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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年10月25日

ピチチ5(クインテット)『大クラシック』10/24-26中野スタジオあくとれ

 『第1回歌フェスティバル』で初見だったピチチ5。あまりの面白さに愕然だったんです。「とにかく絶対面白いです。爆笑間違い無し、と、思う。」と、スケジュールで宣言しておりましたが、大当たり!!!
 苦笑、爆笑、感涙ですよ。スケールが壮大なんです。2回泣きました。あぁ~・・・もいっかい観たい!
 見逃したら損です。ほんと必見。
 私の今年の小劇場作品No.1になると思います。このぶんだと。

 以下、ネタバレします。

 『大クラシック』というタイトル。なるほど!
 レンタル・ビデオ屋、フリーター、東京での一人暮らし、失恋、キャバクラ、ガンダム、タイムマシン。現代の若い日本男児の王道ですよ。大きな夢を胸に田舎から東京に出てきたけど、今はしがないフリーター生活。中古車販売会社で暴力社長に侮辱されながら飼い殺されるままでいるダメ・サラリーマン。将来のために何かやってるかって別に何もやってない。そんな俺たちにもささやかな望みがある・・・・。

 ことごとくみじめなんです。薄汚れてて、ブサイクで。体の奥から湧き出てくる妄想!欲望!男なんて、みんなこんなもんさっ!実はこうなんだいっ!赤裸々に本音を吐露し、不恰好を露骨に笑いにしていきます。それがしみじみと滑稽で憎めない、というより心から惚れ込むきもちを抑えられないんです。

 脚本・演出の福原充則さんはすごいです。センスが私には全てツボ!
 「自転車になる!」にしびれました。あれで泣きました。
 「やりたいことは何だ?」「好きな女のアンジェリーナを・・・」とかね(笑)。もー・・・えらい!
 そういうエロって必然じゃないと引くだけなんですよね。完璧でした。
 選曲もすごかったなー。装置も小道具もピン・ポイントで最大の効果を発揮していました。

 役者さんも粒ぞろいです。知る人ぞ知る、個性&技術あふれる強者どもの集結。紅一点の女優さんについても、演技もキャラも生かされていました。

 いいもん観せてもらったな~・・・・元気もらったな~・・・・。
 やっぱりスゴイ人っているんだね!嬉しい!

 にんぎょう劇のピチチ : http://www.ne.jp/asahi/de/do/pichi.html
  ↑HPもめちゃくちゃ凝っていて笑えます。

脚本・演出=福原充則
出演=植田裕一(蜜)/野間口徹(親族代表)/三浦竜一(暴動mini)/三土幸敏(悪運ダイヤ)/ 山下純(こどもとあそぶ)/吉見匡雄/永渕倫

Posted by shinobu at 2003年10月25日 17:14