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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年09月19日

bird's-eye view『UBU ROI dub』9/18-20法政大学学生会館大ホール

 制作をやらせていただいたり、とても仲良くさせていただいているバーズ・アイ・ビュウ。
 タイトル『UBU ROI dub』は(ユビュ・ロア・ダブ)と発音します。法政大学で発見したチラシによるとbird's-eye viewは「サブカルチャー・インディーズ・パフォーマンス・ユニット」だそうです。そうだったのか! なんだか納得!!

 私がこの『ユビュ王』の企画を観るのはこれで3本目(劇団で数えると4本目)でした。だんだん目も肥えてきて細かいところの比較できるようになった、というか、もう真っさらな気持ちでは観られないですね。で、バーズは↓

 若い!
 とにかく若い!
 若いってイイ!元気がある!ぴちぴちしてる!可愛い!!
 そして・・・・・・バッカだな~♪  
 最初の感想はこんなところでした。

 劇場に入ると、まずアトランダムに置かれた座席が目新しかった。といっても全席自由で早い者勝ちなので、とっとことっとこ椅子取り合戦にまず夢中になるんですけどね。椅子に落ち着いてから前を見ると、古いホールのだだっぴろい床に敷き詰められていたのは砂。そう、砂の上でパフォーマンスをするのです。

 着物を羽織った役者さんが十数人ぐらい、観客に背中を向けて舞台の奥に立っていました。そろりとオープニング。きれいな砂の上を一歩一歩汚していく、着物姿の金髪男。彼がばったりと倒れた瞬間、奥に立っている役者の中の、一人の羽織がハラリと落ちました。なんと下着!白いブラとパンティー姿なんです。どんどんと床に落とされていく羽織。あらわになるスキャンティー姿の”女”たち。役者は男も女も全員、白いブラとパンティー!うわーぉキョーレツ!!

 自転車で追いかけあうブラ&パンティーの女の子たち。
 2階から色とりどりの風船がどっさり。
 ユビュおやじ(大内真智)とユビュかあちゃん(山中郁)のSMシーン。
 松下好さんが「うんこ、うんこ♪」と言いながらミニチュアの船で遊ぶシーン・・・(笑)。

 公演が終わって2週間ほど経った今でも心に鮮やかに残っているシーンが多いです。バーズって、ビジュアルにダイレクトに訴えるパフォーマンス・グループだと思います。

 ただ、上演時間は約80分と短めだったのですが、それでも長かったな~。たぶん舞踏シーンがネックだったんじゃないかな。必要だと感じられない繰り返しは効果的ではないと思います。また、拡声器のアイデアは好きなんですが、いかんせんセリフが聞こえなくて勿体なさすぎました。

 総勢19人という出演者の中で、一人一人の演技の技術の差が目立ちました。オーディションで集めた役者さんとバーズ・メンバーとの差ではなくて、メンバーの中から群を抜いて上手い役者さんが出てきちゃったのが原因じゃないのかな。何をおいても作品にはハーモニーが大切だと思います。難しいものですよね。

 大内真智さん。ユビュおやじ。主役。色気がある。殺気がある。プロだな~。
 山中郁さん。ユビュかあちゃん。ジンジャンや三条会の役者さんとよく似たセリフまわしでした。はっきり、しっかり、味のある発声。
 大内さんと山中さんのユビュ・カップルは静かに青い光を発しているように見え、確かな絆でつながっていました。

 松下好さん(エル・カンパニー)。少女の夢のユビュおやじ。可愛い・・・・やっぱり可愛いっ。出て来てくれるだけで嬉しくなっちゃう。山中さんと松下さん、スタイル抜群!女の私が見とれました。
 吉川和海さん(reset-N)。ネギをかじりながら意味不明の音を発するブーグルラス王子。めちゃくちゃキュートでした。セリフがゼロな分、たたずまいで全てを語っていました。
 日栄洋祐さん(国民デパリ)。ボルデュール大尉役。役名は『しゃぶる女』。ワイルドでやんちゃで包容力があって、すごく男らしい方でした。

 バーズ・アイ・ビュウ :  http://www.b-ev.net/
 UBU7サイト : http://www.ubu7.info/

Posted by shinobu at 2003年09月19日 18:29