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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2004年04月06日

Ele-c@『Q.E.D.2004』4/1-6王子小劇場

 Ele-c@(エレカ)はモリタユウイチさんが脚本・演出・作曲など全体をプロデュースしている劇団です。
 特徴は舞台上で生演奏があること。モリタさんご自身がキーボードやギターを演奏しつつ演技もされるのは本当に独特だと思います。

 今公演は『Q.E.D.(キュー・イー・ディー)』の再々演だそうで、どうやらエレカの代表作なのでしょうね。パルテノン多摩演劇フェスティバルでも続いてこの作品を上演されます。

 山奥の別荘で音楽家が死んだ。第一発見者の妻から私立探偵に依頼が来る。「絶対に自殺じゃないんです。犯人を捜してください。」2組の私立探偵と警察官らが現場に向かうが、なぜかその別荘に閉じ込められてしまい・・・。

 演技のうまい役者さんとおぼつかない役者さんの差が激しくてちょっと感情移入しづらかったです。でも物語の謎があばかれていくセリフの掛け合いのシーンはどんどん引き込まれました。

 いつもの通り小型テレビがたくさん仕込まれていて、そこにCG映像が流れます。紗幕と舞台奥の幕にも映像が映るのですが、色が薄いし客席に近すぎて見えづらかったので、ずっとテレビの方を見ていました。オープニングの殺人現場シーンと重なってタイトルの上に血しぶきがつく映像が良かった。
 クライマックスでモリタさん(殺された音楽家役)のキーボードの演奏が激しく繰り返されました。電子音なんですがやっぱり生演奏はいいですね。
 急勾配の八百屋舞台でしたが、全てはラスト近くのあの床から差し込む照明のためでしょう。きれいだしかっこ良かったです。

 客席参加型クイズのような催しがありましたが、1度目は何のことだか全くわからず。2度目でやっとわかりました。ステージによってネタが変わるわけですね。私が見たのは金崎敬江さんの今どきの女子高生キャラと、本郷小次郎さんの“複数じゃないと萌えないの”キャラでした。もうちょっと余裕があると観客も参加しやすいんですけどね。

 本郷小次郎さん(ヰタ・マキ)。ベストを着た私立探偵役。濃いキャラをさらりと本気でやっちゃってくださるところがいつも楽しみです。今回もしっかりスター立ちで面白かった。演技も安心です。 
 金崎敬江さん(bird's-eye view)。頭のキレるメガネの探偵助手役。抑えた演技で美しい立ち居振る舞い。きれいです。衣装も一番様になっていました。

作・演出・テーマMUSIC:モリタユウイチ
出演:本郷小次郎(ヰタ・マキ) 森律子(Ele-C@) 代田正彦(北区つかこうへい劇団) 土屋美穂子(Attic theater)  laila.g.g*王子公演 ハセガワアユム(caprico)*入間・多摩公演 金崎敬江(bird's-eye view) 森田祐一(Ele-C@)
舞台監督:谷澤拓己 舞台美術:松本謙一郎×突貫屋 音響:一之瀬卓 照明:NORI(Media Youth)×佐藤威文 衣装:キタサコ製作所 映像ディレクション:かとうよういち(O-frame) CG:チェキラ(FITVIDEO) 宣伝デザイン:鈴木基文(Trouble and Tea DESIGN) 特設WEBサイト:田中秀吾 制作協力:TWIN-BEAT 制作助手:華王子 
エレカ:http://www.eleca.mu/

Posted by shinobu at 2004年04月06日 11:49