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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2007年02月20日

日仏国際共同制作公演『遊*ASOBU』01/26-02/03世田谷パブリックシアター

 2006年夏のアヴィニョン・フェスティバルでオープニングを飾ったダンス公演です。日仏国際共同制作なんですね。かっこいいチラシビジュアルで気になっていたんですが、CoRich舞台芸術!のクチコミでやっときちんと認識して、チケットをゲットしました。
 出演者だけでなくスタッフもフランス人、日本人が混ざっています。たとえば照明はフランス人で、衣裳は日本人、のように。

 ⇒CoRich舞台芸術!『遊*ASOBU

 東京公演は終了していますのでここからネタバレします。

 決まった1本のストーリーが流れているようには思いませんでした。断片が断片のまま繰り出されていくような・・・。意味とか筋道とか、理由とか、全然わからなくていいんだと思って、ただただ目、耳、身体に伝わってくるものを受け止め続けました。
 ひとりで立ってじっと何かを眺めている木の人形、馬と人の白黒映像、長い机にずらりと並んで座るダンサー、可動式の能舞台のような四角い台・・・。

 音楽はノイズとまでは行かないけれど、決してわかりやすいメロディーがあるわけではなく。パーカッションの音が身体感覚の記憶として残っています。そう、生演奏だったのがすごく嬉しかった。

 出演者はみな墨色の衣裳を着ています(このまばらな墨色がかっこいい!)。男性はジャケットとパンツ、女性はそれぞれ形の違うワンピース。色も形もおしゃれでかっこいいなーと眺めていて気づいたんですが、型のあるスーツではないしドレスでもないんですね。いろんな国の風俗が混ざっているように見えてきました。

 国籍とか主義とか宗教とか肌の色とか性別とか・・・この世界には人間を種類分けするさまざまな尺度があります。その尺度を全部アリにして、一人一人が別々・ばらばらのまま、『遊*ASOBU』という作品の中に点在・混在しているように感じました。まばらな動き、一元化させない空気。それが最高にクール&ハッピーでした。FM西東京「たけがき2」でも、少しだけそんなお話させていただきました。

 私個人としては、黒田育世さんのダンスが一番好きでした。シビれました。

2006年フランス/アヴィニョン・フェスティバルのオープニングを飾った、ジョセフ・ナジ演出・振付による日仏国際共同制作作品。
本作をトマ・エルドスに捧ぐ 初演:2006年7月7日 アヴィニョン・フェスティバル、パレ・デ・パッブ
振付・演出=ジョセフ・ナジ 作曲=アコシュ・セレヴィニ/シラルド・メゼイ 振付助手=青山眞理子 照明デザイン=レミ・ニコラ 舞台装置=ミシェル・タルディフ・アトリエ・デュ・フェスティバル・ダヴィニョン 美術=ジャクリーヌ・ボッソン 衣裳デザイン=大友康子 映像コンセプト=ティエリー・ティボドー 技術監督=セバスチャン・デュポン 舞台監督=ローラン・グリヨン 照明=クリスチャン・アルカン 映像=ティエリー・ティボドー 音響=ジャン=フィリップ・デュポン 制作=マルティーヌ・ディオニジオ
出演:ギョーム・ベルトラン、イストヴァン・ビチケイ、ニカノール・デ・エリア、ピーター・ゲムゾ、パナヨッタ・カリマニ、マチルド・ラポストル、セシル・ロワイエ、ナセール・マルタン=グセ、ジョセフ・ナジ、ギョルク・ソコニ、黒田育世[BATIK]、斉藤美音子[イデビアン・クルー]、田村一行[大駱駝艦]、捩子ぴじん[大駱駝艦]、塩谷智司[大駱駝艦]、奥山裕典[大駱駝艦] 演奏=アコシュ・セレヴィニ/シラルド・メゼイ/ジルダス・エトヴェナール/エルヴィン・マリナ
日本公演スタッフ プロダクションマネージャー=堀内真人 
一般前売開始:2006年12月3日(日) 一般:¥4,800 SePT倶楽部会員:¥4,300(前売のみ) 世田谷区民(※):¥4,500(前売のみ) スイート割引(※):¥4,000(同時に2枚以上ご購入の場合の2枚目以降に適用/日時不問/前売のみ) 学生席(TSSS):一般料金の半額(要事前登録/枚数限定/詳細・申込はSePTオンラインチケットへ) ※世田谷区民割引、スイート割引は、くりっくチケットセンターのみ取扱い。
公式=http://setagaya-ac.or.jp/asobu/

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Posted by shinobu at 2007年02月20日 13:52 | TrackBack (0)