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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年09月24日

『第13回ガーディアン・ガーデン演劇フェスティバル公開2次審査会』09/23スフィアメックス

 ガーディアン・ガーデン演劇フェスティバルの公開2次審査会。
 1次予選の約70組から選ばれた10組が10分間の生のプレゼンテーションを披露してくれます。

 出る方は約6時間以上緊張しっぱなしで体にも心にも悪いイベントですが(笑)、観客は楽しいですね~。
 以下、プレゼンテーションを発表した10組についての感想です。○付き番号が合格です。

①APE(エイプ)
 セリフなしで表情や演技で楽しませるのは「水と油」っぽい。スーツを着ているのは「虎の子」っぽい。最初の5分はすごく良くてオープニングにふさわしかったです。だけど残りは退屈。あの曲(映画「オールウェイズ」で使われてるやつ)は使うとしてもジングル程度にして欲しかったですね~。

②チェルフィッチュ
 演出家の岡田利規さんお一人でチェルフィッチュだそうです。「コンビニ」(『UBU7』企画での「ユビュ王」の一部)を上演。「こういう人、いるよね~」という人間の生態模写系。視点が非常に独特で面白い。審査員5人の5点満点。納得です。ぜひ本公演を拝見したい。

3.こどもとあそぶ
 脚本が面白くなさ過ぎだったし役者も合っていなかった。プレゼンとして失敗した感じですね。 他にもいろんな種類の公演を打たれているようなので、残念。

4.劇団MCR
 コント。残念ながら完成度が低かったですね。生の鶏肉を使っていたのは10劇団の中では独特。作・演出・主宰の桜井ドリルさんって本当にかっこいいなー。

5.ジュース
 大阪から出場。大人数。ざわざわ。ひどいので全く見ませんでした。でも声が聞こえるのは避けられず、終るまで耐えました。

6.劇団かわいい子
 バラバラに始まったそれぞれの物語が最後に融合するタイプ。中盤以降はつじつまを合わせるのに大変で、最後まで合わずじまい。アイデアはいいと思います。でもシベリア少女鉄道に全くおよばないですよねぇ。

7.初期型
 自らの体(特にわきの下)を使って音を出す二人。黒いレオタード姿なのが滑稽で表情に味があります。最初の5分で終わっていれば選ばれたかも。

8.スペースノイド
 暴力でした。私は始まって2分間はかなり面白いと思ったんですが、それ以降はずっと頭を伏せていました。坂手洋二さんがコーヒーをぶんなげたらしい。

9.PORT+PORTAIL(ポルトたすポルタイユ)
 乙女チックなダンスとポエム。照明がきれい。映像不快。半分で観るのを止めました。女の子のがんばっちゃってる感は良くないですよね。質疑応答でイメージダウン。

⑩らくだ工務店
 10分間のプレゼンとしては最も優れていました。スフィアメックスでやる作品の予告編になっているのも気が利いています。質疑応答ではメンバーのチームワークの良さがにじみ出ていました。こういう若い集団がある事が嬉しいですよね。

 いやー・・・観に行ってよかったな~。1日で10劇団っていうのはお得ですよね。疲れますけど(笑)。

 審査員がとっても豪華で、それも私にとっては目玉でした。

 坂手洋二さん。燐光群の作・演出家。坂手さんの言葉の一つ一つに感動して必死で書きとめたため、当日パンフレットが真っ黒になりました。
 天野天街さん。少年王者館の作・演出家。手短にお話されていました。その一言一言が重かった。ズボンがおしゃれでした。
 堤広志さん。舞踏・演劇のジャーナリスト。舞台芸術の評論家が参加されているのは本当に喜ばしい事ですよね。素直で率直なご感想が伺えました。
 ウニタモミイチさん。演劇エッセイスト。さすがの知識と的を得た発言で楽しませて頂きました。お好みが非常に個性的なのは亜流の劇団への救いですよね。
 坂口真人さん。演劇ぶっく社代表。コメントが優しいです。私と同じ3劇団をお選びになって、それが的中。いえ~い。「普通の観客だったら誰を見たい?」という視点なんだと思います。

 坂手さんが「シベリア少女鉄道をぜひ見たい」っておっしゃったのには驚きました。やっぱりかなりの噂になっているんですね。坂手さんがご覧になった感想をぜひ聞いてみたいです。

ガーディアンガーデン演劇フェスティバル : 
http://www.dx.sakura.ne.jp/~nnn/play/gg03/official/index.html

Posted by shinobu at 12:36