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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2006年09月21日

Studio Life『夏の夜の夢』09/07-10/01シアターサンモール

 男優集団Studio Life(スタジオ・ライフ)。私は2000年の『DRACULA(ドラキュラ)』から拝見しています。まあ、いわゆるファンですね、率直に言って(笑)。初めてのシェイクスピアということで、期待半分、不安半分で伺いました。

 私は奥田努さん、曽世海児さん目当てでYippee!チームを拝見。なんとチラシのメインビジュアルになっている小野健太郎さんが怪我のため降板し、パック役はWow!チームの倉本徹さんでした。早く治っていただきたいですね。
 上演時間はたっぷり3時間5分(途中休憩10分を含む)。開演前と休憩時間の女性トイレは長蛇の列になります。

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 『夏の夜の夢』のあらすじはWikipediaでどうぞ。

 劇団サイトのTOPページに舞台写真が載っています(2006/09/21時点)。奇抜な色合いの衣裳と、角ばった装置・・・。照明もペカペカしてました。超メジャーなクラシック音楽や映画音楽、ポップスなどが節操なく流れ、全体の調和や統一感がありません。親しみやすくて身近な感じはするかもしれませんが、私は苦手でしたね。

 なんと音楽劇、でした。70年代のアメリカン・ポップスに日本語訳を新たにつけて、それをメインの登場人物が歌って踊ります。でも歌も踊りも上手いわけではありません。出演者の中にお目当ての役者さんがいれば、微笑ましく観ていられるのでしょう。いつも大真面目に、ドラマティックにストレート・プレイを上演している劇団が、お笑い、おふざけ中心に作品作りをしています。一種のお祭りですね。お目当ての役者さんの意外な一面を発見できるという点では、ファンにとっては格別のイベントかもしれません。

 ここからネタバレします。

 パック(倉本徹)に間違ってホレ薬を塗られて、ハーミア(岩崎大)、ライサンダー(曽世海児)、ヘレナ(坂本岳大)、ディミートリアス(奥田努)の四角関係がこんがらがるシーンが一番の見どころだと思います。第一幕の終わりごろにその変調が見られ、第二幕で爆発します。

 岩崎大さんが演じるハーミアは「デカ女!」と罵声を飛ばされ(岩崎さんは長身です)、おしとやかだった第一幕の印象が完全に崩れ去るほど暴れまわります。ライサンダー(曽世海児)も一幕のクールな紳士からアクション全開キャラに一変し、ギャップが楽しいです。その他にもライサンダーは「Get Down!」、ディミートリアスは「Oh, Yeah!」が口癖だという設定だったり、色んな工夫がありましたね。息を弾ませて汗だくになって、舞台を飛び回る役者さんはまぶしいです。

 意味を加える演出として面白かったのは、アテネ公シーシアス(牧島進一)とアマゾン国のヒポリタ(舟見和利)の関係です。母国から無理やり連れてこられたヒポリタはシーシアスとの結婚に乗り気ではなく、ボトムら職人たちの劇中劇に心打たれはじめて、自ら進んで結婚するというストーリーになっていました。パンフレットの対談(翻訳の松岡和子さん&演出の倉田淳さん)に書かれていたことですね。
 倉田「今回のStudio Lifeの公演ではヒポリタにかなり焦点を当てているんですが、ヒポリタもアマゾンから無理矢理連れてこられた女性でしょう?自分の祖国を滅ぼした男性に『好きだ』と言い寄られても、なかなか心を開けないのはそりゃ当然だろうと思いました。」

 やっぱりダントツで魅力的なのは妖精の女王ティターニア役の林勇輔さん。歌も上手いし言葉も立体的です。ギャグも面白いしサービス満点。Studio Life以外での活躍も観たいですね。
 ディミートリアス役の奥田努さんは徹底したコメディアン振りを見せてくださり、期待を上回る面白さでした。意外だったな~(笑)。

出演=【Yippee!チーム】岩崎大/坂本岳大(劇団昴)/奥田努/曽世海児/小野健太郎【Wow!チーム】松本慎也/関戸博一/楢原秀佳/山本芳樹/倉本徹 【両チーム共通】林勇輔/深山洋貴/舟見和利/青木隆敏/篠田仁志/牧島進一/下井顕太郎/荒木健太郎/三上俊/仲原裕之/冨士亮太/政宗/山崎康一/石飛幸治/藤原啓児/河内喜一朗
作=W.シェイクスピア 翻訳=松岡和子 上演台本・演出=倉田淳 美術=松野潤 照明=森田三郎 舞台監督=北条孝・土門眞哉(ニケステージワークス) 音響=竹下亮(OFFICE my on) ヘアメイク=角田和子 衣裳=竹原典子 振付=TAKASHI 歌唱指導=萩原かおり 美術助手=渡辺景子 演出助手=平河夏 宣伝美術=河合恭誌・菅原可奈(VIA BO, RINK) 宣伝写真=薮田修身 宣伝ヘアメイク=角田和子 小道具=高津映画装飾 デスク=釣沢一衣 揖斐圭子 制作=稲田佳雄 中川月人 赤城由美子 大野純也 細野尚子 荒川ちはる 制作協力=東容子 縄志津絵 宮澤有美 小泉裕子 八木美穂子 大田香織 宣伝/PR=松本理永/丸山隆子/頼廣直子/五十嵐洋美(SUNNY SIDE UP) 協力=舞台屋 参考出展=ちくま文庫 企画・制作=Studio Life
公式=http://www.studio-life.com/

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Posted by shinobu at 2006年09月21日 18:28 | TrackBack (0)