2010年07月11日
松竹・Bunkamura『コクーン歌舞伎「佐倉義民傳」』06/10-29シアターコクーン
コクーン歌舞伎の久しぶりの新作は、約160年前に初演された歌舞伎演目と、ラップ音楽が融合!上演時間は約3時間(休憩15分とカーテンコールを含む)。
素晴らしかったです・・・!歌舞伎俳優とラッパーが一緒に歌うことに大いに意味を持たせた脚本(鈴木哲也)・演出(串田和美)でした。数百年前と今と千年先がつながってることを、ラップで直訴!
映画「SRサイタマノラッパー」主演のお2人(駒木根隆介、水沢紳吾)が出演されているのにも感激。すごくいい映画ですので、まだご覧になってない方はぜひ。「SRサイタマノラッパー2」も上映中!
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⇒CoRich舞台芸術!『佐倉義民傳』
レビューはほぼ記録のみ。
≪あらすじ≫
(現在の)千葉県の佐倉。名主(なぬし)の宗吾(中村勘三郎)は年貢割増を取り下げてもらうべく、代官所に行って百姓らの窮状を訴えようとする。
≪ここまで≫
土の舞台。百姓らの生活のリアルを表しているようにも見えれば、土から育まれる生命の象徴にも見えて。
百姓たちがラップする度に涙ぐんでしまいました。
※東京公演の後に長野県松本の信州・まつもと大歌舞伎として上演されました。なんと市民参加型です!
ここからネタバレします。
宗吾の妻おさんと掘田上野介正信(お殿様)の2役を演じた中村扇雀さん。最初は2役だとはわかりませんでした・・・!
「走れ 宗吾 ひた走れ」
いとうせいこうさんのラップ歌詞のメッセージが胸に突き刺さります。
宗吾(中村勘三郎)が徳川四代将軍家綱(中村七之助)に訴状を出す場面のあまりの静けさ、美しさに、ハっと目が覚めるような心地になりました。
最後は『佐倉義民傳』を上演していた一座が登場し劇中劇の構造に。出演者が客席に向かって歌うラップに号泣。
渋谷・コクーン歌舞伎 第十一弾
出演:中村勘三郎、中村扇雀、中村橋之助、坂東彌十郎、中村七之助、片岡亀蔵、笹野高史、中村歌女之丞、中村京蔵、中村小三郎、澤村國久、中村山座衛門、中村勘之丞、井之上隆志、駒木根隆介、水沢紳吾、ほか
演出・美術:串田和美 脚本:鈴木哲也 照明:齋藤茂男 音楽:伊藤ヨタロウ 作調:田中傳左衛門 補曲:国広和毅 ラップ作詞:いとうせいこう 音楽制作:澤井宏始 音楽協力:斉藤トオル 音響:田中実 立師:諸鍛冶裕太 狂言作者:竹柴徳太朗 狂言作者:竹柴健 技術監督:センターライナソシエイツ 技術監督助手:多田友見 美術助手:長谷川康子 附打:山﨑徹 子役指導:山﨑由美子 舞台監督:藤森條次 頭取:川﨑和治 大道具:C-COM舞台装置(向井一裕 大島広子) 美術工房拓人(松本邦彦) リンペット(林正) 照明操作:シアタークリエイション(加藤学) 音響操作:コーストライン(野島秀成) 小道具:藤浪小道具(関慶人) 人形製作:プペ組 衣裳:松竹衣裳(株) 日本演劇衣裳(新井久美子) かつら:日本演劇かつら 床山:東京鴨治とこ山(川口知昭) 光峰床山(高橋敏夫) 特殊効果:(有)アトリエカオス(田中義彦) 制作:岡崎哲也 山根成之 橋本芳孝 伊東羊介 製作:松竹株式会社 主催:松竹株式会社/Bunkamura
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_10_kabuki.html
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/other/2010/06/post_45.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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ダックスープ『透明感のある人間』07/03-11ザ・スズナリ
ブルースカイさんが作・演出されるダックスープのプロデュース公演です。出演者もすべてダックスープに所属する役者さんなんですね。上演時間は約1時間40分。
ブルースカイさんの“ナンセンス”を久しぶりに堪能しました。池谷のぶえさんがかっこ良かった~っ!
⇒ケラさんのツイート
⇒徳永京子さんのツイート(1、2、3)
⇒CoRich舞台芸術!『透明感のある人間』
私には予想しえない方向にストーリーが進み、笑いのきっかけが突然ポン!とあらわれるので、驚きつつ笑わせていただきました。注意深く見る必要があるので(笑)、緊張感のある観劇になりましたね。ただ、私は一番前のベンチシートだったので、見逃した部分も多くて残念~。
ここからネタバレします。
町長(池谷のぶえ)はわがまま息子(黒田大輔)を甘やかすばかり。息子が通う探偵学校の先生(永井秀樹)の妻(藻田留理子)は、町長の執事(近藤フク)と不倫中。先生は昔、生徒(いせゆみこ)と浮気したことがあったので、妻にきつく言えない。
人気作家(渡辺道子)の夫(眼鏡太郎)は病に伏しており、弟(野間口徹)が兄の大家族を支えている。弟は町長の息子に雇われ、“犬のちから”という超能力(?)を使う際の助手になる。
池に飛び込んだ時に「ハトの写真集を出す」という啓示を受けた町長は、息子の撮ったハトの写真集を出そうと出版社に懇願。ついには出版社の社員のごとく下働きをはじめます。「でも自費出版っていう手があるんだよね…」。
舞台上で堂々と着替えて、登場人物が次々と出版社の社員になっていきます。社員になってすぐに元の役柄のことを話すので、出版社内とその外の世界とがわかりやすくつながっていました。ナンセンスとはいえ劇中の世界の骨組みがしっかりしていたのが良かったと思います。
DuckSoup produce 2010
出演:池谷のぶえ いせゆみこ 眼鏡太郎(ナイロン100℃) 黒田大輔(THE SHAMPOO HAT) 近藤フク(ペンギンプルペイルパイルズ) 堺沢隆史(猫☆魂) 永井秀樹(青年団) 野間口徹(親族代表) 藻田留理子 渡辺道子
脚本・演出:ブルースカイ 舞台監督:棚瀬巧(至福団) 舞台美術:秋山光洋 照明:佐藤啓 溝口由利子 音響:鏑木知宏+中村成志 衣裳:セオキョウコ(東京NewS) 宣伝美術:坂村健次、新飯田直子(C2デザイン) 舞台写真:引地信彦 演出助手:福永モモ 演出部協力:上端倫子、渡辺亜沙子 制作協力:東川圭子 制作:Little giants 企画・製作:(株)ダックスープ
【発売日】2010/05/29 前売り:3,800円 当日:4,000円(全席指定) ※未就学児入場不可
http://ducksoup.jp/toumeikan/toumeikan.html
※クレジットはわかる範囲で載せています。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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【出演者募集】王子小劇場地域発信プロジェクト「『ダミーサークル(作・演出:中屋敷法仁)』中高生出演者募集」※〆切7/25(日)24:00(メールのみ)
王子小劇場が「佐藤佐吉演劇祭2010」の一環として実施する地域発信プロジェクトのご案内です。北区在住、北区の学校に在学の中高生を募集しています。詳細はこちらでどうぞ。
作・演出に柿喰う客の中屋敷法仁さんを迎え、北区の中高生と創作活動を行うとのこと。7日間の稽古を経て5日間の本番があります。本番長いっ!いったい何ステージあるのでしょうか?これは贅沢です!
●王子小劇場地域発信プロジェクト『ダミーサークル』
稽古:8/16(月)-8/24(火)
本番:8/25(水)-8/29(日)
※8月9日顔合わせ予定
参加希望者はメールの件名を「ダミーサークル出演者募集」とし、「名前」「生年月日」「1000万円もらったら何をしたいか」を info-ohsho(アットマーク)proof.ocn.ne.jp まで送信。先着順に詳細の確認を行い、参加決定。
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