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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2007年05月18日

ナイロン100℃『犬は鎖につなぐべからず』05/10-06/03青山円形劇場

 7つの岸田國士(きしだ・くにお)作品をある町内で起こったお話としてまとめた、ナイロン100℃の本公演。“日本の近代劇の創始者”といわれる岸田國士戯曲を7本一度に味わえるお得な公演、とも言えますよね。上演時間は10分の休憩を含む3時間。当日券が出ていました。

 空調が寒かったので休憩時間に劇場スタッフの方にお伝えしたんですが、円形劇場ってなかなか温度が変わらないみたい・・・。

 ⇒CoRich舞台芸術!『犬は鎖につなぐべからず』 

 和風のわびさび感も少々付加されたポップでおもちゃっぽい美術。役者さんは基本的に和装(和装監修:豆千代)で登場します。何度も着替えてくださって、それはそれは見ごたえがありました。衣裳、最高でしたね。わんさかと踊りながら(振付:井手茂太)場面転換するのがにぎやかで、音楽も良かったです。

 岸田國士作品を一度に沢山観られたのが何よりの収穫でした。でも、もっと面白いはずなんじゃないかな・・・と思うこともありました。
 ナイロン100℃っぽいナンセンスをがっちりと体現する、個性のはっきりしたキャラクターが登場します。何かしらの目的のために狙いを定めて演じる技術はさすがだなと思いますが、今の私はそういう演技にはあまり魅力を感じないんですよね。素敵だなと思ったのは「屋上庭園」で並木(植本潤)の妻を演じられた植木夏十さんでした。

 新国立劇場で2008年3月に『屋上庭園/動員挿話』が再演されます。また楽しみになっちゃったな。

NYLON100℃ 30th SESSION ~岸田國士一幕劇コレクション~
「犬は鎖につなぐべからず」「隣の花」「驟雨」「ここに弟あり」「屋上庭園」「ぶらんこ」「紙風船」
出演=松永玲子、みのすけ、村岡希美、長田奈麻、新谷真弓、安澤千草、廣川三憲、藤田秀世、植木夏十、大山鎬則、吉増裕士、杉山薫、眼鏡太郎、廻飛雄、柚木幹斗、緒川たまき、大河内浩、植本潤、松野有里巳、萩原聖人
脚本=岸田國士 潤色・構成・演出=ケラリーノ・サンドロヴィッチ 和装監修=豆千代 振付=井手茂太 舞台監督:福澤諭志+至福団 舞台美術:加藤ちか 照明:関口裕二(balance,inc.DESIGN) 音響:水越佳一(モックサウンド) 映像:上田大樹(iNSTANT WiFE) ヘアメイク:武井優子 大道具:C-COM舞台装置 小道具:高津映画装飾 演出助手:山田美紀(至福団) 宣伝美術:坂村健次(C2デザイン) 宣伝写真:小木曽威夫 イラスト:フカザワテツヤ 宣伝ヘアメイク:山下まきえ/山本絵里子 舞台写真:引地信彦 制作助手:市川美紀/土井さや佳/寺地友子/松田美緒 制作:花澤理恵 お問合せ・企画・製作=(株)シリーウォーク
【発売日】2007/03/17 前売¥6,000/当日¥6,500(全席指定)
http://www.sillywalk.com/nylon/

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Posted by shinobu at 2007年05月18日 13:06 | TrackBack (0)