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しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2005年09月14日

(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場『ニセS高原から【五反田団組】』08/28-09/27こまばアゴラ劇場

 話題の『S高原から』連続上演企画蜻蛉玉バージョンに続いて五反田団バージョンを観てまいりました。
 超満員だったため劇場が暑くて暑くて、上演開始から1時間経過する頃からあまり舞台に集中できなかったです。でも、長く感じたのはそのせいだけではなかったかもしれません。実際の上演時間も長かったらしく・・・(笑)。

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 ≪あらすじ~公式サイトよりそのまま引用≫
 近未来、夏。高原のサナトリウムの面会室が舞台。
 このサナトリウムには、不治の病におかされた患者たちが多く入院しています。下界から隔離されたサナトリウムでゆっくりと流れていく時間。死を待つということの意味が、その時間の中で淡々と語られていきます。
 患者たちと、そこを訪れる面会の人々や医師たちとの死や時間に対する観念の差異を微妙に描きながら、軽妙な会話を交えて、サナトリウムでの何も起こらない静かな午後が描かれていきます。
 ≪ここまで≫

 五反田団組の具体的な個性は、もともとの脚本を演出の前田さんがリライト(書き直し)していることと、登場人物が3名増えていることです。

 死と常に隣り合わせの緊張感とか絶望とかがあまり感じられませんでした。ピリっとした感覚が少なかったです。そういう空気を、間の抜けたようなおしゃべりと笑いで、敢えて濁しているように見えました。優しいなぁと思いましたし、面白いとも思いました。でも間(ま)が長過ぎると感じるシーンが多かったのと、シーンごとにプツリ、プツリと途切れていた感があり、作品全体としては蜻蛉玉組の方が私は好きでしたね。カラーがはっきり出ていたように思います。
 三条会とポツドールがさらに楽しみになりました。


 ≪ポストパフォーマンストーク≫ 

 ※演出の前田さんと役者さん4人が登場しました。前田さんは司会がとてもお上手ですし、すごく正直にお話してくださっている(ように見える)ので、五反田団のポストパフォーマンストークは大好きです。
 下記、印象に残ったことだけを書きます。言葉はすべて前田さんが話した内容です。私が自分の言葉で書いていますので、言葉は完全に正確ではありません。
 
 平田オリザさんの脚本は、ムダな思考やノイズがそぎ落とされている。でもそのムダなところから想像力を膨らませたい。そぎ落とされたものの中にこそ描きたいものがある。平田さんの作品は、龍安寺の石庭を見せて「どうだ、これでわかるだろ?」みたいな、観客にストイックさを求めるような作品だと思う。僕はサービス精神があって、面白いシーンとかを増やしたりしてしまう。そこを平田さんに「若いね」と言われたのだと思う(笑)。

 7分短くなったり、10分長くなったり、遊びが17分もある芝居なんです。今日は長かった。

 質問:なぜ登場人物が3人増えたのか?
 答え:2つ理由がある。1つ目→患者の数が足りないんじゃないかと思ったから。舞台が公共性のある場所(ロビー)だし。メインのストーリーに関係のない患者も登場させた。
 2つ目→最初に参加劇団(青年団、三条会、五反田団、蜻蛉玉、ポツドール)からオーディション・ワークショップをして役者を選んだ。一般のオーディションで自分の目に敵う役者が集まらないかもしれないとの危惧から、多い目に確保しておいた。僕は青年団の役者さんを使いたくて・・・(青年団の役者には個性的な人が多いという話)。でも蓋を開けてみたら面白い役者さんがいっぱい居た。ので、取りすぎちゃった・・・(笑)。 

 (今の演劇界には)演出家が足りていない。俳優が余っている。もったいない。
 三条会と蜻蛉玉の回が空いているので、快適に観ていただけると思います。人気と実力は比例しません。三条会はいつも千葉で活動しているので、東京で観られるのは今年は今公演が最後かも。ぜひいらしてください。

~「S高原から」連続上演~
≪スタッフ≫原作=平田オリザ 舞台美術=杉山至×突貫屋 照明=《五反田団・蜻蛉玉・ポツドール》岩城保《三条会》佐野一敏(三条会) 音響=薮公美子 宣伝美術=藤原未央子 制作=榎戸源胤(五反田団) 尾形典子(青年団) 木下京子(ポツドール) 斉藤由夏(青年団) 田中沙織(蜻蛉玉) 演出助手=《ポツドール》福本朝子 プロデューサー=前田司郎 主催=(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 企画制作=五反田団・三条会・蜻蛉玉・ポツドール/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
前売・予約・当日共=2,000円 セット券=6,000円※予約のみ・枚数限定 こまばアゴラ劇場電話予約のみ取り扱い 03-3467-2743
公式=http://nise-s-kogen.com/
【五反田団組】演出=前田司郎(五反田団) 出演=青島美奈子/安藤玉恵(ポツドール)/稲毛礼子/岩崎裕司(青年団)/宇井晴雄/内田慈/大倉マヤ(双数姉妹)/大島怜也(PLUSTIC PLASTICS)/川隅奈保子(青年団)/西田麻耶(五反田団)/黒田大輔(THE SHAMPOO HAT)/佐藤幾優/高橋昭安(ク・ナウカ)/立蔵葉子(青年団)/能島瑞穂(青年団)/古舘寛治(青年団)/坊薗節子(カムカムミニキーナ)/増田理(バズノーツ)/山本雅幸(青年団) ※キャストは50音順 ★菊川朝子(Hula-Hooper)が体調不良の為降板し、代わって西田麻耶(五反田団)が出演・・・だったのですが、菊川さんが出演されていました。

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Posted by shinobu at 23:46 | TrackBack