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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年07月17日

椿組06年夏・花園神社野外劇『GS近松商店』07/13-23花園神社境内野外ステージ

 夏恒例、椿組の花園神社での野外公演です。毎年続けてくださることに、まず感謝。今回の作・演出は鄭義信さんWikipedia)です。
 今日は大雨の中、豪華キャストが体を張っての大熱演!約3時間(途中休憩15分を含む)の上演時間はちょっと長いですが、野外ならではの熱気とサービスに大満足でした。岡田義徳さん、凄かったわ~っ。
 
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 レビューをアップしました(2006/07/18)。

 ≪あらすじ≫
 関西地方の田舎の、とある小さな村(たしか日野辺町?)の暑~い夏のお話。大型スーパーが進出してくるため、地元の店舗はどこも経営が上手くいっていない。村の青年が集まって夏祭り用の芝居の稽古をしたり、野球チーム&チアリーダーを編成して盛り上がったり、村内での活動は少々いきすぎと取れるほど活発ではあるが、閉塞感はぬぐえない。 
 ガソリン・スタンド近松商店は、左足が不自由な菊子(馬渕英俚可)が一人できりもりしている。菊子の夫(各務立基)は浮気に忙しく、夫婦らしい生活はここ数年していない。菊子の兄・幸一(山本亨)は酒屋の店主で、中国人ホステス・リンユー(藤田記子)と結婚したいと思いつつ、人が良すぎていつも誰かの世話ばかりしている。実は自分が借金で首が回らない。
 どもりでニートの光(岡田義徳)は気が短くて喧嘩っ早い男で、村のみんなにも仲間はずれにされがち。ある日、菊子に優しくされて、光は毎日のように近松商店に通うようになり・・・。
 ≪ここまで≫

 体力勝負のギャグと、天晴れな明るさのお色気が盛りだくさん。役者さんは老いも若きも全力投球で、土のステージを駆け回ります。馬渕英俚可さん、岡田義徳さん、山本亨さんら大スターが、普段の大きな舞台ではなかなか観られないキャラクターを演じられているのもみどころ。山本さんの酒屋ルックはほんとに可愛かった♪
 いかにも湿っぽい、お涙頂戴なムードを出す演出もありましたが、それも野外劇という枠組みの中では気にしないでいいのだと思います。むしろわかりやすくて良いのかも。
 一人一人の役者さんに見せ場があって、愛のある脚本&演出だな~と思いました。ただ、上演時間は長すぎますよね(笑)。

 村の青年たちは、どうしようもない閉塞感と行き場のなさが漂う日常を、必死で明るく盛り上げようとします。その彼らが後半になって突然、人が変わったような行動に出るのが恐ろしいです。祭りのにぎわいと背中合わせの深い闇に、真実味がありました。

 登場人物の名前が関西の地名(天王寺、猪飼野、西成、阿倍野、東成、平野、鶴見、住吉など)になっていて可笑しかった。

 ここからネタバレします。

 タイトルの「近松」は、すなわち世話物(心中物)ってことなんですね。チラシに書いてありました。※近松門左衛門についてはこちらに詳しいです(Wikipediaもどうぞ)
 幸一の親友・天王寺(恒松敦巳)が不渡りを出して自殺し、その借金をかぶるはめになった幸一も、リンユーと心中してしまいます。さらに、この小さな町から二人で逃げ出そうとしていた菊子と光も、互いに相手の幸せを心から願いながら自分の殻を抜け出せず、死ぬ運命になります。びっくりするほどアン・ハッピー・エンディング(笑)。でも菊子と光の死に方がド迫力&痛快!。水まみれ、泥まみれでのたうちまわります!光役の岡田さんの熱さには嘘がなかったですね。

 光が菊子に愛の告白をし、彼女の素足にキスするラブシーンが色っぽかった~っ!岡田さんも馬渕さんも、すばらしい役者さんだ。

 大雨のおかげで役者さんは大変だったことと思います。ラストの花火の火がつかないなどのハプニングもありましたが、それはそれ♪必死でがんばってる姿が見られただけで幸せです。観客としては暑くなかったのも超ラッキーでした。

出演=馬渕英俚可(ホリプロ)/岡田義徳(アミューズ)/山本亨(tpt)/各務立基(花組芝居)/恒松敦巳/田渕正博/木下藤次郎/犬飼淳治(扉座)/井上カオリ/長嶺安奈/藤田記子(カムカムミニキーナ)/津村知与支(モダンスイマーズ)/吉田麻起子(双数姉妹)/辻親八/宮島健/伊藤新/林栄次/宮本翔太/鳥越勇作/石原和海/李峰仙/和泉歩/岡村多加江/下元史朗/清郷流号/水野あや/絵沢萠子/外波山文明 生演奏: 楾-はんぞう[尺八・横笛 紫竹芳之  三味線 小野越郎]
作・演出:鄭義信 照明:沖野隆一(RYU CONNECTION) 美術:加藤ちか 音響:青蔭佳代(音スタ) 衣裳:出川淳子 振付け:伊藤多恵 演出助手:柴田次郎 殺陣:栗原直樹(WGK) テント設計:大塚聡 テント設営:東弘英 舞台部:桑原淳・根本大介・林春野 照明スタッフ:岡野文寛・嶋野潤子 衣裳協力:ASAMI・東京衣装 舞台監督:吉木均 制作:佐野寿衛子・鳥居しのぶ・西口真生 宣伝美術:黒田征太郎/長友啓典/上浦智宏/中村・・・・+K2
前売開始6月1日 指定席=前売り4.500円 (毎ステージ・限定50席) 自由席=前売り4.000円 当日4.300円(日時指定・整理番号付き自由席)
公式=http://homepage2.nifty.com/tubakigumi/
公演公式=http://homepage2.nifty.com/tubakigumi/06natu.html

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Posted by shinobu at 2006年07月17日 23:55 | TrackBack (0)