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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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2007年10月07日

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)『インド・イラン・ウズベキスタン・日本 コラボレーション「演じる女たち」3部作 ギリシャ悲劇からの断章』10/06-08シアターコクーン

 ウズベキスタン、イラン、インドのカンパニーによる、ギリシア悲劇のオムニバスです。随分前にチラシを見つけた時から気になっていて、ぎりぎりまで迷った末、行ってきました。超刺激的、でした(笑)。
 上演時時間は約2時間45分(15分の休憩を含む)。舞台中央に字幕つき。

 ⇒CoRich舞台芸術!『演じる女たち

 ≪解説≫ 公式サイトより
 インド・イラン・ウズベキスタンの精鋭演出家3人がシアターコクーンに集結!ギリシャ悲劇のヒロインを通して現代を再構築する―。07年1月にインド・ニューデリーで初演。各国から注目を集める中、日本での公演が決定!
 ≪ここまで≫

■第1部「メディア」<ウズベキスタン> 演出:オブリヤクリ・コジャクリ
 僧侶のようなゆったりとした衣裳を着た俳優が、民族舞踊のような歌と踊りで語っていく「メディア」のストーリー。
 始まった時は芸術的な空気に「おぉ~♪」とちょっと驚いたのですが、3つの中では一番スタンダードな演劇だったように思います。それぐらい「先鋭」ぞろい。
 メディアの夫の新しい妻(クレオンの娘)役の男優さんの歌声が美しかった。

■第2部「イオカステ」<イラン> 演出:モハメド・アゲバティ
 スタイリッシュな『オイディプス王』の3人芝居(登場人物は2人)。現代口語演劇のようにさらりと話す演技です。
 記憶の断片が並んでいくような。男の胎内回帰願望と男女のセックスが重なるような(母イオカステと息子オイディプスが交わるので)。

■第3部「ヘレン」<インド> 演出:アビラシュ・ビライ
 あーもーキテレツ!濃すぎ!(笑) とても面白かったですが、めちゃくちゃ疲れました。
 ゼウスの娘で絶世の美女ヘレナを、“石油”に見立てたり(おそらく)。ヘレナの妹クリュタイメストラの息子オレステスが、ジェット機型のゲーム・コントローラーでへらへら遊びながら「大量破壊兵器がを所持している恐れがある国と戦う!」などと演説します。衣裳も音楽も強烈でした。ステージのまわりに生えていたのは、パンティ・ストッキングだったんですね(石油製)。


※「ヘレン」はヘレナだったりヘレネだったりします。
A Theatre Collaboration of India, Iran, Uzbekistan and Japan "Performing Women" 3 Reinterpretations from Greek Tragedy
≪インド(2007年1月)、東京(2007年10月)、韓国(2007年10月)≫
『メデイア』演出=オブリヤクリ・コジャクリ(ウズベキスタン)
『イオカステ』演出=モハメド・アゲバティ(イラン)
『ヘレネ』演出=アビラシュ・ピライ(インド)
美術=中山ダイスケ 照明デザイン=大石真一郎 音響デザイン=遠藤憲 インターリュード(幕間)・テキスト=ギータンジャリ・シュリー インターリュード作曲・ボーカル(演奏も)=国広和穀 インターリュード・ボーカル=柴田暦 主催=国際交流基金(ジャパンファウンデーション)/Bunkamura/朝日新聞社 作品企画・制作=国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
S席 6,500円/A席 5,000円/コクーンシート 3,500円 (全席指定・税込) Bunkamura チケットセンター <10:00~17:30>03-3477-9999
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_07_onna.html

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Posted by shinobu at 2007年10月07日 21:36 | TrackBack (0)