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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年03月26日

THE SHAMPOO HAT・エスラボ『みかん THE SHAMPOO VERSION』02/07-15下北沢ザ・スズナリ

 エスラボはTHE SHAMPOO HATがプロデュース公演をする際の演劇ユニット名だそうです。今回がエスラボVol.1で、シャンプーハット・メンバーと客演メンバーの2種類のキャストで一つの作品を上演する企画です。

 警察官の独身寮(おそらく女子禁制)の古びたビルの屋上。元旦だというのに里帰りをしない独り者たちがつどう。それぞれに問題(個性)をかかえた登場人物たちの可笑しくて悲しい休日。 

 いつものシャンプーハットの独特の空気でした。むずむずとむずがゆくなってくるような絶妙の間でたくさん笑わせていただきました。

 ひょっこりひょうたん島の歌を歌いながら一般人(福田暢秀)が突然飛び降りた時は、胸にグサっと来ました。ビルの屋上から眺めた自分のアパートはあんなにちっぽけだったんだな、と思った彼は、そのアパート同様の自分の命のちっぽけさを噛み締めて、衝動的に死を選んだのだ、大都会の片隅の小さな命の終焉・・・と思って私は涙したのに、怪我しながらも元気にまた戻って来ちゃって参りました(笑)。
 リアルな世界の中にこういう拍子抜けするファンタジーが織り込まれているのが、本当に面白いと思います。

 赤堀さんは本も演出もすごいですが、演技もすばらしいですね。一人で攻めて一人で転んだのには爆笑。情けない笑顔がまたバツ悪くって、かさねて苦笑です。

 シャンプーおなじみのトム・ウェイツの音楽がぴったり。
 ほんと、毎回ハズレがない劇団です。すごい。

作・演出 赤掘雅秋
出演:児玉貴志 赤掘雅秋 日比大介 野中孝光 多門優 福田暢秀
舞台監督:高橋大輔(至福団) 照明:杉本公亮 音響:井上直裕(atSound) 舞台美術:福田暢秀 舞台製作:F.A.T STUDIO 宣伝美術:斉藤いづみ 宣伝PD:野中孝光 舞台写真:引地信彦 演出助手:佐藤俊文 黒田大輔 制作助手:市川絵美 相田英子 滝沢恵 岩堀美紀 制作:HOT LIPS 企画:エスラボ 製作:THE SHAMPOO HAT 
ザ・シャンプーハット : http://www33.ocn.ne.jp/%7Eshampoohat/

Posted by shinobu at 2004年03月26日 00:11