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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年01月04日

Physical Theatre『ウーエン・イ・ウースト~THE ISLAND IN THE EAST~』01/03-15シアターアプル

 AMUSE所属のアーティスト(PaniCrewBuzyなど)とTEAM NACSの人が出演していて、演出家がデンマーク人のパフォ-マンス・・・?そしてトライアル公演が9ステージもあるという、チラシの情報からは言わば正体不明の公演でした(笑)。
 拝見したところ、ダンス・パフォーマンスがメインの、未来を舞台にしたロボット・ミュージカル、かな?
 カーテンコールで4~10歳まで(たぶん)のお子様を毎ステージ30名様モニター招待するという告知がありました。お子様は楽しめるかも。お問い合わせはこちら⇒サンライズ プロモーション東京 0570-00-3337 (全日10:00~19:00)

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 あらすじはこちら。ロボットに支配され絶滅寸前となった2067年の人類を、200年前からタイムスリップしてやってきた旅人(音尾琢真)が救うというのが大筋です。ストーリーはあってないものというか・・・大人が楽しめるかというと難しい気がします。

 音楽は日本で一般的に流行ってもいいようなポップス系でした。若い女の子たちの歌と踊りあり、本格派ブレイクダンスあり、デンマーク人のラップあり、そしてクラシック・バレエもあり・・・何を観たらいいのかわからない、ごちゃ混ぜ状態でしたね。
 脈絡なしに突発的に歌が始まっちゃうのはミュージカルや音楽劇でも普通ですが、今作でははっきりとした演出意図が見えなかったな~。ダンスシーンがものすごく長かったりするのも不思議でした。例えば戦闘シーンがダンスで表現されるのも中途半端な印象を受けました。

 場面はおおまかに言えば1867年の日本の村と2067年の日本の廃墟の2箇所で、美術自体は想像の範疇を超えるものではありませんでした。でも丸い月の装置に月の横顔が映写されたり、蛍光ガイコツ柄の全身タイツや月(安田顕)の衣裳は、日本人のセンスではないなぁと思いました。日本の村人役のきもの風衣裳やコギャル風メイクは、いかにも“外国人が想像した日本”的なものでしたね。残念。

 カーテンコールでメインの役者以外の全ての出演者のソロダンス披露大会がありました(女の子はチームでひとまとめでした)。ああ、やっぱり・・・って思っちゃいました。パンフレットの冒頭に「正真正銘のオリジナル作品」とあります。歌って踊れるギャルは歌って踊り、ラッパーはラップをし、ロボットダンス振付家はロボットダンスを、ブレイクダンサーはブレイクダンスを、演劇人は演劇を・・・という得意技披露大会になってしまったのではないでしょうか。出演者が作品に対してまだまだ疑問を持っているようにも見えました。

 でもダンスが上手い人は本当に上手いので、それはそれで楽しみました。ブレイクダンスの人が得に凄かったです。振付担当でクリスチャン役の森弘一郎さんは、デンマークを中心に活動をされているそうなんですが、ロボット風ダンスはさすがに面白かったですね。でも作品全体の振付については、ロボット風以外のものはかなり古く感じました。80年代のブラックミュージックのビデオクリップでよく見たような。

 役者さんではTEAM NACSのお二人、安田顕さん音尾琢真さんがすごく良かったですね。舞台俳優で、ちゃんとしたエンターティナーなんだなと思いました。TEAM NACS、ぜひ観てみようと思います。
 音尾さんは協賛のハウス食品の「ウコンの力」を上演中に2度も言及され、オープニングでは男性客に商品を配るまでされました。だけど商売っ気を感じさせず、気持ちよくギャグにしてくださっていて、プロだなーと思いました。
 安田さんはあんなにハンサムなのに月の役(賢人役とロボット役も)で、完全に出オチのキャラになってました(笑)。セリフも立ち姿も良かったです。ファンが多いのも納得です。

“ウーエン・イ・ウースト”は、デンマーク語で「東の島」=日本。
出演=安田顕(TEAM NACS)/音尾琢真(TEAM NACS)/クレメンス・テリング/森弘一郎/植木豪/佐々木洋平/笠原康哉/中野智行/森田繁範/堀内和整/水野哲也/山本崇史 /當山奈央/丹羽麻由美/宮里真央/朝間ユリサ/竹田侑美/岩永幸子/島田衣子/藤井直子/鶴見未穂子
演出=スティーン・カーナー/森弘一郎(サポート) 脚本=スティーン・カーナー/クレメンス・テリング/森弘一郎 日本語版脚本・作詞=森雪之丞 コスチューム・デザイナー=フランク・クレンツ 楽曲=ヨ・アキム 企画・製作=アミューズ 主催=アミューズ/テレビ朝日/朝日新聞社
料金(全席指定/税込):トライアル公演¥4,500 本公演¥6,000
公式=http://www.o-i-o.net/

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Posted by shinobu at 2006年01月04日 22:10 | TrackBack (1)