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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年06月20日

青年団『隣にいても一人』5/8-11、6/18-22駒場アゴラ劇場

 『ヤルタ会談』の後にやってました。これは1時間。
 目がさめたら突然、夫婦だった男女。互いの兄と姉同士が実は夫婦で、そちらは離婚しそう。シンプル&ミニマムな不条理劇でした。

 1幕でボロボロに泣いてしまいました。1幕っていうと、はっきり言ってあれですよ、たいていのお客様にとっては、いわば導入部分。だけど私は、人間が本当に幸せになれる方法を一つ教えてもらえたような気がしたんです。というか、人間が動物ではなく人間である訳、その意味の全てを表してくれた気がしたんです。

 目の前にいる他人と自分が同時に一つのことを信じたら、それは真実なんです。それはもう運命というよりは事実であって、いつかそうなるのではなく、既にそうなんです。要はそれを信じるか信じないか。それがなぜなのかを問わない。疑わない。惑わされない。それが愛なんじゃないかって思うんです。

 「結婚式やる?」「やらない。だってもう夫婦だもの。」
 (セリフは完全に正確ではありません。)

 現実にそういったコミュニケーションが実現可能かというと、悲しいことにファンタジーの世界に近いですよね、今のこの世界では。でも、私はそれを信じます。幸せになりたいし(笑)。

 1幕の感動への反動もあって、2幕からは他のお客様ほどは笑ったりできなかったんですが、平田オリザさんの脚本に、というより、平田オリザさんに感動しました。

青年団HP : http://www.seinendan.org/

Posted by shinobu at 2003年06月20日 00:29 | TrackBack (1)