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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2002年01月06日

reset-N『Visions of Tokyo』シアタートラム01/05-07

 しのぶいちおしのreset-N(リセット・エヌ)の新作。とうとうシアタートラム!
 いやー・・・新年早々シビれましたねぇ・・・・。芯(しん)があるんです。髄(ずい)があるんです。夏井孝裕さんの脚本には。そう。私は叱咤激励されて身を震わせて泣いたのです。自分の人生を振り返り、今の自分を確認し、これからの人生の指針に含めたい。

 制作さんもおっしゃっていましたが、今回は今までとはちょっと違った感じでしたね。男性4人芝居ということで、女性が出てない影響がやっぱり大きいです。看板女優の町田カナさんが出てらっしゃらなくて残念。

 reset-Nといえば、歪んだ愛(ハードSMという形式を取ること多々)を描くことによって人間の心の奥底にある生の感情を、美しく残酷にあぶりだす・・・というようなスタイルが主流だったと思うのですが、今回は違いました。赤裸々で直接的なメッセージを投げかけていた、というか、直球でズバっと飛んできました。

 ストーリーやセリフの方に、より心を奪われていたせいかもしれませんが、いつもなら目頭に残って消えてくれないほど印象的なシーン、たとえば音響きっかけだけで胸がいっぱりになったりするような瞬間は残念ながら今回は少なかったですね。ラストはさすがにビリビリ来ましたけど♪

 あの緊張感の継続の中に、演技的に難易度の高い笑いがたくさんあったことには感服です。
 初日ゆえか、最初の30分ぐらいは固さを感じましたが、役者さん、皆さん本当に上手いです。4人全員のファンになっちゃいます。

 私が肩を震わせ、全身をこわばらせずにいられなかったセリフたち。
 「君はいい人でいようと思っていながら結局会社の都合でしか動いてないマシンだから、人間のフリしないでマシンらしくしててよ・・・。」
 「死んでる奴に死ぬなって言われると腹立つくんだよ。」
 (脚本より抜粋。劇場受付で1冊1000円で販売しています。)

 当日パンフレットの夏井さんの前書き、真摯に受け止めます。
 『この身が滅びても芸術がこの地球上に栄えているように、そのために私達は体を捧げています。』
 あー・・・私も生きなければ。責任を感じて。

 reset-N : http://www.reset-n.org/

Posted by shinobu at 2002年01月06日 00:50 | TrackBack (0)