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しのぶの演劇レビュー
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2006年04月07日

新国立劇場演劇『カエル』04/01-13新国立劇場 小劇場

 新国立劇場演劇2005/2006シーズンの幕開けです。シリーズ「われわれは、どこへいくのか」の第1弾は中国人の過士行さんの書き下ろし新作で、鵜山仁さんが演出されます。
 不条理劇だということを噂に聞いていましたので、それなりの心構えで伺いました。でも描かれていたことは、それほどわかりづらいことではなかった気がします。
 美術が大胆で、一見の価値ありですね。役者さん・・・大変だと思います(笑)。

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 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 舞台は水没の危機に瀕する理髪店です。時は、現在でもあり未来でもあります。そこでは、理髪師(千葉哲也)と客(有薗芳記)が話し合っています。そばには女(宮本裕子)がいますが、いったい何者なのかはわかりません。
 彼らは“一番現代的なヘアスタイルとは何か”を研究しています。交わされる会話は、天災、人災、世の中が悪化している現象についてばかり。
 そこに旅人(今井朋彦)が現れ、散髪を頼みますが……
 ≪ここまで≫

 深刻になっている地球の環境・社会問題についての、今の私はよく聞いている話が繰り返されて少々退屈してしまいました。あと、役者さんが戸惑っているように見えてしまって(敢えてそういう演出なのかもしれませんが)、引き込まれなかったんですよね。もっとどっしりとした厚みというか、落ち着きが欲しかったな~。ぎこちなさが抜けていないように見えました。

 「よく聞いている話」とサラっと書き終えてしまってますが、今、生きていて、そしてこれからも生きる私たちにとって、ものすごく重要なことが沢山語られていました。先にリンクを貼らせて頂いたレビューにしっかり書かれているので、ぜひそちらでご覧いただければと思います。
 でも、その部分が一番大事なところだとしたらつまらないなーと思うのです。きっと違うと思います。GRASSHOPPERに書かれている解釈がとっても面白くって、今日の私はちゃんと受け取れなかったんだな~と反省・・・。

 パンフレットおよび公式サイトで作家の過士行さんが「ところで、この舞台を見ようとしているあなた、あなたはカエルの鳴き声を聞いたことがありますか。カエルは、あなたのところにまだいますか? 」と問われています。
 それに対する私の答えは→「私はカエルの鳴き声を聞いたことがあります。昔は家の庭でもその姿を見たり声を聞いたりしていました。でも今は見かけないし、声なんて全く聞こえません。そしてカエルは私の中に・・・居る時と、居ない時があります。悲しいことですが。」

 ここからネタバレします。

 何度失敗しても、いつまで経っても、学ばない私たち人類。毎日、毎年、季節が巡って来てくれるように、自分達も同じことを繰り返しているつもりですが、実は確実に地球は蝕まれていて、同じことができなくなってきています。いつも聞こえていた夏のカエルの鳴き声がぱったりと消えてしまったのは、いつからだったでしょうか。

 衣装も美術も加藤ちかさんですね。美術はとっても面白かった!どこかの孤独な砂の星にポツンと男が2人居て、よくわかんない野蛮な女がいつも走りこんでくるっていうイメージ。そこに異邦人(旅人)が周期的に訪れます。
 舞台は理髪店なのですが壁も柱も全くなくて、天井にはトタン屋根がありますが、ほとんど穴だらけなので役に立っていません。理髪店のまわりの客席には汚れたキューピー人形や古雑誌、空き瓶などのゴミが置いてありました。
 どんどん水浸しになっていく理髪店。その床は地球柄のタイルなので、温暖化で水没しつつあるってことなんですね。天井からは氷が降ったり雪(雪なのか埃なのか、はたまた有害物質なのか)が降ったり、かなりアグレッシブな仕掛けが準備されています。理髪店の奥の小山から稲が生えてくるのが可笑しかったですね。その後ろには丸い玉が・・・。私が観た回では残念ながら下手側に転がってしまって理髪店の湖には落ちませんでした。
 衣装は旅人役の今井朋彦さんの変貌振りが笑えました。最後は浦島太郎か仙人か。いつものくりくりパーマが健在で可愛いらしいです。

シリーズ「われわれは、どこへいくのか」①
出演=千葉哲也/有薗芳記/宮本裕子/今井朋彦
作=過士行 翻訳=菱沼彬晁 演出=鵜山仁 美術・衣裳=加藤ちか 照明=小笠原純 音響=上田好生 演出助手=E-RUN 舞台監督=北条孝
12ステージ 4/3休演 2月25日(土)発売 A席5,250円 B席3,150円 Z席=1,500円/当日学生券=50%割引
公式=http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000094.html

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Posted by shinobu at 2006年04月07日 23:03 | TrackBack (0)