REVIEW INTRODUCTION SCHEDULE  
Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
mail
REVIEW

2012年07月17日

華のん企画『子供のためのシェイクスピア「リチャード三世」』07/15-21あうるすぽっと

 マチネの『ヘンリー六世 Ⅲ(第三部)』に続き、ソワレの『リチャード三世』(再演)を拝見しました。関連レビュー⇒ 上演時間は約2時間10分(途中休憩15分を含む)。

 初演より面白かったのはなぜなのかな~と考えたんですが、やっぱり『ヘンリー六世 Ⅲ(第三部)』と連続で、時系列に観られたからだと思います。何度も観てるはずなのに内容をすっかり忘れてるような、記憶力の弱い残念な観客だからかもしれませんが…(汗)。

 全国12か所をめぐる夏休みのツアー公演ですが、2作品を同じ会場で観られるのは東京と大阪だけです。ご興味わいたらお早めにご予約を♪

 ⇒おけぴ「12/07/05 華のん企画『ヘンリー六世 Ⅲ』稽古場レポ
 ⇒CoRich舞台芸術!『子供のためのシェイクスピア「ヘンリー六世 Ⅲ」「リチャード三世」

 ≪あらすじ≫ 公式サイトより
 15世紀、イングランドの王座はランカスター家とヨーク家によって争われていた。
 『ヘンリー六世』第三部で描かれる王権争いの終結、
 しかしそれは『リチャード三世』へと続く惨劇の序章でもあった・・・
 ≪ここまで≫

 開演前の歌い手は伊沢磨紀さん。曲目はスガシカオ『黒いシミ』でした。

 『ヘンリー六世 Ⅲ』と同様の演出・演技スタイルですが、群像劇だった『ヘンリー…』と違い、『リチャード三世』はタイトルロール(山崎清介)が中心になっていました。だから連続ものとはいえ、受け取った印象はかなり違いました。原作がそうなのもあるでしょうね。『ヘンリー…』で張られていた伏線が回収されるのが気持ちいいです。きっと逆の順番で観ても面白いと思います。
 
 2作通じて全体的に、照明が地味すぎるんじゃないかな~という気はしました。もっと色づけしたり、あおったりする効果を使ってもいいんじゃないかしら、とか。

 ここからネタバレします。

 『リチャード三世』の冒頭で『ヘンリー六世 Ⅲ』の一部を繰り返して見せて、前編を説明する演出でした。わかりやすくていいと思います。※7月15日は、代役の長本批呂士さんと山崎さんが同じ場面を演じることになったので、2人のリチャードを見比べられてお得でした♪
 特に『ヘンリー…』で大活躍だった“ガミガミ女”のマーガレット(伊沢磨紀)は、『リチャード…』で突然登場すると、“魔女のような不可思議な登場人物”になってしまいかねないんですよね(今までの観劇経験上)。「ヨーク家の宿敵だったヘンリー六世の妻」だとわかって観ると、全然違います(物語を憶えている観客には必要ないかもしれませんが)。マーガレットが拡声器を通して呪いの言葉を発するのがすごく良かった(笑)。

 『ヘンリー六世 Ⅲ』でヘンリー六世(若松力)が「リッチモンド(伊沢磨紀)が王になる」と予言していたり、ヨーク家の長男エドワード王(佐藤誓)の病死が暗示されていたり、続編だから楽しめる仕掛けもいっぱい。主要登場人物を同じ役者さんが演じているのもいいですね。もちろん、複数役演じるゆえの楽しみもあります。リチャードの母親であるヨーク侯爵夫人を男性の佐藤誓さんが演じたのは破壊力抜群でした(笑)。

 リチャードは最後にリッチモンド(伊沢磨紀)に破れます。勝利をおさめたリッチモンドは、リチャードの左手(シェイクスピア人形)をもぎ取って右わきに抱えました。ばら戦争が終わってテューダー朝になっても、まだ争いは続くという意味ですよね。しゃべる人形の持ち主が変わるアイデアが面白いです。

 死者は舞台上に横たわり、2人の人物(たぶん黒コートの人々)が死者の両手を引っ張って、その体を床に引きずりながら袖にはけます。リチャードに殺される人数が多いから、死者を引きずる場面も多いんですよね。最後に舞台上部に光った多数の小さな照明は、星空を表現していたと思うのですが、その星々が死者の数のように思えました。

 あと、これは1ファンの勝手なつぶやきですが、イエローヘルメッツが出てこなかったですよね?悲しい!

王座をめぐる復讐の輪廻の物語、二作交互上演!
≪東京、神奈川、茨城、静岡、福島、大阪、愛知、滋賀、長野、愛知、福岡、三重≫
出演:伊沢磨紀(マーガレット/ヘースティングス/リッチモンド) 佐藤誓(エドワード/ヨーク侯爵夫人/司教) 山口雅義(ジョージ/スタンリー) 戸谷昌弘(ケーツビー/王子・兄) 若松力(ヘンリ―六世/バッキンガム)  大内めぐみ(エリザベス) 谷畑聡(グレー/ブラッケンベリー) チョウヨンホ(リヴァーズ/ティレル) 佐藤真希(皇太子/アン/ヨーク[王子・弟]) 山崎清介(リチャード/人形[左手])
原作=ウィリアム・シェイクスピア≪小田島雄志翻訳による≫ 脚本・演出:山崎清介 照明:山口暁 音響:角張正雄 衣裳:三大寺志保美 演出補:小笠原響 舞台監督:井上卓 プロデューサー:峰岸直子 企画製作:華のん企画 主催:華のん企画 稽古場アンダースタディー:長本批呂士
【発売日】2012/05/14 大人 5,000円 子ども(中学生以下) 3,000円 親子ペア(大人1+子ども1)6,800円※ 2公演通し券(『ヘンリー六世』1+『リチャード三世』1)8,500円※ ※華のん企画のみ取り扱い 当日学生割引(要学生証)4,200円
http://www.canonkikaku.com/information/shakespeare.html

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

★“しのぶの演劇レビュー”TOPページはこちらです。
 便利な無料メルマガも発行しております。

メルマガ登録・解除 ID: 0000134861
今、面白い演劇はコレ!年200本観劇人のお薦め舞台
   
バックナンバー powered by まぐまぐトップページへ
Posted by shinobu at 2012年07月17日 11:37 | TrackBack (0)