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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2002年10月05日

reset-N『reset-N rare-track COVER』10/01-06ギャラリー・ル・デコ

 しのぶいちおしのリセット・エヌ。今回は1役だけダブルキャストだったのですが、お友達の坂本弓子さんが出演される日に行きました。

 いや~・・・歪んだラブ、濃密でした。緊張の65分間。レズビアンのカップルが住むあるアパートの一室を舞台(基本)に、そこにやってくるオカしい人たち。皆、自分なりに正当性を持って行動しているけれど、ほぼ全てが常軌を逸しています。でもその異常さは世の中と安易につながり合うことが出来ない人たちの精一杯の証しなんです。その不器用さとそれゆえの痛さを飽和状態ぎりぎりのセリフと演技で見せてくれます。

 セリフとしては病院でのやりとりがすごく良かったです。自己完結って実は一番残酷なコミュニケーションですよね。みんな気づかない内にその地獄にはまっています。病床の彼が初めて彼女の名前を呼ぶところで涙が出ちゃいました。そうなのよね。やっぱり人間はつながっていると感じたいんです。嘘だとうすうす気づきつつも。

 今回、役者さんの中ではレズの2人を脅す盗聴&侵入者の原田紀行さんがお気に入り♪いい男がああいうワルをやるとホントに怖い。でもその狂気がぞくぞくと気持ちよかった!これがreset-Nの演技&演出なんだよね~。だからやめられません。

 狭いギャラリーをうまく使ってらっしゃいました。音響ブースを柱の後ろに設置したところがにくい!座席によってはオペをしている音響さんが非常によく見えるのですが、それもまた「演劇をやっているんだ」とわかる演出として効果的だったと思います。オペが鶴牧さんだしね(笑)。照明も良かったですね。美術としても効果としても。主宰の夏井さん自らのオペ、さすがに冴えてました。静かで繊細な感じがいい。

 装置としての赤いソファ、マガジンラック、病院のベッド、水槽、ガラスブロック、スピーカーたちは、それぞれが大切な役割を果たし、それでいて不要な時は存在を消してくれる。舞台美術として家具を使用するシンプルでスマートな方法の1例だと思います。ただ、あの赤いゴミ箱だけはしのぶ的にNGでした。赤はないよな~・・・カゴにするとか白にするとか、何かなかったかな~。病院とアパートとの境界線だったからでしょうけど、ちょっと選択の難しいところですよね。

 あと、私の運が悪かったと思うしかないのですが、オープニングで光漏れ&ラスト間際の良いシーンで携帯の着信音(泣)。これはツラかった。こんなに静かで緊張感のあるお芝居なのですから、マナーを守らせるための更なる対応が必要かもしれません。

リセット・エヌ : http://www.reset-n.org/

■ひとことモノローグより
「reset-N "COVER" 明日まで!」

しのぶいちおしのリセット・エヌ観てきました。
いや~・・・・泣いたし、○○だし、も~いろいろ。
明日の夜に追加公演が決定したそうです。
ぜひ65分間の緻密でCOOLな空間を体験してください!
COOLというよりKOOLかも・・・・♪

reset-N "COVER" 緊急追加公演決定!!
日時:10月6日(日)18:30開演(17:30受付開始/18:00開場)
会場:ギャラリー・ルデコ3F 
 渋谷駅より徒歩5分、詳細はお問合せ下さい。
ご予約方法
 ・reset@lucy.ne.jpにメール
 ・090-4600-5903(制作・秋本)へお電話

Posted by shinobu at 2002年10月05日 23:29 | TrackBack (0)