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2009年05月19日

【写真レポート】Studio Life『LILIES(リリーズ)』記者発表05/19ウエストエンドスタジオ

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「LILIES」ポスター

 男優ばかりの劇団Studio Life(スタジオライフ)が、劇団の代表作の1つである『LILIES(リリーズ)』を再演します(⇒2003年版のレビュー)。

 『LILIES』はカナダの劇作家ミシェル・マルク・ブシャールさんの戯曲で、2002年に同劇団によって日本初演を迎えました。
 刑務所を舞台に繰り広げられる、濃密で悲しい愛のドラマです。男ばかりの劇中劇という構成は、劇団の特徴にもぴったり。初めてStudio Lifeをご覧になる方にもお勧めしたい作品です。

 FEU、SOURCE、TERREの3チームによるトリプルキャスト公演となります。主要登場人物の全てが異なるキャストですので、今まで以上にチームごとのカラーが変わってきそうですね。

 ●Studio Life『LILIES』⇒公演公式サイト
 東京公演:6/17~7/12@紀伊國屋ホール(30ステージ)
 神戸公演:7/18~7/19@新神戸オリエンタル劇場(3ステージ)

 ⇒CoRich舞台芸術!『LILIES

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 修道院で出会った3人の少年に起こった悲劇。
 封印されたシモンとヴァリエのロマンチックな物語。
 1952年、カナダ郊外の刑務所。囚人達の告解を聞くために訪れたビロドー老司教は突然、看守や囚人たちに監禁される。そして、彼の目の前で囚人シモンの計画による囚人達の手の込んだ芝居が始まる。そこには40年前の自分の姿があった。奔放な少年シモンと惹かれ合うヴァリエ。そんなふたりに嫉妬心を抱くビロドー。修道院で出会った少年達に何があったのか、封印された過去の悲劇がよみがえる。
 ≪ここまで≫

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曽世海児さん

 司会・曽世海児「『LILIES』の初演は2002年。本邦初演でもありました。完成度の高い脚本と、倉田の情熱的で繊細な演出が評判を呼び、翌2003年に早くも紀伊國屋ホールにて再演。当日券を求めて並んだお客様の人数は、紀伊國屋ホールの記録を塗り替えました。今回が6年ぶり、2度目の再演となります。」

 劇団代表・河村喜一朗「嘘の告白をさせられて40年以上も刑務所に入れられた囚人が、ある神父を呼び出すところから物語は始まります。そこで囚人たちは真実をもとめる劇中劇を上演するのです。嘘をつきながら生活をしている囚人たちの劇から、“人間は嘘をつかなければ生きていけない”という真実が見えてくる。しかしながら同時に人間は、嘘をついてもつききれない時があります。それは人を愛した時なのです。生き抜くために一番大切なものは愛情です。このお芝居が観客の皆様にとって、生き抜くための糧となれば幸いです。」

 【写真↓】上段左からカサノボー晃さん(客演)、重松収さん(客演)
 下段左から新納慎也さん(客演)、倉田淳さん(作・演出)、河内喜一朗さん(劇団代表)
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 倉田淳「『トーマの心臓』をご覧になったお客様に勧められて『ゆりの伝説』というビデオを観ました。刑務所という密室での劇中劇で(劇中にも劇があるため“劇中劇中劇”でもある)、とても緻密な構成で素晴らしい作品でした。原作を探したのですが、当時はインターネットも今ほど発達していなかったため、なかなか見つかりませんでした。ロンドンの“フレンチシアターブックショップ”という演劇書専門の書店に行って問い合わせたところ、ニューヨークとカナダの支店まで探してくださり、ようやく見つかったのです。長期間かかって手元に届いた時は、『やっと出会えた!』と嬉しさもひとしおでした。」

 倉田淳「嘘で充満している多重構造の戯曲ですので、セリフの言葉どおりに演じればいいというわけではありません。言葉の裏にいくつもの嘘が積み重なっているのです。それはメビウスの輪のように延々とねじれており、ある時、その中からフっと真実が浮上してくる。それはものすごい瞬間です。
 原作者のミシェル・マルク・ブシャール氏は、世間の規範からはみ出してしまった、はかなくか弱いものたちへの、慈しみの感情を美しく描いています。劇団員一同、とても大切にしている作品です。ぜひ劇場にお運びいただき、ご覧頂きたいと思います。」

 【写真↓】上段左から三上俊さん、青木隆敏さん、山本芳樹さん
 下段左から岩﨑大さん、松本慎也さん、村上幸平さん(客演)
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 シモンを演じる客演・新納慎也「『トーマの心臓』『OZ』に続いて、大好きなスタジオライフにまた出られて嬉しいです。僕は倉田さんの演出を受けたくて、スタジオライフに出演しています。倉田さんの前では絶対に嘘がつけない。今回も自分を裸にして、全てを倉田さんにおまかせして、この作品を素晴らしいものにしたいです。」

 ヴァリエを演じる客演・村上幸平「劇団の代表作に出演できることを光栄に思っています。『LILIES』はとても重たい作品だと思います。役者として、お客さんの心を壊すぐらいの意気込みでがんばりたい。」

 【写真↓】上段左から三上俊、青木隆敏、山本芳樹、カサノボー晃、重松収
 下段左から岩﨑大、松本慎也、村上幸平、新納慎也、倉田淳、河内喜一朗
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 ★写真中央のゆりの花のアレンジは、フラワーアーティストの東信(あずま・まこと)さんの作品です。先週末にちょうど東さんの個展を拝見したばかりだったので、とっても奇遇でした!

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Distortion×Flowersパンフレット

 「Distortion×Flowers」では、花と音をテーマにした写真作品とインスタレーションが見られます。『LILIES』のゆりのアレンジは豪華でありつつも清楚で穏やかな印象ですが、個展の作品は、電子機器と生花を融合させて、艶やかな色合いの中に狂気や死を匂わせるアグレッシブなものでした。

 ●東信エキシビジョン「Distortion×Flowers
  会場:GYRE 3F 「EYE OF GYRE」
  会期:2009年5/15(金)~6/7(日)午前11時~午後8時
  入場料:無料

出演:新納慎也 村上幸平 カサノボー晃 岩﨑大 山本芳樹 松本慎也 青木隆敏 三上俊 林勇輔 石飛幸治 奥田努 藤原啓児 重松収 河内喜一朗 船戸慎士 関戸博一 他
原作:ミシェル・マルク・ブシャール 上演台本・演出:倉田淳 美術:松野潤 照明:森田三郎 舞台監督:清水浩志(ニケステージワークス) 音響:竹下亮(OFFICE my on) 衣裳:竹原典子 ヘアメイク:角田和子 美術助手:渡辺景子 演出助手:平河夏 荒川真寿恵 宣伝美術:成田久 宣伝写真:河上輝明 宣伝スタイリスト:塩畑美由喜 題字:重松淳也 制作:稲田佳雄 揖斐圭子 大野純也 麻場優美 小山智子 若松美香 デスク:山﨑みれい 瀬津丸砂織 宣伝:ディップスプラネット プロデューサー:玉塚充 蓬田恵美子 企画・制作:スタジオライフ 東京公演主催:スタジオライフ 神戸公演主催:新神戸オリエンタル劇場
【東京公演】【発売日】2009/04/19≪S席≫<前売> 5,200円 / 一般<当日> 5,400円 ≪A席≫<前売> 4,700円 / 一般<当日> 4,900円 ≪ウィークデイマチネ公演≫<前売> 4,200円/一般<当日> 4,400円 (ウィークデイマチネ公演にはS席・A席の区別はありません 【神戸公演】【発売日】2009/05/02≪S席≫<前売> 6,000円 / <当日> 6,500円 ≪A席≫<前売> 4,000円 / <当日> 4,500円
http://www.studio-life.com/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年05月19日 21:43 | TrackBack (0)