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Shinobu's theatre review
しのぶの演劇レビュー
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REVIEW

2013年07月29日

東京芸術劇場『ストリッパー物語』07/10-28東京芸術劇場シアターイースト

 つかこうへいさんの戯曲をポツドールの三浦大輔さんが構成・演出されます。つかこうへい節をケレンでなく自然な演技でたっぷり聴かせてくださいました。「これを待ってました!」という気持ち♪

 娯楽作としても面白くて、大いに泣き笑いさせていただきました。俳優が素晴らしかったです。上演時間は休憩10分込みで2時間40分と長い目ですが、必要な時間だったと思います。

  宮城、北九州、滋賀公演あり!

 ⇒朝日新聞劇評「つか戯曲 熱気排して淡々と」(徳永京子)
 ⇒CoRich舞台芸術!『ストリッパー物語
 レビューは記録程度です。

 大音量の音楽で気分は高揚、ストリップ劇場という設定を生かした演出も愉快。ストリップ小屋のステージが張り出しているのがとても良かったです。こんな近くで観られるなんて、本当に贅沢。 

 ここからネタバレします。

 ストーブの明かりのもとでリリー・フランキーさんが“セックス・イリュージョン”を一人語りするのが、たまらなく可笑しい!
 選曲がいいですね。「ケ・セラ・セラ」とか。♪私は将来可愛くなるかしら、それともお金持ち? なるようになるわ♪

 乱暴な男性客が、せり出したステージの周囲のイスに4人も座っていたのは衝撃的でした。明美(渡辺真起子)がお腹の大きい若いストリッパーみどり(安藤聖)をかばって、自分が代わりにステージに立つ場面です。ポツドールらしい、性と暴力の生々しさ。

 最後に、梅毒で脳もやられてしまって入院中の明美の前に、アメリカでバレリーナとして成功した美智子(門脇麦)が戻ってくるのは、お涙ちょうだいのメロドラマ的展開とも受け取れます。しかし、美しい美智子に対して(嬉しそうに)手を伸ばした明美は、きつい調子で「順番だよ!」と叫びます。それで終幕。明美はもう美智子のことを認識できなくて、自分を買ってくれる男性客だと思い込んでいたんですね。安易なハッピーエンドにはせず、登場人物と観客を楽な気持ちにさせないのがイイ!

東京芸術劇場Roots Vol.1
≪東京、宮城、福岡、滋賀≫
出演:リリー・フランキー(シゲ)、渡辺真起子(明美)、でんでん(座長)、渋川清彦(まこと)、安藤聖(みどり)、古澤裕介(雄)、新田めぐみ(咲子)、米村亮太朗(正輝)、門脇麦(美智子)
脚本:つかこうへい 構成・演出:三浦大輔 美術:田中敏恵 照明:宮野和夫 音響:中村嘉宏 映像:冨田中理 衣裳:原まさみ ヘアメイク:鎌田直樹 振付:牧瀬茜 青木美保 演出助手:西祐子 舞台監督:筒井昭善 選曲:米村亮太朗 制作:中山静子 宣伝美術・パンフレットデザイン:永瀬祐一 撮影:西村淳
【発売日】2013/05/23 全席指定 一般5,500円、高校生割引1,000円、25歳以下 3,500円、65歳以上4,000円
※高校生割引、25歳以下、65歳以上は枚数限定・前売のみ。(要証明書)
※障害をお持ちの方10%割引にてご観劇いただけます。前売のみ、一般発売より取扱い。お付添いの方は1名様まで無料となります。(チケットお引取りの際に、障害者手帳をご提示ください。)
※本公演はお座席の選択はできません。
http://www.geigeki.jp/performance/theater023/
Roots vol.1『ストリッパー物語』関連企画 事前レクチャー:http://www.geigeki.jp/performance/event035/

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2013年07月29日 15:11 | TrackBack (0)