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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2008年10月12日

東宝『私生活~Private Lives~』10/03-31シアタークリエ

 内野聖陽さん、寺島しのぶさんらによる4人芝居。1930年代の戯曲なんですね。華やかなスターの競演を、休日の日比谷でのんびり楽しみました。上演時間は約2時間45分(途中20分の休憩を含む)。

 ※最近だと2006年に『プライベート・ライヴズ』というタイトルでパルコ劇場で上演されていますね。私は残念ながら観られず。

 ⇒CoRich舞台芸術!『私生活

 ≪あらすじ≫
 エリオット(内野聖陽)は年下の妻シビル(中嶋朋子)とフランスの避暑地・ドーヴィルに新婚旅行に出かけた。リゾート・ホテルの隣りの部屋にいたのはなんと、エリオットの前妻アマンダ(寺島しのぶ)。アマンダもまた新しい夫ビクター(橋本じゅん)との新婚旅行中だったのだ。
 ≪あらすじ≫

 酸いも甘いも知り尽くしたはずの大人の男女が、またもや恋愛に振り回されるコメディー。大ゲンカをしたかと思ったら、すぐに甘いキスを交わす愛らしい男女を見て、人の感情はほんの一瞬間で変化するものだな~と再確認。自分も上手に気持ちをコントロールしたいなと思いました。恋心を無くすなどは無理でも、なんとなくふさいだ気持ちを明るくすることはできるんじゃないかしら。

 衣裳が美しかった~・・・・着こなしも見事で、特に女優2人のドレス姿にはうっとりです。
 客席数600の大きな劇場ですが、舞台上に2人っきりのシーンでも全然広く感じませんでした。

 ここからネタバレします。

 エリオットとアマンダは出会った途端に愛を再燃させて逃亡。2人はアマンダが持つパリのアパルトマンにしけこみます。ホテルのバルコニーからシックな内装のアパルトマンへと装置が変わるのは、高価なお芝居ならではで嬉しい。

 エリオットとアマンダはケンカになるのを避けるために、「クリストファー・コロンブス(省略するとクリーブス)」という合言葉を言えば2分間沈黙するというルールを作ります。その休戦の間にコロっと気持が変わるのです。歌や音楽の効果も絶大(クリーブスを何度も繰り返すと効果がなくなってくるのですが・・・)。

 内野聖陽さんと寺島しのぶさんのデュエットは、お2人の個性があまりにはっきりと鮮やかなので溶け合わず(笑)、それはそれで非常に聴きごたえがありました。息が合っていても歌声は共鳴しない。これはエリオットとアマンダの関係とも重なるような・・・ってこじつけ過ぎかしら(笑)。

 アパルトマンで鉢合わせした4人は、コーヒーを飲んで当たり障りのない話をしようとしますが、結局は大ゲンカに。でもエリオットとアマンダではなく、ビクターとシビルがののしり合いを始めるのです。最後はエリオットとアマンダが部屋から抜け出し、ビクターとシビルが熱いキスをして終幕・・・なんてこった(笑)。そうなるだろうとは予想していましたが、実際に熱演(ケンカ&キス)するお2人を見て、じんわりと暖かい気持ちになりました。

 アマンダが終盤に着ていた白いスーツとファー付きコート(襟、袖、裾に毛皮が豪華に付いている)が素晴らしかったです。
 たぶんエリオットが30歳、シビラが23歳、ビクターが35歳だったかな。アマンダはそうなると28歳ぐらいかしら。

出演:内野聖陽 寺島しのぶ 中嶋朋子 橋本じゅん 中澤聖子(アマンダのアパルトマンの召使ルイーズ役)
脚本:ノエル・カワード 演出:ジョン・ケアード 翻訳:松岡和子 美術:二村周作 照明:中川隆一 音響:本間俊哉 衣裳:小峰リリー ヘアメイク :宮内宏明 ファイティング:渥美博 演出助手:鈴木ひがし 舞台監督:八須賀俊恵 通訳:鈴木なお 製作助手:竹岸実夏 プロデューサー:小林香 スーパーヴァイザー:田口豪孝
【発売日】2008/07/12 10,500円 ※未就学児の入場不可
http://www.tohostage.com/private/index.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2008年10月12日 17:27 | TrackBack (1)