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2008年03月16日

tpt『ある結婚の風景』03/05-17ベニサン・ピット

 『ある結婚の風景』は映画監督としても有名なイングマール・ベルイマンの作品です。もともとは1973年に放送された人気テレビシリーズだったそうです。

 イギリスのある1組の夫婦の波乱に満ちた数年間を描いていきます。夫婦(村岡希美/天宮良)とインタビュアー役(鬼頭典子)の3人芝居。演出は鈴木裕美さん。上演時間は約2時間45分(途中15分の休憩を含む)だったと思います。

 ⇒CoRich舞台芸術!『ある結婚の風景

 ≪あらすじ≫
 マリアンヌ(村岡希美)とヨハン(天宮良)は金持ちのインテリ同士で、非の打ち所の無い夫婦、のはずだった・・・。
 ≪ここまで≫

 西洋人らしい、饒舌なカップルの言葉の戦争が知的好奇心をくすぐります。超辛口な赤裸々トークって、日本人はあまりしないですよね。でも、夫婦(人間)のすれ違いは万国共通だなと思いました。無理やり抑えていたらいつか爆発しちゃうし、嘘は必ずバレるし。
 ほとんどがマリアンヌ(村岡希美)とヨハン(天宮良)のシーンなので、2人の俳優さんは大変だと思います。私が拝見した3/11(火)の時点では、まだまだ面白くなる余地があるような気がしました。

 ひし形の何も無いステージに家具を置いたり片付けたりして、次々に違う部屋へと場面転換していきます。まるで引越し屋さんが来たみたいにドンドコ家具が運ばれていくのが楽しいです。舞台奥に、片付けられた(出番を待っている)家具が置いてあるのも面白いですね。

 衣裳がおしゃれ!季節や身分(登場人物の状況)に合わせて変わっていくのも効果的です。特にマリアンヌの春服が個人的にはお気に入りでした。

 ここからネタバレします。

 ヨハンが浮気を告白し、突然家(別荘)を出て行ってから大波乱になります。幕が変わるごとに夫婦の立場が激変しているのが面白いです。
 子供のことを無視しててヤな両親だなと思ってたら、ちゃんと(?)子供がわがままに育ってて納得(笑)。

 結局2人は殴り合いのケンカの末に離婚しますが、違う相手と再婚してからも肉体関係は続けているという結末で、なんだかもう、うらやましいやらあきれるやら、どう反応していいのか困ったんですが(笑)、最後は別荘のベッドルームが岩に囲まれ、1組のカップルの話が地球に暮らす人類全体の話へと広がりました。素晴らしかったです。さすがは鈴木裕美さんの演出だと思いました。

出演:村岡希美/天宮良/鬼頭典子
作:イングマール・ベルイマン 台本:広田敦郎 演出:鈴木裕美 美術:中根聡子 衣裳:関けいこ 照明:笠原俊幸 音響:長野朋美 舞台監督:瀬川創 ヨガ指導:岡千絵 演出助手:大久保遼
全席指定6,000円 学生3,000円 ※TPTにて取り扱い
http://www.tpt.co.jp/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2008年03月16日 21:49 | TrackBack (0)