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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2003年10月09日

ホリプロ『市村正親30周年記念リサイタル「オモチャ箱」』10/8-13シアターコクーン

 歌も踊りもコメディーもストレート・プレイも何でもござれのスーパー・アクター、市村正親さんの芸能生活30周年記念リサイタルでした。
 市村さん、コンサート(歌がメインの舞台)は初めてだそうでシアターコクーンも初めてだっておっしゃったんですが、本当かしら??

 オープニング。舞台上の巨大なおもちゃの箱からチョコンと顔を出したお茶目な市村さん。
 ♪ようこそ劇場へ。人生をゲームに仕立てて演技する。劇場はおもちゃ箱。役者は子供。さあはじめよう♪
 ・・・素敵!!盛りだくさんであっという間の2時間でした。私が特に楽しませていただいたものについて書きたいと思います。

 まず初めは、30年を一気に振り返るダンスと歌のメドレー。息つくまもない名曲の数々。30分間踊って歌ってノンストップ。すごい。

『ラストダンスは私と』車イスバージョン♪ 私の大のお気に入り。またもや涙ぼろぼろでしたよ。日本では越路吹雪さんが女の子の歌として歌って大ヒットした歌ですが、もともとはアメリカのドリフターズの曲で戦争に行って足を怪我してしまった男の人の歌なんです。車イスに座ったまま優しく歌う市村さん・・・必聴ですよ。

 『ラストダンス・・・』でしっとりした後は、SMAPを見て研究したらしい(パンフの三谷幸喜さんの文章によると)ヒップホップ。ラップでだじゃれを言いながら振り返るミュージカルソングの数々。市村さんのチャンレンジ精神は決して尽きないんですね。さすがに笑っちゃったけど。
 『ウエスト・サイド・ストーリー』から数曲踊られましたが脚が頭の上まで上がるんです。
 『エレファント・マン』の長ゼリフ。あー・・・泣けた。ほんとに。「僕の頭がこんなに大きいのは夢が詰まっているから」というセリフにこれほど心動かされるとは・・・。藤原達也君が完全にかすみましたね~。
 『オペラ座の怪人』のファントムは市村さんを最も有名にした役どころ。背中から照明を当て、顔が全く見えない状態での熱唱でした。オペラ座の怪人ってミュージカルだけど、本当に深いドラマだったんだなーって再確認。

 市村正親さん・・・。
 ほんっとその存在に感動です。嬉しくてとにかく感謝。出会えてよかった。明るくてほがらかで、軽やかでやんちゃで、どこからみても少年のまま。

 踊りや歌の他に、素敵な言葉も沢山いただきました。以下、市村語録のほんのさわりのご紹介です。
 「僕はお芝居は遊びだと思っています。こんなに遊んでお金をもらっちゃってごめんなさい!」
 「芝居は数珠の和。演出家、役者、お弁当を持ってくる人、チケットもぎりの人、お客様・・・。みんなが一つの輪になってつながっている。」
 「劇団四季入団(『ジーザス・クライスト・スーパースター』)のオーディション。『コーラスライン』のオーディション。『オペラ座の怪人』のオーディション。劇団四季を卒業して初めての『ミス・サイゴン』のオーディション。僕の人生の節目にはいつもオーディションがあった。」
 「僕はいつも旅の途中。」

 来年も『市村座』やるそうです。ご覧になった事の無い方、ぜひぜひ日本の演劇&ミュージカル界の太陽に触れてください!

 市村正親オフィシャル・ウェブ : http://www.ichis.com/

Posted by shinobu at 18:19