REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2005年03月03日

Attic Theater『チキン・フライ』02/23-27中野ザ・ポケット

 アティックシアターは演出助手としてもご活躍の黒川竹春さんが演出される劇団です。俳優でもある古屋純一さんが脚本を書かれています。古屋さんが脚本を書かれるのがこの3作ほど続いていますね。
 サードステージ、劇団☆新感線の若手俳優さんや、小劇場劇団で活躍している俳優さんが出演されています。

 第三セクターの経営で生計が成り立っている小さな離島が舞台。特産物は鶏肉と卵。その鶏肉は実は・・・。
 渡鶏島(わたとりしま)という架空の島を舞台にした作品でしたが、最初から最後まで一筋まっすぐに通ったものが感じられず、感情移入しづらかったです。

 アティック・シアターの作品はワン・シチュエーションのものしか観た事がなかったのですが、今回は色んな場所に飛びましたね。意外でした。
 本土から島にやってきた公務員、島の謎を調べに来たルポライターら2人、気難しい第三セクター所長とその妻、旅館を経営する謎の多い家族、おかしな医者夫婦、若くて熱いアルバイター、穴(?)の中で飼われている少女とその母(?)、謎の白塗り男、船頭・・・というように登場人物が非常に多いです。その人数がめまぐるしく舞台を動き回るのですが、転換の全てが意図どおりにコントロールできているようには見えなかったなぁ。

 始まった時から既にどんより暗くて、何か恐ろしいことが起こりそうな気配がしていました。舞台美術の基本色が真っ黒だったこともあり、明らかにコメディー担当のキャラクター(ルポライター:宮下今日子、ルポライター助手:高橋拓自)が出てきても軽い雰囲気になりづらかったですね。アティックシアター作品でクセモノ役者さんが揃っているため、おバカな笑いに期待していた私にはちょっと残念でした。どたばたコメディーになる部分をもっとじっくり、しっかり楽しみたかったです。

脚本:古屋純一 演出:黒川竹春
出演:川上冠仁 土屋美穂子 古屋純一 横塚進之介 吉冨亜希子 高橋拓自(動物電気) 日高勝郎(InnocentSphere) 杉本恵美(劇団☆新感線) 安東桂吾(マォーティーズインディアン) 岩渕敏司(くろいぬパレード)星野名保子 平佐喜子 関位泰成 中村芙美 宮下今日子
照明:岡野昌代 音響:尾林真理 舞台装置:阿部一郎 宣伝美術:阿部つよし 舞台監督:小俣陽子 制作協力:SUI 制作:Attic Theater
公演ページ:http://www9.ocn.ne.jp/~atticweb/jikai.html

Posted by shinobu at 2005年03月03日 00:29 | TrackBack (0)