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しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2010年11月20日

フェスティバル/トーキョー10『パブリック・ドメイン』10/30-11/28池袋西口公園

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チラシ

 『パブリック・ドメイン』はスペイン人のロジェ・ベルナットさんが構成・演出される観客参加型演劇です。フェスティバル/トーキョー主催演目(⇒記者発表)。上演時間は約1時間。

 池袋西口公園で毎週土日に上演されます。開演時間は15時。受付でチケットと引き換えにヘッドフォンを借りて参加!最後の方はちょっと寒くなりましたが、楽しかったー!数えてはいませんが、参加人数は毎回150人ぐらいのようです(公式サイトより)。その人数で一気に動くというだけでウキウキ。明日と来週の土日で終わっちゃいますので、気になった方はぜひご予約を!

 ⇒CoRich舞台芸術!『パブリック・ドメイン

 ヘッドフォンから聞こえる質問に、行動・動作で答えます。動作は簡単です。握りこぶしを上に上げる、スタッフに近づく、右に進む、4歩遠くに移動する、など。「~~と思いますか?」という質問に対して、賛成、反対、それ以外という風に、参加者が違う意見を行動で示していきます。私はそれだけでとっても楽しかった!異なる意見、考え、感覚を持つ人が目に見えてそこに居るんですから。

 お金について、家族について、アートについて・・・私はけっこう真面目に答えましたね。嘘ついてもたぶん面白くない気がするんです。他の皆さんも正直に答えているんじゃないかしら。真剣な顔つきの方が多かったように思います。賛成・反対の人数の差を見るのも面白いし!意見が違う人を見つけるとドキっとするし、考えられるし!

 偶然、知人が数名参加していました。その人たちのことが少しわかったような気がして(勝手な思い込みですが)、なんとなく嬉しい気持ちにもなりました。

【写真↓は開演前。ヘッドフォンを装着して待つ人々】
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 ここからネタバレします。

 「あなたの月収は20万円以上ですか?」「50万円以上ですか?」「20万円未満ですか?」そして「今の質問に嘘をついた人は~~してください」。
 「ボートに乗っていて見渡す限り湖という状態を経験したことがありますか?」という質問にYESの人がすっごく多くて驚きました。本当に?!
 「子供がいない生活の方が断然いいに決まってる」にYESの人が10人弱。中央に出てくる勇気もすごいなー。そっか勇気いらないのか。当然だから。
 「セックスが過大評価されていると思う人は、唇に指をあててください」という質問って、カップルで参加してる人にとってはどうだったんでしょうか。相手の顔を探したのかな(笑)。
 他にも「あなたは自分がマイノリティーだと思いますか?」「あなたはアーティストですか?」「自分には才能があると思いますか?」「文化は無料であるべきだと思いますか?」などなど。

 終盤では異なる色のベストを着て囚人、警官、赤十字の職員などに分かれ、にわかに演劇的に。演劇ワークショップはやっぱり楽しいです。
 最後はプロジェクターの映像が観られるところに移動。参加者全員の名前が出てきたのには感心しました。だから最初に名前を書かされたんですね。もちろんヘッドフォンの紛失を避けるためでもあり。

"Public Domain" Concept, Direction:Roger Berat
構成・演出:ロジェ・ベルナット 創作協力:アドリアナ・ベルトラン、アレイクス・ファウロ、アナ・ロカ、ソニア・エスピノサ、トニナ・フェレール、マリア・サルゲロ 翻訳(英語):マルティ・サレス 声優(英語):リチャード・マーシャル 選曲・編集:フアン・クリストバル・サアベドラ・ビアル 衣装:ドミニク・ベルナット、パルバラ・グレンツェル 技術監督・写真:チャロ・トロサ デジタル技術:アレクセイ・ヘックト 美術:マリ・クララ・ゴンサレス/制作:エレナ・フェブル Special Thanks: ビクトル・モリナ、ミア・エステベ 音楽:W.A.モーツァルト:「麿笛」(KV620)、A.P.ポロディン:「中央アジアの草原にて」、G.マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」 E.グリーク:「ペール・ギュント」第二組曲、ジョン・ウィリアムス:「宇宙戦争」、ロレ・イ・マヌエル:「Dime」 製作:ラ・メカニカ APAPVI、リウレ劇場、パラガ・センター、エレクトリカ・プロドクッショネス 協力:カタルーニャ自治州政府・文化普及自治機関-文化・広報部、欧州連合-文化教育部/2007-2013年度文化プログラム、文化省 INAEM
【東京公演スタッフ】翻訳:岸本佳子/声の出演:近藤強(青年団) テクニカルコーディネート:遠藤豊(ルフトツーク)/現場進行:河内崇/音響:堤田祐史(レイー)/映像オペレーション:筒井真佐人
【F/Tスタッフ】プログラム・ディレクター:相馬千秋 制作:クラウトハイム・ウルリケ、小野塚央 フロント:外山りき 【F/Tクルー】大沼梨紗、照沼静香、崔高恩、芝瀧二美、岩木万里、小黒七葉、榎本有希子、真砂恵美 
東京公演協力:インスティトゥート ラモン・ルル powered by: VoiceText 後援:スペイン大使館、セルバンテス文化センター東京 主催:フェスティパル/トーキョー
【休演日】平日【発売日】2010/09/05 一般 前売 2,000円(当日 +500円)、学生 2,000円、高校生以下 1,000円(前売・当日共通、要学生証提示)
http://www.festival-tokyo.jp/program/bernat/

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2010年11月20日 20:50 | TrackBack (0)