~3日間が普通だと思いますが、この公演は約10日間もあるんです!それだけでも完成度の高さは約束されたようなもの。

 観客に対しても手厚いです。実力のある有名舞台俳優と豪華スタッフがそろった新作舞台を、オーケストラ・ピットでの生演奏付きで味わえます。しかも300席以下の小空間で。チケット価格にも観客のための配慮があります。東京芸術劇場小ホール1でS席4,500円、A席3,200円、プレビュー公演3,000円、25歳以下(A席)2,000円という価格設定はすごく良心的です。プレビューから2日間の休演日を挟んで初日が開幕するのにも気合いが感じられますね。私はジャンプアップに期待して初日を予約しました。

 昨年、新しい芸術監督が次々に誕生し、公立の劇場が発信する公演に注目が集まっています。東京芸術劇場は野田芸術監督の主導により、有名劇作・演出家の新作紹介、海外公演の招聘、若手発掘事業「芸劇eyes」、親子向けのTACT/FESTIVAL、高校生割引(1,000円券を抽選販売)など、大胆な企画を次々に発信してこられました。『チェーホフ?!』は同劇場のポテンシャルを最大限に使って、まっさらの状態から立ち上げる入魂の一作。私が稽古場で感じた重低音は、驚きと魅惑に満ちた舞台が生まれようとする胎動だったのだと思います。

出演:篠井英介 毬谷友子 蘭妖子 マメ山田 手塚とおる
作・演出:タニノクロウ ドラマトゥルク:鴻英良 音楽:阿部篤志 美術:田中敏恵 衣裳:太田雅公 照明:山口暁 音響:中村嘉宏 ヘアメイク:川端富生 演出助手:若月理代 特殊小道具:小此木謙―郎 舞台監普:白石英輔 宣伝美術:松下計 制作:勝優紀/樺澤良 制作助手:坂田厚子 票券:大迫久美子 主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)/東京都/公益財団法人東京都歴史文化財団
S席4,500円 A席3,200円 A席(25歳以下)2,000円 ※1/21(金)、1/22(土)のプレビュー公演は一律3,000円
http://www.geigeki.jp/saiji/025/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:54 | TrackBack

2011年01月09日

シベリア少女鉄道スピリッツ『もう一度、この手に』01/06-16王子小劇場

 土屋亮一さんが作・演出されるシベリア少女鉄道スピリッツの新作です(⇒昨年のレビュー)。

 当日パンフレットによると1本の再演と8本の新作によるオムニバス、ですが、それだけではない盛りだくさんの内容でした(笑)。初日は少々ドタバタしすぎの感もありましたが、長い公演ですので密度も増してくることと思います。上演時間は約2時間15分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『もう一度、この手に

 最初の1本は映像で観たことがあるものでした。面白いけどネタがわかってるとちょっと寂しいですね。私はテレビをほとんど観ないので、オチが全然わからない短編もあり、「オムニバスでこの調子だと、全然楽しめないかもしれない・・・(汗)」と心配になってきたところで、おかしなことが起こり始めました。やはり一筋縄ではいかない(笑)!

 パンフレットやホームページに伏線となる要素がちょっとずつ公開されているのも楽しいところですね。
 声の出演は町田マリーさん。良かったな~(笑)。

 ネタバレは後ほど記録程度にアップ予定。ネタバレは致命的なので。

 ここからネタバレします。セリフ等は正確ではありません。2011年1月22日加筆。

 短編ドラマが「ごきげんよう」、クイズ番組、テレビ番組「アタック25」、すごろく、クロスワードパズルなどに変貌。出演者自身のエピソードも加わって、あからさまな劇中劇になり、どんどん破たんしていきます。
 アナウンスの「おわかりの方もいらっしゃることと思いますが、高松さんはロボットです。」に爆笑。

 1.how are you ? 
  父の遺骨を前に息子、娘たちが遺産をめぐる言い争い。やがて「ごきげんよう」に。

 2.教え
  昼ドラからクイズ番組へ(私は知りません)。

 3.業×業
  死刑囚の脱獄から「アタック25」に。

 4.終わりの始まり ※マイクから解説が聴こえてくる。
  山のハイキングでの出会い。やがて神父が出て来てすごろくに。

 5.It doesn't hear it
  テニスにかける青春。

 6.柔らかな銀行
  何だったか忘れちゃいました。すみません。

 7.深黒
  大金持ちの悪者と人さらい、そしてとらえられた少女たち。競技の「シンクロ」に。

 8.COMING S00N
  病気の娘とその両親と恋人。セリフを強引にクロスワードパズルにはめていく。

 9.See you again !
  ふたたび「ごきげんよう」。ストーリーは殺人事件の真相を暴く探偵モノ。

 ≪役人物の設定≫
 石田剛太:ヨーロッパ企画の劇団員。関西の人気劇団所属なので笑いにうるさい。
 大杉さほり:虚構の劇団の劇団員。演劇エリートだが、かつてはバンド「いきものがかり」のメンバーだった。
 加藤雅人:実はおじいちゃん。最高齢。何歳だったかは失念。80歳とか?
 上福元沙織:初舞台の新人。自信がなくて途中退場するが復帰。
 篠塚茜:実は男だった。
 高松泰治:実はロボットだった。
 藤原幹雄:シベリア少女鉄道劇団員。仕事が忙しくて出番が少ない。久しぶりの出演で演技のミスが多い。
 吉田友則:久しぶりの出演。大病を患う妹が手術を受けるので気が気ではない。

出演(50音順)/ 石田剛太(ヨーロッパ企画) 大杉さほり(虚構の劇団) 加藤雅人(ラブリーヨーヨー) 上福元沙織(無所属・新人) 篠塚茜(シベリア少女鉄道) 高松泰治(ゴキブリコンビナート) 藤原幹雄(シベリア少女鉄道) 吉田友則(漢の仕草) 声の出演/町田マリー(毛皮族)
作・演出/土屋亮一 創作補佐・映像/冨田中理 舞台監督/上嶋倫子・谷澤拓巳 音響/中村嘉宏 照明/伊藤孝 美術/泉真 衣裳/さかくらきょうこ 演出助手/山本タカ(声を出すと気持ちいいの会) 音響操作/井川佳代 照明操作/矢野一輝 制作/高田雅士・保坂綾子・柴貴子 企画・製作/シベリア少女鉄道
【発売日】2010/11/20 前売/3,000円 当日/3,500円 (日時指定・整理番号付き自由席)
http://www.siberia.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 11:21 | TrackBack

2011年01月08日

三条会『冬物語』01/05-09ザ・スズナリ

 三条会は関美能留さんが構成、演出を手掛ける千葉県の劇団です。シェイクスピアの『冬物語』をいつもながらの豪快で鮮やかな演出で1時間40分に。

 『冬物語』はこれまでに舞台で2度観たことがありますが、新たな切り口で再発見できました。示唆に富んだ、成熟した大人の演劇人による娯楽演劇でした。役者さんの身体能力や演技の技術も高く、何度も笑ったり涙ぐんだりして、心が満たされる観劇になりました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『冬物語

 『冬物語』のあらすじなどはこちらでどうぞ。

 いつもながら選曲が奇抜で面白すぎです(笑)。失笑しながらも「あ、意外にいい曲♪」なんて思いなおしたり。自分の中で解釈が二転三転します。曲終わりに合わせて演技もキリのいいところで止まるのも三条会ならでは。聴いたことのある名曲が次々と流れ、それに役者さんのセリフと動きが合わさっているのは、オペラのようだと感じました。この気づきでかなりすっきりしました。

 ここからネタバレします。

 教室のイスと机に学生服の人々。最初はリオンティーズ(榊原毅)とその息子(中島愛子)だけがボーダーシャツに短いズボンというカジュアルルック。これは彼らが“子供(ガキんちょ)”だってことなんでしょうね。チェッカーズ「ギザギザハートの子守唄」、アンジェラ・アキ「手紙」などから“15歳”ということがわかります。
 誰の言葉にも耳をかさず一方的に持論をわめき続けるリオンティーズは、某知事に重なりました。舞台が教室なので、学校内で苦しむ教師と生徒というイメージも。子供がわがままの限りを尽くして悪態をつき、暴言を吐き、やがて大罪に見あった厳しい罰を受け、とうとう改心するという流れから、先日観た『時計じかけのオレンジ』を思い出しました。

 冒頭のカミロー(永栄正顕)、ポーリーナ(大川潤子)、アンティゴナス(佐々木透)の3人組は、最後の三角関係を表していたんですね!アンティゴナス(佐々木透)とマミリアス(中島愛子)が死者同士で話すのも良かった。犬(関美能留)に爆笑。死神(?)だったり、俯瞰する視点だったり。

"The Winter's Tale" by W. Shakespeare
出演:大川潤子 榊原毅 立崎真紀子 橋口久男 渡部友一郎 近藤佑子 中島愛子 永栄正顕 佐々木透(リクウズルーム
原作:W・シェイクスピア 構成・演出:関美能留 美術:石原敬 照明:岩城保
◇一般:3,500円  ※年内割引:一般3,000円(12/31まで)◇学生:2,000円
http://homepage2.nifty.com/sanjokai/02.html

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Posted by shinobu at 23:02 | TrackBack

カンパニーデラシネラ『異邦人』10/07-13シアタートラム

 パントマイマー、振付家、演出家の小野寺修二さん率いるカンパニーデラシネラ。新作『異邦人』が高知で創作され、東京にやってきました。

 千秋楽にすべりこみ、めっちゃくちゃ楽しくって、感動して、早く観に行ってメルマガ号外を出せば良かった…としきりに後悔した帰り道でした。再演希望!またパルコ劇場でやったりしてくれないかな!!

 ⇒CoRich舞台芸術!『異邦人

 オープニング。下手手前に一人の男性(森川弘和)。手を動かした時点で身震いしました・・・めっちゃくちゃかっこいい!!鍛えられた体で見せる選び抜いた動作です。この瞬間に「あぁ、観に来て良かった・・・♪」としみじみ。

 うだるような暑さの中の、コミカルでちょっと怖い白昼夢でした。身体表現だけでなくセリフも多く、老若男女が楽しめるパフォーマンスだったと思います。
 動きはもちろん、装置、照明、音響、衣裳、ヘアメイク、小道具などのスタッフワークにも大満足。舞台装置に組み込まれた盛りだくさんの仕掛けは贅沢なイリュージョンでもあり、『異邦人』の世界そのものをあらわす演出効果にもなっていました。

 小説『異邦人』はずっと昔に読んで「全然意味がわからなかった」という記憶しかなかったんですが(汗)、この舞台を観て、ああこれがあの、カミュの世界だったのだと、ものすごく気持ちよく腑に落ちました(←勝手ですが)。
 風景が絵画になったり、小説が映画になったり、漫画が舞台になったり。ある作品が他の表現方法に変換(翻訳?)される時は、必然的に大きな飛躍をすることになりますが、それでももとの作品の核の部分は変わらず、もしかすると、一層その作品らしいものが生まれることがありますよね。カンパニーデラシネラ『異邦人』はまさにそれだったと思います。

 検察およびインタビュアーなどを演じられた藤田桃子さん。かーわーいいーーーーーっ!!こんな声をしてらしたんだなーと、藤田さんが言葉を発する度に味わいました。オレンジがかった茶髪がマッシュルーム型にまるまっていて、それも可愛い!

≪高知、東京≫
出演: 片桐はいり  田村一行(大駱駝艦)、藤田桃子、森川弘和、菅彩夏、手代木花野、小野寺修二
原作:アルベール・カミュ/著 窪田啓作/訳『異邦人』(新潮文庫刊) 演出:小野寺修二 テキスト協力:小里清 照明:磯野眞也(アイズ) 音響:田中裕一(サウンドウエッジ) 美術:杉山至+鴉屋 小道具:高庄優子 衣装:堂本教子 舞台監督:矢島健
チケット料金:全席指定 一般前売 4,000円 当日 4,500円 学生前売 3,500円(ハイウッドにて前売のみ) 世田谷区民 3,900円(劇場チケットセンターにて前売のみ) 劇場友の会 3,800円(前売のみ)[お問合せ] ハイウッド TEL 03-3320-7217
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/10/post_199.html
http://www.onoderan.jp/website/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 19:25 | TrackBack

2011年01月07日

ホリプロ『時計じかけのオレンジ』01/02-30赤坂ACTシアター

20110104_a_clockwork_orange.JPG
劇場壁面の巨大ポスター

 スタンリー・キューブリックの同名映画が大好きなので、舞台化のニュースを目にした時は驚き、嬉しくなりました。でも「あの暴力映画(笑)をどうやって舞台に!?」という勝手な心配もあり(笑)。

 主演は小栗旬さん、演出は河原雅彦さん。パンフは2,000円と高かったですが、買ってよかったです。映画ではなく原作をもとにしているんですね。上演時間は約2時間45分(途中休憩20分を含む)。

 ⇒CoRich舞台芸術!『時計じかけのオレンジ

 ≪あらすじ≫ 公式サイトから部分抜粋。(役者名)を追加。
 近未来のロンドンの町。コロヴァ・ミルク・バーにアレックス(小栗旬)を首領とするジョージー(高良健吾)、ディム(ムロツヨシ)、ピート(矢崎広)の4人組がいる。バーの外、ジャンキーをよってたかって、殴る、蹴る。さらに別の少年たちとの乱闘。棍棒、チェーン、ナイフが飛び交う。ドルーグ・ソングを歌い、ナッドサット語を駆使し、街を席捲するアレックスたち。・・・・
 ≪ここまで≫

 舞台正面奥のLEDカーテン(って言うのかな)で映像がじゃんじゃか流れます。両袖が鏡張りの壁になっており、中央の映像が鏡に映る仕掛けです。壁三面に大きく映される映像は大迫力。劇団新感線公演のように書割として使われることが少なく、イメージ映像が多かったように思います。舞台上の生中継もあって刺激的。

 4人のドルーグたちは映画のイメージそのままの衣装とヘアメイクでわくわく。映画だと過激な暴力にショックを受けながら、徐々にそれに酔って自分も凶暴になっていくような感覚があり、20代の私の興奮体験だったんですが、そこまでは盛り上がれなかったですね。劇中劇の視点もあったので、あえて覚めた状態が保たれることになったのかもしれませんが。

 役者さんは吉田鋼太郎さん、キムラ緑子さん、石川禅さん、橋本さとしさんがかっこよかったです。あ、ベテランばかり。考えてみたら若手の方々はパンチが足りなかったな~。これから2ヶ月続く多地域公演なので変わっていかれることと思います。

時計じかけのオレンジ [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ (2010-04-21)
売り上げランキング: 1728


時計じかけのオレンジ 完全版 (ハヤカワepi文庫 ハ 1-1)
アントニイ・バージェス
早川書房
売り上げランキング: 4218

 ここからネタバレします。セリフは正確ではありません。

 アレックス(小栗旬)が暴力の限りを尽くし警察に捕まるまでが約30分。スピーディーで良かったですね。「原作にはないシーンだが」「台本どおりに進むと思うなよ!」など、原作や演劇の前提にとらわれない傍若無人っぷりをあらわす演出(上演台本?)が面白いです。

 途中休憩の20分間、アレックスはずっと舞台上にいて「洗脳されている」状態。観客サービスでもありますが、それぐらいつらい目にあってるという感覚を観客も得られるので効果的だと思いました。
 犯罪率を低下させるためなら手段を選ばない内務大臣(吉田鋼太郎)たちや、人体実験を楽しむドクター(橋本さとし)らはこの社会をあらわしていますし、悪党が警官になり善悪が簡単に裏返るさまも風刺が利いています。復活したアレックスが政府との契約書にサインをし続ける場面は、アレックスが収容所で洗脳実験に合意するサインをした映像と重なりました。あいかわらずお互い様、というか・・・。

 映画のエンディングの後に、もう1場面ありました。アレックスは黒髪の真人間になっています。「俺は大人になったのさ!」に驚いた(笑)。「暴力ばかりに傾倒していたのは子供だったから」「バイオレンスからクリエイションへ」「選択するのは大変だけど、選択こそ自由の醍醐味」など。原作者が映画版に憤慨して加えた教訓の部分なのでしょうね。メッセージがすごくはっきり示されて、戸惑いつつも、ちょっと納得。
 「今、台本どおりに歌ってみせたのが、大人になった証拠さ」とのたまうアレックス。最後の歌の後に生バンドの演奏がありました。楽譜どおりに演奏して観客に聴かせてくれていると思うと、バンドの大人たちがすごくかっこよく見えたんです。ルールなしの遊戯って面白くないですものね。

≪東京、仙台、大阪、北九州、愛知≫ "A Clockwork Orange"
出演:小栗旬 橋本さとし 武田真治 高良健吾 山内圭哉 ムロツヨシ 矢崎広 桜木健一 石川禅 キムラ緑子 吉田鋼太郎 今奈良孝行 上地春奈 五大輝一 白井悟 西田健二 栗山絵美 高山のえみ 中林舞 平田小百合
原作・脚本:アンソニー・バージェス 上演台本・演出:河原雅彦 音楽監督:内橋和久 振付:井手茂太 美術:堀尾幸男 照明:小川幾雄 音響:大木裕介 衣装:伊賀大介 ヘアメイク:馮啓孝 殺陣:川原正嗣 映像:上田大樹 歌唱指導:伊藤和美 稽古ピアノ:宇賀村直佳 演出助手:西祐子 舞台監督:小林清隆 企画制作:ホリプロ 主催:TBS / トライストーン・エンタテイメント / ホリプロ
【休演日】1/5,11,18,25【発売日】2010/09/26 S席 11,000円(税込) / A席 8,000円(税込)
http://www.tbs.co.jp/act/event/clockwork-orange/
http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=150

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:13 | TrackBack

【写真レポート】NODA・MAP「『南へ』制作発表記者会見」01/06マンダリンオリエンタル東京3階グランドボールルーム

 野田秀樹さんが作・演出・出演されるNODA・MAP第16回公演『南へ』の制作発表記者会見に伺いました。妻夫木聡さんと蒼井優さんという超人気俳優が舞台初共演を果たします。お2人以外も演劇ファンにはおなじみの豪華キャスト!

 「今の日本の芝居では観られないような骨太な建造物にしたい」と語る野田さんの新作は、火山を舞台にした“嘘”にまつわる物語です。

 ■NODA・MAP第16回公演『南へ』 ⇒公演公式サイト
  日程:2011年2月10日(木)~3月31日(木)
  会場:東京芸術劇場中ホール
  一般発売日:1月8日(土)10:00~ ★明日です!
  チケット:S席9500円 A席7500円 サイドシート5500円(25歳以下3000円)
   ※高校生割引チケット1,000円は抽選受付:1/11(火)~16(日)
  ⇒CoRich舞台芸術!『南へ

【写真↓妻夫木聡さんと蒼井優さん】
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 ≪あらすじ≫ 配布資料より
 火の山が大好きな男(妻夫木聡)が火山観測所に赴任する。その赴任先で待っているのは、虚言癖の女(蒼井優)。やがて、大噴火の噂が流れる。流れるのは噂だけか。それとも、本当に溶岩が流れ出すのか…。不確かな情報、予知、夢、噂、群がるマスコミ…「信」じられないものばかりで織りなされる、まことしやかな火の山の物語。
 ≪ここまで≫

 ■まずは作・演出・出演の野田秀樹さん、主演の妻夫木聡さんと蒼井優さんからお話をされました。司会は舞台にとてもお詳しいアナウンサーの中井美穂さん。登壇者のお人柄や稽古場の熱が伝わる、生の発言を次々と引き出してくださいました。

【野田秀樹さん/VIPという役】

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 野田「ご覧の通り素晴らしい俳優陣で、スタッフさんも日本が誇るべき方々ばかりなので、あとは台本と演出で出来が決まると思っています。メインキャストの他に25人ぐらい出演します。手前味噌な話ですが、ただダンスするだけではない、かなり質の高いアンサンブルです。
 現在稽古中で、いい感じで進んではいますが、新作なので毎日不安をかかえながらも、今の日本の芝居では観られないような骨太な建造物にしたいと考えています。これだけの役者さんとスタッフさんがいれば表面的に面白いものはできると思うんです。でも志の高いものを作りたいというのが一番です。」

 ―ストーリーについて
 野田「火山の近く、つまり火口のすぐそばにある火山観測所が舞台です。だから必然的によく揺れます。そこに新任の観測所員(妻夫木聡)、嘘つきの女(蒼井優)が現れて展開していきます。火山は“ブジザン”という極めて富士山に似た名前で、この300年間噴火していないという設定。実は富士山は300年前の宝永の世に噴火してまして、その時代の話をからめながら芝居は進行していきます。
 去年は新作を3本書きました。『ザ・キャラクター』と『表に出ろいっ!』の2本は信じ込みすぎる人たちの話。『南へ』はその真逆で“嘘”を書いています。」

 ―タイトル『南へ』ついて
 野田「・・・いま調査中(笑)。観る前にお客さんの方で色々想像してもらって、本番で感じとっていただけたら。意外にくだらない感じで出てくるんですが。」

 ―動画のキャッチコピー『心にマグマを抱えた女』『心に洞窟を抱えた男』について
 野田「マグマとは次から次に嘘をつくこと。嘘をつき続けないと自分の正体がばれるので。洞窟とは、本人が気づかず持っているもの。自分の正体を知りながらわからないようにしてる女と、自分の正体を知らない(いずれ気づく)男、ということです。」


【妻夫木聡さん/観測所に赴任してくる火山を愛する男役】

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 妻夫木「『キル』以来、舞台出演は2度目で、またNODA・MAPに出演させていただくことになりました。『キル』は再々演で台本も最初からあったので修正作業が多かったと思うんですが、今回は新作なので1からスタートです。野田作品は2度目だけれど初めての体験が多くて、いつも新鮮な気持ちでやらせていただいています。ワークショップから出たアイデアを野田さん使ってくれることもあり、一人ひとりがアイデアを出し、力を合わせながら、牛歩ではありますが進んでる感じがします。
 “自分の正体がわからない男”ということで、それはとても難しいし、答えがない世界ですから、探り探りやりながら見つけていこうと思っています。」

 野田「妻夫木とは『キル』が終わった日に、またすぐやろうなって話をしてまして。そしたら彼が大河ドラマに出たので期間が空いちゃったんです。『キル』は再演でしたが、今回は彼を念頭にして役を書きました。」


【蒼井優さん/虚言癖のある女役】

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 蒼井「私は登場して早々に嘘をつき始め、延々と嘘をつき、嘘というマグマの中に飲みこまれたり出てきたり、そういったことを繰り返す役です。自分が真実だと思って言ってことが嘘になるのか、嘘だとわかっていて人を騙すのかは、今のところ探りさぐりやってる段階ですが、どっちにしても嘘を楽しんでいる女性であることは間違いないと思うので、役と同様、楽しんでいきたいと思います。」

 中井「野田作品初出演の蒼さんは、ワークショップも全く初めてということで。ワークショップでは具体的にどんなことを?」
 蒼井「ワークショップは異様な空気感ですね(笑)。みんなでスローモーションで歩くのは想像できてたんですけど、野田さんに『土の気持ちになって歩いて』と言われて。私は土が歩くとは思えないから全く想像できなかったんです。でも他の方がやるのを見ると、本当にみんなが土みたいになっていくので、人間の身体ってなんて無限なんだろうと思いました。私の考えの小ささも痛感しながら、そういうワークショップをみんなで一緒にやっています。」

 中井「野田さんからお手紙をいただいたそうですね。」
 蒼井「私が出演した舞台『楽屋』を野田さんが観にいらして、私がビールの瓶で殴られて倒れるシーンがすごく印象的だったというお手紙をいただきました。」
 中井「野田さんはよくお手紙を書かれるんですか?」
 野田「私の手口ではありませんよ(笑)。ちょうど『ザ・キャラクター』で手書きの話を書いてたので、手紙を書いてみようと思って。女優さんに書いたのは初めてです。直感なんですけど、私はいい女優さんとかなり仕事してきまして、(蒼井)優ちゃんもおそらくそんな女優さんに匹敵するような舞台での素養があると感じたので、一緒に仕事をしたいと思いました。稽古をしていて、その直感は間違ってなかったと思っています。」

 ■その他の登壇者のコメントです。※話された順

【太田緑ロランスさん/火山の麓にある旅館の女将の妹役】
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 太田「NODA・MAP番外公演『表に出ろいっ!』で宝物のような経験をさせていただきました。今回は大人数で作る楽しさと難しさを感じています。共演者があこがれの方ばかりなので、色んな事を吸収して自分もアウトプットをしていきたいです。
 私は高田聖子さんの妹役です。聖子さんはものすごく引き出しが多くて、それが本当に素晴らしいんです。ついていくので必死です。がんばります。」


【山崎清介さん/火山観測所の観測員】
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 山崎「30年近く前から野田さんの舞台を拝見させていただいていて、今回初めて出演させていただくことになりました。野田さんが役者として稽古をされる姿を初めて拝見し、壮大な脚本もさることながら、ものすごく自由でとんでもない人だなと実感する毎日で、楽しいです。」


【藤木孝さん/尊い役どころ役】
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 藤木「わくわくどきどきしております。なけなしの想像力と直感をなんとか総動員して、『南へ』という芝居の一員として存在できたらと思っております。野田さんとは15年前に東宝公演『虎』、その2~3年前の『夏の夜の夢』でご一緒させていただきました。でもなにせ15年振りですので(笑)、皆さんのパワーに負けないようがんばりたいと思っております。」


【銀粉蝶さん/尊い役どころ役】
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 銀粉蝶「大変タフな台本で、これをやるにはこちらも相当タフにならないと無理なので、今は五里霧中というのが正直なところです(笑)。稽古場でどんなことでもやってみよう、考えてみようと実践するのは大変ですが、その時間が楽しいです。観たことのない舞台になるといいなという気持ちを、一縷(いちる)の希望にして頑張りたいと思います。
 『ザ・キャラクター』に続いての出演になりますが、“わけのわかなさ”という点では、今回の『南へ』の方が私はわけがわからないです(笑)。『ザ・キャラクター』はすごくわかりました。でも今回は本当にわからない。だからすごく楽しいです。」


【黒木華さん/虚言癖のある女の分身役】
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 黒木「『ザ・キャラクター』『表に出ろいっ!』に引き続き出演させていただきます。周りの役者さんをよく見て、色んな事を吸収したいと思っています。」
 中井「黒木さんは蒼井さん演じる“虚言癖のある女”の分身役ですね。蒼井さんの印象は?」
 黒木「優さんはすごく色んな事を考えていらっしゃったり、本当に元気ではきはきとしてらっしゃって、見てるだけでこっちまで元気になります。一生懸命見て学んでいきたいと思います。」


【チョウソンハさん/火山観測所の観測員】
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 チョウソンハ「『ザ・キャラクター』から続いて二度目のNODA・MAP出演になります。野田さんの稽古場は、何かを決めて積み上げていくにも、生き物のようにずーっと変わり続けていくので、“今、いい状態になれたら”とずっと考えている次第です。野田さんは何でもやらせてくださいます。
 僕はいま29歳で、同世代で演劇をやってる友人も多いんですが、今回のアンサンブルにも若い方が多いです。野田さんは今、若い方とオープンに接していて、若い人間が何を考えていて、どういうことに悩んでいるのかを聴こうと、拾おうとしてくれている。本当にありがたいです。」


【高田聖子さん/火山の麓にある旅館の女将役】
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 高田「女将の高田聖子です。(太田緑)ロランスちゃんのような美しい妹が持てて幸せです。野田さんのお芝居に出させていただくのは(妻夫木)聡くんとの『キル』と、藤木さんとの『虎』に続いて3回目なんですが、本を読ませていただいてもいつも全くわからなくて。『頭悪いな~私』って思ってたんですが、野田さんが稽古初日に『安いことをして、志は高く』とおっしゃっのが励みになっております(笑)。よくわからない大きな塊の外側を、安いことをして、ペタペタといっぱい触っていこう、安い引き出しをいっぱい開いていこうと思います(笑)。」


【渡辺いっけいさん/火山観測所の所長役】

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 渡辺「台本を読ませていただいて、自分があぐらをかいていた部分の扉をあけられたような感じがしました。僕は役者として、野田さんの舞台を観るよりも野田さんと一緒にやる方が好きなので、非常に幸せに感じております。個人的なことですが、共演者にはご一緒したことのある方が多くて、それも安心できるところです。立ち稽古が始まってちょっと経ったんですが、妻夫木くんと(蒼井)優ちゃんが、すごく動くようになったのが楽しいです。早く稽古場に行きたいなと思っています。
 例えば15年前の『虎』の時など、野田さんはアンサンブルに体の利く人か踊れる人をチョイスしていた気がするんです。でも今回のアンサンブルは『ザ・キャラクター』に出ていた方々なので、そういうタイプではない人も多くて。昔の野田さんを知っていた者としては、なぜなんだろうと最初は思ったんですが、一緒に芝居をしていて腑に落ちてきました。面白いんです。すごく新鮮なんです。逆に、そういう子たちと仲良くなっていく自分もいて。さっきも話題に出ましたが、『今の若い子たちをちゃんと見ていこう』という感覚を、野田さんもお持ちなんじゃないかと。面白くなると思います。ぜひご覧になってください。」


 ■妻夫木さんと蒼井さんがお互いの印象などを語ってくださいました。

toSouth_2.jpg

 妻夫木「優ちゃんとはだいぶ昔からよく会ってはいたんですが、舞台共演は初めてです。一緒に稽古をしていて、とにかくフィーリングは合うと思います。特に『こうしようね、ああしようね』と打ち合わせをしなくても、なんとなく居場所があるというか。変な気を使わなくても一緒にやれて、すごく気持ちいいなと思っています。
 本当に気さくで、どんな方に対しても同じ目線で話すところは人として尊敬できるし、心がきれいな人なんだろなと思いました。明るい女の子ですよ。」

 蒼井「妻夫木さんとは共通の友人が多くて、その方たちの舞台を観た後に楽屋でお会いするぐらいでした。妻夫木さんは、すごく真っすぐなんだけど、あまり真面目になり過ぎなくて、人がやろうとしていることを受けとめる大きな器のある方。私はその中で伸び伸びとやらせていただいて、一緒にお芝居をしていて肩身が狭くないし、すごくやりやすいです。これから1ヵ月の稽古、2ヵ月の本番があるので、妻夫木さんをはじめ共演者の皆さんと、もっともっと信頼関係を築いて行けたらと思っています。」

toSouth_all_big.JPG

 ※公演特設サイトで出演者の動画インタビューが見られます(現時点では3名)。作品にかける意気込みが生々しく伝わってきます。銀粉蝶さんの言葉にグっと来ました。ぜひご覧下さい!

出演:妻夫木聡、蒼井優、渡辺いっけい、高田聖子、チョウソンハ、黒木華、太田緑ロランス、銀粉蝶、山崎清介、藤木孝、野田秀樹
作・演出:野田秀樹 美術:堀尾幸男 照明:小川幾雄 衣裳:ひびのこづえ 選曲・効果:高都幸男 振付:黒田育世 映像:奥秀太郎 ヘアメイク:宮森隆行 主催・企画・製作:NODA・MAP 提携:東京芸術劇場(公益だ財団法人東京都歴史文化財団)
一般発売日:1月8日(土)10:00~ S席9500円 A席7500円 サイドシート5500円(25歳以下3000円)※高校生割引チケット1,000円は抽選受付:1/11(火)~16(日)※未就学児童の入場不可。
http://www.geigeki.jp/saiji/030/index.html
http://www.nodamap.com/productions/toSouth/


※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 16:38 | TrackBack

2011年01月06日

大野企画「49時間ワークショップ試演会『演劇/空間の立ち上がる瞬間』」01/06中野スタジオあくとれ

 谷賢一さんを講師に迎え実施された、年末年始の49時間ワークショップの試演会です。劇場を借りて本格的な短編をみせて下さいました。稽古内容も覗けます。1日3部構成ですが、私は最初の短編3作上演だけ鑑賞。個人的には予想外に豪華キャストでした♪

 谷さんはDULL-COLORED POPという劇団を主宰する脚本家・演出家で、青年団演出部に所属しており、昨年12月にアトリエ春風舎の芸術監督に就任されました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『演劇/空間の立ち上がる瞬間

 スタジオあくとれがいい感じに満席の平日昼間。観客に飽きさせないようなトークも込みで、谷さんが進行されました。ワークショップ参加者はたしか14人(うろ覚えです)。そのうち女性が4人だったかと思います。男性の方が多いのは意外でした。谷さんは男性に人気なんですね(違うかも)。 

 客席に観客がいることがワークショップ現場との最大の違いです。役者さんは緊張しちゃって当然ですが、最初のエクササイズでかなり空気が柔らかくなっていたように思います。
 舞台上でやるエクササイズの内容は稽古場と同じでしょうけど、谷さんが役者さんに指示を出す語気や言葉の選び方などは、娯楽性が重視されているように感じました。すごいエンターティナーで(笑)、気楽な観客としては存分に楽しませていただきました。きっと現場はこんなに楽しい雰囲気ばかりじゃなかったことと思います。役者さんの自主性を求める姿勢が特に印象に残りました。

■『エチュード』(即興演技)
 「てんぷらを揚げている」同居人に、「家賃を振り込むため銀行に行ってほしい」と頼むシチュエーション。
 即興そのものが作品になることもありますが、誰かに見せるための演技をするのが目的ではないのがいいですね。

■『相撲を取れば電気屋が儲かる』
 青年団演出部内で発表され、一般公開は初という約30分の短編。面白かったです。特に電気屋さん。

■『ソヴァージュばあさん』
 何度も観ている『ソヴァージュばあさん』。個人的にはとっても豪華キャスト。兵士が喪服(黒スーツ)でした。長い一人語りは谷さんが朗読。4人全員が攻めの姿勢で、どんどん新しい演技を仕掛けていってるようでスリリングでした。

作・演出・ホスト:谷賢一(DULL-COLORED POP) 制作:北澤芙未子(DULL-COLORED POP) 照明:山本創太(声を出すと気持ちいいの会) 音響プラン:鮫島あゆ(DULL-COLORED POP) 音響操作:岡田瑞葉(鮫島あゆ&グラマラスキャッツ) 演出助手:元田暁子(鮫島あゆ&グラマラスキャッツ) 親切:堀越健一 南慎介 主催:大野企画 協力:DULL-COLORED POP、Minami Produce、Cattles
14:00~15:30 公演1『エチュード』『相撲を取れば電気屋が儲かる』『ソヴァージュばあさん』
16:00~18:00 公演2『公開ダメ出し/返し稽古』『公開ワークショップ』
19:00~20:30 公演3『エチュード』『相撲を取れば電気屋が儲かる』『ソヴァージュばあさん』
料金:各回500円
http://www.playnote.net/archives/002270.html
http://www.dcpop.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 17:27 | TrackBack

2011年01月05日

【情報】NODA・MAP『南へ』高校生割引チケット1,000円※受付期間1/11~16

 東京芸術劇場NODA・MAP第16回公演技『南へ』で高校生割引を実施します。対象は24公演。詳細は公式サイトでご確認ください。これまでの高校生割引⇒

 <NODA・MAP『南へ』高校生割引 申込受付期間>
 2011年1月11日(火)10:00~1月16日(日)23:59 

Posted by shinobu at 22:14 | TrackBack

2011年01月02日

渡辺源四郎商店工藤支店『大きな豚はあとから来る』01/02-03こまばアゴラ劇場

 渡辺源四郎商店のドラマターグの工藤千夏さんの新作です。“工藤支店”とは、同劇団に所属する工藤由佳子さん、工藤静香さん、そして工藤千夏さんという同じ名字の3人によるユニット名。

 2日間4ステージの東京新春公演初日を拝見しました。上演時間は約1時間20分。タイトルの所以について触れられていますので、当日パンフレットをお読みになってからご覧になってもいいと思います。
 晴れやかな新春気分が盛り上がる内容ではありませんでしたが(笑)、今の私にはぴったりの内容でした。元気づけられました。

 ⇒CoRich舞台芸術!『大きな豚はあとから来る』※CoRichでカンタン予約!

 ≪あらすじ≫ CoRich舞台芸術!より
 いつか王子様が……ずっと待っていた女の元に、ひとりの男が現れた。彼が話す中東の国と王子は果たして実在するのか……。
 ≪ここまで≫

 銀行勤めの女性(工藤由佳子)が職場で出会った男性(大林洋平)と親しくなりますが、男性の語る内容がどうにも嘘っぽいのです。でも女性はそれを信じてしまいます。ストーリーというか、舞台上で起こる出来事の骨組みはそれだけなのですが、終盤でグっと想像力をかきたてられる展開がありました。

 女の孤独な闘いが描かれていると思いました。でも男だって孤独ですものね。人間の孤軍奮闘は死ぬまで続きます。孤独な人間同士、お互い孤独だねぇと無言でうなづき合って、一緒に居られたら幸せだなと、新年早々、腹をくくることができました(笑)。

 ここからネタバレします。

 黒い木製の机があるだけの舞台。天井から垂れさがる多数の布地が、中東をイメージさせます。レースがいいですね。

 「中東にある小さな王国シャリバールの国王妃殿下になってください」という、ひどい嘘にだまされる30歳の女性。あからさまな結婚詐欺です。でも騙されるんですよね~・・・。むしろ女性は騙されたくて騙されているような。同じ被害者の女性(天明留理子)が彼の嘘を2人の目の前であげ連ねて、あげくにお金もだまし取られたと告白しても、まだ信じます。男の方も引き続き平気で嘘を重ねるので・・・あきれます。ここまでくると病的に見えて笑えないほど(笑)。
 
 時折はさまれる女性が男性を見送る場面は、不倫相手との関係を示すものでした(と思う)。不倫相手に「中東の国王と結婚する」と伝えても「おめでとう(そしてさようなら)」と言われる始末。女性は詐欺師のために銀行のお金を横領するという、犯罪までも犯してしまいます。
 結局女性は詐欺師に捨てられ、孤独なまま約55年が過ぎます(「2001年の9.11から65年が経ちました」というアナウンスがあるので、そのように想像)。彼は結婚相手を探しに来たのではなく、テロ組織のメンバーで活動資金を集める使命を持っていた、とも想像できます(そのようなニュース音声が流れるので)。でもそれも慰めにすぎないのかもしれません。

 女性役の工藤由佳子さんが衣裳も何もかもそのままで老婆となり、冒頭の長セリフを繰り返しました。これが悲しい。牢獄内での回想とも想像できます。最後は男性が「ただいま!」と帰ってきます。それもまた彼女の妄想なんでしょうね。
 女性が不倫相手に言われた「君が決めたことでしょう」に尽きるなぁと思いました。結局何でも自分で決めて自分で行動してますものね。

 女性が男性に反撃した場面(女性が「スズキさん、私のこと好きなんですよね?」などと言って男性に迫る)が演技対決の意味では一番楽しめました。

≪青森、東京≫ 渡辺源四郎商店工藤支店Vol.2 東京新春公演
出演:工藤由佳子 大林洋平 天明留理子(1/2出演)山藤貴子(1/3日出演)
声の出演:夏目浩光(RAB青森放送)、落合昭彦(えふえむ花巻・FM One) 工藤千夏
脚本・演出:工藤千夏 音響:藤平美保子 舞台監督:浅沼昌弘 舞台美術:工藤昇平 演出助手:三上晴佳 宣伝美術:Griffe inc.(工藤規雄+橋本麻由実) 公演写真:田中流 制作:西後知春、おりゅう 総合プロデューサー:畑澤聖悟 主催:渡辺源四郎商店 共催:青年団リンク・うさぎ庵  企画制作:渡辺源四郎商店工藤支店 提携:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
<終演後に新春トーク>2日14時、18時の回 ゲスト:水下きよし(花組芝居俳優/演出家)/3日18時の回 ゲスト:多田淳之介(演出家/東京デスロック主宰/埼玉県富士見市文化会館キラリ☆ふじみ芸術監督)
【発売日】2010/11/20 一般前売料金3,000円/学生2,000円/高校生以下500円/当日各300円増し 【工藤さん割引】受付で確認後に100円キャッシュバック/【なべげん友の会2010】友の会招待券使用可
http://www.nabegen.com


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今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
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Posted by shinobu at 17:37 | TrackBack

2011年01月01日

メルマガ 2011年01月のお薦め舞台

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お薦めお芝居をご紹介しています

 2011年1月のお薦め舞台12本+αをご紹介します。
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┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏

 “しのぶの演劇レビュー” Vol. 80     2011.01.01  1,696部 発行

┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏┏ http://www.shinobu-review.jp/

   今、面白い演劇はコレ! 年200本観劇人のお薦め舞台♪
                   
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ◎新年けましておめでとうございます。

  昨年は自分の人生の中で一番早く過ぎた年だったように感じています。
  自分の仕事や日常の変化も、日本という国単位の変化も目まぐるしく、
  流され、追われるように過ぎ去った1年でした。
  これからも変化のスピードは弱まりそうにないですね。

  本格的な観劇生活を始めて丸10年が経ちました。
  自分にできること、自分がしたいことに、より重点を置いて、
  活動していきたいと考えています。

  本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

    舞台には、あなたの心を揺さぶり、
      人生の輝きを増してくれる奇跡があります。

  “今から観られる面白い演劇”をご紹介します。
  お友達、ご家族、恋人と一緒に、どうぞ劇場を訪れてください♪

 ◎メルマガのバックナンバー↓は全て公開しています。
    http://archive.mag2.com/0000134861/index.html


○○ 今回のもくじ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ◆1【今月のお薦め12本+α】
   
   ◎No.1→ハイバイ『投げられやすい石』
       ≪東京、名古屋、三重、京都、広島、福岡≫
       01/19-30こまばアゴラ劇場
       http://hi-bye.net/

 ◆2【先月のベスト3】

   ◎No.1→さいたまネクスト・シアター『美しきものの伝説』
       12/16-26彩の国さいたま芸術劇場インサイド・シアター
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1228202955.html
   
 ◆3【お薦め芝居の前売情報 NODA・MAP『南へ』】

   ◎野田秀樹さんの新作に妻夫木聡さん、蒼井優さんが出演。
    http://www.nodamap.com/productions/toSouth/

 ◆4【お薦め芝居の前売情報 こまつ座『日本人のへそ』】

   ◎昨年亡くなった劇作家井上ひさしさんの処女戯曲の上演です。
    http://www.komatsuza.co.jp/contents/performance/index2.html

 ◆5【編集後記】

   ◎wonderland「振り返る 私の2010」に寄稿しました。
   ◎おすすめ舞台中継 on TV

 ◆6【このメルマガについての注意事項(毎月同じ内容です)】

   ◎はじめての方はどうぞお読みくださいね♪


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆1 【今月のお薦め12本+α】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ▽★印がいちおし公演です(3本)。
 ▽初日の早い順に並べています。
 ▽掲載内容:主催/企画製作・『題名』・日程・会場・価格・URL
 ▽座種の記述がない公演は全席指定。
 ※お薦め10本を12本に増やしました。


★1.TBS『時計じかけのオレンジ』
  01/02-30赤坂ACTシアター
  ≪東京、仙台、大阪、北九州、愛知≫
  ☆出演:小栗旬 橋本さとし 武田真治 高良健吾 山内圭哉 ムロツヨシ
      矢崎広 桜木健一 石川禅 キムラ緑子 吉田鋼太郎 他
   原作・脚本:アンソニー・バージェス 上演台本・演出:河原雅彦
   音楽監督:内橋和久 
   S席11,000円 A席8,000円
    http://www.tbs.co.jp/act/event/clockwork-orange/
   スタンリー・キューブリックの傑作バイオレンス映画の舞台版。
   小栗旬さんら元気なキャストに河原雅彦さんの演出なら期待できます。


2.Bunkamura『十二夜』
  01/04-26 Bunkamuraシアターコクーン
  ☆出演:松たか子、石丸幹二、りょう、荻野目慶子、大森博史、真那胡敬二、
      小西康久、酒向芳、内田紳一郎、片岡正二郎、目黒陽介、小春、
      つのだたかし、飯塚直子、片岡亀蔵、串田和美、笹野高史
   原作:シェイクスピア 潤色・演出・美術・衣裳:串田和美
   S9,500円 A7,500円 コクーンシート5,000円
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_juniya.html
   シェイクスピアの恋愛喜劇『十二夜』を、新しいイメージやエピソードを
   加えて再構築。潤色・演出などをトータルに手掛けるのは串田和美さん。
   松たか子さんが双子の兄妹の2役を演じられます。   


3.ホリプロ『ろくでなし啄木』
  01/05-23東京芸術劇場中ホール
  ≪東京、大阪、東京≫
  ☆出演:藤原竜也 中村勘太郎 吹石一恵
   作・演出:三谷幸喜 
   S席10000円 A席8500円 
   プレビュー S席9000円 A席7500円(※1/5、1/6)
   高校生割引1000円(要学生証・事前申込制)
    http://www.horipro.co.jp/usr/ticket/kouen.cgi?Detail=148
   三谷幸喜さんの生誕50周年記念大感謝祭の1本目。
   犯罪の香り漂うエロチック・サスペンスだそうです。


4.シス・カンパニー『大人は、かく戦えり』
  01/06-30新国立劇場小劇場
  ≪東京、名古屋、大阪≫
  ☆出演:大竹しのぶ 段田安則 秋山菜津子 高橋克実
   脚本:ヤスミナ・レザ 演出:マギー
   S席7000円/A席4500円
    http://www.siscompany.com/03produce/31otona/index.htm
   子供の喧嘩に親が出てきて壮絶なバトルになるという、フランスの
   劇作家ヤスミナ・レザさんの人気戯曲。原題の日本語訳は「殺戮の神」。
   ベテラン舞台俳優の男女4人芝居は手堅いのではないでしょうか。


5.新国立劇場演劇『わが町』
  01/13-29新国立劇場中劇場
  ☆出演:小堺一機 鷲尾真知子 相島一之 佐藤正宏 中村倫也 佃井皆美
      中村元紀 山本亨 青木和宣 増子倭文江 斉藤由貴 他
   脚本:ソーントン・ワイルダー 演出:宮田慶子 音楽・演奏:稲本響
   S席7,350円 A席5,250円 B席3,150円
    http://www.atre.jp/wagamachi/index.html ←音が鳴ります
    http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000324_play.html 
   ピュリッツァー賞を受賞している世界的な名作戯曲が新国立劇場に登場。
   さいたまゴールドシアターの老俳優の方々も出演されます♪
   稲本響さんのピアノの生演奏にもひたりたい。↓制作発表
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1013172403.html


★6.葛河思潮社『浮標(ブイ)』
  01/17-23神奈川芸術劇場・大スタジオ
  ≪神奈川、松本、東京≫
  ☆出演:田中哲司 藤谷美紀 佐藤直子 大森南朋 安藤聖 峯村リエ
      江口のりこ 遠山悠介 長塚圭史 中村ゆり 山本剛史 深貝大輔
   脚本:三好十郎 演出:長塚圭史
   6,300円 プレビュー公演5,000円
    http://xn--m8t03z75bd9ol3n.jp/ (21時~9時)
   長塚圭史さんが立ち上げた葛河(くずかわ)思潮社の第1回公演。
   三好十郎さんの『浮標』(過去レビュー↓)は必見の長編戯曲です。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2003/0226205402.html


7.森崎事務所 M&O plays『国民傘-避けえぬ戦争をめぐる3つの物語-』
  01/21-02/13ザ・スズナリ
  ☆出演:足立理 石住昭彦 佐藤銀平 渋川清彦 太賀 三浦俊輔
   三浦誠己 三上真史 浅野かや 長田奈麻 片山瞳 早織(五十音順)
   脚本・演出:岩松了
   前売り4,500円/当日4,800円 ベンチ・椅子共通
    http://www.morisk.com/plays/umbrella/index.html
   岩松了さんの新作を小劇場空間で観られる贅沢!キャストは
   オーディションから選出。短編数作が入れ子構造になるそうです。


8.東京芸術劇場『チェーホフ?! 哀しいテーマに関する滑稽な論考』
  01/25-02/13東京芸術劇場小ホール1
  ☆出演:篠井英介 毬谷友子 手塚とおる 蘭妖子 マメ山田
   作・演出:タニノクロウ ドラマトゥルク:鴻英良
   S席4,500円 A席3,200円 A席(25歳以下)2,000円 プレビュー3,000円
    http://www.geigeki.jp/saiji/025/
   ロシアの劇作家チェーホフの博士号論文草稿をもとに立ち上げる新作。
   タニノクロウさんの絵コンテが台本だそうです。5人のキャストは
   個性派・クセモノぞろい。公演に合わせて連続サミットも開催。
    http://www.geigeki.jp/saiji/031/index.html


9.劇団青年座/次世代を担う演劇人育成公演『クラウド9』
  01/25-30青年座劇場
  ☆出演:浅地直樹 宇宙 小暮智美 安藤瞳 南谷朝子 山賀教弘 勝島乙江
   脚本=キャリル・チャーチル 翻訳=松岡和子 演出=伊藤大
   一般4000円 学生3500円
    http://seinenza.com/performance/gekidankyo/110125.html
   キャリル・チャーチル戯曲なので注目。『トップ・ガールズ』↓も
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0328115053.html
   豪華女優陣を迎えBunkamuraシアターコクーンで上演↓されます。
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_11_topgirls.html


10.おにぎり『断食』
  01/26-30座・高円寺1
  ☆出演:村木仁 池谷のぶえ 市川しんぺー
   脚本:青木豪 演出:いのうえひでのり
   前売り・当日4,000円
    http://blog.livedoor.jp/onigiri2011/
   ふくよかな3人の俳優さんが集う“おにぎり”の旗揚げ公演。
   脚本が青木豪さん、演出がいのうえひでのりさんなんて、必見!


11.真心一座 身も心も ザ・ファイナル『流れ姉妹 たつことかつこ
  ~エンド・オブ・バイオレンス~』
  01/27-02/06本多劇場
  ≪東京、大阪、東京、新潟≫
  ☆出演:古田新太 池田成志 千葉雅子 村岡希美 坂田聡 河原雅彦
      小林顕作 政岡泰志 伊達暁 信川清順
   脚本:千葉雅子 演出:河原雅彦
   前売7,000円
    http://mimokoko.net/
   “小劇場の大衆演劇”『流れ姉妹 』シリーズ第4弾にして最終話。
   古田新太さん、池田成志さんという豪華ゲストを迎えて。前回レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/0220113814.html


12.神奈川芸術劇場『金閣寺 The Temple of the Golden Pavilion』
  01/29-02/14神奈川芸術劇場ホール
  ≪神奈川、長野、福岡、愛知、大阪≫
  ☆出演:森田剛 高岡蒼甫 大東俊介 中越典子 高橋長英 岡本麗 花王おさむ
      田村一行 湯山大一郎 若羽幸平 橋本まつり 小田直哉 加藤貴宏
      岡田あがさ 山川冬樹 瑳川哲朗 他
   原作:三島由紀夫 脚本:S・ラモット 台本:伊藤ちひろ 演出:宮本亜門
   S席¥8,500 A席¥6,500 B席¥4,500 高校生以下割引¥1,000
   U24チケットS席¥4,250 シルバー割引S席¥8,000
    http://www.kaat.jp/pf/kinkakuji.html
   神奈川芸術劇場のこけら落とし公演です。芸術監督の宮本亜門さんが
   三島由紀夫作『金閣寺』を演出。主演はV6の森田剛さん。


 ☆☆☆────────────────────────────── 
  前売3000円以上、4000円未満の気になる作品を5本ご紹介します。
 ──────────────────────────────☆☆☆

《1》渡辺源四郎商店工藤支店『大きな豚はあとから来る』
  01/02-03こまばアゴラ劇場
  ≪青森、東京≫
  ☆出演:工藤由佳子 大林洋平 天明留理子(1/2出演)山藤貴子(1/3日出演)
   脚本・演出:工藤千夏
   一般前売3000円/学生2000円/高校生以下500円/当日各300円増し
   【工藤さん割引】受付で確認後に100円キャッシュバック
   【なべげん友の会2010】友の会招待券使用可
    http://www.nabegen.com
   青森の劇団の東京公演。工藤千夏さんの舞台作品は、酸いも甘いも
   経験済みの大人の観客が、しっとりと楽しめます。過去レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1014172716.html


《2》三条会『冬物語』
  01/05-09ザ・スズナリ
  ☆出演:榊原毅 大川潤子 立崎真紀子 橋口久男 渡部友一郎
      近藤佑子 中島愛子 永栄正顕 佐々木透
   脚本:W・シェイクスピア 構成・演出:関美能留
   一般:3,500円 学生:2,000円
    http://homepage2.nifty.com/sanjokai/
   千葉県の劇団三条会の1年に1度の東京公演。シェイクスピアの
   『冬物語』から、奇想天外な演劇体験ができること請け合い。


《3》シベリア少女鉄道スピリッツ『もう一度、この手に』
  01/06-16王子小劇場
  ☆出演:石田剛太 大杉さほり 加藤雅人 上福元沙織 篠塚茜
      高松泰治 藤原幹雄 吉田友則
   脚本・演出:土屋亮一
   前売3,000円 当日3,500円(日時指定・整理番号付き自由席)
    http://www.siberia.jp/
   土屋亮一さんのトリッキーな演劇の新作。前回レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0106230549.html
   ばかばかし過ぎて、口をあんぐりさせられてもOKな方にお薦め(笑)。


★《4》ハイバイ『投げられやすい石』
  01/19-30こまばアゴラ劇場
  ≪東京、名古屋、三重、京都、広島、福岡≫
  ☆出演:松井周 内田慈 平原テツ 岩井秀人
   脚本・演出:岩井秀人(ハイバイ)
   1月19日~23日 前売3,000円 当日3,300円(全席自由整理番号付)
   1月25日~30日 前売3,200円 当日3,500円(全席自由整理番号付)
    http://hi-bye.net/2010/11/03/1036
   昨年のメルマガ12月号でお薦め前売り情報を掲載しました。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1201000646.html

   ●お薦めポイント●
   小劇場ならではの高密度・高品質の四人芝居の再演です。
   作・演出の岩井秀人さんご自身が「2008年の自作中でベスト」と
   おっしゃる戯曲が、これ以上のキャスティングはない!と言いたくなる
   垂涎ものの座組みで再演。国内6地域のツアーあり!↓初演レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0125010028.html
   岩井さんは今年4月の『その族の名は「家族」』↓で大躍進です。
    http://www.nelke.co.jp/stage/sonozokunonahakazoku/


《5》サモ・アリナンズPRODUCE 劇団ワンダフルズ『世界の百貨店』
  01/25-31駅前劇場
  ☆出演:小松チャンピオン オクイプレジデント 浅野セメント 荒川ヘレン
      マルメゾン家納 マイボーイフレンド大政 ハンバーグ佐藤
   演出:ワンダフルズ
   ベンチ指定・前売3700円、当日4000円 椅子指定・前売3900円、当日4000円
    http://www9.big.or.jp/~otona/wandafulls.html
   未見なのでどんな作風かはわかりませんが(すみません)、
   出演者はおそらく小松和重さん、オクイシュージさん、浅野和博さん、
   荒川良々さん…という豪華な面々です。   

 ★★★────────────────────────────── 
  前売2000円台以下の気になる作品を5本ご紹介します。
 ──────────────────────────────★★★

【1】新年工場見学会2011『ヤンキーのニセモノ』
  01/02-04アトリエヘリコプター
  ☆出演:五反田団周りの人々 ハイバイ周りの人々 プーチンズ
   予約・当日ともに2,000円(日時指定・全席ほぼ自由席・整理番号付)
    http://www.uranus.dti.ne.jp/~gotannda/
   五反田団とハイバイの方々による毎年恒例新春イベント。昨年レビュー↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0104002228.html


【2】柿喰う客『愉快犯』
  01/07-16東京芸術劇場小ホール2
  ≪東京、大阪≫
  ☆出演:七味まゆ味 コロ 玉置玲央 深谷由梨香 村上誠基
   脚本・演出:中屋敷法仁
   前売 一般2800円(1/8~11まで) 3300円(1/13~25まで)
   学生2000円 高校生以下1000円 初日特割2500円
   平日昼割2800円 ※当日券は前売500円増。
    http://kaki-kuu-kyaku.com/ ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=23271
   「CoRich舞台芸術まつり!2010春」スポンサード公演↓です。
    http://stage.corich.jp/festival2010/sponsored.php
   飛ぶ鳥落とす勢いで人気上昇中の劇団、柿喰う客の新作は、
   出演者が劇団員のみの5人芝居。京都、横浜、東京での
   ワークインプログレス(公開稽古)を経た本公演です。

 
【3】ドリルチョコレート『テスタロッサ』
  01/07-16こまばアゴラ劇場
  ☆出演:有川マコト 小椋あずき 近藤美月 櫻井智也 石澤美和
      川島潤哉(1/10まで) 中川智明(1/12から)
   脚本・演出:櫻井智也(MCR)
   前売り3000円 当日3300円 学生1500円
   一般前半割引(1月7日~1月10日)2500円
    http://www.mc-r.com/ ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=23563
   ドリルチョコレートはMCRの櫻井智也さんが、劇団員以外の
   役者さんを迎えるプロデュース公演。ダブルキャスト詳細↓
    http://drillchoco.at.webry.info/201012/article_11.html
   2008年に上演された『クイッククエンチ』↓の大幅改訂版とのこと。
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2008/0709223825.html
   櫻井さんの作品はデートにオススメ♪お気軽にアゴラ劇場へ!


【4】新国立劇場演劇研修所4期生試演会3『マニラ瑞穂記』
  01/09-11新国立劇場Aリハーサル室
  ☆出演:新国立劇場演劇研修所4期生
   脚本:秋元松代 演出:栗山民也
   入場無料(要・事前申し込み、先着順)。定員になり次第締め切り。
   専用フォーム↓で予約。1回の申し込みにつき3枚まで。
    http://www.e-get.jp/enquete/AnswerClt?KID=nntt&KCD=81
   新国立劇場演劇研修所は日本唯一の国立の俳優学校です。
   1964年に発表された秋元松代戯曲を研修所所長の栗山民也さんが演出。
   無料はお得すぎる公演です!稽古場レポート↓
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1231184251.html


【4】青☆組『雨と猫といくつかの嘘.』
  01/30-02/08アトリエ春風舎
  ☆出演:木下祐子、藤川修二、福寿奈央、荒井志郎、?橋智子、林竜三
   脚本・演出:吉田小夏
   予約・前売2,700円 当日3,000円 ペアチケット5,200円 (2名)
   学生・シニア2,500円
    http://www.aogumi.org ↓CoRichでカンタン予約!
    http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=25132
   作・演出の吉田小夏さん率いる劇団青☆組の10周年記念公演第1弾。
   昨年の日本劇作家協会新人戯曲賞に入賞した戯曲の再演です。


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 ◆2 【先月のベスト3】
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1.さいたまネクスト・シアター『美しきものの伝説』
  12/16-26彩の国さいたま芸術劇場インサイド・シアター
  ☆さいたま芸術劇場でしか作れない作品を、また観させてくださいました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1228202955.html

2.はえぎわ『ガラパコスパコス』
  12/17-29こまばアゴラ劇場
  ☆無駄だらけなのに、すべてが大切だったと思える人間讃歌。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1219144617.html
 
3.渡辺源四郎商店×東京デスロック合同公演『月と牛の耳』
  12/03-05富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ
  ☆継続的に活動している2つの劇団の合同公演。全く違う作風が
   ぶつかり合って、戯曲がさらに力強く立ち上がりました。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1216152242.html

  先月は個人的な事情で観劇機会が少なくなり、面白い公演を
  たくさん逃した気がします・・・残念無念。こういう時期もアルサ。
  『罪と罰』を観に、まつもと市民芸術館に初めて伺いました。
  きれいな劇場でした!次は1泊2日でゆっくりしたいです。

 ◎メルマガのバックナンバーはこちら↓で全て公開中!
   http://archive.mag2.com/0000134861/index.html
  メルマガ号外は誰が観ても楽しめそうなものを選んで発行しています。
  2010年12月(観劇数17作品)は残念ながら発行せず。

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 ◆4 【お薦め芝居の前売情報 こまつ座『日本人のへそ』】
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 ◎野田秀樹さんの舞台に妻夫木聡さん、蒼井優さんが出演されます。
  東京芸術劇場の芸術監督に就任されてから、野田さんは新作続きです。
  第一線で活躍し続ける演劇人の最新作を、ぜひ劇場で!
  「野田秀樹芸術監督就任1周年記者懇談会」レポート2↓
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0813152147.html

 ●NODA・MAP『南へ』
  02/10-03/31東京芸術劇場中ホール
  ☆出演:妻夫木聡 蒼井優 渡辺いっけい 高田聖子 チョウソンハ
      黒木華 太田緑ロランス 銀粉蝶 山崎清介 藤木孝 野田秀樹
   作・演出:野田秀樹
    http://www.nodamap.com/productions/toSouth/
  
  NODA・MAP前回本公演『ザ・キャラクター』(レビュー↓)は、
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0901160640.html
  大手新聞社の2010年の演劇回顧で多く採り上げられています。
   http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/stage/theater/20101215-OYT8T00717.htm
   http://www.asahi.com/showbiz/stage/theater/TKY201012200108.html
   http://ameblo.jp/urimarikoaji/entry-10728420336.html

 【チケット情報】
  ・一般発売日:2011年1月8日(土)
   全席指定 S席 9,500円 A席 7,500円
   高校生割引チケット1,000円(S席)
   未就学児童は入場不可。

  ※高校生割引チケットは抽選販売です。詳細は公式サイト↓でどうぞ!
    http://www.geigeki.jp/saiji/030/u18.html 
   受付期間:1月11日(火)10:00~1月16日(日)23:59 

  ・各プレイガイドで先行予約受付中!
   イープラス http://eplus.jp/sys/web/s/nodamap/index.html
   チケットぴあ http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1047435
   ローソンチケット http://l-tike.com/play/tosouth/
   CNプレイガイド http://www.cnplayguide.com/evt/evtlst.aspx?kcd=44054

  ・お問い合わせ
   NODA・MAP TEL:03-6802-6681

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 ◆4 【お薦め芝居の前売情報 こまつ座『日本人のへそ』】
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 ◎こまつ座は、劇作家の井上ひさしさんの作品を上演する団体です。
  井上さんが昨年4月に亡くなって以来、追悼公演を行ってきました。
  追悼公演の最後に井上さんの劇作家デビュー戯曲を上演します。

 ●こまつ座・井上ひさし追悼ファイナル『日本人のへそ』
  03/08-27 Bunkamuraシアターコクーン
  ≪東京、山形、大阪、市川、知立≫
  ☆出演:石丸幹二、笹本玲奈、辻萬長、植本潤、吉村直、古川龍太、
      久保酎吉、明星真由美、今泉由香、高畑こと美、町田マリー、
      たかお鷹、山崎一、小曽根真
   作:井上ひさし 演出:栗山民也 音楽:小曽根真
    http://www.komatsuza.co.jp/
    http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_11_heso.html

  石丸幹二さん、笹本玲奈さんらこまつ座初出演のミュージカル俳優や、
  こまつ座所属の辻萬長さんらが出演。豪華キャストの音楽劇です。
  演出はこれまでに十数作の井上作品を手掛けてきた栗山民也さん。
  音楽は遺作となった『組曲虐殺』↓の小曽根真さんです。
   http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2009/1003235119.html

 【チケット情報】
  ・一般発売日:2011年1月22日(土)
   全席指定 S席8,400円 A席6,300円
   コクーンシート5,000円 学生割引5,000円

  ・プレイガイド
   こまつ座オンラインチケット
    http://www.komatsuza.co.jp/contents/ticket/index.html
   ローソンチケット http://l-tike.com/(PC&携帯)
   イープラス http://eplus.jp/komatsuza/
   ホリプロオンラインチケット http://hpot.jp(PC&携帯)
   JTBエンタテインメントチケットデスク http://www.jtb.co.jp/ticket/
   カンフェティ http://confetti-web.com

  ・お問い合わせ
   こまつ座 TEL:03-3862-5941

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 ◆5 【編集後記】
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 ◎wonderland「振り返る 私の2010」に寄稿しました。
  http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1229163008.html


 ◎芸団協「もっと文化を!」署名60万件を突破!
  「日本の国家予算に占める文化予算の割合を0.1%から0.5%に増額を!」
  公式ツイッター:http://twitter.com/mottobunka
  去る12月2日に国会請願行動が行われました。
   http://www.motto-bunka.com/news/20101207.html
  1月7日(金)まで最終受付中!


 ◎おすすめ舞台中継 on TV

  【NHK BShi】1月15日(土)22:00~深夜2:00
  【NHK BS2】1月24日(月)深夜0:40~4:40(23日深夜)
   松竹『カエサルー「ローマ人の物語」よりー』
   原作:塩野七生 脚本:齋藤雅文 演出:栗山民也 主演:松本幸四郎 
    http://www.nhk.or.jp/bs/premium/ ↓レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/1023230609.html

  【NHK BS2】1月29日(土) 午前0:45~2:50 (28日深夜)
   ギンギラ太陽’s『遊園地3兄弟の大冒険
    ~泣かない、負けない、くじけない~』
    http://www.nhk.or.jp/bs/mdstage/ ↓レビュー
    http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2010/0720223220.html


 ◎【厳選シアター情報誌Choice!】TOPページ右下の“ちょいナビ”にて、
   http://www.next-choice.com/
  “しのぶの演劇レビュー”をご紹介いただいています!
  徳永京子さんのステージ・チョイス!もご観劇の参考にどうぞ♪
   http://www.next-choice.com/stage/index.html


 ◎FM西東京・演劇情報番組「たけがき2」
   http://takegaki.k-free.net/
  毎週放送される『演劇ハニーフラッシュ!』に
  「しのぶセレクション」というコーナーがあります。
  私がお薦めする舞台の公演情報を発信してくださっています。
  ラジオだけでなくネットでも聴けるので↓、よかったらぜひ♪
   http://www.voiceblog.jp/takegaki842/


 ◎地方新聞に掲載される新作邦画DVDの紹介記事を書いています。
  2010年12月は下記の5作品を拝見しました(順不同)。
  ・「孤高のメス」←手術場面はチラ見で…。
    http://www.kokouno-mes.com/ ※音が鳴ります
  ・「告白」←緻密で丁寧。素晴らしい。
    http://kokuhaku-shimasu.jp/
  ・「カケラ」←満島ひかりさんも中村映里子さんも切実で良かった。
    http://love-kakera.jp/ ※音が鳴ります
  ・「おのぼり物語」←無論井上芳雄さん目当てです!
    http://www.onoborimonogatari.com/
  ・「アウトレイジ」←オープニングから爆笑。ヤクザの作り込みが凄い。
    http://office-kitano.co.jp/outrage/main.html ※音が鳴ります


 ◎ツイッターやってます!フォロワー2000人超えに感謝♪
  ⇒ shinorev : http://twitter.com/shinorev
  今までは目に、耳にしなかった情報が絶えず届いて超刺激的!
  実名アカウント同士の身のあるやりとりから仕事に直結!


 ◎新聞・雑誌などに執筆する仕事をしています。
  お仕事のご依頼はこちらへ↓お気軽にどうぞ♪
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  これからもこつこつ、地道に続けて行きたいと思っております。
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Posted by shinobu at 18:00 | TrackBack