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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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2009年07月07日

七里ガ浜オールスターズ『向日葵と夕凪』07/07-12ギャラリーLE DECO 4F

 七里ガ浜オールスターズは、エロメール添削家・赤ペン瀧川先生としての活躍も有名な(笑)、俳優の瀧川英次さんが演出・出演されるユニットです。3年ぶりの公演は、瀧川さんが以前所属されていた劇団P.E.C.T.で上演された短編4人芝居。上演時間は約1時間弱。

 缶ビールなどのワンドリンク付きで1500円という超オトク価格の初日に伺いました。本日七夕ということで、願い事を書く短冊をもらいました。劇場内の笹に飾っていただき、開演前からほっこり嬉しい気分。

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 ≪あらすじ≫
 元高校教師の岩沢(山本佳希)が経営する海辺のバー。教え子の新井(瀧川英次)が告別式の帰りに立ち寄った。2人の共通の知人だった美術の名物教師が亡くなったのだ。思い出話をする内に、同じく告別式帰りの女(松本美香)が店に来た。彼女も新井と同じく岩沢の教え子だった。
 ≪ここまで≫

 もともと鉄パイプが組まれているギャラリーに、シンプルな家具や小道具を配置して小さなバーの一角が出来ていました。波の効果音と上手からさす照明で、東京から離れた田舎の静かな海辺が想像できました。
 私は喪服の人が登場するお芝居は得意ではないのですが、過剰にしんみりしたり深刻になり過ぎなかったので、先入観に邪魔されることなく観られて良かったです。

 男2人、女2人の4人芝居で、男の人がどう感じるのかはわからないですが、私は「そうそう、男って絶対わかんないよね~」とか(笑)、すっかり女の目線で共感しつつ拝見。10年以上経てば人はすっかり変わります。でも本気で恋したり悩んだり、人生を変える事件を経験した時の感覚は、誰にも言えないけれど確かにその人の体と心に刻まれているんですよね。

 藤子(とうこ)役の山崎ルキノさんの飾らない、自然な存在感がとっても素敵。黒いワンピースもおしゃれで、セクシーでした。理伽子役の松本美香さんと昔のことを語り合うシーンでは、女優さん2人が互いの気持ちを受け取り、投げかけてコミュニケーションしているように感じ、秘密の会談に参加(覗き見?)させてもらっていることを嬉しく思いました。

 ここからネタバレします。

 藤子は16歳の時に、1年先輩だった新井との間にできた子供を堕胎しており、悩む藤子を助けたのが理伽子でした。でも理伽子も同じ年齢の時に、岩沢の子供を堕胎していて・・・。考えてみたら2人の人間の命が喪われていたんですよね。それは痛い。苦しい。
 ぐちゃぐちゃで、みっともなくて、でも自分は幸せだと自覚できたら、生きていけるなぁと思いました。

 「いっぺん死んでくる!」と言って理伽子を追いかける岩沢が可愛らしかったです。
 最後の最後に“偶然”に、藤子と新井がバーで再会できて良かった。

祝!3年振りの復活公演
出演:山本佳希 松本美香 山崎ルキノ(チェルフィッチュ) 瀧川英次
脚本:日々野克己 演出:瀧川英次 舞台監督:吉川悦子 音響プラン:アラキマヤ(reset-N) 音響操作:廣瀬瞬(犬と串) デザイン:ネズヲ 照明プラン:松本大介 照明操作:富所浩一 制作:七里ガ浜オールスターズスタッフサービス
【発売日】2009/06/01 前売 2000円 当日2300円 前半割引 1500円(7日、8日の前半3ステージ)リピーター割引 お一人様1500円(半券持参で2人様まで有効) 全チケットにビールorジュースの1ドリンク付き。
http://blog.livedoor.jp/age_guts_go/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年07月07日 22:53 | TrackBack (0)