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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2010年01月30日

青年団リンク・二騎の会『F』01/29-02/07こまばアゴラ劇場

20100129_F.jpg
F

 青年団の端田新菜さんと多田淳之介さんの2人芝居は、胸きゅんでとっても切ないSFラブストーリーでした。

 上演時間は約1時間40分。恋人同士で観に行かれると良いのではないでしょうか。推奨年齢は中学生以上、大人なら何歳でもOKな気がします。

 2/3(水)夜は『F』Girl's ver.リーディング公演。女優2人芝居を多田さんが演出する別バージョンです。

 ⇒CoRich舞台芸術!『F
 レビューを加筆しました(2011/01/08)。

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより。(役者名)を追加。
 一人と一体。
 あなたのことを思えば思うほど、あなたが遠くなっていく。
 棄てられた世界で生きる女(端田新菜)とアンドロイド(多田淳之介)が、季節をたどる物語。
 ≪ここまで≫

 青年団リンク・二騎の会は宮森さつきさんの戯曲を多田淳之介さんが演出するユニットですが、今回は端田さんの依頼を受けて宮森さつきさんが2人芝居を書き、それを木崎友紀子さんが演出されています。共演者に多田さんを選んだのも端田さんだそうですので、つまり端田さんがプロデューサーなんですね。

 多田さんは東京デスロックの演出家であまり俳優として舞台には立ってらっしゃらないし(今年はこれ1本のみだそうです)、とても挑発的な作品を作っている方なので、ハンサムで優しいロボット役を演じていることにギャップを感じました。それが“萌え”(笑)。そして端田さんは『わが星』での演技が今も鮮烈で、そんな2人の甘酸っぱい恋愛ものですから、最初から何が起こっても、起こらなくても胸ときめくような状態でした。そんな演劇フリークな視点にずっと偏るのがいやになり、「目の前に居るのは今日初めて観る役者さんだ」と思うようにしたところ、するりと平常心に。やるじゃん私(笑)。

 静かな2人芝居にガツンとパワフルな選曲、そして残酷な印象の照明。舞台上で着替えたりブランコが揺れたり、不確定な動的要素が密室に躍動感を与えていました。
 端田さんの「いま、ここにいる」演技に引き込まれ、心があるのかないのか曖昧なラインで演じる多田さんのアルカイック(?)スマイルに魅せられ、絶対に心通わせられない2人の切ない関係にどっぷり。

 ここからネタバレします。

 富裕層と貧困層との間に越えられない格差が生まれた未来の日本。貧困層に属する女は、死に至る新薬の治験を受けることにする。女はその対価として大金を得て、人間そっくりの高性能ロボットを購入。常に献身的なロボットの決まり文句は「お前の利益になることをしたい」。次々と女の要望を学習し、人間らしくなっていくロボットに対して、女は恋心に似た気持ちを抱くようになるが・・・。

 ≪ポストパフォーマンストーク≫
 出演:端田新菜 多田淳之介

出演:端田新菜 多田淳之介
脚本:宮森さつき 演出:木崎友紀子 照明:岩城保 舞台美術アドバイザー:鈴木健介 演出助手:新井ひかる 宣伝美術:京 ちらし写真撮影:木崎友紀子 制作:服部悦子 木元太郎 芸術監督:平田オリザ
【休演日】2月2日(火)【発売日】2009/12/11 予約・当日共 一般:3,000円 学生・シニア(65歳以上):2,000円◎ペアチケット:5,000円(予約のみ)◎1月割引:2,500円(1月29日(金)―31日(日))○『F』Girl's ver.リーディング:1,000円
http://www.seinendan.org/jpn/infolinks/infolinks091211.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 20:28 | TrackBack

FUKAIPRODUCE羽衣『あのひとたちのリサイタル』01/30-31シアタートラム

 快快演劇ユニットG.comを経て、シアタートラム ネクスト・ジェネレーションvol.2の最後の団体になりました。FUKAIPRODUCE羽衣(フカイプロデュース・ハゴロモ)は糸井幸之介さんが脚本・演出・音楽・美術・振付などをトータルに手掛ける劇団です。プロデューサーは劇団所属女優の深井順子さん。

 上演時間は約2時間15分。立ち見も出て満席のシアタートラムを走る、踊る、まぐわう(笑)! 体ごとぎゅっと感動しちゃう歌も場面もありましたが、エロ度高すぎ&上演時間たっぷり過ぎで、私の中の何らかの臨界点を突破されちゃった心持ち(苦笑)。アップアップで疲労感も。

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 青を基調とした絵やオブジェが並ぶ舞台。ステージ床も糸井さんの絵画なんですね。天井の高いシアタートラム全体が1つのカオスだと感じ取れました。生きるパワー、体を動かすパワーが一直線に性欲とつながるのは納得ですし、私にとっては全身を揺すぶられるほどの感動ポイントになりうるのですが、露骨なエッチネタが割合的に大すぎました(←私にとっては、です)。

 人生の思い出の春夏秋冬。生バンドありの音楽ライブとしての楽しみも十分にありましたが、ん~、夏ぐらいでぎりぎり満腹だったかも。
 それにしてもこれを1日2ステージやるなんて、役者さんはタフですね~。毎回のこととはいえ、ちょっと心配になるぐらい踊って、歌って、叫んでらっしゃいました。

 ここからネタバレします。歌詞は当日配布の歌詞カードより。

 オープニングの暗闇は・・・賛否両論と言うより好き嫌いが激しく分かれるところだと思います。官能小説ってあんな感じなのかな・・・私は・・・歌になった時は感動しました。「世界平和!」「嬉しい!」って。そこが私にとっての盛り上がりの最高点になりました。

 糸井さんのライブペインティングと走り続ける男が現在進行形の時間を感じさせてくれてよかったです。
 「dandyism2010 平成二十二年の女」では一体何人登場!?ステージを埋め尽くす男女の群舞はそれだけで満腹以上。とても面白かったです。
 私の期待にこたえてくれた歌は「秋の新世界」。歌詞→“間違っても今夜だけは 人生の指標となるような 考え方決めつけちまわないように おちゃらけおちゃらけ☆”。

 鯉和鮎美さんはいつもながらキュートでセクシー。声が枯れかけてたのは残念。
 伊藤昌子さんの「勝手に死んだバッタ」がかっこ良かったです。

 思い出して加筆→「僕はきみの優しさにしか興味がない」ってその通りだと思う。人間は他人に優しくされることを無条件に期待している。

世田谷区芸術アワード“飛翔”2008受賞者公演
出演:藤一平/日髙啓介/鯉和鮎美/高橋義和/伊藤昌子(劇団阿佐ヶ谷南南京小僧)/キムユス/(散歩道楽)/召田実子/加藤靖久(AND ENDLESS)/石村みか/深井順子/糸井幸之介/その他大勢
[Band] Guitar MARUGAN/Bass 糸井邦幸(イコーズ)/Drums 岩瀬優童
突然出てくる人たち:大石丈太郎 石山優太 岩田浩 植木まなぶ(散歩道楽) 岡本陽介(開店花火) 加藤律(こゆび侍) 椎名茸ノ介(散歩道楽) 爺隠才蔵(箱庭円舞曲) 鈴木琢磨(to R mansion) 添野豪 武谷公雄 田村元 寺島八雲(演劇魅人ユメミドリ) 永田歩(エビビモpro.) 松本貴史 丸本祐二郎(to R mansion) 森久憲生 山森信太郎(髭亀鶴) 吉田拓郎 寺門敦子 上ノ空はなび(to R mansion) 大西玲子 大野綾 加藤野奈(劇団ミカヅキミナト) 河合美佳 河田唱子 斎田智恵子 志賀聖子 白木沙織 露木友子 鉄炮塚雅よ(散歩道楽) 仲由恵 野崎夏世(to R mansion) 野中さやか 日高ゆい 山田英美 坊薗初菜 國枝陽子(多少婦人)
プロデュース:深井順子 作・演出・音楽・美術・振付:糸井幸之介 振付(「オペラ座の夜」):長谷川寧(冨十山アネット) 舞台監督:渡辺了(株式会社ダイ・レクト) 照明:松本永(光円錐) 音響:樋口亜弓 井出"PON"三知夫(La Sens) 衣装:吉田健太郎(yu-GEN CRaFTS) 衣装製作協力:小野澤彩夏 美術協力:池田那緒美 木皮成 弓野亜希 石原敬 撮影:藤川智美 写真:田中流 宣伝美術:吉田健太郎 演出助手:井出智子 制作:坂田厚子 大石丈太郎 林弥生 主催:世田谷区/財団法人せたがや文化財団 後援:世田谷区
【発売日】2010/11/15 【全席指定】一般:2500円 おまけつき桟敷席:2500円(羽衣のみ取り扱い) TSSS(学生席):1250円(要事前登録) 劇場友の会会員:2000円 世田谷区民割引:2300円(劇場のみ取り扱い) 高校生以下:1250円(劇場のみ取り扱い) 3劇団セット券(枚数限定/劇場チケットセンター電話or店頭のみ取り扱い) 劇情チケットセンター 03-5432-1515
http://www.geocities.jp/hagoromo_hukai/
http://setagaya-pt.jp/theater_info/2010/01/fukaiproduce.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 19:45 | TrackBack