2006年06月28日
LEMON LIVE『純粋人~Juliet~』06/28-07/02駅前劇場
LEMON LIVE(レモン・ライブ)は斎藤栄作さんが作・演出・プロデュースされるユニットです。出演者は公演ごとに集めるんですね。プレビュー公演にお邪魔しました。上演時間は約1時間45分。
『純粋人』と書いて「ジュリエット」と読むこの作品、チラシの情報やメインビジュアルからは全く想像もつかなかった、意外な舞台設定にびっくり!駅前劇場だってことも忘れちゃう瞬間がありました。“駅前劇場っぽい作品”というものが私の中にある程度か固まってきているんですが、それと違ったんですよね~。
演劇的な側面が生かされている、ちょっと珍しいタイプのエンタメ系演劇のような気がしました。
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レビューをアップしました(2006/07/04)。
≪あらすじ≫
舞台は16世紀のイギリス。宮内大臣一座の売れっ子脚本家・シェイクスピア(有馬自由)の心は、すっかりワールドカップサッカーが開催されているドイツに飛んでいて、新作の筆が全く進まない。業を煮やした興行主のフィリップ(有川マコト)はシェイクスピアを稽古場に閉じ込めた。「新作が書きあがるまでここから出るな!」
シェイクスピアは稽古場で、一座の役者達の日常を目撃することになる。特に目立った問題はというと、ギャンブルにはまったポール(本間剛)がトーマス(上田裕之)から借金をしていること。ポールは返済のために他の座員に借金をしていき、いつの間にかポール以外の座員たちも借金の連鎖に巻き込まれていく。実はこの事件の裏には、ある企みがあったのだ。
≪ここまで≫
シェイクスピアが登場するのにワールドカップの話題が出るというすごく斬新な、というか、冒険心あふれる設定です。「舞台は16世紀のイギリスだよ!」という前説の直後に「ドイツ行きてーっっ!!」ですから(笑)。最初のひとことで度肝抜かれるってこのことです。
シェイクスピアものらしく、ちゃんと『夏の夜の夢』や『ロミオとジュリエット』などを題材にした劇中劇があり、役者さん自身をネタにしたノリのいいギャグもあり、構造に工夫と奥行きがあって見どころの多い脚本でした。
そしてチラシの情報からの期待どおり、芸達者な男優さんの創意工夫に笑わせてもらいました。皆さん一人でしっかりと舞台に立っている方ばかりなので、リラックスして心を舞台に任せていられました。
ただ、初日だったせいもあるかと思いますが、段取りが見えてしまうことが多かったのは残念。「よし、行こう!」と言いきってから袖にはけたり、前のセリフが終わるのを待ってセリフを言い始めたり。演出についてはもっと改良できるところがあるのではないかと思いました。
これからも公演ごとに出演者を集めるプロデュース形式になるようですが、どういう方向(作風)に進まれるのか、どんな方が出演されるのかが楽しみです。
ここからネタバレします。
座長のリチャード(西ノ園達大)が新劇場建設の資金繰りのためにカジノを経営し、座員から金を巻き上げ、さらに小道具係のロン(権藤昌弘)の土地を奪おうとしていた・・・というのには驚きました。私はリチャードを陥れるためにシェイクスピアが書いた筋書き(ロンが狂言自殺する)にも見事にハメられて、最後のどんでん返しも存分に楽しませていただきました。
ただ、最後の最後の締めはちょっと・・・リチャードがそのまま座長の座に君臨し、ロンは世界旅行に出かけてハッピーエンドっていうのは、無理があるかなと思いました。
出演=有馬自由(劇団扉座)/西ノ園達大(TEAM 発砲・B・ZIN)/有川マコト(絶対王様)/松原綾央(花組芝居)/権藤昌弘(飛ぶ劇場)/本間剛/内田びん太(俳協)/上田裕之
作・演出=斎藤栄作 照明=佐藤公穂 音響=小笠原康雅(OFFICE my on) 衣裳=神場やす江 舞台監督=筒井昭善 演出助手=山神友恵 写真・宣伝美術=垣内敏秀(コマンドエヌ) 映像撮影=渡正人 制作=橋本香苗(コマンドエヌ)/こばちえ(コマンドエヌ) 企画・製作=レモンライブ
前売開始5月28日(日) 全席指定3,800円 ※プレビュー公演のみ3,000円 小学生未満のお子様のご入場はご遠慮ください。
公式=http://www.lemonlive.net/
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TOKYOSCAPE『第2回東京ワークショップ成果発表』06/27森下スタジオ
第2回TOKYOSCAPE東京ワークショップの成果発表会です。入場料500円で上演時間はなんと約2時間30分でした。
⇒紹介記事 ⇒第1回のレポート
ひとつの戯曲(鈴江俊郎・作『髪をかきあげる』)を元にした6種類の短編が観られるのは本当に面白いです。
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★内藤達也クラス(bird's-eye view)
ダンボールやカップ麺のゴミ、目覚まし時計などが散らばるステージ。最初のカップルが積み木をぶちまけて、さらに歩く場所もない状態。
男女一組ずつがほぼ順番にステージに出てきて会話をするのですが、たぶん戯曲からではなく創作したセリフのようです。見どころ(危険?)なのは、二人とも黒いアイマスクをしているので目が見えていないこと。足元がおぼつかないのに手探りでお互いを探しあったり、ダンボールを放り投げたり。客席もハラハラです。※全部のカップルがアイマスクをしていたわけではありません。
そういうハプニングを楽しみ、役者単体としても魅力を発揮し、さらに対話を成立させて作品全体にも貢献する・・・というのは至難の業ですよね。あともう一歩踏み込んだものが観たかったです。
★長谷基弘クラス(劇団桃唄309)
第1回と同様、ワークショップ期間はじっくりと戯曲解釈をされたそうです。2間×2間の舞台で『髪をかきあげる』を上演。子供を亡くした夫婦がほたるを探して散歩しているシーンが多かったですね。前回の『knob』は全体を見事に濃縮還元されたと思いましたが、今回は断片のつながり・・・だったのかな。役者さんの静かで落ち着いた存在感に安心できました。
★詩森ろばクラス(風琴工房)
8組のカップル(男女&男男)が子供を亡くした夫婦の短い対話を順番に演じます。やっぱり風琴工房の所属役者さん(松岡洋子/宮嶋美子/山ノ井史)が目立ってしまうんだな~。まあ仕方ないですが。
松岡さんと男性のカップルと山ノ井さんと男性のカップルが、同じセリフなのに全然違う会話になっていたのが面白かったですね。山ノ井さんの相手役の男性がものすごくキュートで、上目遣いな女の子っぽさが成宮寛貴さんみたいでした。もちろん山ノ井さんもすっごく可愛かったですけど。
★明神慈クラス(ポかリン記憶舎)
人間の発語が“声”になる前のため息やあえぎ声、舞台に立つということの前段階・・・を土台に創作された、のでしょうか(明神さんの前説はそのようなことだったと記憶します)。作品としてダントツに面白かったです。
出演者全員が黒および黒に準じた色のスーツ姿で、シーンの合間にナースが2人登場します。セリフはほぼなし。動きはパントマイムに近いような。テーマは求愛行動、かな。爆笑&うっとり&しっとりできて、すっかり発表会であることも忘れて見入ってしまいました。
あと、懐中電灯を首からぶら下げていた女性2人は・・・なぜナースなんだっ?!ナースである必然性ゼロですよね?ナースぼたる??無駄にエッチで私のツボ(爆笑)!!
★山田裕幸クラス(ユニークポイント)
『髪をかきあげる』が書かれたのが、阪神淡路大震災があった1995年だったことなどをモチーフに、創作されたそうです。出演者が震災の時に何をしていたのかを実名・実年齢込みで話したりしました。本人と戯曲とをつなぐってことだったのかな。劇団の姿勢がうかがえますよね。
その他は戯曲の中から抜き出してきたセリフを、わざと会話にならないやりとりとして話したり。うーん・・・とってつけた感じがしちゃって苦しかったです。
★夏井孝裕クラス(reset-N)
作品づくりにあまり時間が取れなかったとの前説あり。集まった生徒が面白すぎたそうです。
鈴江戯曲は静かな演劇だととらえられがちだけれど、本当は「もっと吠えたい」と思って書かれているのではないかと解釈し、“喧騒の中で叫んでいる”状態をイメージして創作した、とのこと(うろ覚えです)。
前回同様、役者さんが舞台に立つ、その在りかたが問われた時間だったように思います。セリフを発する直前、話している間、そして話し終わった瞬間と余韻。この一連の演技で役者さんの状態が完全にバレちゃうんですよね。そこに、本当に、居るかどうか。やっぱり「役者の品評会」になっていました。なので、目立つ人もちらほらと見つけられました。
《全体の感想》
ひとつの戯曲を6種類の演出で、というのがこの成果発表会の最大の魅力であり、アイデンティティだと思います。
参加人数は延べ55名だったそうです。紹介記事にも書きましたが、このワークショップは複数クラス受けた方がお得です。世界が広がります。
《心に残った役者さん》
残念ながらステキだな~と思ったり心に残った出演者は、講師のカンパニーに所属している役者さんばかりでした。仕方ないというよりは、そうなるべくしてなった結果ですよね。
公式=http://www.tokyoscape.org/
東京ワークショップ=http://www.tokyoscape.org/products/tokyows2/
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