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2008年09月15日

ピチチ5『全身ちぎれ節』09/12-21三鷹市芸術文化センター 星のホール

 福原充則さんが作・演出されるピチチ5(クインテット)。MITAKA “Next” Selection に選抜されて星のホールに登場です。『全身ちぎれ節』っていうタイトルだけで、もう嬉しくなっちゃう。

 装置がすごかった・・・・(笑)。上演時間は約1時間30分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『全身ちぎれ節

 おおまかに言うと3本のオムニバス作品ですが、全体で1つにまとまっている印象もあり。初日の時点ではまだまだこれから伸びるんだろうな~という仕上がりでした。私はピチチ5および福原さんのコアなファンの部類に入ります。今までの作品と比べるとそういう感想になりますね。

 負け犬の中の負け犬が、こんなにかっこよく、愛らしく見えてしまう。
 体をはった大仕掛けはやはりライブならではの見どころで、「見世物ってコレだよね!」という初心に帰らせてくれます。

 ここからネタバレします。

■「国分寺のキース・リチャーズ」
 【出演】張本/植田裕一 高井/小村裕次郎 大黒/三浦竜一 丸川(バイト)/小林由梨 張本の妻リリー/中島美紀 リリーの息子/碓井清喜

 少年の頃、キース・リチャーズにギターをもらって(と思い込んで)ロックの道をひたむきにつっぱしり、売れないまま30代になった男(植田裕一)。今はロックがかかるバーを経営する。でも実はギター全然弾けない・・・。
 奥さんにも子供にも逃げられて、友達に金を無心するも断られて、バイトちゃんには馬鹿にされて。落雷でタイムスリップする(笑)メルヘンチックな展開も、心のささくれがさらに深くなる効果になって、じんと来る。

■「花巻のスカーフェイス」
 【出演】宮さん/三士幸敏 萩原/吉見匡雄 出版社社員/小村裕次郎 出版社社員/中島美紀 小説家たち/植田裕一 三浦竜一 碓井清喜 オマンサタバサ 小林由梨 ぼったくりバーのママ/千葉雅子 バーの店員(用心棒)/オマンサタバサ お祭りの女/中島美紀

 自称小説家(三士幸敏)の「才能ないけど売れたいの!」という開き直りが、「盗作しても売れたいの!」にまで飛躍するとは(笑)。
 「銀河鉄道の夜」のいいムードで列車が宇宙からやってきたかと思ったら・・・ねぶた!なんで!?(笑) 「(銀河鉄道よりも)あっちの祭りの方が楽しそうだしな」という締めにほんわか。
 クラムボンは・・・●ニス型○チャピン(笑)。凶暴だし名前も面白すぎる。

■「蒲田の行進曲」
 【出演】民子/千葉雅子 孝/オマンサタバサ 映画監督/小村裕次郎 幽霊/三浦竜一 幽霊の娘/小林由梨 アンサンブル/植田裕一 三士幸敏 碓井清喜

 下手の壁がせまってきて、いきなり千葉雅子さんのドア破り(笑)。それだけで心わしづかみ。
 オマンサタバサさんが階段落ちを本当にやるとは思いませんでした。舞台から客席にも落ちていて、ちょっとお体が心配です。空も飛んでくれたり、やっぱりサービス過剰気味(笑)。

MITAKA “Next” Selection 9th.
作・演出/福原充則 舞台監督/中西隆雄 掛樋亮太 演出部/高橋京子 照明/河上賢一(La Sens) 音響/高塩顕 大道具/泉真 小道具/笹野茂之 宣伝美術/岡屋出海 記録撮影/齋藤ジン グッズ制作/ピコピコ 演出助手/西尾美鈴 衣装協力/萩原未来 制作助手/今井由紀 だけいけいこ 制作/三村里奈 企画・製作/ピチチ5 主催/(財)三鷹市芸術文化振興財団
【発売日】2008/07/26 前売2500円 当日2800円 学生・大人(40歳以上)割引2000円(前売・当日とも) 高校生以下1000円(前売・当日とも)両割引とも、当日学生証もしくは年齢が確認できる証書をご持参ください。
http://www.ne.jp/asahi/de/do/pichi.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2008年09月15日 11:19 | TrackBack (0)