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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2010年12月08日

大人計画『母を逃がす』11/15-12/19本多劇場

 松尾スズキさん率いる大人計画の本公演です。『母を逃がす』はおよそ10年振りの再演とのこと。私は初見です。

 出てくる役者さんは強烈な個性のある方々ばかり。あまりに豪華キャストなので、劇団公演であることをしばらく忘れてました。松尾さんってやっぱり凄い人だな・・・と思った帰り道でした。上演時間はスペシャルな(?)カーテンコールを含めて約2時間30分弱。当日券は毎ステージ発売されます。

 ⇒CoRich舞台芸術!『母を逃がす

 ある隔離された集落内のお話。「そんなのありえないっしょ!?」という事件がどんどこ起こり、驚いたり笑ったりしてる内に、物語の設定をいつの間にか受け入れて、感情移入していました。ぶっ飛んだフィクションの中にぐっと入り込み、起こるはずのないことが本当に起きているように感じられてくるんです。物語を外から眺める冷めた目線や、設定から完全にはみ出したギャグなどを観客に提供しつつ、フィクションを本物のように成立させるって凄いと思います。戯曲本は読んでないのですが、説明的なセリフもすごく少ないんじゃないでしょうか。

 ただ、役者さんご自身のキャラクターを前面に出した演技は、私はあまり得意ではなく、中盤までは遠くから成り行きを眺めている状態でした。コミュニティーが崩壊し始めた頃から入り込めました。
 保険手続代行人役の近藤公園さんの、シラっとした存在感がとても良かったです。

 ここからネタバレします。

 上手の小屋がぐるぐる回転してびっくり。阿部サダヲさんと宮藤官九郎さんが白いタオルとグラスでよくわからない乾杯をしていたのに爆笑。

 神様(?・松尾スズキ)が妙な踊りをすると、見えないパワーで人が倒れます。笑っていいやら怖がっていいやら。舞台が白い点(映像?)で埋まっていった時は、背筋がぞくぞくしました。
 次男(阿部サダヲ)は母をクマギリから逃がそうとしたけれど、結局逃げられず。死んだはずのトビラ(田村たがめ)が生んだ赤ん坊もそこで育つことに。

≪東京、大阪≫
出演:阿部サダヲ 宮藤官九郎 池津祥子 顔田顔彦 宍戸美和公 宮崎吐夢 猫背椿 皆川猿時 村杉蝉之介 田村たがめ 荒川良々 近藤公園 平岩紙 少路勇介 松尾スズキ
脚本・演出:松尾スズキ 舞台監督/榎太郎 照明/佐藤啓 音響/藤田赤目 舞台美術/島次郎 音楽/伊藤ヨタロウ 衣裳/戸田京子 ヘアメイク/大和田一美 映像/上田大樹(&FICTION!) 演出助手/大堀光威 佐藤涼子 演出部/星野真紀 井上卓 井本洋平 照明オペレーター/石井宏之 永井笑莉子 音響オペレーター/水谷雄治 美術助手/角浜有香 衣裳助手/伊澤潤子 現場ヘアメイク/吉田真妃(APREA) チラシ写真/滝本淳助 宣伝写真/田中亜紀 宣伝美術/吉澤正美 スタイリスト/中井綾子 衣裳製作/金子通代 河村景子 特殊小道具/アトリエカオス 大道具製作/C-COM 小道具/高津装飾美術 制作助手/河端ナツキ 北條智子 赤堀あづさ 制作/長坂まき子 大阪公演主催/関西テレビ放送 サンライズプロモーション大阪 企画・製作/大人計画 (有)モチロン
【発売日】2010/09/26 全席指定/前売¥6,200/当日¥6,500 未就学児童のご入場はご遠慮下さい。
http://www9.big.or.jp/~otona/nexthahawo.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2010年12月08日 15:52 | TrackBack (0)