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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年06月05日

フェニーチェ歌劇場日本公演2005『真珠とり』05/18, 20オーチャードホール

 火災から完全復活したイタリアのフェニーチェ歌劇場の来日公演。主要歌手だけでなくコーラスもオーケストラも全てやってくる、いわゆる引越し公演です。世界の有名歌劇場の引越し公演がこんなにいっぱいあるのって日本だけらしいです。久しぶりに劇場前でダフ屋さんを発見。

真珠とり』はビゼー作曲のフランスオペラです。ビゼーは『カルメン』が有名ですよね。
 あらすじはこちらでどうぞ。村の頭領ズルガと漁夫ナディールが、巫女のレイラを取り合う三角関係の悲恋物語です。

 休憩が1回だけでそれほど長くないオペラでした。なのに前半は寝ちゃったんですよね・・・ごめんなさい。コーラスは素晴らしいんだけどソロがあんまり・・・でも前半の最後のソプラノ(アニーク・マッシス)のアリアは素晴らしかったです。上品でしっとり、抑制の効いた優しい歌声でした。今後の彼女の来日公演は観に行きたいかも。

 後半はストーリーも山場を向かえ、ソプラノがさらに大活躍。泣けちゃいました・・・。これだからオペラは止められないんですよね、チケットが高くても。声だけで体が震えて、頭が熱くなって、涙が出ちゃう。
 そうそう、コーラスが凄かったです(引越し公演だからこその醍醐味)。きっとコーラスとして出演している一人一人の歌い手さんが相当な実力のある方々ばかりなのでしょう。大合唱の時のあの声量には圧倒されました。ギリシア悲劇のコロスみたい。

 ストーリーは王道の悲恋ものだったんですが、最後のどんでん返しに完全にヤラれました、私。「ええ!そ、そうだったの!」って。そして頭領ズルガが孤独にたたずむラストシーンは美しかった。
 演出は全体的にちょっと地味かなと思いましたが、バレエダンサーが数人で踊るシーンが多く、そのダンスが巧かったのでそれだけでも楽しめました。

 私が座ったのは下手際の2階席だったんですが、ずずいと前方にせりだしている3階の客席の陰になって舞台のおよそ3分の1が見えませんでした。舞台中央にテンプルのような建物があるのですが、それがほとんど見えなかったんです。なのにS席なんですよ!これは・・・苦情を言いたくなります。

 Bunkamuraの公演ページは本当に充実していてありがたいです。これがアーカイブとして半永久的に残ってくれれば最高!

≪大津・東京・名古屋≫
指揮:ギヨーム・トゥルニエール 演出・装置・衣装:ピエル・ルイージ・ピッツィ
レイラ:アニーク・マッシス(ソプラノ)  ナディール:中島康晴(テノール)  ズルガ:ルカ・グラッシ(バリトン) ヌラバッド:ルイージ・デ・ドナート(バス)  ほか
主催:朝日新聞社・TBS・Bunkamura
S席43000円 A席38000円 B席33000円 C席28000円 D席22000円 E席16000円 F席9000円(税込)
フェニーチェ歌劇場日本公演2005:http://www.bunkamura.co.jp/orchard/event/fenice/
『真珠とり』:http://www.bunkamura.co.jp/orchard/event/fenice/perl.html

Posted by shinobu at 2005年06月05日 12:13 | TrackBack (0)