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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年01月16日

北区つかこうへい劇団 千円劇場『熱海殺人事件 蛍が帰ってくる日』01/10-15北とぴあ つつじホール

 つかこうへい事務所「渋谷亜希スペシャル第一弾 前進か死か!!」と銘打った公演。当日券のみで1,000円です。3バージョンあるのですが、私が観に行ったのはひよこクラブ(赤塚篤紀、武智健二、高野愛、他)バージョン。だって赤塚&武智ですもの。つか劇団の美形注目株ですもの♪渋谷亜希スペシャルなのに渋谷さんが出ない回だと思ってたら、突然のキャスト変更で高野愛さんじゃなくて渋谷さんの方でした。

 いやー・・・・さすが1,000円でしたねー・・・・。脚本とか全く関係なかったですねー・・・・ただただ「熱」、でしたねー・・・・。

 『熱海殺人事件シリーズ』というと私は、木村伝兵衛のセリフを聞きたくて足を運びます。
 「愛とは、安らぎのことではありません。恋とは、優しさのことではありません。男と女が明日を切り開こうとする強い意志のことです。」
 「たとえ水野君がお幸せな日々を過ごしていらっしゃろうとも、いつでも呼びつけて抱きますから。」
 この2つですよ。これが聞きたいんですよっ。
 でも赤塚さん、これ、おととしの方が感動したんだよな~・・・。無念。

 それにしても出演者全員について、キャラクターの読み込みが甘い気がしました。『熱海』を知った気になりすぎているんじゃないでしょうか。毎回違うと思うんですよ、おとしどころが。もっともっと良くなるのに、という残念な気持ちで最後まで。中盤から水野朋子役のがんばりで「つか芝居」らしさをやっと感じられて、でも最後には届かなかったかな。

 赤塚篤紀さん。前のシアターX公演での演技の方が良かったです。残念。たま~に目の輝きにうっとりしましたが、物足りませんでした。でも殺陣はいいなー。瞬発力がいい。熱さがいい。

 武智健二さん。JAE所属のアクション俳優さんです。美形。でもあの声がねぇ・・・聞きづらかったな~。『蒲田行進曲』の映画監督役の方がずっと良かったですね。役柄的にも合ってました。殺陣はさすがにすごいんだけど、段取りが見えすぎでした。止まるだろうな~と思ったら止まるんですもの。それじゃ~魅せられない。でも、足があんなに上がるのは本当に見ものです。きっと日ごろの鍛錬ですよね。。

 渋谷亜希さん。スタイル抜群!超ミニというかあれはホットパンツに近いよね。スカートだけど。あの長くて細いおみ足を見られるだけでも1,000円は安いかも、と女に思わせるぐらいでした。おっぱいもバランスよい大きさで、ラブシーンに最適。顔も切なげでセクシー(いやらしい)。『熱海』にぴったりです。でも、演技はあと一歩かな・・・。他のお客さんが終演後に女子トイレで力説していたのですが(笑)、「泣き顔でごまかしてる」と感じちゃうんです。小西真奈美さんもそうだったかも。

 つかさんのお芝居に出てくる女性って、一見、男よりも強くって鼻っ柱が強くって、だけど狂おしいほど女らしくていやらしいんです。正義感に燃えているんだけど、弱い自分もそのまま受け入れちゃう矛盾だらけの美の生き物。難しいんですよね。

 次回は3月に『ストリッパー物語』@紀伊国屋ホールで渋谷亜希さん主演です。これは迷いどころだな。

つかこうへい事務所HP :  http://www.tsuka.co.jp/

Posted by shinobu at 2003年01月16日 01:50 | TrackBack (0)