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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2008年01月07日

スロウライダー『手オノをもってあつまれ!』01/04-07 THEATER/TOPS

 山中隆次郎さんが作・演出・出演されるスロウライダーの初THEATER/TOPS進出作品。小劇場界の若手の中では、厚みのある演技を見せてくれる役者さんが揃っています。

 劇場に入るなり美術が衝撃的!照明、音響のセンスもすごくかっこ良くて、前のめりになって鑑賞しました。ストーリーは少々複雑でしたね。開演前に当日パンフレットの用語集をよく読んでおかれると良いと思います。上演時間は約2時間。

 ⇒映画芸術WEBの山中隆次郎インタビュー
 ⇒CoRich舞台芸術!『手オノをもってあつまれ!

 舞台は真四角・純白の、メタリックにテカテカと光る空間でした。いわば近未来SF映画に出てきそうな密室のイメージです(実際は密室ではないですが)。舞台奥一面に垂れ下がるラメ入りのすだれは、キラキラと不規則な動きを生み、いかがわしさやチープさも付加して、異世界の深みをさらに増していました。上下(かみしも)にある重そうなドアも動く度に味がありましたね。
 開幕の時、暗転してからパっと照明が点いた瞬間、白い空間が変貌します。これがめちゃくちゃかっこ良かった!

 虹ヶ丘団地という架空の街に暮らす人々の、すさんだ生活が少しずつ明かされていきます。その世界でしか通用しない言葉が当たり前のように使われるので、意味がわからないことから生まれる不安感がないわけではなかったですが、予想外の出来事に翻弄される登場人物たちと一緒に、自分も探り探り物語の中に入っていくわくわく感がありました。これまた“前のめり”ですよ。

 役者さん1人1人の存在感が粒だっているので、1対1の対話シーンではかなり楽しめたのですが、全体的にはパラパラと別個になっているように感じ、作品全体の大きなグルーブ感には至っていませんでしたね。だからなのか、上演時間も長く感じてしまい、もったいないと思いました。

 お話の顛末の面白さよりも、時間の経過と共に変貌していく空間とその過程自体をじっくり楽しめたことが良かったです。演劇ならではの体験ですよね。

 ここからネタバレします。後ほどアップ予定。予定です・・・。

出演:山中隆次郎、數間優一、日下部そう、金子岳憲、町田水城、山口奈緒子、松浦和香子、石川ユリコ、山田伊久磨、多門勝
作・演出:山中隆次郎 舞台美術=福田暢秀(F.A.T STUDIO) 照明=伊藤孝(ART CORE design) 照明操作=須賀谷沙木子 音響=中村嘉宏(atSound) 音響操作=小宮聖子 舞台監督=西廣奏 舞台監督補佐=シロサキユウジ 宣伝美術=土谷朋子(citron Wroks)・仲麻香 記録写真=西田航 記録映像=トリックスターフィルム WEB運営=栗栖義臣 当日運営=安元千恵 制作補佐=坂本明・三好映子 制作=三好佐智子 企画・製作=有限会社quinada(キナダ)
【発売日】2007/11/17 全席指定 未就学児童入場不可 前売2800円 当日3000円 リピーター割引 前売1800円(劇団予約のみ取扱い・半券提示)
http://www.slowrider.net/

※クレジットはわかる範囲で載せています。必ずしも正確な情報ではありません。
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Posted by shinobu at 2008年01月07日 00:43 | TrackBack (0)