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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年12月04日

プリセタ『オートマチック』12/2-7下北沢駅前劇場

プリセタは俳優の戸田昌広さんが主催する演劇ユニットで、座付き作家はペンギンプルペイルパイルズの脚本・演出家の倉持裕さん。倉持さんの脚本目当てで観に行きました。

 面白かった~・・・・。展開が全く読めませんでした。こういう賢くって、男の子らしいお芝居ってなかなかないと思います。したたかに成功しているのに決してしたり顔をしないのが素敵。うっとりとため息が出ますね。

 舞台は大きなトラックの荷台の中。まずそれにブルッときました。すごいじゃないですか、駅前劇場の舞台が殺風景なトラックの箱の中なんですよ。荷物がトラックの動きに合わせて上下(かみしも)に動くのがキュート。手作り感覚をチラホラ残しているところも良いです。でもトラックのドアはすごく頑丈に出来ていました。そういう風に決めるところをきちっと決めることが出来ているから、ところどころはずすのが生きるんですよね。

 田舎にポツンと置き去りにされたサラリーマン2人がヒッチハイクをしてトラックに乗せてもらうところからお話が始まります。どんどんトラックに乗る人が増えてくるんですが、その増え方が奇妙にさりげないんです。ストーリー展開のリズムが変拍子なんですよねー。そこが倉持さんの脚本のミソな気がします。
 一人一人が自分のやった罪の告白をするシーンでは、すごく深刻なのにどんどん笑えてくるんですよね。幽霊(?)が出てきた演出がめちゃくちゃバカバカしくて、大切なシーンなんだけど、とにかく私は思いっきり笑っていました。不謹慎なところほど笑えるように仕組まれているんじゃないかな。やっぱり脚本がキレてると思います。

 玉置孝匡さん。夜釣りに行っていた(?)湯本役。うまいなー・・・。ほれぼれします。ペンギンプルペイルパイルズで拝見していた時は予想外の動きに目を奪われていました。『青十字』ではものすごい虚言癖のある役(千葉雅子さんの夫役)で強烈な印象でした。一言一言にハズレがないんです。今回は「取り返しのつかないリアリティーだな」というセリフがツボでした。
 富士タクヤさん。運転手役。涙腺ドレスという劇団のお芝居でお見かけした気がするのですが、キャラがすごく生かされていました。
 倉持裕さん。かわいかった。こういう風に脚本家や演出家が出演するのって好きです。

プリセタ : http://02.members.goo.ne.jp/www/goo/p/r/puriseta/main.html

Posted by shinobu at 2003年12月04日 23:42