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REVIEW

2007年09月02日

Theatre Sol:Tokyo Project『Living on Stone Rice(石の米をかてに)』08/29-09/02こまばアゴラ劇場

 パク・ソヒさんと広田豹さんが出演されていて、終演後に平田オリザさんが出席されるシンポジウムがあったので、伺いました。

 劇場に着いてみたらソヒさんと広田さんは降板、シンポジウムは別会計(公演を観た人は500円)という・・・。非常に残念でした。

 ⇒CoRich舞台芸術!『Living on Stone Rice

 ≪作品紹介≫ 劇場サイトより。
 オーストラリア出身の演出家・シンベリン・ビューラーと、日本人俳優による共同創作プロジェクト。これは2005年にビューラーが講師を務めた日本演出者協会主催のワークショップから立案された企画であり、今後彼女が世界各国で継続していく戦争プロジェクトの第一弾となる。
 実体験に焦点をあてるところから創作を行うビューラーが、オーディションで出会った気鋭の俳優たちと、演劇を通じて戦争の残滓を見つめていく。
 ≪ここまで≫

 ≪「Stone Riceとは?」≫ 公式サイトより
 Stone Riceとは、おびえながら食べる米。Stone Riceとは、私たちの内部に生きている歴史を探すとき、森の中に転々と続く小石のようにたどる道しるべ。"Living on Stone Rice" (石の米をかてに) は、第二次世界大戦から現代まで、日本社会の深層に脈々と流れる物語たちに声を与える試みである。
 ≪ここまで≫

 黒いキューブ数個(イスになったり机になったり)と数本の柱(ポール)だけのシンプルな空間。、1人の老女の回想の中で役者さんが何人もの人物を演じながら、戦中の日本の風景(息子を戦地に送る矛盾、疎開先での苦労、満州からの引き上げの悲劇など)を描きます。目の前で生きている役者さんに演じられることで、文字や記号としてではなく、感情と実感をともなった知識を得られた気がしました。

 でもあまりに普通な、というか、意外性のない作品だったので、なぜ今、外国人の演出家がわざわざ日本にやって来て、日本の役者さんを集めてワークショップからこの作品を作ったのか、よくわかりませんでした。

 また、果たして上演されたことが真実なのかどうか、すべてを信じることはできませんでした。軽い噂話のようにも感じられたんですよね。創作かもしれない、とか。ソヒさんと広田さんが降板された理由もそういうところじゃないのかしら。

 シンポジウムはポスト・パフォーマンス・トークみたいに始まるものだと思っていたんですが、主催者が別で、全く別個のイベントだったようです。参加せずに帰りました。

Theatre Sol:Tokyo Project(シアター・ソル:トウキョウプロジェクト)
出演=鯨エマ/田畑ゆかり(劇団民藝)/千葉亮平/前嶋のの/桝橋朋典(文学座)/山下夕佳(劇団一跡ニ跳)※出演予定だったパク・ソヒと広田豹は都合により降板。
作・演出=Cymbeline Buhler(シンベリン・ビューラー) 稽古場通訳・翻訳:家田淳 舞台監督:川崎耕平 照明=千田実(CHIDA OFFICE) 音響=高橋秀雄(Sound Cube) 舞台美術=中根聡子 サウンドデザイン=油井誠志 衣裳=久保薗美鈴 宣伝美術=前嶋のの 制作=山田規古(beyond) 演出助手=佐々木治己 芸術監督=和田喜夫(楽天団・日本演出者協会事務局長)
前売 3,500円 当日 3,800円
http://www.agora-summit.com/2007s/05j.html
http://www.geocities.jp/theatre_sol2007/


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Posted by shinobu at 2007年09月02日 21:18 | TrackBack (0)