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2007年11月02日

山の手事情社『傾城反魂香(けいせいはんごんこう)』10/25-28赤坂RED/THEATER

 YAMANOTE NIPPON は山の手事情社の「傾城反魂香」「道成寺」「摂州合邦辻」の3本立て公演。「日本の女」がテーマです。
 「傾城反魂香」を拝見しました。満席だったんですが無事に補助席をゲット。

 ⇒STAGEWEBに安田雅弘さんのインタビューあり!
 ⇒CoRich舞台芸術!『傾城反魂香

 ルパム(山の手事情社のダンス)もかっこいいし、山の手事情社の役者さんならではの動き(四畳半)も安心して観ていられるし、衣裳も装置もスタイリッシュだし、超~満足でした。

 ここからネタバレします。

 江戸時代の絵師の話なんですね。絵師が松や虎の絵を描くのを「松」「虎」というゴシック体の文字をパネルに映写することで表現するのが面白かったです。宙にぶら下がったコピー機が動いたのも。
 絵師の狩野四郎二郎元信(山本芳郎)を一途に想い続ける傾城(=遊女)・遠山みや(倉品淳子)に、涙・涙・涙・・・・!

 元信の妻(久保村牧子)がみや(既に幽霊になっている)に夫を貸すのって、ものすごく太っ腹ですよね。でもかっこいいゼ。日本の今の婚姻制度(というか結婚についての考え方)、間違ってるんじゃないかなって思っちゃった(笑)。

 最後は劇場に秋の虫の鳴き声が響きました。「あぁ、次は私の大好きな『道成寺』が始まって、その次は新作(『摂州合邦辻』)が用意されてるのね~、このまま2日置きぐらいに赤坂に通って、山の手事情社の世界にどっぷりはまる1週間が過ごせたら、それはそれは幸せな秋になるはず・・・・♪」と、夢想している自分がいました。

 ・・・これは今までにない感覚でしたね。3本立て公演全体が私の中でストーリーになるなんて。山の手事情社という劇団の世界を味わえたからなのかもしれません。
 そういえば若い女優さんがきれいな足や胸元をあらわにして大胆に動いていて、なんか幸せだった(笑)。長く続いている劇団で若手が育っているな~と感じられたからだと思います。山の手事情社に、感謝。

YAMANOTE NIPPON (「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」10/25-28/「道成寺(どうじょうじ)」10/30-11/01/「摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)」11/03-06の3本連続公演)
出演=山本芳郎、山口笑美、鴫島隆文、倉品淳子、浦弘毅、斉木和洋、川村岳、植田麻里絵、久保村牧子、高橋智子、越谷真美、柿本亜紀、岩淵吉能、野々下孝、大浦孝明、名久井守、櫻井千恵、山田宏平、水寄真弓、大久保美智子、小栗永里子、三村聡
構成・演出=安田雅弘 原作=近松門左衛門 照明・美術=関口裕二(balance,inc.DESIGN)音響=斎見浩平 衣裳・ヘアメイク=ROCCA WORKS 舞台監督=本弘 宣伝美術=福島治
【発売日】2007/09/10 【早割】1演目3,000円、3演目セット券7,500円 【前売】1演目4,200円、2演目セット券7,500円、3演目セット券10,000円、若割3,000 【当日】4,800円 ※早割期間:2007年9月3日(月)~9月9日(日)
http://www.yamanote-j.org/

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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Posted by shinobu at 2007年11月02日 00:28 | TrackBack (0)