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REVIEW

2011年08月11日

ニッポンの河川『大きなものを破壊命令』08/10-14こまばアゴラ劇場

 矢内原美邦さんがフェスティバルディレクターをつとめるこまばアゴラ劇場の「サマーフェスティバル〈汎-PAN-〉」参加作品です。

 ニッポンの河川は福原充則さんが脚本・演出を手がけ、出演者は女性のみ。照明と音響のオペレーションをしながら演技をします。女性4人がみっちり、がっぷり四つに組んで闘う約1時間。熱いし密度も高いので、短時間でちょうど気持ちよかったですね(笑)。あー馬鹿馬鹿しい!あー面白い!

 ⇒CoRich舞台芸術!『大きなものを破壊命令

 ≪あらすじ≫
 “首しめジャック”なる連続殺人犯が毎晩徘徊し、恐怖につつまれる町。少年(佐藤真弓)はジャックを倒そうと決心する。
 ≪ここまで≫

 客席が四方を囲む小さな演技スペースで、4人の女優さんが動き回ります。密着感があって臨場感ももちろん高いです。床に設置された丸い形状のスイッチを踏んで、照明を点灯・消灯します。色んな色の照明がつり下がっていますので、何人かで連携して、あわてて(笑)瞬時に照明を変化させるアナログさが魅力。音響は…観てのお楽しみということで。

 一体なぜあんなストーリーだったのかな~(笑)。次から次に出てくるキャラが濃いし変だし。でもパキっと演じ分けてやりきる女優さんが素敵です。男前!

 ここからネタバレします。

 全員が左手に携帯カセットプレイヤーを持っており、演技をしながらスイッチを押して音を出します。音を変える時は、中に入っているカセットテープもケースを投げ捨てて、服のポケットから新たなテープを取り出して入れ替えます。その時に新たに出したケースも捨てるんです。だから床にはテープとケースがどんどん増えていきます。それを足で踏んで演技します。ワイルド(笑)。

 首しめジャックと平行して全く関係なさそうなお話が進行します。ラバウルの森で軍隊から脱走した兵士四姉妹。ちょっとした罪悪感を糧に生きている長女(光瀬指絵)は、敵軍に抱かれようと(罪悪感を得るため)突進していきます。しかしそこに現れたのは鳥(ハト?)だった。敵がハトだったって…わけがわかりません(笑)。でも面白いからイイ!

 劇場の隅に吊り下げられた自転車は、福原さんらしいなぁと思いました(福原さんの舞台にはよく自転車が使われます)。でも照明器具が取り付けられたタイヤを回転させて、動く明かりになるとは!手動へのこだわりが凄い(笑)。最後の見せ場としても華やかでした。アングラ演劇へのリスペクトかしら。

第四回公演
サマーフェスティバル〈汎-PAN-〉フェスティバルディレクター:矢内原美邦
出演・音響・照明:森谷ふみ 光瀬指絵 寺西麻利子(セキララ) 佐藤真弓(猫のホテル)
脚本・演出:福原充則 当日運営:三村里奈 岩崎有起恵 長谷川和恵 改造:碓井清喜 宣伝美術:光瀬善治 主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 企画制作:ニッポンの河川・(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場 技術協力:鈴木健介(アゴラ企画) 制作協力:木元太郎(アゴラ企画)
☆終演後、アフタートークあり
11日(木)19:30の回 喜安浩平 ( ナイロン100℃ / ブルドッキングヘッドロック )
12日(金)19:30の回 汎フェスティバルディレクター・矢内原美邦 ( ニブロール / ミクニヤナイハラプロジェクト )
をお迎えして、劇団員とのアフタートークを行います(その回のお客様のみ/無料)
【チケット料金】前売 2200円 当日 2300円
http://jriver.exblog.jp/i3/
http://www.komaba-agora.com/sf_pan/2011/nipponnokasen/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2011年08月11日 17:52 | TrackBack (0)