REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2004年05月20日

パルコ/ニッポン放送『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』05/14-06/06パルコ劇場

 1994年アメリカのクラブで初演。そしてオフ・ブロードウェイで大ヒットし、映画も作られて日本でも2002年に公開されました。タイトルの直訳は『ヘドウィグと怒りの1インチ』。
 三上博史さんがしゃべって歌って雄たけびを上げる2時間。かっこ良すぎてシビれます!必見!!

 舞台はライブハウス。観客はそこに来た客という設定です。金髪の大きなウィッグと、女性の裸を思わせる強烈な衣装を身に着けたヘドウィグ(三上博史)が、歌を歌いつつ彼のこれまでの人生について観客に語りかけます。彼は性転換して東ドイツからアメリカに亡命した“オカマ”なのです。(あらすじはコチラをご覧下さい)

 三上さん、めちゃくちゃ下品!てゆーかお下劣!ほぼ変態!
 それが超かっこいい!(笑)
 歌、こんなにお上手だったなんて!
 カーテンコールであの腰の低さは罪!素顔が美形すぎ!
 もうこんな役、絶対三上さんにしかできないよぉ・・・最高!!

 お母さんがハンセル(ヘドウィグの本名)に寝物語に話した“THE ORIGIN OF LOVE(愛の起源)”は名曲ですね。ぼろぼろ泣いちゃいました。プロジェクターで壁にイラストが映されるのですが、そのイラストがすっごく良かったです。
 MAKE UPの歌“WIG IN A BOX”もうっとり~。サントラ買おうかと思いました。でも日本語盤じゃないから断念。映画を観てからまた考えます。

 ヘドウィグが昔の彼氏トミー・ノーシスとの悲しい別れと裏切りについて話すシーンの後半はどんより重たかったです。もうちょっと短くしてもらってもいいのに。オネエ言葉でしゃべりながらシャウトするド派手エロ衣装&ウィッグ姿の三上さんをもっともっと見ていたかった!

 ヘドウィグの現在の夫イツァーク役のエミ・エレオノーラさんは本当に歌がお上手でかっこ良かったです。なのに最後の演出はとっても残念でしたね。男から女に変身して客席から登場して来てくださったのに、私には何が起こっているのか全くわかりませんでした。そういえばプロジェクターで男と女が合体して・・・という映像を流してくれていたのに。私以外の観客もほぼ皆さん頭にハテナマークだったと思うんですよ。だから最後にノレなかった。手を振り上げてスタンディングできなかった。

 そもそもトミー・ノーシスとして三上さんが歌っている時だって、三上さんなのかどうかわからなかったんです(この作品について何の知識も持たずに観ましたので)。カーテンコールでメイクを落として出てきてやっとわかりました。あれはアイライナーで眼の上全体が真っ黒になっていたんじゃないかしら。私には巨大な眉毛に見えてたんですよ(笑)。ウィッグや衣装のトラブルもかなり発生していたのでこれから改善されるといいですよね。三上さんがアドリブで面白く切り抜けてくださっていましたが。
 さらに欲を言うとラストに“ANGRY INCH”をもう一度歌って欲しかったな~。

 そういえば『ROCKEY HORROR SHOW』でのROLLYさんの衝撃に似ています。東京厚生年金会館で追加公演があるのも同じだし。あぁ~・・・時間があれば私ももう一度行きたかった!とにかく三上さんを観てください!!

作 ジョン.キャメロン・ミッチェル 作詞・作曲 スティーヴン・トラスク
《出演》ヘドウィグ:三上博史 ROCK BAND“THE ANGRY INCH”→ イツァーク , Piano , Chorus :エミ・エレオノーラ Bass :横山英規 Drums:中幸一郎 Guitar:テラシィイ Guitar:近田潔人
翻訳・演出:青井陽治 音楽監督・編曲:横山英規 美術:二村周作 照明:吉川ひろ子 音響:山本浩一 衣裳:伏見京子 ヘアー:赤間賢次郎 メイク:久保田直美 演出助手:槙圭一郎 舞台監督:北条孝/上田光成 制作:田中希世子/村田篤史 企画協力:ポスターハリス・カンパニー 企画.製作:パルコ/ニッポン放送
パルコ劇場内公式サイト:http://www.parco-city.co.jp/play/hedwig/

Posted by shinobu at 2004年05月20日 11:32