2006年04月08日
映画「空中庭園」(アスミック・エース)

空中庭園
メルマガで何度もお願いしておりましたら、ご親切にもお薦め日本映画を教えてくださった方がいらっしゃいました!!映画の国のチヒルカさん、ありがとうございます!!
さて、はりきって観てみた「空中庭園」ですが・・・残念ながら私の好みではなかったですね。でもカメラワークは面白かったし、終始一貫して作り手の本気が感じられる作品でした。
しっかしキッツイ話ですね~(笑)!もーヘラっと笑うしかないってぐらいのドロ沼ですよ。こういうの多いのね、演劇も映画も。
こんな嘘っこ家族や恋人(愛人)関係は実際に存在すると思いますが、ここまで状況がことごとくハードなのって、少々くどい気も・・・。私には小説で読むとちょうどいいのかも。
ここからネタバレします。
“家族間では秘密を作らない”というのをルールにして、父と母がどこでセックスしたかまで子供にしゃべっちゃうっていうのは・・・みっともないなーと思いました。貧しいなー、とも。
「赤ん坊は血まみれになって泣き叫びながら生まれてくる」っていうのは、病院出産が常識だとされている現代の思い込みなんじゃないかな~。わざわざ泣かなくても肺呼吸を始めるきっかけさえあればいいわけで、泣きながら生まれない子もいるんですよ。そういう意味でラストとかは・・・がんばってるシーンだけど私には響かなかったですね。単純に気持ち悪いし(笑)。
あと、ハッピーエンドになる展開が、速くてあっけなさ過ぎるんじゃないかなと思いました。まあハッピーって言っても一時的なものかもしれませんが。
思い出を夢で書き換えていくっていうのには共感しました。そうやって人間はやっとこさ生きていけるんですよね。そして、思い出ってけっこう思い込みで勝手に作っちゃってますよね(苦笑)。
ケーキのろうそくを吹き消しながらつぶやく、さっちゃんの「やり直し。繰り返し。」という言葉が素敵でした。
さっちゃん役の大楠道代さんは迫力がありました。ソニンさんもめちゃヤな女で良かった。
「学芸会」ってのは言いえて妙でしたね。しかも幼稚園の、だし。
さて、勝手に5つ星評価。
★☆☆☆☆ お薦めできない
★★☆☆☆ 好みじゃないけど観てよかった
★★★☆☆ 面白かった
★★★★☆ お薦めです
★★★★★ 人生変わるほど感動!
「空中庭園」は★★☆☆☆です。
出演=小泉今日子/鈴木杏/板尾創路/広田雅裕/國村隼/瑛太/今宿麻美/勝地涼/ソニン/永作博美(特別出演) /大楠道代/ほか
監督=豊田利晃 プロデューサー=菊地美世志 企画=孫家邦/森恭一 原作=角田光代『空中庭園』(文藝春秋刊) 脚本=豊田利晃 撮影=藤澤順一 美術=原田満生 衣装=宮本まさ江 編集=日下部元孝 主題歌=UA『この坂道の途中で』 ヘアメイク=小沼みどり/徳田芳昌 照明=上田なりゆき 録音=柿澤潔 助監督=宮城仙雅
公式=http://kuutyuu.com/
情報=http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=322414
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小指値『ツェラーシュバルツカッツ』(コミック編)4/8, 15, 22, 29渋谷LE DECO 4F
小指値(こゆびち)は北川陽子さんが作・演出される多摩美術大学出身のユニット・・・だと聞いています(公式サイトで確認できない・・・)。演劇というよりパフォーマンス寄りの作品を創作されているようですね。私は初見です。
4/1(土)の初日後に急遽会場が変更になったということで、渋谷の方に伺いました(もともとはSAIスタジオ)。大変ですよねー・・・。
3ヶ月変則連続公演ということで4月は「コミック編」、5, 6月は「論文編」ですが、「論文編」については会場が決まっていないそうです。詳細はこちら。
あらすじには作、演出の北川陽子さんが
「小指値のパフォーマンスというのは、技術ではありませんコンセプトです。どうやって世界を見るのか、ただそれだけです。」(改行を変更)
と書かれています。あくまでも「コンセプトであって技術ではない」とのこと。たしかに技術はなかったです。だったらコンセプトが面白くないとね~・・・。
いやいや、「コンセプトが面白ければ技術はなくていいのか?」というと、もちろんそうではないと思います。パフォーマンスって難しいですよね。起承転結のある物語だったら、脚本の面白さだけでけっこう観ていられるんですよね。
今、自分達が感じていることや、個人的に興味を持っていることを、ただ吐き散らしているだけのように見えました。若いな~と思いながら普通に眺めてましたけど、前売り2000円の公演だと考えると若いとか年寄りとか関係ないんですよね。上演時間は1時間足らずで良心的だと思いました。
ここからネタバレします。
雄猫、ハト、ハエ、小学生、石、TORIO under wear 東京支社 営業部(の女)、雌猫が登場します。
雄猫はほぼ全裸だったのに、観るに堪えないという状態でなかったことは素晴らしいと思います(何人かは「観るに堪えない」状態でしたが)。しかしながら、全員、“観る必要性”は感じませんでした。
パンフレットの【ご挨拶】に、TORIO under wear 東京支社 営業部を演じた篠田千明さんが
「意味を捨てた体が否応なしに意味を獲得した時
そこにある体は圧倒的で美しく、生きている事の絶対の肯定がある。」
と書かれています。もしそれを目指してらっしゃるのでしたら、今作はその目的からは遠いところにあると言わざるを得ません。
TORIO under wear 東京支社 営業部役の篠田さんが、携帯電話で「パンツ買って!だってあんた友達でしょ?」などと、ほぼ脅すような口調で営業活動をしていました。そしてラスト近くでは登場していた役者さんが全員パンツ(おそらくTORIO under wearの商品?)を見せたんです。「なんだ、みんな履いてるのね」「けっこうかわいいパンツだなー」ぐらいに思ってたんですが、なんと当日パンフレットにTORIO under wearの宣伝が載っていました・・・興ざめです。芝居全体をパンツ販売の宣伝に使っちゃったってことですよね。
「コンセプト」とか「意味を捨てた」とか書かれていますが、宣伝しちゃったらそれはちゃんとした宣伝ですし、しっかりとした意味があります。
全裸でじっと座っている石役の大道寺梨乃さん、足を怪我されているようにお見受けしました(汚れかもしれないけど)。どうぞ皆さん、熱演しすぎて怪我をされませんように。
※今作のような作品をいつも上演されているわけではなさそうなので、一度見ただけでは真価はわからないかもしれません。
"ZELLER SCHWARZE KATZ" キャッチコピー「世界はお前じゃないけどお前は世界なんだよ、バーカ」
原案=小指値 作・演出=北川陽子 振付=野上絹代 ダンス指導=大道寺寿文 美術=佐々木文美 衣装=藤谷香子 音響=篠田千明/北川陽子 照明=篠田千明/北川陽子 撮影=高田寛之/小玉哲也 写真=加藤和也 制作=木元太郎/佐藤すずみ/戸田なつこ 宣伝美術=天野史朗/鶴松理恵
出演=天野史朗 /篠田千明 /大道寺梨乃 /辻村優子 /中林舞 /野上絹代 /山崎皓司
前売開始3月12日 毎週土曜日夜20時開演
学生1,500円 学生当日2,000円 前売2,000円 当日2,500円
公式=http://www.koyubichi.com/
渋谷LE DECO=http://home.att.ne.jp/gamma/ledeco/
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