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しのぶの演劇レビュー
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2013年08月13日

水素74%『謎の球体X』08/10-19こまばアゴラ劇場

 田川啓介さんが作・演出される水素74%は、第一回公演が三鷹市芸術文化センターのMITAKA NEXT SELECTION 12thに採り上げらたこともあり、名前はよく目にしていました。青年団から輩出されたんですよね。ようやく初見。『謎の球体X』は再演ですが脚本は改訂されているようです。

 ある夫婦が暮らす家の居間を舞台にした現代口語の静かな演劇のようでありながら、実は、現実には起こらなさそうな会話ばかりのファンタジー。悪者ばかり出て来て空気が黒々としてました。上演時間は約1時間55分。

 ⇒CoRich舞台芸術!『謎の球体X

 自然に見せかける演技には、私は惹かれないんですよね。役者さん1人ひとりのテクニックが観たいわけじゃなくて、その場で、人と人の間に生まれるものが観たいと思っています。好みの問題ですが。

 ここからネタバレします。

 自分の弱さに開き直って紋切り型の悪態をつく人々。誰かが去ると、その人の悪口大会が始まるのは、ポツドール作品によくあります。あれがハイパーリアルだとすると、このお芝居では本人に対して面と向かって堂々と悪口を言い放つので、リアルっぽいフィクションなんですよね。

 得体の知れない生き物が客席から生まれ出てきて、生きる意味を他者に求めます。…だらしないなぁ(笑)。芯があったのは“キチガイ”の妻だけでしょうか。彼女は自分の意志で動いていたし、結果(5万円盗られたり)に責任を取ってたように思います。

vol.5
出演:川隅奈保子(青年団)、兵藤公美(青年団)、古屋隆太(青年団/サンプル)、折原アキラ(青年団)、富田真喜(青年団)、八木光太郎
【脚本・演出】田川啓介 【舞台監督】大地洋一【舞台美術】角田千穂【照明】板谷悠希子(blance,inc.DESIGN)【音響】池田野歩【衣裳】正金彩(青年団)【制作】堤佳奈(青年団)
【休演日】8月12日(月)【発売日】2013/07/06(日時指定・全席自由・整理番号付)《予約》一般2,500円 シニア・ユース2,000円《当日》一般2,800円 シニア・ユース2,300円
◆(8月10日、11日)=早期観劇割引《予約》一般2,000円 シニア・ユース1,500円《当日》一般2,300円 シニア・ユース1,800円
【アフタートーク開催決定!】14日(水)19:30 松井周氏(サンプル主宰)/15日(木)19:30 平田オリザ氏/16日(金)19:30 村田沙耶香氏(小説家)/18日(日)14:00 山崎健太氏(演劇研究・批評)
http://www.hydrogen74.com

※クレジットはわかる範囲で載せています。順不同。正確な情報は公式サイト等でご確認ください。
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Posted by shinobu at 2013年08月13日 23:26 | TrackBack (0)