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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2009年07月16日

カニクラ『73&88』07/15-19アトリエヘリコプター

 カニクラは女優の川田希さんと宝積有香さん2人のユニットです。公演ごとに脚本・演出家を迎えるプロデュース形式で、今回の作・演出は柴幸男さん(青年団演出部&ままごと)。客演は坂本爽さんと玉置玲央さん(柿喰う客)という男優2人で、女2人・男2人の4人芝居です。

 優しいお話でした。『73&88』は「セブンティースリー・アンド・エイティーエイト」と読みます。上演時間は1時間10分。

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 あらすじを書くとネタバレになるので省略します。

 アトリエヘリコプターをそのままに使った四角い空間で、普段のまま(のように見える)役者さんが、ただ語っていくことだけで見せる非常にシンプルな現代口語劇。実現していたかもしれないもう1つの人生を語っていくことで、地続きのファンタジーにスルリと連れて行ってもらえました。

 役者×観客、役者×役者、登場人物×登場人物など、会話の組み合わせは何通りもありますが、会話をするという意味では行われることは同じなんですよね。人と人が出会って語らう時間はそれだけで楽しいし、そんな瞬間が生まれたこと自体が奇跡なんだと思わせてくれました。

 4人の役者さんと空間の四隅を使った演出にはなるほどと思いましたが、美術が何もないのはちょっと寂しかったかも。俳優そのもので勝負する作品ということですね。4人ともビジュアル的に目に嬉しい方々ばかりで眼福。・・・あ、テレビドラマになったら素敵なお話かも。ほんのりビタースイート。見てみたい。

 ここからネタバレします。

 役者さんが「川田希です。東京に来て○年になります・・・」とご本人として語り始め、“もし東京に来てなかったら”こうなったかもしれない人生についての物語が始まります。

 ある時突然、全く知らない人と頭の中で会話ができるようになった2人×2組。声だけしか聴こえないはずのコミュニケーションを顔を見ながら取ったり、「ゴハンを食べますね」と言いながら食べてなかったり。柴さんらしい演劇的なトリックが面白いです。
 東京、北海道、大分という具体的な距離が、目の前にいる役者さん同士の距離として自在に縮まったり広がったりするのを見て、人間の脳の可能性を感じたりも。

 北海道で暮らす姉(宝積有香)と、家を飛び出した弟(玉置玲央)の電話での会話には疑問が残りました。家族に一方的に怒られるのがわかっていたから、弟は怖くて電話しなかったわけで。姉があんなに怒っちゃったら、弟はゴメンとか言わずに切っちゃうんじゃないかと思いました。まあ弟が大人になったってことなのかな。私なら怒らないです、弱虫なので(笑)。

 最後は4人で輪になってたわいない話をして、そして「さようなら」と言い合い、4方向にちりじりに去っていきます。ビッグバンみたい。
 当日パンフレットによると『73&88』は、アマチュア無線用語で通信の最後に使う「さようなら」という意味だそうです。そういえば仮タイトルは「テレパス」だったよな~。

カニクラvol.2
出演:川田希 宝積有香 坂本爽 玉置玲央(柿喰う客)
脚本・演出:柴幸男(青年団演出部) 舞台監督:寅川英司+鴉屋 照明:森友樹 宣伝デザイン:青井達也(Northem Graphics) 宣伝スチール:松田直巳 映像撮影:百束尚浩 当日運営:也田智哉 制作協力/ZuQnZ 協力:tsumiki promotion 企画制作:カニクラ アフタートークゲスト:行定勲 上田誠
【発売日】2009/05/30 2500円(前売り・当日共に)整理番号付き自由席。16日14時の回は平日マチネ割引で2000円でご覧いただけます。
http://ameblo.jp/canicula88

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2009年07月16日 09:53 | TrackBack (0)