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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年11月03日

スパーキング・カンパニー『ドラマリーディング"ラ・ロンド"』10/30-11/3 STスポット

 STスポットという横浜にある劇場のプロデュース公演第1弾だそうです。
 アルトゥル・シュニッツラー作『輪舞』は10話から成る男と女の短編オムニバス。tptでの内野聖陽&秋本菜津子の二人芝居『ブルールーム』が記憶に新しいですね。

 5人の演出家がそれぞれ2本ずつ担当して合計10本となる豪華企画。オーガナイザーは倉迫康史さん(Ort-d.dプロジェクトリーダー)です。ものすごいキャスティングはこの人の仕業。tptのは現代風に脚色されていましたがこちらは脚本は一応そのままのようですね(『輪舞』岩淵達治訳 現代思潮新社刊)。でも演出によっては全く違う風合いになっていました。

 ものすごく濃密な時間でした・・・。帰り道ふらふら。横浜から渋谷までの記憶がない・・・。「これ、観た人お得!!」と断言できる公演でしたね。


■第一景 娼婦と兵卒 & 第二景 兵卒と女中
演出:鈴木史朗(A.C.O.A./主宰) 

 今振り返ってみると、実は私はこれが一番好きだったかもしれません。
 「あなただったらタダで抱かれてあげる」と言う娼婦と「だったら抱くよ」と簡単に乗ってくる兵卒。兵卒役は2人で本を持って棒読み。娼婦は1人で本を持たずに情熱的な演技。全員男性です。今でも第一景の娼婦役の男優さんが忘れられない。ものすごく深いまなざしでした。途中休憩の時に関係者の人に伺ってみたら、なんとその男優さんは演出家の鈴木さんでした。昔は演技を勉強されていたけど今は演出一本で、今回はものすごく久しぶりの出演だったそうです。ラッキー!!


■第三景 女中と若様 & 第四景 若様と若い人妻
演出:わたなべなおこ(あなざーわーくす/主宰)

 引きましたね。最初は。女の捨て身のギャグって見苦しいですから。でもだんだんと持っていかれました。客いじりもキュートです。前の出演者たちとのからみもあって、劇場空間自体が良い雰囲気だったんだと思います。


■第五景 若い人妻と夫 & 第六景 夫とかわい娘ちゃん
演出:明神慈(ポかリン記憶舎/舎長)

 もったいなかった!いつものポかリンじゃなかったですね。手法は女性ならではのしっとりエロスでびんびんゾクゾク来ますが、演技が激しくて生々し過ぎました。観てられなかった。とても残念(初日は最高だったそうです)。でも衣装も女優さんも抜群に美しかったな~。男優さんは・・・いやらしくて良い!


■第七景 かわい娘ちゃんと詩人 & 第八景 詩人と女優
演出:中野成樹(中野成樹とフランケンズ代表・POOL-5所属)

 驚きのラップ調。はずすかと思いきやバッチリでした。笑ったなー。濃いものの連続だったから休憩後の清涼剤でした。といってもこれも相当キャラが濃いですが。POOL-5を観たくなりました。


■第九景 女優と伯爵 & 第十景 伯爵と娼婦 
演出:関美能留(三条会/主宰)

 これは・・・中央から観なくちゃ面白さ半減だったようです。でも味わいは極上。一歩も二歩も、一周も二周も上をゆく関さんのコンセプト。やられっぱなしです。演出によって脚本は全く別のものになってしまうとはよく言われることですが、三条会にこそその言葉は当てはまる気がします。それにしてもちょっと役者さんの顔が恐かったな。もうちょっとソフトに作っていただけるとありがたいな、と。

STスポット : http://www.jade.dti.ne.jp/~stspot/index2.html
Ort-d.d  : http://ort.m78.com/

Posted by shinobu at 2003年11月03日 16:51