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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年03月06日

Studio Life『トーマの心臓』02/27-03/09アートスフィア

 男優集団スタジオ・ライフ、日本テレビでもじゃんじゃんCMやってるようですね。『トーマの心臓』は萩尾望都さん原作の少女漫画です。スタジオ・ライフの代表作であり今回が5度目の再演。私は『トーマ・・・』は二度目です。あの時はとにかくボロボロに泣かされました。だから再演でも喜び勇んで劇場に伺いました。

 今回はキャストが総勢30人でA~Dの4バージョンあるんです。う~ん、観客泣かせ(笑)。私は笠原浩夫さん、林勇輔さん、そして客演のNIROさん目当てでCバージョンの日に伺いました。

 う~ん・・・・長かった・・・。なんかハズしちゃった感じですね~。少しずつ、ズレていたというか。「私が2度目だったから」ではないんですよね~・・・。残念。

 まず、私の勝手な想像ですが、美術が計算外だったのではないでしょうか。アートスフィアという大きな劇場ということで前回とは違う、回り舞台にされてましたが、あれではお芝居が下手に寄りっぱなしになっちゃうし、何より転換の音がうるさかった・・・(泣)。静けさが全てのようなお芝居ですし、その辺はとにかくもったいないですよね。

 あと、主役(だと思う)のユリスモール役の山本芳樹さんの演技が弱かった。私が前に観たのは曽世海児さんだったんですよ。彼は良かったんだよな~、情熱的で。でも山本さん人気あるみたいですね。ブロマイド売り切れてたし。あ、ブロマイドの売り行きがロビーでオンタイムでわかる状況って、役者にとって残酷だなぁと思いました。

 それから、私にとっての最大のマイナス要因は音楽でした・・・。アヴェ・マリアの同じ部分を流しすぎです。痛い。本当に痛い。前回も同じ音楽を使ってましたが今回ほど耳障りではなかったです。どうしたのかにゃー。

 林勇輔さん(レドヴィ)。やっぱサイコー。声もいいし、歩き方も立ち方もいい。見とれて聞きほれました。今回、演技でちゃんと劇場を支配できたのは彼だけだったんじゃないかな。残念ながら。この後は無名塾のミュージカルに出演され日本中を周られるため、スタジオライフは1年ほどお休みだそうです。ぐすん。

 深山洋貴さん(アンテ)。ちょっぴりイヤミな役をあんなに可愛く出来るのは、スタジオ・ライフでは深山さんだけっ。もっと出て欲しかったな。林さんと深山さん、笠原さん(オスカー)、及川さん(トーマ)の4人が出てらっしゃるシーンは空気が香り立ちました。

 NIROさん。神々しいほどのポエティックな耽美さという、この『トーマ・・・』のイメージとは合ってなかったかも。スタジオ・ライフの作品でも他のなら良かったかもしれません。演劇実験室◎万有引力の『さよならの城』では本当に素敵だったのに残念。

 さて、次回作はまたまた少女漫画!なんと、樹(いつき)なつみさん原作の『OZ-オズ-』です!こりゃまた必見ですよ、私も大好きなSF漫画で今も単行本を持ってます。あぁ・・・また倉田さんにヤラれた!!

Studio LifeのHP : http://www.studio-life.com/

Posted by shinobu at 13:19 | TrackBack