REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2006年07月06日

ポツドール『女のみち』07/05-10THEATER/TOPS

 ポツドール初の特別企画公演は、AV監督(「ペヤングマキ」名義で活動)の溝口真希子さんの作・演出です。溝口さんはポツドール旗揚げ時から役者・スタッフとして参加されていたそうです。

 めっちゃくちゃ面白かったです!超~笑った!!

 前売りは完売です。当日券(3300円)の詳細は不明。昨日はキャンセル待ちが出ていました。
 お問い合わせ⇒ポツドール 080-5487-3866

 ★お役にたてたらコチラをクリック!お願いします♪

 舞台はAV女優の待合室。撮影したり、準備待ちしたり。その間に繰り広げられるイマドキの若い女の闘い。細部への徹底したこだわりに感嘆のため息をついてしまいそうになる、質の高い群像喜劇でした。
 AV撮影の現場が描かれますので、私としてはR18ぐらいが適当じゃないかと思います(笑)。

 こういうお芝居でここまで笑う私って・・・どうよっ!? っていう自分ツッコミもしつつ、でも遠慮なく爆笑させていただきました。役者さんの自然な演技も心地よいです。衣裳も素晴らしい。

 ここからネタバレします。

 おつぼね様的ベテランのリカコ(安藤玉恵)、マゾかよ!?っつーほどお人よしのマリモ(佐山和泉)、可愛いコギャル系・嘘つきのナッチ(岩本えり)、超ぶりっこで売れっ子のカスミ(内田慈)、元レディースで男まさりのマリア(玄覺悠子)という個性の強いAV女優5人が、全くかみ合わない状態から少しずつ仲良く(?)なっていきます。
 待合室から誰かが去る度に、その人の悪口を言いはじめるんですよね(笑)。観客は覗き見をしている気分でウッハウハです。ポツドール作品ではそういう設定が多いらしいですね。

 マネージャーの中津川(米村亮太朗)が、実は彼女らのほぼ全員と寝ていたことがバレて、ちょっぴり険悪なムードになります。でもこの中津川っていうバカでダメダメな男には、どうしても憎めない可愛さがあるんです。米村さんの演技がお上手なのもあると思いますが、やっぱり女性の演出家ならではじゃないかなと思いました。女が放っておけなくなる男をよく知っている、というか。

 衣裳がすっごく良かったです。最初は皆さん、白いカッターシャツにミニのプリーツ・スカートという王道の女子高生ルックなのですが、撮影が終わったら私服に着替えます。一人一人の洋服やアクセサリーがそのキャラクターの性格をよ~く表していて、ものすごく雄弁なのです。目が皿になるほどじっくり眺めさせていただきました。

 中津川(米村亮太朗)の衣裳も私のツボでしたね。いかにもチンピラっぽい格好で登場するかと思ったら、だぶっとした折り目なしの濃紺のスーツだったんです。「うわっ、かっこいーっ!Yohji Yamamotoみたい♪」って思ったら、ほんとにYohji Yamamotoだったそうです。すごっ!高っ!カバンもルイ・ヴィトンだったしね。

 一番笑ったセリフは、カスミ(内田慈)のオナニー撮影を見ていてリカコ(安藤玉恵)が言ったひとこと。「緩急がない!」
 2歳の子供がいるシングル・マザーで、元レディースのマリア(玄覺悠子)の苗字が、安倍(漢字は失念)だったことにも爆笑。アヴェ・マリアだよっ。
 最後の最後は、ふんわりと暖かなセリフでした。リカコ(安藤玉恵)が携帯電話の向こうの相手に「愛してる」。

 客席にエレガントな永井愛さんとセクシーな小島聖さんを発見。お二人ともめちゃ笑ってらっしゃいました。


 ≪ポスト・パフォーマンス・トーク≫ 出演=安藤玉恵/溝口真希子/乾貴美子

 ・いつものポツドール公演との違い
 作・演出の三浦大介さんは、ほんの1cmの動きについても指定するような「神経質な(安藤さん曰く)」方で、「お稽古はとても厳しい」そうです。その点では、今回の溝口さんは厳しくはなかったとのこと。
 でも衣裳とヘアメイクについてのこだわりは尋常ではなく、ネイルの色や持ち物(携帯、かばん)等、すべてに細かい指定があったそうです。そういえばマリアの赤いネイルはガンガンに剥げかけていたし、ナッチの携帯にはくまのぷーさんのぬいぐるみが付いていましたね。

 ゲストの乾貴美子さんがほとんど進行をされていましたが(笑)、楽しいトークでした。

出演=安藤玉恵/岩本えり/内田慈/玄覺悠子/佐山和泉(東京デスロック)/米村亮太朗/富田恭史(jorro)/鷲尾英彰
脚本・演出=溝口真希子 照明=伊藤孝(ART CORE design) 音響=中村嘉宏(atSound) 舞台監督=清沢伸也 舞台美術=田中敏恵 映像・宣伝美術=冨田中理(Selfimege Produkts) 演出助手=富田恭史(jorro) 尾倉ケント(アイサツ) 小道具=大橋路代(パワープラトン)/鷲尾英彰 衣装=金子千尋 写真撮影=曳野若菜 制作=木下京子 広報=石井裕太 当日運営=山田恵理子(Y.e.P) 制作助手=安田裕美(タカハ劇団)/吉永紘朗(アイサツ)/青木理恵/安見和子 協力=(有)マッシュ/にしすがも創造舎 企画・製作=ポツドール
アフタートーク=7/5(水)乾貴美子(タレント) 6(木)廣木隆一(映画監督) 7(金)バクシーシ山下(AV監督)
映画『はつこい』(三浦大輔・溝口真希子監督)同時公開。追加公演7月10日(月) 14:00
発売=5/21 前売り・予約=2800円(全席指定) 当日=3300円
公式=http://www.potudo-ru.com/

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
●●●人気blogランキングに参加中!ポチっとクリックしていただけると嬉しいです。●●●
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガ↓↓↓にも、ぜひご登録ください!

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 2006年07月06日 11:44 | TrackBack (4)