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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2002年08月18日

Studio Life『歓びの娘 ~鑑定医シャルル』紀伊国屋サザンシアター08/10-21

 Studio Lifeは作(脚色)・演出の倉田淳さんのもと、美形男優が上質のストレートプレイを披露してくれる他に例のないスタイルの劇団です。ほんと、隙間産業。ジャンル自体を生み出していると思います。

 『歓びの娘~鑑定医シャルル』は藤本ひとみ原作の推理サスペンス小説。シリーズ化しているほどの人気作品です。
 いやー・・・・面白かった。ほんと、まずストーリーが面白い。はらはらドキドキ。

 まあ原作がヒット小説なのだから当然といえば当然ですが、小説を舞台用作品に書き変えて、さらに見応えのある演出をつけるその腕は素晴らしいと思います。倉田さんの脚本・演出はすごくシンプルでわかりやすく、真面目で上品。とにかく原作を大切にしているのがひしひしと伝わってきます。

 役者さん。皆さんお美しいし演技がお上手です。女役も男優がやるというその手法、大成功だと思います。お芝居をお芝居として観ることができます。歌舞伎と同様の効果が出ているんですね。

 主役の笠原浩夫さん。長いセリフを微動だにせずとうとうと述べるその姿、美しい。
 アデル役の深山洋貴さん。コメディー・センス最高。ぜひStudio Life以外でも活躍して欲しい。

 私が観に行った回はプレミアム・ナイトと称されるスペシャルデーで、補助席もあわせてほぼ満席。その99%が女性客。お芝居終了後に役者さんへの簡単な質問タイムが用意されていて、始まるや否や、カメラのフラッシュの嵐。うわーお。ファンサービスに余念が無いのねー。ダブルキャスト公演が定着しているのもすごい。

 作品の質もそうですが、役者さんたちの堂々とした態度、STAFFの丁重な応対など、「劇場にお芝居を観に来る」という大きなイベントをステキな宝物の時間にしてくれる、そんな行き届いた心遣いが、たくさんのお客さんを獲得している要因の一つだと思います。若い女性もいましたが、年配の女性もたくさんいらっしゃいました。

スタジオライフHP : http://www.studio-life.com/

Posted by shinobu at 2002年08月18日 20:16 | TrackBack (0)