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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年07月16日

MIKUNI YANAIHARA Project Part 1『3年2組』07/15-18吉祥寺シアター

 ニブロールの振付家である矢内原美邦さんが作・演出・振付される“演劇パフォーマンス”です。
 セリフが有るダンスだし、ダンスが有る演劇でした。「ダンスや演劇の枠組みを超えた舞台作品」というのに納得です。ニブロールが初見だということを別にしても、私が今までに観たことのない種類の作品だったように思います。

 いわゆる普通の演劇に親しんでいる私にとって当たり前のことが、全然当たり前じゃないところから、この作品は始まっているんだなと思いました。ニブロールは劇団ではなくダンスカンパニーなので(ダンス以外にも色んな活動をされていますが)、演劇(舞台作品)を作る際のスタート地点がまず普通の劇団とは違うんですね。
 演劇好きの私には少々とっつきにくいこともあったのですが、ラストには感動していました。あぁ~・・・なんか、いい意味でプチ・ショック。凄い人がいるもんですね。

 ここからネタバレになりますので、観に行かれる方はお読みにならない方がいいと思います。

 舞台上には何も置いておらず、客席からまっすぐ向かって正面には白いスクリーンが貼られています。黒い床に白い模様が広がっており、後からわかるのですがそれは紙吹雪でした。開演5分前(18:55)頃からさらに紙吹雪が降り始め、ステージ上にどんどんと降り重なっていきます。

 音楽が鳴るのと同時だったかと思うのですが、白いスクリーンに映像が映し出されました。動画は上手から下手へとかなり速いスピードで動いていきます。映し出されるのは通り過ぎていく木々、鉄橋から見える夕日、舞い散る花びらや葉っぱ。下手から上手へと走っている列車の車窓から外を眺めてると思えばぴったりです。

 音楽、映像とともに役者さんも登場します。セリフはものすごく早口で怒鳴るようにしゃべります。動き(振付)も早いです。止まったりもしますが、どんどん間が詰められていくように、次々と動きが始まります。しゃべっている内容は・・・3年2組のクラスメイトたちに、先生が将来の夢を書くよう言って、書けたらそれをタイムカプセルに入れる・・・云々。早口だし怒鳴るし、必然的にかつ舌が悪くなるのでとても聞こえづらくて、しかもたまに聞こえてくる言葉がものすごく心に響くものだったので、私にはそれがストレスになりました。「うぐ~・・・聞きたいのに聞こえないよぉ!」という感じで(笑)。

 季節をめぐりながら同じスピードでずっと流れていく映像、激しく早く動き続ける俳優の身体、声、そして開演前とラストに降り注がれた紙吹雪に、言葉はわからなかったけれども(←しつこいですが)、過ぎ行く時間、終わりに近づいていく命、生まれて消える私たちの、一瞬間の広がりを感じました。

 本日初日で、チェルフィッチュの岡田利規さんをゲストに迎えてのポストパフォーマンストークがありました。司会は演劇ライターの徳永京子さん。出演者は岡田さんの他に、矢内原美邦(やないはら・みくに)さんと映像の高橋啓祐さん、そして役者さん(ダンサーさん)が3人。

 ものすごく充実した内容で、耳かっぽじって聞かなきゃ損!って感じでしたね。舞台の上における「身体」と「言葉」のリアリティについて深く真剣に考えて創作をされていることを知り、自分が無意識に前提として受け入れていたことは決して前提などではなく、ただの惰性だったかもしれないことに気づかされました。

 ※矢内原さんのブログ→ 矢内原美邦の毎日が万歳ブログ
  岡田さんのブログ→ チェルフィッチュブログ2

吉祥寺シアター・オープニングステージ
出演=足立智充/稲毛礼子/上村聡/鈴木将一郎/関寛之/渕野修平/三坂知絵子/矢沢誠/山本圭祐
作・演出・振付=矢内原美邦 映像=高橋啓祐 音楽=スカンク 衣装=広野裕子 イラスト=カネコアツシ 宣伝美術=石田直久 舞台監督=横尾友広 瀬川有生 照明=森規幸(balance,Inc.DESIGN) 制作=中西茜 主催=MIKUNI YANAIHARA project/財団法人武蔵野文化事業団
前売り開始:5/20(金)入場料 :全席自由 前売 3,000円 当日 3,500円 学生2,500円(ニブロール限定受付) ほか会員割引あり 全6回公演
吉祥寺シアター内:http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/ev_050715.html
ニブロール:http://www.nibroll.com/

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Posted by shinobu at 00:11 | TrackBack